インバウンド需要に伴い、許可取得したいという方が増えている「一般貸切旅客自動車運送業許可=貸切バス許可」について運送業専門のプロ事務所が解説しております。
貸切バス許可取得の方はぜひご覧ください。まずは一般貸切旅客自動車運送事業とは何かについてのお話です。
一般貸切旅客自動車運送事業(貸切バス事業)とは?
「一般貸切旅客自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で自動車を使用して旅客を運送する事業のうち、一個の契約により国土交通省令で定める乗車定員11人以上の自動車を貸し切って旅客を運送するバス事業のことで、「貸切バス事業」とも言われます。
ポイント
簡単にいうと「乗車定員11人以上のバスを貸し切って、人を輸送してお金をもら事業」が一般貸切旅客自動車運送事業に当たります。
乗合バスやタクシー以外の旅客自動車運送事業であり、一般的には観光や冠婚葬祭などに利用されています。
具体的には、旅行会社の団体旅行、会社や町内会の小旅行、スクールバス等の契約輸送などが貸切バス事業にあたります。
名古屋駅西口などにツアー客が集まって、名古屋駅から東京ディズニーランドなどに行くバスなどを思い浮かべていただくとイメージが湧きやすいでしょう。
最近、当事務所によくご依頼いただくのは、中国人ツアー客をセントレア空港から乗せて、各観光地をまわる貸切バス事業をおこなうため、一般貸切旅客自動車運送事業許可を取得するという方です。
まさに、時流に乗ったビジネスと言えますね。
一般貸切旅客自動車運送事業と道路運送法の関係
道路上で旅客の輸送をする行為は「道路運送法」により規定されています。利用者から運賃をもらい、バスやトラックなどに乗せて運行を行うことは、道路運送法第3条の「旅客自動車運送事業」にあたり、国土交通大臣の許可が必要となります。
許可を受けた車両は、事業用自動車と呼ばれ、ナンバープレートは緑色(いわゆる緑ナンバー)となります。
ポイント
シフトアップは貸切バス許可更新申請対応済みです!
対応済み地域:愛知県、岐阜県、三重県、徳島県、秋田県
一般貸切旅客自動車運送事業許可申請とはなにか?
バス事業には「一般貸切旅客自動車運送事業許可」と「一般乗合旅客自動車運送事業許可」の2種類があります。
- 一般貸切旅客自動車運送事業・・・旅行会社から依頼されたバス業者様がお客様を輸送する事業で「高速ツアーバス」などのことです
- 一般乗合旅客自動車運送事業・・・不特定多数のお客様を有償で輸送する事業で「路線バス」や「高速バス」などのことです
※お急ぎの方は代表直通 080-3687-6848 までお掛けください。
一般貸切旅客自動車運送事業(貸切バス許可)申請の流れ詳細
①貸切バス許可申請書の届出
貸切バス許可申請書を作成して、営業所を管轄する地方運輸支局の旅客担当(地域により名称が異なります)へ提出します。
②審査基準に基づく審査
法令や通達で定められた審査基準に従い、地方運輸支局と運輸局が申請書類に不備がないか審査します。審査の標準処理期間は3カ月~4カ月と決められています。
③役員法令試験の実施
申請からおよそ2ヶ月後に法令試験が行われます。法令試験の受験者は個人事業主の場合は事業主、法人の場合は代表取締役となります。
④貸切バス許可許可取得の通知と立ち入り審査
法令試験に合格し、貸切バス許可が取得できたら営業所管轄の運輸支局から申請者へ連絡が入ります。その後、運輸支局の担当官が、申請書に記載した貸切バス事業の事務所と駐車場へ立ち入り審査に来ます。
⑤登録免許税の納付
許可取得の通知と同時に申請者様の元へ「登録免許税12万円の納付書」が届きます。コンビニでは納められないので銀行で納付します。
⑥許可証の交付式
貸切バス可書の交付式が管轄の運輸支局にて行われます。日程は1週間ほど前に運輸支局から連絡されます。個人事業主の場合は事業主、法人の場合は役員が出席する必要があります。
⑦運行管理者と整備管理者選任届の提出
交付式の日に運行管理者と整備管理者の「選任届」という書類を運輸支局に提出します。
⑧連絡書の交付
交付式が終わると「事業用自動車等連絡書」という書類が運輸局より渡されます。これは、普通自動車でいう車庫証明に当たります。従って緑ナンバー取得時には、別途車庫証明を取る必用はありません。
⑨緑ナンバー取得
貸切バス事業に使用予定として申請書に記載した車両を事業用ナンバー、俗に言う「緑ナンバー」に変更し、新車検証を取得します。
⑩運輸開始届等の提出
新車検証の写し、社会保険・労働保険加入証明書の写し、運輸開始届、運賃料金設定届等を提出します。弊社シフトアップへご依頼頂いたお客様の場合、これらの書類は全て弊社が提出しますのでご安心ください。
⑪運輸開始!!
上記まで全て終了して晴れて貸切バス事業のスタートです!
⑫巡回指導
貸切バス事業を開始してから3ヵ月~6ヶ月月後を目安に「適正化事業実施委員会」による巡回指導が行われます。日程は1ヶ月ほど前に申請者様へ書面で通知されます。
巡回指導は、A~Eの5段階で評価され、DまたはEの場合は行政処分の対象となります。帳票類、特に点呼簿と日報を重点的に見られますので、日々の業務をしっかり行いましょう。
弊社シフトアップでは、巡回指導の立会いも承っておりますのでご安心ください。
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貸切バス許可の要件をざっくり解説
貸切バス許可取得の要件はざっくり以下のようになります。
人の要件
- 申請者=個人事業主の場合は事業主、法人の場合は法人の役員全員が、禁固刑以上の刑を受けている、または刑の執行が終わってから2年を経過していることなど。
- 安全統括管理者1名以上、運行管理社2名以上、整備管理者1名以上を確保できていること。
- 個人の場合は事業主、法人の場合は代表取締役が法令試験に合格すること
など。
資金の要件
貸切バス事業を開始するのに当面必用な資金を確保できていること。
具体的には
- 役員報酬の2カ月分
- 従業員の給与手当の2ヶ月分
- バスをリースで購入する場合は月額リース料の6カ月分
- バスの自動車税、重量税、取得税、自賠責保険料などの1年分
- 事務所・休憩室、駐車場の購入費または賃料の6ヶ月分
など。
事務所および休憩室・睡眠施設と駐車場の要件
- 貸切バス事業に使用する事務所および休憩室・睡眠施設と車庫が都市計画法、建築基準法、農地法んど関係諸法令に違反していないこと
- 適切な使用権限があることを証明できること
など。
車両の条件
- 小型車および中型車のみ使用する場合は、事業に使用するバスを3台以上確保または確保予定であること
- 大型車を1台でも使用する場合は、事業に使用するバスを5台以上確保または確保予定であること
- 適切な使用権限のあることを証明できる車検証、売買契約書やリース契約書などが提出できること
など。
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貸切バス許可取得で実際にあった事例の紹介
免税点を営む法人様よりアジア圏のツアー客を乗せるためにバス事業許可を取得したいとご依頼を受けました。
今回の案件は、ツアー客が対象なので「一般貸切旅客自動車運送事業許可」の取得になります。
事務所と駐車場
現存する免税店の2階部分を事務所、駐車場も同じ敷地内の駐車場を利用したいとのご意向でした。敷地内にある駐車場の使用は可能です。
しかし、事務所は免税店との区分を明確にする必要があるため、分筆する必要が出てきます。分筆すれば建ペイ率の関係で建物が建築基準法違反になってしまうとの尾張建設事務所の見解です。
やむなく免税店の2階をバス事業の事務所にすることは断念しました。
市街化調整区域にある事務所
その後、駐車場から1キロメートル程離れた場所に事務所使用可能なマンションを発見しました。早速実地調査を行ったところ、まさかの「市街化調整区域」です。
こういった場合は、役所との交渉です。建築基準法や消防法上は事務所として使用するのに問題ない場所と建物である旨を説明したところ、バス事業の事務所として使用可能と愛知県の判断をいただきました。
念のため担当者に署名をいただき、そのマンションの一室を事務所として運輸局へ申請し、その3カ月後に無事、許可取得となりました。
まとめ
一般貸切旅客自動車運送事業許可(貸切許可バス)について確認しました。許可取得の条件で特に気を付けるポイントは安全統括管理者と運行管理者2人の確保です。計画的に確保しないと許可取得することはできません。
行政書士業務の中でも難易度がウルトラC級の許可である貸切バス許可は、弊社シフトアップのような運送業のプロ事務所へご相談いただくことがお客様のベストな選択です。
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