一般貨物自動車運送事業の開業方法が5分でわかる記事

一般貨物自動車運送事業の開業方法が5分でわかる記事

「一般貨物自動車運送事業(運送業)を開業するにはどうしたらいいの?」「どんな要件があるの?」

このような疑問に、5分でご理解いただけるよう運送業許可申請のプロ事務所が解説しております。これから一般貨物自動車運送事業で開業を検討されている方は必見です。

一般貨物自動車運送事業(トラック運送業)ってそもそもなに?

「一般貨物自動車運送事業(トラック運送業)」とは、簡単に言うと、他人から依頼を受けてお金をもらい荷物を運ぶ事業のことです。

下記で法律的な根拠を示して詳しい解説をしておりますが、法律は苦手だという方は読み飛ばしてください。

 

 一般貨物自動車運送事業は3種類に区分される

運送事業は、貨物自動車運送事業法という法律で

  1. 一般貨物自動車運送事業
  2. 特定貨物自動車運送事業
  3. 貨物軽自動車運送事業

の3種類に区分されており、一般的に運送業と呼ばれているのは「一般貨物自動車運送事業」のことです。

一般貨物自動車運送事業とは、

他人の需要に応じて運賃をもらって自動車(軽自動車及び2輪車を除く)を使用して貨物を運ぶ事業。

と定義されています。

「特定貨物自動車運送事業」とは、貨物の輸送の依頼主が特定の1社のみとなる運送業のことを言い、「貨物軽自動車運送事業」とは、軽貨物自動車や自動2輪車(125㏄以上のバイク)を使用して貨物を運ぶ運送業のことを言います。

 

一般貨物自動車運送事業が必要になるとき

他人から荷物を運んで欲しいという依頼を受け、トラックを使用して荷物を集荷し、指定された場所まで運び、その対価として「運賃」をもらう場合は、一般貨物自動車運送事業となります。

この場合のトラックとは、2t車、4t車、大型車などの世間一般的に「トラック」と呼ばれているものに加えて、ハイエースやプロボックスなどの小型車、ダンプ、タンク車、トラクタ・トレーラーなどのことを言います。

※軽自動車による荷物の輸送は一般貨物自動車運送事業に入りません。

 

よくある質問

質問1

工場から工場への荷物の輸送で一回も公道を走らないが、運賃をもらう場合でも一般貨物自動車運送事業を行ったことになりますか?

回答

はい。一般貨物自動車運送事業者としての行為を行ったことになります。

 

質問2

グループ会社の荷物を運んで運賃をもらうのですが、この場合でも一般貨物自動車運送事業にあたりますか?

回答

はい。一般貨物自動車運送事業にあたります。例えグループ会社からの依頼でも、荷物をトラックで運ぶ行為の対価として運賃をもらう場合は、一般貨物自動車運送事業者としての行為を行うことになります。

 

一般貨物自動車運送事業を開業するのはどんな人が多いか?

当社では、北は北海道から南は沖縄まで年間430件以上のご相談を受けます。統計を取ると一般貨物自動車運送事業を始める方は、ほぼ以下の3パターンに分けられます。

  1. 運送会社に勤務しドライバーをしていたが、仲間と一緒に独立する。
  2. トラック持ち込みで運送会社に入っていたが、独立して欲しいと言われた。
  3. 現在は他の事業を行っているが、トラックを所有しているので新規事業として新たに運送業界に参入したい。

現在、事業を行っているという方以外は、ほとんどの方が運送業界出身ということになります。したがって、ご自身の経験や人脈を活かして独立される方が多いようです。

トラック運送業界は、他業種に比べて働き方が特殊な部分も多いため自然なことかもしれませんね。

無料電話相談※お急ぎの方は、代表直通 080-3687-6848 までお掛けください。

 

一般貨物自動車運送事業を開業するまでの流れ

一般貨物自動車運送事業は、「明日からやります」と言ってすぐに始められるものではありません。

トラック輸送を行うための「一般貨物自動車運送事業許可=運送業許可」を取る必用があります。

もし、許可を取らないまま、運賃をもらって荷物を運ぶ行為=白トラック行為を行っていると、法律違反となり3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金となるのでご注意ください。

 

一般貨物自動車運送事業許可を取得するまでの流れは下図のようになります。

事業開始に必用な資金の確保(およそ1,500万円~2,500万円)
2会社を作る(法人で申請する場合で法人成りしていない場合のみ)
3事務所と駐車場の確保(関係諸法令に抵触しない物件)
4の確保(運行管理者、整備管理者、運転者5人以上)
5トラックの用意(許可取得までに購入するもの含めて5台以上)
6申請書類の作成
7申請受付(標準審査期間4ヶ月~5カ月)
8補正対応
9社会保険・労働保険加入、36協定締結
10一般貨物自動車運送事業許可の取得
11許可書交付式(実施されない地域あり)
12登録免許税納付(許可取得後1ヶ月以内に12万円を納付)
13運行管理者および整備管理者の選任届提出
14運輸開始前届の提出
15事業用自動車等連絡書の取得
16緑ナンバー取得と自動車任意保険加入
17運輸開始届と運賃料金設定届の提出
18運輸開始!

※一般貨物自動車運送事業許可の申請先は、運送業を行う事務所を管轄する地方運輸支局となります。

 

 

一般貨物自動車運送事業許可を取得するための5つの要件

一般貨物自動車運送事業許可を取得する要件(ルール)は、大まかに

  1. 資金の要件
  2. 場所の要件①|営業所・休憩室(睡眠施設)
  3. 場所の要件②|駐車場
  4. 車両(トラック)の要件
  5. 人の要件

の5つすべてをクリアする必用があります。それぞれに細かな条件が定めらており、一筋縄で取れる許可ではありませんが、当社がしっかりサポートいたしますのでご安心ください。

それでは、一般貨物自動車運送事業許可取得のための5つの要件をザックリ見ていきましょう。

 

①資金の要件(事業開始に必用な資金が確保できること)

一般貨物自動車運送事業許可を取得するときに真っ先に考えることは、「事業を開始するためのお金を確保できるか」ということです。

事業を開始するためのお金は「事業開始資金」と言います。事業開始資金は、許可を申請する人または法人の銀行口座(郵便局口座)に、向こう6ヶ月~1年ほどの人件費、駐車場・営業所等の賃貸料、トラックの購入費用などを計算します。

そして、計算して出た事業開始資金の合計額以上の貯金を申請者の口座に確保できていることを証明しなければなりません。

※申請者が個人事業主の場合は事業主本人の口座、法人の場合は法人口座となります。

 

当事務所の統計では、事業開始に必用なお金の合計は、1,500万円~2,500万円ほどです。金額に開きがあるのは、トラック購入費用や営業所・駐車場(車庫)の賃料などの差です。

事業開始に必要なお金が確保できないと、この後ご説明する条件を全てクリアできていても許可は取得できません。スタート地点に立つためにもお金を確保できるかどうかの確認をしましょう。

※事業開始に必要な資金の計算は運送業許可専門事務所でなければ正確に計算できません。

 

②場所の要件1(関係法令に抵触しない営業所・休憩室・睡眠施設を確保できること)

営業所と休憩室・睡眠施設は、どんな場所でも良いというわけではありません。都市計画法や建築基準法、農地法などに違反しない物件であることが要件となります。

営業所と休憩室・睡眠施設選びで一番問題になることが多いのが都市計画法に違反しない物件かどうかというところです。

都市計画法では、市街化調整区域内という区分内にある物件は基本的にトラック運送業に使用する営業所にできないと定められています。

※市街化調整区域とは都市計画法7条で「街の景観などを守るために新たな建物の建築や増築を極力抑える地域」と定められた地域のことです。

実際には市街化調整区域内にある建物が多いため、営業所の候補地としていた物件がトラック運送業の営業所として使用できないという事態がよく起こります。

 

また、基本的に建物を建築しても良い「市街化区域」内にある物件でも、都市計画法で定められた12種類の区分(用途地域と言います)の中で事務所を建築しても良いとされている場所にある建物でなければトラック運送業の営業所とすることはできません。

※睡眠施設の確保は必須ではありません。運行上、営業所内やその近隣に運転者が睡眠や仮眠を取らないと拘束時間や労働時間などの法令が守れない場合に確保しましょう。

 

③場所の要件2(関係法令に抵触しない駐車場を確保できること)

一般貨物自動車運送事業に使用する事業用自動車、いわゆる緑ナンバー車両を容易に収容できる駐車場を確保します。

駐車場は道路法などのほか、営業所や休憩室と同様、都市計画法や建築基準法、農地法に違反する場所ではいけません。

青空駐車場の場合は市街化調整区域内でも大丈夫ですが、倉庫など屋根付きの物件を駐車場にする場合は、基本的に市街化区域にあることが要件となります。

駐車場選定の際によくあるのが、駐車場の地目が「農地」であるという問題です。この場合は、「農地転用」という許可を取得しないと市街化調整区域内の駐車場でもトラック運送業の駐車場としての要件をクリアできません。

 

④車両の要件(トラックを5台以上確保できること)

一般貨物自動車運送事業に使用するトラックを最低でも5台確保しなければいけません。ただし、必ずしも申請時に手元にトラックがある必要はなく、購入予定であれば大丈夫です。

購入予定のトラックがある場合は、注文書や売買契約書などを添付して契約が確実に結ばれていることを証明します。

なお、重要なのでもう一度繰り返しますが、5台の中に軽自動車を含むことはできませんのでご注意ください。

 

⑤人の要件(運行管理体制を満たす人員が確保できること)

一般貨物自動車運送事業を行ううえで必ず確保しないといけないのは、運行管理者、運行管理補助者、整備管理者、整備管理者補助者、トラックの台数に応じた数のドライバーとなります。

必要な人数は最低でも6人で、その内訳は下記のとおりです。

ドライバー5人+運行管理者1人=6人

※運行管理者はドライバーを兼任できないので最低でも6人必用となります。

なお、運行管理者補助者、整備管理者、整備管理補助者はドライバーや運行管理者を兼任することは可能です。

ドライバーや運行管理者(補助者)・整備管理者(補助者)は一般貨物自動車運送事業許可の申請時に、申請者と雇用関係にある必用はありませんが、許可が取得までには雇用契約を結ぶようにしてください。

 

無料電話相談※お急ぎの方は、代表直通 080-3687-6848 までお掛けください。

 

運送業許可を取得したあとに提出すべき書類

一般貨物自動車運送事業許可の取得ができても、すぐに運送事業を開始できるわけではありません。許可取得後に、一定の書類を運輸局に提出して、初めて事業を行うことが可能となります。

一定の書類とは以下の通りです。

  • 従業員や役員が社会保険(健康保険と厚生年金保険)と労働保険(雇用保険と労災保険)に加入しことが証明できる書類の写し
  • 一定の範囲で残業を認める36協定書の写し(労働基準監督署受付印のあるもの)
  • 運行管理者選任届
  • 整備管理者選任届
  • 運輸開始前届
  • 運賃料金設定届
  • 運輸開始届

これらの書類に、定められた書類を添付して営業所を管轄する運輸支局へ提出し、トラックのナンバーを緑ナンバーに変更後、自動車保険に加入して初て「一般貨自動車運送事業」が開始できることになります。

 

運送業開始後に毎年提出する書類|事業概況報告書と事業実績報告書

トラック運送業を開始したあと、毎年提出が義務付けられているのが下記の2つの書類です。

  1. 事業概況報告書
  2. 事業実績報告書

事業概況報告書とは

毎事業年度の経過日から100日以内に運送業の営業所を管轄する地方運輸支局へ提出する書類です。

事業概況報告書には役員、発行済み株式数、主な持ち株数、経営している事業などについて記載します。

※毎事業年度とは、個人事業主の場合12月末日、法人の場合は会社の決算月のことです。

 

事業実績報告書とは

4月1日から翌年3月末日までの事業実績を毎年7月10日までに、運送業の営業所を管轄する地方運輸支局へ提出する書類です。

事業概況報告書には、行っている事業内容、トラックの総走行キロ・輸送トン数、事故発生件数などを記載します。

 

おまけ|実話!車庫の要件を満たすには体力が必用

ある日、弊社シフトアップのホームぺージをご覧頂いた方から、運送業許可取得のご依頼を受けました。お客様は開業に必用な資金をなるべく抑えたいとのご意向で、事務所候補地は名古屋市内のご自宅になりました。

早速調査したところ、ご自宅のある場所は市街化区域、且つ都市計画法に定められた用途地域が「第2種中高層住宅専用地域」という場所だったので、事務所の要件はクリア。

車庫は事務所から約100mの場所に好物件を押さえてあるとのことでしたが、出入口の真横が交差点になっており、車庫の要件をクリアできず泣く泣くこの場所は断念しました。

 

次の車庫候補地がなかなか見つかりませんでしたが、不動産仲介業者を7件あたったところでようやく候補地を発見。まずは、仮押さえをして車庫の要件をクリアできるか調査を始めました。

事務所との距離は6km、広さも大型トラック8台は余裕で入る平米数、出入口付近に交差点や横断歩道もなく合格です。

しかし、問題は駐車場の出入口が12mと広すぎることでした。運輸局からなんらかの制限が付くことをお客様にご説明し、この場所を車庫として運送業許可申請するに至りました。

 

制限付き車庫

運送業許可申請の受付から3ヶ月後、無事に許可取得となりましたが、予想通り車庫に対して制限が付きました。内容は「車庫出入口の幅を8m以内とするため、杭などを打ち出入口とその他の部分を明確にする」といったものでした。

後日、ご依頼者様と私で駐車場に杭打ちをしましたが、地面がとても固かったため結構しんどかったです。結局4時間かけて4本杭を打ち、ホームセンターでトラロープを調達して、杭と杭の間をつないで作業完了。

写真を撮って運輸局に提出し、無事に制限をクリアし、運輸開始することができました。

 

まとめ

一般貨物自動車運送事業の始めるには、許可を取るための開業資金、事務所と駐車場、トラック、人を確保し、申請書を作成して運輸局へ提出して許可を取得。その後、定められた書類を提出という流れになります。

開業資金の計算や、事務所・駐車場が法律に違反していない場所かの調査、そして、許可申請書類の作成は、経験やノウハウの豊富な専門の行政書士事務所でなければ、とても成し遂げられる業務ではありません。一般貨物自動車運送事業を始めるときは、運送業許可の専門事務所「名駅の行政書士法人シフトアップ」へお気軽にご相談ください。

 

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    • この記事を書いた人

    川合 智

    運送業許可のプロ事務所「行政書士法人シフトアップ」の社長★トラック運送会社に12年勤務後に開業。著書【行政書士のための運送業許可申請のはじめ方】★行政書士向けに運送業許可を教える「くるまスクール」主催者