- 貸切バス事業の許可有効期間は5年。更新は自動ではなく、所定の受付期間内に申請し審査を受ける必要があります(2017年4月1日導入)。
- 「3年連続赤字=更新不可」ではありません。直近年度が債務超過であり、かつ直近3年度が連続赤字の両方に該当する場合が問題となります。将来計画も計画期間のすべての年度が連続赤字の場合が問題です。
運送事業、いわゆる貸切バス事業の許可は一度取得すれば無期限に有効となるものではありません。2017年4月1日から5年ごとの許可更新制が導入され、引き続き貸切バス事業を経営するには、所定の期間内に更新許可を申請し、審査基準を満たす必要があります。
更新申請では、営業所・車庫・車両・管理体制などの一般的な許可要件に加え、将来の「安全投資計画」と「事業収支見積書」、過去の「安全投資実績」と「事業収支実績報告書」などが審査されます。そのため、単に申請書を提出すれば更新されるわけではありません。財務状況、安全投資、運転者の賃金、社会保険料、行政処分、法令試験など、複数の条件を確認する必要があります。
この記事では、赤字と債務超過の違い、将来の事業収支計画の作り方、必要書類、法令試験、申請時期などを、主に中部運輸局の現行基準をもとに解説します。
※審査基準、申請様式、試験日程等は変更される場合があります。実際に申請する際は、主たる事務所を管轄する地方運輸局・運輸支局の最新資料を確認してください。
貸切バス事業の許可は5年ごとの更新が必要
一般貸切旅客自動車運送事業の許可には有効期間があり、原則として5年ごとに更新許可を受けなければなりません。
更新制は貸切バス事業者が継続して安全運行に必要な人員・車両・整備費・教育費等を確保できるかを定期的に確認するために導入された制度です。
5年更新制が導入された背景
貸切バス事業では、軽井沢スキーバス事故を踏まえた安全対策の一環として、2017年4月1日から事業許可の5年更新制が導入されました。
新規許可・更新許可の申請時には、将来にわたって計画的な安全投資を行えるかを審査するため、安全投資計画と事業収支見積書を提出します。更新申請では、将来計画だけでなく、前回許可以降の安全投資実績や事業収支実績も確認されます。
許可の更新は自動ではない
許可の有効期限が近づいても、自動的に更新されるわけではありません。所定の受付期間内に申請し、次のような要件について審査を受けます。
貸切バス許可の更新申請時期
中部運輸局では、現在の許可の有効期間満了日に応じて、更新申請の受付期間が定められています。
| 許可の有効期間満了日 | 申請時期 |
|---|---|
| 4月1日~6月30日 | 同年2月1日~2月末日 |
| 7月1日~9月30日 | 同年5月1日~5月末日 |
| 10月1日~12月31日 | 同年8月1日~8月末日 |
| 1月1日~3月31日 | 前年11月1日~11月末日 |
年度ごとの具体的な受付日や法令試験日は、中部運輸局が公表する更新申請手続きスケジュールで確認してください。
更新申請の標準処理期間は6か月
中部運輸局における貸切バス更新許可申請の標準処理期間は6か月です。ただし、申請書類の補正に要した期間は、標準処理期間に含まれません。提出書類に不備がある場合や、事業収支計画の根拠について追加説明を求められた場合は、審査期間が長くなることがあります。
貸切バス許可更新における赤字と債務超過の考え方
貸切バスの許可更新に関する説明で、特に誤解されやすいのが「赤字」と「債務超過」です。
この2つは異なる財務状態であり、分けて考える必要があります。
赤字と債務超過は異なる
| 項目 | 意味 | 主な確認書類 |
|---|---|---|
| 赤字 | 一定期間の収益より費用が多く、損益がマイナスとなっている状態 | 損益計算書・事業収支実績報告書 |
| 債務超過 | 負債が資産を上回り、純資産がマイナスとなっている状態 | 貸借対照表 |
単年度の損益が赤字でも、それまでに利益を蓄積して純資産がプラスであれば、直ちに債務超過になるわけではありません。反対に、単年度が黒字でも、過去の累積損失が大きければ債務超過が解消されていない場合があります。
更新上問題となるのは「直近年度の債務超過」と「3年連続赤字」の両方
現行の中部運輸局の審査基準では、原則として次の両方に該当する場合に、更新できない可能性があります。
- 許可を申請する年の直近1事業年度において、財務状況が債務超過である
- 直近3事業年度の収支が連続して赤字である
3年連続で赤字だから、それだけで直ちに更新不可になるわけではありません。直近年度が債務超過でなければ、この財務基準の組合せには該当しません。ただし、最低賃金、安全投資、社会保険料、行政処分、法令試験など、ほかの更新要件も審査されるため、財務基準を回避しただけで更新が保証されるわけではありません。
親会社等からの支援が考慮される場合もある
直近年度が債務超過で、直近3年度が連続赤字である場合でも、親会社等からの融資が確実に得られるなど、事業継続のための支援を客観的に説明できる場合には、例外的な取扱いが認められることがあります。単に「親会社が支援する予定」と説明するだけではなく、支援を裏付ける契約書、資金計画、決議書、残高資料等が必要になる可能性があります。
事業収支見積書では将来の収支計画を作成する
更新申請では、更新後の許可期間を含む事業年度について、事業収支見積書を作成します。事業収支見積書は、単に黒字の数値を並べる書類ではありません。安全投資計画、車両計画、人員計画、運行実績等と整合する合理的な収支計画である必要があります。
計画期間は「申請年度の翌年度から6年間」とは限らない
安全投資計画・事業収支見積書の計画期間は、次の期間です。
- 更新後の許可を受けようとする日を含む事業年度の開始日
- 更新後の許可有効期間満了日を含む事業年度の終了日
許可の有効期間自体は5年ですが、許可日と会社の事業年度の関係により、様式上は6事業年度分を記載する場合があります。「申請年度の翌年度から一律6年間」と決まっているわけではありません。
「2期連続赤字なら更新不可」という基準ではない
事業収支見積書について問題となるのは、計画期間中のすべての年度が毎年連続して赤字となる場合です。2年度連続で赤字となるだけで直ちに更新不可になる、という明文基準はありません。ただし、前半の年度が赤字となる計画であれば、その後どのように収支を改善するのかについて、合理的な根拠を示す必要があります。
将来の営業収益は輸送実績を基礎に算定する
更新申請における営業収益は、原則として直近の輸送実績報告書を基礎に、次の式で年度ごとに算出します。
実績実働日車営収 × 期中平均車両数 × 期中平均実働率 × 365日
例えば、車両の増車・減車を予定している場合は、年度ごとの期中平均車両数が変わるため、営業収益も年度ごとに変動します。実績実働日車営収や実績実働率とは異なる数値を使用する場合は、その根拠となる書類が必要です。
将来の経費は安全投資計画に基づいて積み上げる
貸借対照表は、一定時点における資産・負債・純資産を示す書類です。事業収支見積書の経費は、将来の事業計画に基づいて、主に次の項目を年度ごとに計上します。
- 運転者の給与・手当・賞与・法定福利費・役員報酬等
- 車両の減価償却費・リース費・修繕費・予防整備費
- 健康診断費・適性診断費
- ドライブレコーダー・デジタルタコグラフ等の安全設備費
- 適正化機関負担金・その他安全確保に必要な費用
安全投資計画に記載した人員・車両・整備・機器等の内容と、事業収支見積書に計上する経費を一致させる必要があります。計画期間の赤字を避けるために、根拠なく売上を増やしたり経費を減らしたりすることはできません。
貸切バス以外の事業収支を記載する場合
現行様式には、一般貸切旅客自動車運送事業以外の事業について、営業収益・営業費用等を記載する欄があります。貸切バス事業の経常損益が計画期間のすべての年度で連続赤字となる場合などは、他事業を含む会社全体の収支を記載して確認を受けることがあります。
他事業を含めた合計が黒字であれば、それだけで自動的に更新できるわけではありません。貸切バス事業に必要な安全投資費用が確保され、数値に合理的な根拠があり、ほかの更新要件も満たす必要があります。
安全投資計画で確認される主な内容
安全投資計画では、更新後も貸切バスを安全に運行するために必要な人員・車両・整備・設備等を確保できるかを示します。
| 区分 | 主な計画内容 |
|---|---|
| 人員 | 運転者、運行管理者、整備管理者の確保予定人数 |
| 車両 | 車両の取得・代替・減車・保有計画 |
| 整備 | 予防整備、点検、部品交換、修繕費 |
| 健康管理 | 健康診断、適性診断等の受診計画 |
| 安全設備 | ドライブレコーダー、デジタルタコグラフ、点呼機器等 |
| その他 | 安全教育、運輸安全マネジメント、安全性評価認定等 |
計画へ記載した安全投資については、その実施に必要な費用を事業収支見積書へ反映させます。
更新申請では過去の安全投資・収支実績も確認される
更新審査では、将来計画だけでなく、前回許可以降に実際にどのような安全投資を行い、どのような収支で事業を運営してきたかも確認されます。「過去より将来計画だけが重視される」と断定することはできません。
実績を記載する期間
現行の更新申請マニュアルでは、原則として前回許可日が属する事業年度から、申請日時点の直近事業年度までの実績を記載します。初回更新では、直近1事業年度を含む過去5事業年度分の損益計算書等を提出します。事業年度と許可日との関係によって対象期間が変わるため、「すべての更新で必ず過去5年度」と機械的に判断せず、申請マニュアルに従ってください。
過去の事業収支実績・安全投資実績で確認される内容
過去の事業収支実績として、主に次の項目を年度別に記載します。
- 旅客運賃などの運送収入・運送雑収
- 運転者給与・手当・賞与・法定福利費・厚生福利費
- 健康診断費・その他人件費
- 車両の減価償却費・リース費・修繕費
- 適性診断・安全設備等の費用
- 営業損益・経常損益・当期純利益
車両については、車両ごとに登録番号・車種区分・初度登録年月・購入リースの別・購入費・修繕費・年間走行距離・整備内容等を整理します。日頃から車両別の整備費・走行距離・修繕履歴を管理しておくことが、更新申請の負担軽減につながります。
最低賃金の確認では直近1年分の賃金台帳等を準備する
最低賃金の確認では、原則として、事業者の中で給与が最も低い運転者について、次の資料を準備します。
- 直近1年間のうち、最も賃金が低い月の賃金内容
- 基本給・手当等の内訳・所定労働時間・総労働時間
- 直近1年分の賃金台帳等
なお、現行様式は、全運転者について過去5年分の残業時間・深夜労働時間・休日労働時間を一覧化するものではありません。過去の収支実績と、最低賃金確認のための労務資料は、目的と対象期間が異なります。
税理士・公認会計士等による確認が必要
次の資料については、公認会計士、監査法人または税理士による確認が必要です。
- 安全投資実績・事業収支実績報告書
- 車両・安全投資に関する所定の別紙
- 貸借対照表・損益計算書
申請時には、公認会計士、監査法人または税理士が作成した「手続実施結果報告書」を添付します。社会保険労務士へ労務資料の整理を依頼することは有用ですが、税理士・公認会計士等による所定の確認に代えることはできません。
財務以外にも更新できない可能性がある条件
貸切バスの許可更新では、赤字や債務超過だけが審査されるわけではありません。中部運輸局は、次のような場合に更新できないおそれがあると案内しています。
| 確認項目 | 問題となる主なケース |
|---|---|
| 将来収支 | 事業収支見積書の計画期間中、すべての年度が連続赤字となっている |
| 過去の財務状況 | 直近年度が債務超過であり、かつ直近3年度が連続赤字である |
| 安全投資費用 | 修繕費・適性診断費等が所定の単価を下回っている |
| 賃金 | 地域別最低賃金以上の賃金が支払われていない |
| 社会保険・労働保険 | 申請日の直近1年分の保険料納付を確認できない |
| 行政処分 | 前回許可以降、毎年連続して一定以上の行政処分を受けている |
| 運輸安全マネジメント | 一定以上の行政処分後、更新申請までに所定の評価を受けていない |
| 法令試験 | 免除対象者を除き、期限までに法令試験へ合格していない |
貸切バス許可更新の法令試験
更新申請では、原則として申請者に法令試験が実施されます。
法人の場合、受験者は代表権を有する常勤役員です。試験当日は、運転免許証やマイナンバーカード等により本人確認が行われます。
試験の出題数・時間・合格基準
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題数 | 30問 |
| 出題方式 | 正誤式・語群選択式・記述式 |
| 試験時間 | 45分 |
| 合格基準 | 正解率90%以上・27問以上正解 |
所定の法令集・通達集等は持込みが認められています。
安全性評価認定が一ツ星以上なら試験免除
初回の法令試験実施日時点で、貸切バス事業者安全性評価認定制度において一ツ星以上を取得している事業者は、法令試験が免除されます。免除を受けるには、有効な認定証の写しを期限までに提出する必要があります。
再試験でも不合格だった場合
初回試験で合格できなかった場合は、1回に限り再試験を受けられます。更新申請で再試験にも不合格となった場合は、基礎講習を修了するごとに、さらに1回の試験機会が与えられます。
再試験不合格の日から1年以内に合格しなければ、不許可処分となります。
毎年の報告書を適切に提出することが重要
貸切バスの更新申請で使用する実績データは、毎年提出する報告書と関係しています。
| 報告書 | 対象期間 | 提出期限 |
|---|---|---|
| 事業報告書(事業概況報告書・財務諸表等) | 各事業年度 | 毎事業年度の経過後100日以内 |
| 輸送実績報告書 | 前年4月1日~当年3月31日 | 毎年5月31日まで |
| 一般貸切旅客自動車運送事業原価報告書 | 各事業年度 | 毎事業年度の経過後100日以内 |
輸送実績報告書に記載した営業収入、延実働車両数、延実在車両数は、更新申請における実働日車営収・実働率の算定に使用されます。
事業報告書、原価報告書、会計帳簿、輸送実績報告書の数値に不整合が生じないよう、毎年確認しておきましょう。
貸切バス許可更新の主な必要書類
| 区分 | 主な書類 |
|---|---|
| 基本申請書類 | 更新許可申請書、事業計画、管理運営体制関係書類 |
| 将来計画 | 安全投資計画、事業収支見積書、車両一覧、整備サイクル表 |
| 過去実績 | 安全投資実績、事業収支実績報告書、車両別整備実績等 |
| 財務資料 | 直近年度の貸借対照表、対象年度の損益計算書 |
| 輸送実績 | 直近事業年度の輸送実績報告書等 |
| 労務関係 | 最低賃金確認資料、直近1年分の賃金台帳等 |
| 社会保険関係 | 直近1年間の社会保険料・労働保険料の納付確認書類 |
| 整備関係 | 修繕費見積書、整備サイクル表、リース関係資料等 |
| 専門家確認 | 税理士・公認会計士・監査法人による手続実施結果報告書 |
| 該当者のみ | 運輸安全マネジメント評価資料、安全性評価認定証等 |
貸切バス許可更新の流れ
| ステップ | 主な内容 |
|---|---|
| ①許可有効期限・受付期間の確認 | 許可証と中部運輸局の年度別スケジュールを確認する |
| ②過去実績の整理 | 会計帳簿・財務諸表・車両台帳・整備記録・輸送実績報告書・賃金台帳等を整理する |
| ③将来の安全投資計画作成 | 人員・車両・整備・健康診断・適性診断・安全機器などを年度別に計画する |
| ④事業収支見積書の作成 | 輸送実績を基礎に営業収益を算定し、安全投資計画と整合する経費を計上する |
| ⑤税理士・公認会計士等の確認 | 安全投資実績・事業収支実績・財務諸表等について手続実施結果報告書を作成してもらう |
| ⑥更新許可申請 | 所定の受付期間内に管轄運輸支局へ申請書と添付書類を提出する |
| ⑦法令試験の受験 | 試験免除の事業者を除き、代表権を有する常勤役員が受験する |
| ⑧補正・ヒアリングへの対応 | 書類の不備や数値の根拠について補正を求められた場合は資料を追加する |
| ⑨更新許可 | すべての審査基準を満たした場合に更新許可が行われる |
貸切バス許可更新の準備で注意したいこと
- 更新直前に5年分の資料を集めようとしない:車両別修繕費や安全投資費用を更新直前に集計しようとすると、過去資料の不足や会計科目の不一致が生じやすくなります。毎年度、更新申請で必要となる項目を意識して記録を残しましょう。
- 輸送実績報告書と会計資料の整合性を確認する:営業収入、車両数、実働車両数等について、輸送実績報告書と会計・運行資料の整合性を確認します。
- 将来計画の数字を恣意的に調整しない:計画期間の赤字を避けるために、根拠なく売上を増加させたり、修繕費や人件費を減額したりすると、補正や追加説明を求められる可能性があります。
- 最低賃金・社会保険料を事前に確認する:更新申請直前に未払い・未納が判明すると、対応に時間がかかります。最低賃金への適合と、社会保険・労働保険料の納付状況を継続的に確認しましょう。
貸切バス許可更新に関するよくある質問
Q. 3年連続赤字だと必ず更新できませんか?
3年連続赤字だけで直ちに更新不可になるわけではありません。原則として、直近年度が債務超過であり、かつ直近3年度が連続赤字である場合が更新上の問題となります。
Q. 直近年度が債務超過でも更新できる場合はありますか?
直近3年度が連続赤字でなければ、上記の組合せには該当しません。また、債務超過かつ3年連続赤字であっても、親会社等からの確実な支援を客観的に説明できる場合には、例外的な取扱いが認められることがあります。
Q. 将来計画で2年連続赤字になると更新できませんか?
「2年連続赤字なら更新不可」という明文基準はありません。事業収支見積書の計画期間のすべての年度が毎年連続して赤字となっている場合が問題となります。
Q. 貸切バス事業が赤字でも、他事業が黒字なら更新できますか?
貸切バス以外の事業収支を含めた会社全体の状況を記載する様式があります。ただし、会社全体が黒字であるだけで更新が保証されるわけではなく、安全投資費用、最低賃金、社会保険料、行政処分、法令試験等の基準も満たす必要があります。
Q. 過去5年分の全運転者の残業時間を提出しますか?
現行様式は、全運転者について過去5年分の残業・深夜・休日労働時間を一覧提出するものではありません。最低賃金の確認では、最も給与が低い運転者について、直近1年間の賃金台帳等を提出します。
Q. 安全性評価認定があれば法令試験は免除されますか?
初回試験の実施日時点で、貸切バス事業者安全性評価認定制度の一ツ星以上を取得している場合は、法令試験が免除されます。
Q. 更新申請は許可満了日の直前でも間に合いますか?
更新申請には、許可満了日の区分ごとに指定された受付期間があります。許可満了日の直前に自由な時期で申請できる制度ではないため、年度別スケジュールを早めに確認してください。
まとめ
貸切バス事業の許可は5年ごとの更新制であり、更新時には将来の安全投資計画・事業収支見積書と、過去の安全投資実績・事業収支実績が審査されます。
財務状況については、「赤字」と「債務超過」を分けて理解することが重要です。3年連続赤字だけで直ちに更新不可になるわけではなく、原則として直近年度が債務超過であり、かつ直近3年度が連続赤字である場合が問題となります。将来計画についても、「2期連続赤字」という基準ではありません。計画期間のすべての年度が毎年連続して赤字となる場合が問題です。
また、事業収支見積書の売上は、直近の輸送実績報告書を基礎として、実働日車営収、期中平均車両数、期中平均実働率から年度ごとに算定します。経費は貸借対照表から転記するのではなく、人員・車両・整備・安全設備等の将来計画に沿って積み上げます。
更新可否は財務状況だけでは決まりません。最低賃金、安全投資、社会保険・労働保険料、行政処分、運輸安全マネジメント、法令試験なども確認されます。更新申請直前に過去資料を集めるのではなく、毎年度の輸送実績、会計資料、賃金台帳、車両別整備費、安全投資実績を継続的に整理しておくことが重要です。
貸切バスの許可更新、安全投資計画、事業収支見積書の作成などでお困りの場合は、行政書士法人シフトアップまでご相談ください。
【参考文献】
- 国土交通省 中部運輸局「一般貸切旅客自動車運送事業」
https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/bus/procedure/kasikiri/index.html - 国土交通省 中部運輸局「一般貸切旅客自動車運送事業の申請に関する審査基準について」
https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/jikou/kouji/264_kasikiri.pdf - 国土交通省 中部運輸局「一般貸切旅客自動車運送事業 更新許可申請書・記載例」
https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/bus/procedure/kasikiri/date/koushinmanual2024.04.pdf - 国土交通省 中部運輸局「令和8年度における更新申請手続きスケジュールについて」
https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/jikou/kasikiri/scheduleR8.pdf - 国土交通省 中部運輸局「一般貸切旅客自動車運送事業の申請等に係る法令試験の実施要領について」
https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/jikou/kasikiri/81_kasikiri.pdf - 国土交通省「貸切バス事業許可の5年更新制が4月1日にスタートします」
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha03_hh_000263.html - e-Gov法令検索「道路運送法」
https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000183
