事業用トラック

【2022年更新】運送業許可とは?必要か不要かまで徹底解説

「運送業許可」を取りたいけど、法律のことはよくわからない、専門用語なしで教えて欲しい」という方も多いはず。

そこで、トラック運送会社に12年勤務した行政書士がわかりやすく運送業許可とは何か、必要なケースと不要なケース、許可取得の要件は期間、費用など知っておくべき周辺知識について「優しく」ご説明いたします。

トラック運送業許可取得をご検討中の方が最初に読むべき内容となっております。少々長文のため、下記目次をご覧いただき気になる部分からお読みください。

※運送業許認可、貨物運送許可、緑ナンバー、営業ナンバーなどで検索した方にも対応した内容となっております。

目次


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運送業とはそもそも何か

運送業許可のご説明へ入る前に、そもそも運送業とは何かをご理解ください。

「運送業」については、貨物自動車運送事業法という法律で定められており、その定義は下記のとおりです。

「貨物自動車運送事業とは、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業、貨物軽自動車運送事業をいう。一般貨物自動車運送事業とは、他人の需要に応じて、有償で、自動車(軽自動車および2輪自動車を除く)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものをいう。」

法律の条文のままではわかりづらいですよね。かみ砕いて言うと

「運送業は3種類あり、いずれも他人から依頼を受け、運賃をもらってトラックで貨物を運ぶ事業(軽自動車とバイクは除く)。」

が、「運送業」と言うことです。

 

運送業界の景気はどうなの?

全日本トラック協会が公表している「トラック運送業界の景況感」によると、2021年4月~6月期の調査結果では、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う経済活動による影響はあるものの、一般貨物、宅配貨物等の輸送量の増加により景況感は回復に向かっているとのこと。

ただし、労働力の不足感は強くなっており、以前にも増してドライバー不足は深刻な状況です。

そのため、輸送効率は悪化する見通しとされています。

筆者がトラック運送会社様のお話を聞いた限り、貨物輸送の依頼はあるが、トラックドライバーの数が足りていない。ドライバーの求人広告を出してもまったく応募が来ないといった企業もたくさんありました。

 

新型コロナの影響は2022年も続くの?

2020年に入ってから深刻化している「新型コロナ」の流行。ほとんどの業界がその影響を受けており、トラック運送業界も例外ではありません。

シフトアップのお客様に聞き取り調査をしたところ、通販商品や日用品を輸送している企業が堅調な売上を保っているほか、自動車部品や家電などを運んでいる運送事業者は増車している企業が多いです。

対して、海上コンテナ輸送はコンテナ不足や輸入貨物減少の影響で輸送量は低下しているようです。

このような中で筆者が実感しているのは、コロナの影響を受けたこの時期だからこそ、トラック運送業界へ参入して、新規事業で巻き返しを図ろうという経営者の方や、独立開業を考える方が増えているということです。

事実、当社シフトアップへの運送業許可申請のご依頼は2019年に比べ、2020年は3割アップとなりました。

2022年も引き続きコロナの影響を受ける貨物はありますが、果敢に新規荷主獲得に動いている運送事業者様や、新規参入者の増加で業界が活性化することを祈念しています。

 

運送業の種類は3つ

上記に出てきた3種類の運送業の違いについて、少しだけ法律的なお話をさせて頂きますね。

3種類の運送業は以下のとおりです。

  1. 一般貨物自動車運送事業
  2. 特定貨物自動車運送事業
  3. 貨物軽自動車運送事業

1~3の運送業の違いは次のとおりです。

 

一般貨物自動車運送事業(トラック運送業)とは

一般貨物自動車運送事業とは、事業用自動車を使って複数の荷主の貨物を有償で=運賃をもらって運ぶ事業のことを言います。

一般的に、「運送業」と言われているのは、この一般貨物自動車運送業(トラック運送業)のことです。

なお、「緑ナンバー」や「青ナンバー」「営業ナンバー」もトラック運送業を指す言葉として使われることもあります。

 

特定貨物自動車運送事業とは

特定貨物自動車運送事業とは、事業用自動車を使って特定の1社のみの貨物を有償で=運賃をもらって運ぶ事業のことを言います。

上記の一般貨物自動車運送事業との違いは、「荷主が1社に限定される」ということだけです。

 

貨物軽自動車運送事業とは

軽自動車や排気量125㏄以上の自動二輪車を使って運賃をもらい他人からの依頼で貨物を運ぶ運送業が軽貨物自動車運送事業で、一般的に「軽貨物」や「黒ナンバー」と呼ばれています。

一般貨物自動車運送業および特定貨物自動車運送事業との違いは、使用する自動車が軽自動車か125㏄以上の自動二輪車に限られるということです。

一般貨物自動車運送事業を行いたいというお客様の中に、事業に使用するトラックに軽自動車を含めて良いかと質問を受けることがありますが、軽自動車は一般貨物運送に使用することはできませんのでご注意ください。

なお、2020年のコロナ禍以降、軽貨物運送に関する当社シフトアップへの問い合わせは激増しております。

 

運送業の種類のまとめ

3種類の運送業の違いをまとめると下のようになります。

  1. 一般貨物自動車運送事業=取引先が2社以上ある運送業(複数の荷主の荷物を運ぶ)
  2. 特定貨物自動車運送事業=取引先は1社のみの運送業(1つの決まった荷主のみ)
  3. 貨物軽自動車運送事業=軽自動車や排気量125㏄以上の自動二輪車を使って運賃をもらい他人からの依頼で荷物を運ぶ運送業

軽トラ以外、つまり4ナンバー車や2t車、4t車、大型車などのトラックを使って運送業を始めたいという方は、

1の「一般貨物自動車運送事業」 または
2の「特定貨物自動車運送事業」

の許可を取る必用があります。ただし、特定貨物も一般貨物も申請方法などは変わらないため、複数の荷主の貨物を運べる一般貨物の許可を取るのが一般的です。

※これ以後、この記事内では運送業とは「一般貨物自動車運送事業」、運送業許可とは「一般貨物自動車運送事業許可」のことを言います。

 

運送業許可(一般貨物自動車運送事業許可)とは?

運送業許可とは一般貨物自動車運送業を行うために必用な許可で、簡単に言えば

「他人から依頼を受けて事業用トラックを使い、運賃をもらって貨物を運ぶための許可」

のことです。

したがって、原則として自社以外の人から運賃をもらい貨物を運ぶ場合は、運送業許可を得ないと事業を行うことはできません。

法人で運送業許可が取れるのは想像がつきますが、個人で運送業許可が取れるのか疑問を持つ方が多いようで、弊社シフトアップでは、

「個人で運送業を始めたいのだけど、どうすれば良いですか?」

というご相談をよく受けます。そのようなお悩みをお持ちの方のために、以下で個人事業で運送業許可は取れるのかどうか見ていきましょう。すでに法人成りしていて運送業許可取得をご検討中の方は読み飛ばしてください。

 

個人事業でも運送業許可は取れるの?

結論から言うと、個人事業主でも要件が揃えば運送業許可を取ることは可能です。許可取得の要件や申請方法は、法人の場合と9割がた変わりありません。
※運送業許可の要件については後述します。

ただし、個人事業主1人で運送業許可を取ることはできませんのでご注意ください。

 

なお、個人事業主の方が運送会社を作って運送業許可を取る場合は、会社の住所や資本金について考慮すべきことがあるので、以下の記事を参照してください。

 

次は、気になる方も多い運送業許可が必要なケースと不要なケースのご説明です。まずは運送業許可が必要なケースから見ていきましょう。

 

運送業許可(一般貨物自動車運送事業許可)が必要になるケース

他人から運賃をもらって、事業用自動車(緑ナンバー車両)で貨物を運ぶケースは、運送業に当たるため、運送業許可が必要となります。

例えば、株式会社A商事からの依頼で、愛知県弥富市の物流センターから春日井市のホームセンターまで、エアコンを運んで運賃をもらう場合がこれに当たります。

荷主から依頼を受けて建築資材や青果物、雑貨などの貨物を指定された場所まで輸送するケースだけでなく、他人から依頼されて

  • 引っ越し荷物を運ぶ場合
  • 積載車を使って自動車を運ぶ場合

なども、依頼を受けて有償で貨物を運ぶトラック運送業に当たるため、運送業許可が必要となります。

 

運送業許可(一般貨物自動車運送事業許可)が不要な4つのケース

次は運送業許可(一般貨物自動車運送事業許可)が不要なケースを見ていきましょう。

ケース①|自社の荷物を運ぶ場合

自社で製造した製品・商品などを、トラックで加工先や得意先まで運ぶ場合、運送業の許可は不要です。

法律では、「他人の依頼を受けて、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業」が運送業にあたるとされています。

ですので、トラックを使って荷物を運んだとしても、他人からの依頼を受けて運んでいるわけではないので、運送業にはあたりません。

したがって、運送業許可は不要ということになります。

 

グループ会社の荷物を運ぶ場合はどうなるの?

例えば、製造業を行っている企業が、下記のように運送部門としてのグループ会社を持っている場合で、親会社の製品・商品をトラックで運ぶ場合は、たとえグループ会社であっても、運賃の受け渡しがあれば運送業にあたります。

ですので、運送業許可を取らなくてはなりません。

【EX.】

  • 株式会社ABC商事=製造業
  • 株式会社イロハ運送=ABC商事の製品を運ぶためのグループ会社

イロハ運送がABC商事から運賃をもらいトラックで貨物を運ぶ場合、イロハ運送は運送業許可が必要。

「他人からの依頼を受けて」運賃をもらいトラックで荷物を運ぶ場合は、たとえ荷主がグループ会社であっても運送業許可を取りましょう。

 

ケース②|運賃をもらわずに荷物を運ぶ場合=建設業者などによくある

先ほどの自社製品を運ぶケースでは、運賃をもらうことはないため、運送業許可は不要でした。これが、他社の製品・商品などを運賃をもらわずに運ぶ場合はどうでしょうか?

お察しのとおり答えは運送業許可不要となります。しかし、以下のようなケースでは注意が必要です。

【EX.】

建設業者が元請けの建築資材を建築現場まで運ぶ場合で、請求書には名目として「運賃」と書いていないが、実質的に運賃が人工代などに含まれていれいる。このような場合は税務署の監査などが入ったときに運送行為を行っているとされ、指導を受ける可能性があります(確率的には低いと思いますが)。

 

請求書のあげ方で運送業許可が必用か不要かが決まることになりますが、もし、監査(運輸局も含む)などが入った場合は、実質的に運賃をもらっていると判断されれば運送業の許可を取る必要が出てくる可能性があります。

コンプライアンスをしっかり守りたいという企業は、運送業許可取得を検討しましょう。

 

ケース③|軽自動車(軽トラ)で荷物を運ぶ場合

法律では、他人から依頼を受けて運賃をもらって荷物を運ぶ場合でも、軽自動車を使う場合は一般貨物自動車運送事業にあたらないとされています。

他人から依頼を受けて運賃をもらい荷物を運ぶ場合でも、軽自動車を使う場合、運送業許可は不要ということです。

軽自動車を使う場合は、軽急便に代表されるように貨物軽自動車登録、俗に言う「黒ナンバー」の登録をおこないましょう。

黒ナンバー登録は、緑ナンバーの運送業許可に比べて開業費用も要件も格段に少ないため、簡単に始めることが可能です。

 

ケース④|自動2輪車(バイク)を使って荷物を運ぶ場合

法律では、他人から依頼を受けて運賃をもらい荷物を運ぶ場合でも、2輪自動車=バイクを使う場合は運送業にあたらないとされています。

いわゆる「バイク便」のように、2輪自動車を使って有償で荷物を運ぶ場合は、運送業許可は不要ということです。

2輪自動車を使う運送を行う場合は、運送業許可ではなく「貨物軽自動車登録」を行います。

軽トラを使用して運送業を行う場合は「黒ナンバー」となりますが、バイクを使う場合は「緑ナンバー」となります。

ちなみに2輪車の排気量が125cc未満のものを使用する場合は、貨物軽自動車登録すら不要となります。

貨物を運んだ対価を運賃としてもらわなければ運送業にあたらないのか?

「運賃という名目で荷物を運んだ対価をもらわなければ、運送業許可は取らなくていいよね。」または「運賃以外の名目で請求書をあげてもらえばいいよね。」

これは弊社シフトアップがお客様からよく頂く質問です。

結論から言うと、運賃という名目で貨物を運んだ対価をもらっていない=荷主会社から運賃以外の名目で請求書があがっている場合でも、実質的に運賃に相当する費用をもらっていれば運送業に当たります。

これを伝えると、お客様から次に来る相談は、

「トラックを5台揃えないといけないし、事務所・駐車場も許可の条件に合致するものを探さないといけない。だからなんとか運送業許可を取らないで済む方法はないの?」

です。

残念ながら、そのような方法はありません。違法な状態を続けるかどうかはその方しだいです。

しかし、法律違反の状態を回避するために、1年越しで運送業許可を取るための要件を揃え、許可取得されたというお客さまがいることを、私はご相談者へ伝えるようにしています。

 

特定貨物自動車運送事業の許可取得を考えている方へのアドバイス

ご相談者の中には、今は荷主が1社しかいないため、特定貨物自動車運送事業許可を取りたいという方もいます。しかし、特定貨物の許可を取ると、特定の1社の貨物しか運べないという制限を受けてしまいます。

将来的に事業を拡大したときに備えて、今は得意先が1社しかなくても、一般貨物自動車運送事業許可を取るようにしましょう

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運送業許可を取るのは難しいの?

これもお客様からよく頂く質問です。条件が整えば運送業許可を取ること自体は、運送業専門事務所に依頼すれば簡単です。

何が難しいというと、運送業許可の申請書類を作成するのが難しい。これに尽きます。後ほどご説明しますが、運送業許可を取るには、数々の条件(要件)をすべてクリアして申請手続きをしなくてはいけません。

条件をクリアし、運輸支局で受付してもらえる申請書類を作成するために、本当に様々なことを調査する必用があるのです。

条件をクリアできている証拠となる書類をすべて揃え、申請受付担当者を納得させないと申請受付をしてもらえません。これは本当に苦労します。

トラックの売買契約書一つとっても、会社によって様式も違えば書いてある内容も違います。お客様ごとに違う契約書の内容を事細かに確認し、受付してもらえる状態までもっていくには相当の労力が必要です。

こうした緻密な作業が必要なことが、運送業許可を扱う事務所が少ないことの原因の一つであると筆者は考えています。

最近は、運送業許可申請に必用な書類のチェックや補足資料を割り出すことはAIには不可能とすら思います。

それでは次は運送業許可の要件についてのお話です。

 

運送業許可取得の5つの要件(条件)をざっくり解説

運送業許可の条件は大きく分けて下記の5つです。

  • 資金
  • 資格
  • 場所
  • 車両(トラック)

それぞれの条件のポイントを押さえながら、以下でざっくりご説明していきます。

 

資金の要件

資金の要件は、運送業を始めるための資金と、運送業開始後の当面の資金を確保していることを証明するためにあります。お金があることは、銀行などの金融機関が発行する「残高証明書」で証明します。

運輸局が申請受付して、せっかく許可を出してもお金がなくて始められない、あるいはお金が足りなくなって半年もしないうちに撤退する事業者が出ては、国交省や運輸局も困ってしまいますよね。だから資金の要件があるのです。

具体的には、運送業許可申請書の「事業開始に要する資金の調達方法」という書類の中で

  • 役員報酬の6ヶ月分
  • 従業員給与手当の6ヶ月分
  • トラック修繕費やガソリン代の6ヶ月分
  • トラックのリースやローン月額の12ヶ月分
  • 事務所や駐車場(車庫)の賃料の12ヶ月分(賃貸の場合)

などを計算し、運送業開始後の経営計画を作成します。

※令和1年(2019年)11月の法改正により、改正前の約2倍以上の資金確保が必用となりました。

 

事業開始に必要な金額の合計は、およそ1,500万円~2,500万円ほどです。金額に開きがあるのは、

  • 何トントラックを何台購入するのか
  • 新車か中古車どちらを購入するのか
  • 事務所や駐車場(車庫)の賃料や購入費用はいくらか

などで変わるためです。

トラックはすべて揃っており、ローンやリースの残債があるものは1台もない。加えて、事務所や駐車場(車庫)も親族から格安で借りられるなどの状況の方は、必用な資金額の合計は、およそ1,500万円前後の場合が多いです。

対して、トラックはすべて新車で購入となると、3,000万円以上になる場合もあります。

 

人の要件

人の要件とは、運送業を開始するのに必要な人員が確保、または確保予定であること。そして、申請者が運送事業者になれない事由に該当していないことを証明するための要件です。

まず、運送業許可を取るために必要な人の数は最低でも6人です。内訳は運行管理者1人、運転者=ドライバー5人の計6人となります。

インターネット上で最低人数5人で申請できるという情報を提供している事務所もありますが、5人で申請する場合は運行管理者が運転者となることを想定しているのでしょう。

運行管理者または運行管理補助者が不在のときは、輸送の安全確保を担う役割の人がいなくなるため、運送業を行うことができません。

ですから、人の要件を満たすためには事務所に常駐する運行管理者1人、運転者5人の計6人を確保する必用があります。

運行管理者のほかには「整備管理者」も確保してください。ただし、整備管理者は運転者や運行管理者を兼任することができるので運転者以外に別途確保する必要はありません。

また、整備管理補助者も必用となりますが、整備管理者以外の人であれば構いません。

少々複雑なので下記に必用な人員やその数についてまとめます。

運送業許可取得に最低限必用な人員=6人
その内訳は下記のとおり。

  • 運転者:5人
  • 運行管理者:1人(運転者を兼任できない)
  • 運行管理者補助者:1人(運転者・整備管理者・整備管理者補助者を兼任できる)
  • 整備管理者:1人(運転者・運行管理者・運行管理補助者を兼任できる)
  • 整備管理補助者:1人(運転者・運行管理者・運行管理補助者を兼任できる)

トピック1|運送業事業者になれない事由に該当していないことの条件が変わります

運送事業者になれない理由のことを「欠格事由」と言います。個人事業主の場合は事業主、法人の場合は役員全員が以下のすべてに該当しななければ欠格事由に当たらないことなります。

  1. 1年以上の懲役または禁錮以上の刑をうけてから2年を経過していない
  2. 一般貨物自動車運送事業または特定貨物自動車運送事業の許可取消から2年を経過していない。
  3. 未成年者または成年被後見人であって、その法定代理人が上記2つのいずれにも該当していない。

 

<用語の説明>
成年被後見人とは、知的障害や精神障害など重度の精神障害を持つ者のことです。
法定代理人とは、成年被後見人などに代わって法律行為を行う者のことを言います。

 

トピック2|欠格事由についての法律が変わりました

2018年の第197回国会で、運送業許可の取れない事由に該当する期間が延長される法律案が出され、上記の欠格事由1,2の期間を2年から5年へ延長。そして、新たな欠格事由も追加されました。以下は法律の条文となるので条文が好きでない方は読み飛ばしてください。

2018年に、つぎの欠格要件も追加。

  1. 運送業許可を受けようとする者と密接な関係のある者が、一般貨物自動車運送事業または特定貨物自動車運送事業の許可取消を受けてから5年を経過していない者
  2. 運送業許可を受けようとする者が、一般貨物自動車運送事業または特定貨物自動車運送事業の許可取消の処分に係る聴聞の通知が到達した日から処分をする日またはしないことを決定する日までの間に事業の廃止の届出をしてから5年を経過しない者
  3. 運送業許可を受けようとする者が、事業場への立ち入り検査が行われた日から聴聞決定予定日までの間に事業の廃止の届出をしてから5年を経過しない者
  4. 2の期間内に事業の廃止の届出があった場合、運送業許可を受けようとする者が、2の聴聞の通知が到達した日前60日以内に届出に係る法人の役員であった者で、届出日から5年を経過しない者

 

資格の要件

輸送の安全を確保するために必要な人員を確保するための要件です。運送業許可を取るために必ず必要な資格は「運行管理者資格」で、輸送の安全を確保するために運送会社では必ず選任しなければならないと決められています。

もし、運送業許可を取ったあとに運行管理者資格を持った人がいないまま運送事業を行うと、重大な法律違反として、初犯の場合でも事業停止30日の行政処分がくだされます。

30日も事業ができないとなると、体力がある大手企業以外は会社存続の危機となるでしょう。それほど、国交省は運行管理者の存在に重きを置いているということです。

運行管理者の資格試験は、毎年3月と8月の2回しか行われません。計画的に受験しないと運送業を始めたいと思っている時期までに許可が取れないので注意してください。ちなみに、法令違反などで運行管理者になれない期間も2年から5年に延長されました。

<運行管理者になれない期間>
運行管理者資格者証の返納を命じられてから5年。

 

もうひとつ、運送業許可に欠かせないのが、「整備管理者」です。整備管理者は資格があってもなくても選任ができます。

資格で選任する場合は、自動車整備士3級以上の資格が必要です。資格で選任しない場合は、運送会社などで整備管理者や運転者として、車両の点検整備などをやっていた経験が2年以上ある者が、整備管理者選任前研修という講義を受講する必用があります。

注意して頂いきたいのは、在籍していた運送会社から、実際に2年以上経験があるという証明をもらわなくてはいけないことです。この証明をもらえないと、選任前研修を受講しても整備管理者とはなれません。

※新型コロナの影響などで押印ルールが廃止されたため、実務経験の証明に証明事業者からの印鑑は不要とまりました。

 

場所の要件

運送業を営むための施設=営業所(事務所)と休憩室・睡眠施設、駐車場(車庫)を必ず確保してくださいという要件です。睡眠室は、事業者が用意した施設で睡眠を取らないと安全な運行が確保できない場合以外、あってもなくても構いません。

 

営業所(事務所)・休憩室(睡眠施設)の要件

営業所(事務所)、休憩室・睡眠施設とする建物は、以下のような様々な条件をクリアする必用があります。

  • 賃貸の場合は賃貸借契約書、自己所有の場合は登記簿謄本などで使用する権利権限を証明できること
  • 休憩室・睡眠施設については一人2.5㎡以上の広さを確保できること
  • 駐車場(車庫)から10km以内にあること(地域によって5km以内または20km以内)
  • 市街化調整区域と呼ばれる場所にないこと(例外あり)
  • 市街化区域にある場合は、都市計画法という法律の条件を満たしていること
  • 農地法に違反した建物でないこと(地目が田畑の場合は不可)
  • 建築基準法、消防法その他各種法令に違反した建物でないこと

 

市街化区域と呼ばれる場所にある場合は、農地法や建築基準法に違反していないことのほか、基本的に以下の区分(用途地域と言います)の場所に建っていないことが条件となります。

  • 第1種低層住居専用地域
  • 第2種低層住居専用地域
  • 第1種中高層専用地域
  • 第2種中高層専用地域

※いずれの場合も、一定の条件を満たせば可。

 

駐車場(車庫)の要件

駐車場(車庫)は、営業所同様に賃貸借契約書や土地の登記簿謄本などで、運送業許可の申請者が使用権限を持っていることを証明するほか、営業所から10km以内(地域によって、5kmまたは20km以内)の条件を満たすことが前提となります。なお、屋根付きの駐車場(車庫)でない限り、市街化調整区域でも構いません。

屋根付きの場合は、営業所同様に市街化調整区域にないこと、農地でないこと、合法に建築された建物であることなどの条件が付きます。

ポイント

駐車場出入口については「駐車場出入口が交差点から5㎞以内にないこと」など、交通安全が確保できる駐車場でなければなりません。

駐車場(車庫)出入口前の道路の要件

駐車場(車庫)出入口前の道路には以下のような要件が付きます。

「トラックが通るのに十分な幅があることを車両制限令または幅員証明書で証明できること。」

具体的には

  • 市街地にある双方向通行の道路は、基本的に車道が5.5m以上あること
  • 市街地にある道路で一方通行の道路は、基本的に車道が2.5m以上あること

など。

※必用な道路幅は、運送業に使用するトラックの幅により前後します。

道路幅について、不動産の物件詳細は道路の全幅が記載されているので、あてにしない方が良いです。

また、ご自身で計測しても道路幅の署名として運送業許可の申請に使用できません。

運送業許可専門の行政書士に調査してもらうことをおすすめします。

車両(トラック)の要件

運送業に使用するのに適した車両を、適切な権限を持って使用できるこを証明するための要件です。

主に下記の要件をクリアしなければいけません。

  • 緑ナンバーとして登録する車両を最低5台以上確保、または確保予定であること
  • 車検証上の所有者が運送業許可の申請者になること
  • 第3者や他の株式会社などの法人から無償で譲渡を受ける場合は、譲渡契約などを交わしていること
  • リースやローンで購入する場合は、リース・ローン契約を交わしており。かつ車検証上の使用者が運送業許可の申請者名になること
  • 緑ナンバーに変更後、自動車任意保険は対人無制限、対物200万円以上の補償にすること

車検証上の所有者と使用者は、運送業許可を取得したあとに、変更できれば構いません。また、売買契約書などが提出できれば申請受付時に現車がなくても良いとされています。

なお、申請者以外が契約者となっているリース・ローン車両は、緑ナンバー変更後にリース・ローンの支払人が変わることの承認を得ている旨の書類が必用になります。

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運送業許可を取ろうと思ったときから運送業開始までの流れ

運送業許可を取ろうと思ったときから、実際に運送業許可を取り、運送業を始めるまでの流れはザックリ以下のとおりです。

 

1 運送業許可の要件クリアと申請書類の作成

運送業許可を取るために法令に定められた各種要件をクリアします。その後、申請書と添付書類の収集などを行います。

 

2 営業所を管轄する地方運輸支局へ申請書類の提出

申請書と添付書類が揃ったら、営業所を管轄する地方運輸支局へ提出します。

 

3 地方運輸支局と地方運輸局での審査

運送業許可の申請書類は地方運輸支局で審査されたあと、支局を統括する地方運輸局で審査されます。審査の標準処理期間は4ヵ月~5ヵ月です。

 

4 役員法令試験の受験・ヒアリング

申請受付後、最初に来る奇数月に地方運輸局で行われる役員法令試験を受験します。受験できるのは法人の場合は常勤の役員にのうち1人、個人事業主の場合は事業主本人です。

試験は運送業許可申請書類を提出したあとの奇数月に実施され、2回目までに合格しないと、運送業許可申請は、いったん取り下げとなってしまいます。

勉強しないと合格できない試験なので頑張りましょう。ちなみに弊社のお客様は、法令試験問題集をご購入いただけるため、今のところ合格率100%です。

法令試験受験後に運輸局の担当から事業の内容などについてヒアリングが行われます。
※ヒアリングが行われない場合もあります。

 

5 補正対応

受付をした申請書類に不備がある場合は運輸支局または運輸局から補正の依頼が入るので対応します。

 

6 2度目の残高証明書提出

補正指示と同時に、運輸局から2度目に残高証明書提出の指示が入ります。残高証明書を取得して営業所を管轄する地方運輸支局へ提出しましょう。

 

7 社会保険・労働保険の加入と36協定書を労基署へ提出

社会保険・労働者災害保険・雇用保険に加入義務のある人員について各種保険に加入させます。加入義務者は法人の役員、短時間労働者=パート・アルバイト以外の従業員となります。
※労働者災害保険と雇用保険を併せて労働保険と言います。

36協定書は、正式には「時間外・休日労働に関する協定書」といい、労働者に時間外労働=残業を行わせるために必ず労働基準監督署へ提出の必用な労使協定です。

36協定書は労働組合があるときは組合の代表、組合がないときは労働者の代表と締結します。

 

8 運送業許可の取得・許可書交付式・登録免許税の納付

地方運輸局での審査に通過すると晴れて運送業許可の取得となります。許可所得後に営業所管轄の地方運輸支局で運送業許可書の交付式が行われます(地域により行われない場合もあります)。

許可書を受け取ると同時に登録免許税の納付書が渡されるので、許可取得日から1ヵ月以内に金融機関で納付してください。

 

9 車体表示・看板の設置

申請車両に自社の名称を表示することを車体表示といいます。緑ナンバー車両は車両の左右に自社の名称表示が義務付けられています。

また、営業所には自社名称のわかる看板を設置しましょう。

 

10 運行管理者選任届と整備管理者選任届の提出

申請書類に記載した、運行管理者・整備管理者となる者を運輸局で登録してもらうために「運行管理者選任届」と「整備管理者選任届」を営業所管轄の地方運輸支局へ提出します。

 

11 運輸開始前確認の提出

運行管理者選任届、社会保険・労働保険加入の証明、36協定書、運転者の免許証、それぞれの写しを添付して「運輸開始前確認」を営業所管轄の地方運輸支局へ提出します。

 

12 事業用自動車等連絡書の交付・緑ナンバーに変更・自動車保険の加入

運輸開始前確認が受付されると、申請車両を緑ナンバーに変更するための「事業用自動車等連絡書」、通称、「連絡書」が交付されます。

車検証の変更・移転登録に必用な書類と連絡書を併せて、営業所を管轄する陸運局で緑ナンバーの交付を受け、車両に取り付けてください。

車両を緑ナンバーに変更したら、事業用自動車としての自動車任意保険に加入します。

 

13 運賃料金設定届と運輸開始届の提出

緑ナンバー変更後の車検証の写しと自動車任意保険の保険証券の写しを添付して「運輸開始届」を営業所管轄の地方運輸支局へ提出します。

このとき併せて「運賃料金設定届と運賃料金表」も提出します。

運賃料金設定届と運輸開始届が受理されたら、運送業許可申請に必用な書類の提出はすべて終了となります。なお、運輸開始届は、運送業許可取得後1年以内に提出する必要があるため注意してください。

 

14 巡回指導

運輸開始届提出後、3ヵ月後を目途に、適正化事業実施機関が最初の巡回指導に来ます。

巡回指導では、日報、点呼簿、チャート紙など、輸送の安全に必用な帳票類が抜け漏れなく記録・保存されているか確認されます。

※運輸開始後の巡回指導はほとんどの場合3ヵ月以内に来ますが、1年経過しても来ないケースもまれにあります。

 

運送業許可を取るための費用と期間

運送業許可を取るための費用は、法定費用(登録免許税)の12万円。そして、行政書士へ依頼した場合の報酬が必用です。ご自身で申請書類を作成して提出する場合は、法定費用のみとなります。

運送業許可申請を受け付けてから、許可が出るまでの審査期間は4ヶ月~5ヶ月です。(この審査期間を「標準審査期間」と言います。)

ちなみに、弊社シフトアップが運送業許可の依頼を受けてから許可取得までにかかる期間は、平均6ヶ月です(申請受付から許可取得までの期間は平均4ヵ月)。

※九州地方では、申請受付後3ヵ月で許可取得なるケースもあります。

 

運送業許可取得と同時に会社を設立する場合の注意事項

運送業で独立開業するという方で、会社の設立も行うという方は以下の点にご注意ください。

  • 会社設立のための費用が必要:法定費用約202,000円+行政書士などに依頼したときの報酬
  • 会社設立までの期間は、設立の準備から登記完了までおよそ1ヵ月かかる
  • 定款に「一般貨物自動車運送事業」の記載が必要

 

運送業許可証の見本

下記は、弊社シフトアップで運送業許可を取られたお客様の運送業許可書(正しくは運送業許可書)の見本です。

運送業許可書は、基本的には許可取得後に営業所管轄の地方運輸支局で行われる許可書交付式のときに申請者へ手渡されます。
※一部地域では許可書交付式は行われません。

運送業許可書サンプル

 

運送業許可申請はどんな行政書士に依頼するのがベストなの?

運送業許可申請を外注する場合は、行政書士に依頼してください。全国で4万3000人いる行政書士の中でも、運送業許可を専門で扱っている事務所にご依頼頂くことをオススメします。

なぜなら、弊社には他の行政書士に依頼したが、「運送業許可の知識がないようで全然進まない。あげくに連絡が取れなくなった。」というお客様の依頼が、4件に1件あるからです。

どの行政書士事務所に依頼すれば良いかはお客様がお決めになることです。ただし、いつまでに許可を取り、運輸開始したいかというお客様の目標にコミットしてくれる事務所にお願いしてください。

トラック協会やトラックディーラー、コンサルタントを名乗る方が無料で運送業許可申請書類を作ることもあるようです。しかし、頼んだのはいいものの、中途半端に投げ出されてどうしたら良いかわからないから助けて欲しいという相談を弊社はよく頂きます。

サービスの一環として書類作成を引き受けるところに依頼するのは、注意してください。

まとめ

運送業許可が必要かなと思っている方のために「運送業許可とは何なのか」についての関連事項を含めてご説明しましまた。

やろうとしている事業が運送事業に該当するかどうか確認できたら、運送業許可を取るための資金、人、資格、場所、車両の要件をクリアできるよう計画を練りましょう。

これまでは資金の要件に苦労される方が一番多かったのですが、現在は、お金があってもトラックの数に応じた運転者の確保に苦労される方が増えています。

今後は人材不足にどう対応していくかが運送業界に新規参入するためのカギとなるでしょう。

運送業許可は、申請書作成のためにチームを組まないと早く確実に取ることはできません。お客様のチームの一員として、早く許可取得するためにアクセルを踏む役割として運送業許可専門「行政書士法人シフトアップ」をご指名いただくことをお勧めします。シフトアップはスタッフ全員でお客様を全力でサポート致します。

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    よくある質問

    運送業許可は行政書士に依頼をしないと取れないの?

    実際に地方運輸支局へ通い1年かけて申請をした方もいらっしゃいますが、許可を手間なく早く確実に取得したい方は、運送業許可のプロ事務所に依頼することをおすすめします。

     

    個人と法人とどちらで許可を取るほうが良いの?

    法人をおすすめします。個人の所得税より法人税の方が税率は低く、法人の方が節税対策も取りやくなります。また、個人より法人の方が社会的信用も高くなるので仕事も取りやすいでしょう。

     

    運送会社を設立して運送業を始めたい。何からやれば良いの?

    はずは会社を設立しましょう。会社が出来るまでの間に申請に必用なお金を工面したり、運送業に使用する営業所や車庫を探すなど運送業許可申請の準備をしてください。

     

    トラックは申請までに用意しないといけないの?

    申請までに手元にトラックを用意する必要はありません。ただし、売買契約書などは申請までに必用となります。

    • この記事を書いた人

    川合 智

    運送業許可のプロ事務所「行政書士法人シフトアップ」の社長★トラック運送会社に12年勤務後に開業。著書【行政書士のための運送業許可申請のはじめ方】★行政書士向けに運送業許可を教える「くるまスクール」主催者