- 乗車定員11人以上の自動車を一個の契約で貸し切って旅客を運送する事業には道路運送法上の経営許可が必要です。ただし、スクールバスやホテル送迎で料金差が国土交通省ガイドライン上の実費の範囲内であれば不要な場合があります。
- 一律5両ではありません。中型車・小型車・コミューター車のみの場合は3両以上、大型車を使用する場合は5両以上が必要です。
- 運行管理者は営業所ごとに常勤有資格者最低2名、整備管理者は最低1名。営業所・車庫・休憩施設は3年以上の使用権原が必要。車庫は営業所に併設または直線2km以内。
観光、企業研修、冠婚葬祭、学校行事などのために、バスを一つの契約で貸し切って旅客を運送する事業を始めるには、原則として「一般貸切旅客自動車運送事業」の経営許可が必要です。
貸切バス事業は、多数の旅客を一度に運ぶ事業であるため、車両だけでなく、営業所、車庫、休憩・仮眠施設、運転者、運行管理者、整備管理者、安全投資計画、事業収支見積書、自己資金、任意保険など、多くの許可要件を満たさなければなりません。
一方、学校、学習塾、ホテル、旅館、結婚式場、企業などが自社の利用者や従業員を送迎する場合、すべての送迎に貸切バス許可が必要となるわけではありません。送迎に対する反対給付の有無、徴収額が実費の範囲内か、送迎が本来のサービスに付随するものかなどによって、許可の要否が変わります。
この記事では、貸切バス許可が必要となる場合と不要となる場合の違いから、車両・人員・施設・資金の要件、法令試験、申請から運輸開始までの流れを、主に中部運輸局の現行基準をもとに解説します。
※貸切バスの許可基準や実務上の取扱いは、地方運輸局によって異なる場合があります。実際に申請する場合は、主たる事務所を管轄する地方運輸局・運輸支局の最新資料を確認してください。
貸切バス許可とは?
一般貸切旅客自動車運送事業とは、乗車定員11人以上の自動車を使用し、一個の契約で1台の自動車を貸し切って旅客を運送する事業です。旅行会社から依頼を受けた観光バス、企業の研修送迎、学校行事の貸切バス、結婚式の参列者送迎などが代表的な例です。
道路運送法上の一般貸切旅客自動車運送事業を経営するには、国土交通大臣の権限を受けた地方運輸局長の許可を取得し、使用する車両を事業用自動車として登録する必要があります。
貸切バスと自家用送迎バスの違い
貸切バス事業は、他人の需要に応じ、有償で旅客を運送する事業です。一方、企業や学校などが、自ら管理する白ナンバー車両を使用して、従業員・生徒・施設利用者等を無償で送迎する場合は、自家用自動車による送迎として許可・登録を要しない場合があります。許可の要否は、単に白ナンバーか緑ナンバーかだけで判断するのではなく、次の事項を確認して判断します。
- 誰が車両を所有・管理しているか
- 誰が旅客の運送を引き受けているか
- 利用者から送迎の対価を受け取っているか
- 徴収している金額が実費の範囲内か
- 送迎が宿泊・教育・介護などの本来サービスに付随するものか
貸切バスの許可が必要なケース・不要なケース
白ナンバー車両であっても、道路運送法上の許可・登録を必要としない運送があります。ただし、「送迎費を別項目で請求していない」「利益が出ていない」といった形式だけで判断することはできません。
無償で旅客を送迎する場合
利用者から運送の対価を受け取らず、完全に無償で送迎する場合は、原則として道路運送法上の許可・登録を要しません。例えば、次のような送迎です。
- ホテルが宿泊者を駅や空港まで無料で送迎する
- 企業が自社従業員を工場・事業所まで無料で送迎する
- 学校が自校の生徒を無料で送迎する
- 結婚式場が式場利用者を最寄り駅まで無料で送迎する
ただし、「謝礼」などの名称であっても、利用の条件として金銭を求めている場合や、金額の多寡によって利用者を選別する場合は、実質的に運送の対価を受け取っていると判断される可能性があります。
燃料費などの実費だけを受け取る場合
無償運送を行う際に、次のような実費相当額だけを受け取る場合は、許可・登録を要しないことがあります。
- 燃料費・有料道路料金・駐車場料金
- 当該運送のために発生した一時的な保険料
- 当該運送のために借りた車両のレンタカー代
実費を超える金額を定額で継続的に徴収する場合や、運転者の利益・報酬に相当する金額が含まれる場合には、有償運送と判断される可能性があります。
スクールバス・学習塾・幼稚園等の送迎
学校、幼稚園、保育園、学習塾、スイミングスクールなどが、施設利用者に付随するサービスとして送迎を行う場合、送迎に特定した反対給付がなければ、許可・登録を要しない場合があります。送迎を利用する人と利用しない人の間で授業料・施設利用料に差を設ける場合でも、その差額が送迎サービスに要する実費の範囲内であれば、許可・登録が不要となる場合があります。この場合の実費には、次の費用を含められることがあります。
- 燃料費・有料道路料金・駐車場料金
- 車両の減価償却費・車検料
- 保険料などの車両維持費
送迎の利用料に運転者の人件費や利益相当額を含めて徴収する場合は、一般貸切旅客自動車運送事業などの許可、または道路運送法第78条第3号に基づく許可が必要になることがあります。幼稚園等の通園送迎では、運行に係る人件費相当額を利用者から収受するために、道路運送法第78条第3号の許可を受ける取扱いがあります。施設の種類や契約形態によって取扱いが異なるため、料金を徴収する前に運輸支局へ確認してください。
ホテル・旅館・結婚式場等の送迎
ホテル、旅館、結婚式場、介護施設などが、本来の施設サービスに付随して利用者を送迎し、送迎に特定した対価を受け取らない場合は、許可・登録を要しないことがあります。送迎を利用する人と利用しない人で宿泊料・施設利用料に差があっても、その差額が送迎に必要な実費の範囲内であれば、許可・登録が不要となる場合があります。一方、次のような場合は有償運送に該当する可能性があります。
- 宿泊や施設利用とは独立して送迎サービスだけを販売する
- 実費を超える送迎料金を徴収する
- 施設利用者以外の一般客も有償で運ぶ
外部業者へ運転業務だけを委託する場合
企業や施設が自ら所有・管理する車両を使用し、運転業務だけを外部の事業者へ委託することが、直ちに有償旅客運送になるわけではありません。車両を提供する企業・施設が利用者から運送の対価を受け取らず、自らの負担で運転役務提供者へ報酬を支払う場合は、許可・登録を要しないことがあります。ただし、外部業者が車両も用意し運送サービス全体を引き受ける場合や、実質的に外部業者が運送主体となっている場合は許可が必要になる可能性があります。
貸切バス許可の主な取得要件
貸切バス許可では、営業区域、営業所、車両、車庫、休憩・仮眠施設、人員、管理体制、資金、安全投資、法令遵守、損害賠償能力などが審査されます。
| 要件 | 中部運輸局の主な基準 |
|---|---|
| 営業区域 | 原則として都道府県単位 |
| 最低車両数 | 中型車・小型車・コミューター車のみの場合は3両以上。大型車を使用する場合は5両以上 |
| 営業所・車庫等の使用権原 | 原則として3年以上。自動更新契約なら3年未満でも認められる場合がある |
| 車庫 | 原則営業所に併設。併設できない場合は直線2km以内。車両間・境界から50cm以上 |
| 運行管理者 | 営業所ごとに常勤の有資格者を最低2名 |
| 整備管理者 | 営業所ごとに原則として常勤の有資格者を最低1名 |
| 運転者 | 事業計画を遂行できる人数(少なくとも計画車両数以上) |
| 自己資金 | 所要資金総額の50%以上、かつ事業開始当初資金の100%以上 |
| 法令試験 | 30問・45分・正解率90%以上 |
貸切バスの最低車両数
貸切バス許可の最低車両数は、一律5両ではありません。中部運輸局では、営業所を設ける営業区域ごとに、原則として3両以上の車両が必要です。ただし、大型車を使用する場合は5両以上が必要です。
| 車種区分 | 基準 | 最低車両数 |
|---|---|---|
| 大型車 | 車両の長さ9m以上、または旅客席数50人以上 | 5両以上 |
| 中型車 | 大型車・小型車・コミューター車以外 | 3両以上 |
| 小型車 | 長さ6m以上8m以下、かつ旅客席数33人以下 | 3両以上 |
| コミューター車 | 長さ6m未満、かつ旅客席数14人以下 | 3両以上 |
3両または4両で許可を受ける場合は、中型車・小型車・コミューター車だけを使用して輸送する条件が付されます。許可後に大型車を導入する場合は、最低車両数5両以上を満たす必要があります。
運転者・運行管理者・整備管理者の要件
運行管理者は営業所ごとに最低2名
中部運輸局の許可基準の概要では、営業所ごとに常勤の有資格運行管理者を最低2名確保することとされています。複数の運行管理者を選任する場合は、運行管理業務を統括する者を定め、責任が分散しない指揮命令系統を整備する必要があります。名義だけの選任は認められません。
整備管理者は原則として常勤の有資格者を選任する
整備管理者についても、原則として常勤の有資格者を営業所ごとに最低1名選任する計画が必要です。整備管理者の資格を満たす代表的な方法は次のとおりです。
- 一級・二級・三級の自動車整備士技能検定に合格している
- 対象車種に関する2年以上の点検・整備等の実務経験があり、整備管理者選任前研修を修了している
運転者は事業計画を遂行できる人数が必要
運転者について「必ず5人」「必ず6人」という全国一律の固定人数はありません。中部運輸局の概要では、少なくとも計画する事業用自動車の台数以上の運転者を確保することとされています。ただし、休日・長距離運行時の交替・拘束時間・繁忙期等を踏まえ、車両数を上回る運転者が必要になる場合があります。
車両に対応した第二種運転免許が必要
貸切バスの運転者には、使用する車両に対応した第二種運転免許が必要です。大型バスを運転する場合は大型第二種免許が必要ですが、中型車については車両区分に応じて中型第二種免許で運転できる場合があります。すべての運転者に一律で大型第二種免許が必要というわけではありません。
貸切バス許可の資金要件
貸切バス事業の開業資金には、全国一律の「最低○○万円」という金額が定められているわけではありません。必要額は、車両台数、車種、新車・中古車、購入・リース、営業所・車庫の所有形態、人員数、保険料などによって異なります。
所要資金の算定方法
| 費用項目 | 所要資金の算定方法 |
|---|---|
| 車両費 | 取得価格。リースの場合は1年分の賃借料等 |
| 土地費・建物費 | 取得価格または1年分の賃借料等 |
| 機械器具・什器備品 | 取得価格 |
| 運転資金 | 人件費・燃料油脂費・修繕費等の2か月分 |
| 保険料・租税公課 | 1年分 |
| その他 | 創業費など開業に必要な費用の全額 |
必要な自己資金
必要な自己資金は、次の2つの基準を両方満たす金額です。
- 所要資金総額の50%以上
- 事業開始当初に必要となる資金の100%以上
例えば、所要資金総額が5,000万円、事業開始当初に必要となる資金が3,000万円の場合、所要資金総額の50%は2,500万円ですが、事業開始当初資金の100%は3,000万円となるため、3,000万円以上の自己資金が必要です。
自己資金は申請日以降、許可まで常時必要額を維持する必要があります。融資予定額だけを、入金前に自己資金として扱うことはできません。
安全投資計画と事業収支見積書
貸切バスの新規許可申請では、安全投資計画と事業収支見積書も作成します。安全投資計画には、運行管理者・整備管理者・運転者の確保計画、車両の取得・代替計画、点検・整備・修繕計画、ドライブレコーダー・デジタルタコグラフの導入計画、適性診断・健康管理・安全教育、安全確保に必要な費用などを記載します。
事業収支見積書は、安全投資計画に必要な費用を反映し、計画期間中のすべての年度が毎年連続して赤字となっていないことなどが確認されます。
任意保険・損害賠償能力の要件
計画するすべての事業用車両について、国土交通省告示の基準に適合する任意保険または共済へ加入する計画が必要です。
- 対人賠償:被害者1人当たり無制限
- 対物賠償:1事故当たり200万円以上
- 事業者の法令違反が原因の事故について補償が免責とならないこと
- 保険期間中の保険金支払総額に制限がないこと
- 計画するすべての事業用自動車が契約対象となっていること
- 対物賠償の免責額が原則30万円以下であること
営業所・車庫・休憩施設の要件
営業所の要件
営業所は、許可を受ける営業区域内に設置し、運行管理や利用者への営業対応を恒常的に行える施設である必要があります。主な基準は次のとおりです。
- 土地・建物について3年以上の使用権原があること(自動更新契約は3年未満でも可)
- 建築基準法、都市計画法、消防法、農地法等に抵触しないこと
- 事業計画を遂行できる規模・設備を有すること
市街化調整区域や農地であることだけを理由に、全国一律で使用できないわけではありません。ただし、開発許可、用途変更、農地転用等が必要になる場合があるため、契約前に自治体へ確認してください。
許可条件として、すべての営業所にインターネットへ接続されたパソコンを常設し、制度改正等の情報を受信するメールアドレスを運輸局へ届け出ることが求められます。
車庫の要件
車庫は原則として営業所に併設します。併設できない場合は、営業所から直線2km以内にあり、十分な運行管理ができることが必要です。主な基準は次のとおりです。
- 計画車両をすべて収容できること
- 車両と車庫境界、車両相互間に50cm以上の間隔があること
- 他用途部分と明確に区画されていること
- 土地・建物について3年以上の使用権原があること
- 関係法令に抵触しないこと・前面道路が車両制限令に抵触しないこと
休憩・仮眠・睡眠施設の要件
運転者等が休憩・仮眠・睡眠を取るための施設も必要です。原則として営業所または車庫に併設し、併設できない場合は営業所と車庫のいずれからも直線2km以内にあることが必要です。施設も土地・建物について3年以上の使用権原が必要です。

貸切バス許可の申請から運輸開始までの流れ
| ステップ | 主な内容 |
|---|---|
| ①事業計画の作成 | 営業区域、営業所、車庫、車両、人員、安全投資、資金計画を決める |
| ②施設・車両・人員の確認 | 使用権原、関係法令、最低車両数、管理者・運転者を確認する |
| ③許可申請 | 営業所所在地を管轄する運輸支局へ申請書を提出する |
| ④法令試験・ヒアリング | 代表権を有する常勤役員等が試験を受験し、事業計画の説明を行う |
| ⑤補正・審査 | 不備や不足資料を補正し、審査基準への適合について審査を受ける |
| ⑥許可 | 審査基準を満たした場合に許可書が交付される |
| ⑦許可後の手続き | 登録免許税、運賃・料金、管理者、安全管理規程、社会保険、車両登録等を行う |
| ⑧運輸開始 | すべての準備を完了して営業を始め、開始後30日以内に運輸開始届を提出する |
貸切バス許可の法令試験
受験者と試験内容
申請者が法人の場合は、代表権を有する常勤役員が法令試験を受験します。
| 項目 | 中部運輸局の現行基準 |
|---|---|
| 実施時期 | 原則として毎月1回 |
| 出題数 | 30問 |
| 出題形式 | 正誤式・語群選択式・記述式 |
| 試験時間 | 45分 |
| 合格基準 | 正解率90%以上・27問以上正解 |
所定の法令集・通達集等は持込みが認められています(自動車六法、旅客自動車運送事業等通達集、改善基準等)。ただし、45分で30問に回答する必要があるため、法令の構成や該当箇所を事前に把握しておくことが重要です。
再試験でも不合格となった場合
新規許可申請では、初回試験に不合格だった場合、再試験を1回受けられます。
再試験でも合格基準に達しなかった場合は、申請の却下手続きが行われます(申請者から取下げの申出があった場合は取下げとなります)。
許可取得までにかかる期間
中部運輸局における一般貸切旅客自動車運送事業の新規許可の標準処理期間は4か月です。
標準処理期間には、申請書の不備を補正するために必要な期間や、申請途中で事業計画を変更するために必要な期間は含まれません。また、申請前の物件調査・車両・人員の確保・資金調達・申請書作成や、許可後の車両登録等に必要な期間も含まれません。開業予定日から逆算し、申請準備と許可後の手続きを含めて余裕のあるスケジュールを組みましょう。
許可後から運輸開始までに必要な手続き
許可書が交付されただけでは、直ちに貸切バスを運行できません。主に次の手続きを進めます。
- 登録免許税の納付
- 運賃・料金設定届の提出
- 運行管理者・整備管理者選任届の提出
- 安全管理規程の作成・届出・安全統括管理者の選任・届出
- 社会保険等への加入手続き・任意保険・共済への加入
- 計画車両の事業用自動車登録
すべての準備を完了した後に運輸を開始し、事業開始後30日以内に運輸開始届を提出します。中部運輸局では、許可後1年以内に運輸を開始する条件が付されます。
運輸開始後は巡回指導等の対象となる
運輸開始後は、貸切バス適正化実施機関による巡回指導等の対象となります。許可申請時に整えた体制を、運輸開始後も継続して運用することが重要です。主な確認事項は点呼の実施・記録、運転者への指導・監督、健康診断・適性診断、労働時間・休息期間、運行管理者・整備管理者の業務、車両の点検・整備、運賃・料金・運送引受書、帳簿・記録類の保存などです。
貸切バス許可に関するよくある質問
Q. 1台または2台で貸切バスを開業できますか?
通常の一般貸切旅客自動車運送事業では、1台または2台では新規許可の最低車両数を満たしません。中型車・小型車・コミューター車だけを使用する場合は3両以上、大型車を使用する場合は5両以上が必要です。
Q. 10人乗り以下の車両で旅客を運ぶ場合は貸切バス許可ですか?
一般貸切旅客自動車運送事業は、乗車定員11人以上の自動車を使用する事業です。乗車定員10人以下の車両を使用し、有償で旅客を運送する場合は、事業形態に応じて一般乗用旅客自動車運送事業など別制度の許可を検討します。
Q. 学校の送迎で利用料を徴収すると必ず許可が必要ですか?
必ずしも、利用料を徴収した時点で直ちに貸切バス許可が必要となるわけではありません。送迎利用者と非利用者の料金差が、国土交通省ガイドライン上の実費の範囲内であれば、許可・登録が不要となる場合があります。一方、運送の対価や利益相当額、運転者人件費等を含めて徴収する場合は、貸切バス許可や道路運送法第78条第3号の許可が必要になる可能性があります。
Q. 自宅を営業所として申請できますか?
自宅だから一律に使用できないわけではありません。ただし、営業区域内にあること、土地・建物について3年以上の使用権原があること、都市計画法・建築基準法・消防法等に抵触しないこと、運行管理・営業対応を行える規模・設備があること、車庫を営業所に併設するか直線2km以内に確保することなどの条件を満たす必要があります。
Q. 貸切バスの運転者は全員大型第二種免許が必要ですか?
すべての運転者に大型第二種免許が必要とは限りません。使用する車両に対応する第二種運転免許が必要です。大型車は大型第二種免許が必要ですが、中型車については車両区分に対応する中型第二種免許で運転できる場合があります。
Q. 貸切バスの開業にはいくら必要ですか?
全国一律の開業資金額はありません。車両数・車種、購入・リース、営業所・車庫の賃料、人件費、保険料などに基づいて所要資金を計算します。必要な自己資金は、所要資金総額の50%以上、かつ事業開始当初資金の100%以上です。
Q. 法令試験に2回不合格になるとどうなりますか?
新規許可申請では、初回試験と1回の再試験が行われます。再試験でも不合格となった場合は、原則として申請の却下手続きが行われます。申請を取り下げて再申請する場合は、改めて審査を受ける必要があります。
まとめ
一般貸切旅客自動車運送事業とは、乗車定員11人以上の自動車を使用し、一個の契約で車両を貸し切って旅客を運送する事業です。事業を始めるには、道路運送法に基づく経営許可を取得し、車両を事業用自動車として登録する必要があります。
最低車両数は一律5両ではありません。中型車・小型車・コミューター車だけを使用する場合は3両以上、大型車を使用する場合は5両以上が必要です。
営業所、車庫、休憩・仮眠施設については、原則として3年以上の使用権原が必要です。車庫は原則として営業所に併設し、併設できない場合は直線2km以内に確保します。
人員面では、営業所ごとに常勤の有資格運行管理者を最低2名、整備管理者を最低1名確保し、計画車両数や運行内容に対応する人数の有資格運転者を選任する必要があります。
必要な自己資金は、所要資金総額の50%以上、かつ事業開始当初に必要となる資金の100%以上です。スクールバスやホテル送迎で金銭を受け取る場合でも、料金差が実費の範囲内であれば許可・登録が不要となる場合があります。
中部運輸局の新規許可の標準処理期間は4か月ですが、申請前の準備、書類補正、許可後の車両登録等に必要な期間は含まれません。営業開始日から逆算して、施設・車両・人員・資金・法令試験の準備を進めましょう。貸切バス許可の要否判断、営業所・車庫の調査、資金計画、安全投資計画、事業収支見積書、法令試験などでお困りの場合は、行政書士法人シフトアップまでご相談ください。
【参考文献】
- 国土交通省 中部運輸局「一般貸切旅客自動車運送事業の申請に関する審査基準について」
https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/jikou/kouji/264_kasikiri.pdf - 国土交通省 中部運輸局「一般貸切旅客自動車運送事業の申請等に係る法令試験の実施要領について」
https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/jikou/kasikiri/81_kasikiri.pdf - 国土交通省 中部運輸局「道路運送法上の申請事案に係る標準処理期間について」
https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/jikou/kouji/267_sonota.pdf - 国土交通省「道路運送法における許可又は登録を要しない運送に関するガイドラインについて」(令和8年6月5日改正)
https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/002005125.pdf - 国土交通省 中部運輸局「一般貸切旅客自動車運送事業」
https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/bus/procedure/kasikiri/index.html
