運送業許可

一般貨物運送事業の始め方と疑問を行政書士が解説

トラック24
行政書士法人シフトアップ 代表社員 川合智

川合 智

12年間の運送会社勤務経験を持ち、累計相談数は10,000件以上。運行管理者・配車・総務経理など運送事業の現場を知り尽くした圧倒的な業務ノウハウを基に運送業、貸切バス、介護タクシー、産廃収集運搬などの許認可をメインに日本全国対応で力強くサポート。
【保有資格】行政書士【商工会議所】名古屋商工会議所【著書】 トラック運送業の運輸局監査対策行政書士のための運送業許可申請のはじめ方

一般貨物自動車運送事業=トラック運送業を始めたいが、一体何から手をつければ良いのかわからないという方も多いはず。

そんな方々のために、この記事では「一般貨物自動車運送事業とは何か?」という基本的なところから、事業の始め方や必要な要件、手続きの流れまで詳しく紹介していきます。

運送業許可取得に関してよくある疑問にもお答えしていますので、これを読めば運送業のはじめ方が誰でもわかる内容となっています。

まずは、より理解を深めていただくために一般貨物自動車運送事業とは何かを見ていきましょう。

シフトアップ代表の川合が解説する「運送業許可を取りたいと思ったら何から考えるべき?」

当所代表の川合が運送業許可を取得をご検討されている方向けに”運送業許可を取得したいと思ったら何から考えるべき?”について、わかりやりやすく解説しています。

これから運送事業を展開される方、事業を拡大される方にもぜひご視聴いただいたい内容となっておりますので、ぜひ一度ご覧ください!

しふとあっぷチャンネルこちらからご覧ください。

一般貨物自動車運送事業とは

一般貨物自動車運送事業とは、個人や企業などから託された貨物を、運賃をもらい貨物自動車=トラックで運ぶ仕事のことです。

具体的には貨物自動車運送事業法第2条第2項において、次のように定義されています。

「一般貨物自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。次項及び第七項において同じ。)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものをいう。

日常生活でよく見かける引越し業や宅配業(軽貨物自動車を使用しているものを除く)などが、一般貨物自動車運送事業に当たります。

 

一般貨物自動車運送事業のはじめ方

一般貨物自動車運送事業開業までにはたくさんのステップがあります。

半年から1年もの時間をかけて手続きを進めていくことになるため、着実に準備を進めて行くしかありません。

以下でその過程を、順を追って解説していきます。

 

一般貨物自動車運送事業の許可を取る

一般貨物自動車運送事業を始めるためには、「一般貨物自動車運送業許可(通称、運送業許可)」の申請をし、国土交通省の許可を得る必要があります。

許可を受けていることの証として、事業用の車両には緑色のナンバープレートが付けられます。

その色から、運送業許可そのもの、または運送事業に使う車両を指して「緑ナンバー」や「営業ナンバー」と呼ぶこともあります。

 

一般貨物自動車運送事業の許可は個人でも取れるのか

一般貨物自動車運送事業許可は法人でも個人でも取得できます。

ただし、個人でも取れるとはいえ、運転者5人と運行管理者1人の計6人がいないと運送業許可は取れないのでご注意ください。

運送業許可取得の8つの要件

 

運送業許可取得の8つの要件

運送業の許可を得るには、次のような厳しい基準が設けられており、全ての要件をクリアすることが求められます。

その要件を以下でザックリ見ていきましょう。

 

営業所の要件

  • 自己所有であることや賃貸借していることを証明でき、農地法・都市計画法・建築基準法などの関係法令に抵触しないこと。
  • 事務所に必要な備品や規模が備わっていること。
  • 車庫から10㎞以内(地域により5㎞以内または20㎞以内)にあること。

など。

 

休憩・睡眠施設の要件

  • 自己所有であることや賃貸借していることを証明でき、、原則として営業所もしくは車庫に併設されていること。
  • 睡眠施設は1人あたりの広さを2.5平方メートル以上確保していること。
  • 車庫から10㎞以内(地域により5㎞以内または20㎞以内)にあること。

など。

 

車庫の要件

  • 自己所有であることや賃貸借していることを証明でき、他の用途に使用される部分と明確に分けられていること。
  • 車両間および車両と車庫との間隔が50センチメートル以上確保され、事業用自動車を全てを容易に収容できること。
  • 出入口前面道路や前面道路に接する公道との関係において、車両制限令に抵触しないこと。
  • 交通安全が十分に確保できること。
  • 営業所から10㎞以内(地域により5㎞以内または20㎞以内)にあること。

など。

 

車両の要件

自己所有であることや売買契約済みであることを証明でき、車両の大きさや構造が、輸送する貨物に対して適切であることなど。

 

運行管理体制

  • 業務に必要な数のドライバーと運行管理者、整備管理者を確保または確保予定であること。
  • 労働条件が改善基準告示や労働基準法上適切であること。
  • 運行や整備管理に関する指揮命令系統が明確であること。
  • 事故処理や事故報告体制が適切であり、必要に応じ法令に定められた資格の保有者を確保していること。

など。

 

損害賠償能力を有している

自賠責保険または自賠責共済に加え、自動車任意保険やその他必要に応じた保険に加入し、十分な損害賠償能力を持っていること。

 

資金計画

資金計画に基づく資金調達が行われ、所要資金全額以上の自己資金を、審査期間を通じて常時確保していること。

具体的には、最低でも1500万円前後の自己資金が申請者の口座に貼っている必要があります。

 

法令遵守

  • 事業の遂行に必要となる法令知識を持ち、遵守していること。
  • 社会保険・労働保険に加入していること。
  • 常勤役員が欠格事由に該当していないこと。

など。

運送業許可申請の無料相談は行政書士法人シフトアップへ

運送業許可を取るまでの流れ

運送業許可を取るための要件がわかったところで、次は、実際に運送業許可の申請から許可取得までの流れについて見ていきましょう。

 

1 申請に必要な書類の作成と準備

事業に使用する車庫や営業所・休憩睡眠施設の賃貸借契約書や図面、残高証明書などの必要書類を準備しましょう。

専門家に依頼すると費用はかかるものの、短期間で確実に進めることができます。

2 運輸支局へ申請

申請書類一式を揃えて運送業を行う営業所を所管する運輸支局へ提出します。ちなみに愛知県の場合は愛知運輸支局が提出先です。

3 運輸局の審査

審査期間はおよそ4ヶ月~5か月とさだめられており、この審査期間を「標準処理期間」と言います。

補正が多い場合などは、さらに時間がかかることもあります。

4 役員法令試験の受験

運送業許可申請の受付をしたあと最初に来る奇数月に行われる試験を「法令試験(通称、役員法令試験)」と言います。

法令試験は常勤役員のうち1人が受験し、合格する必要があります。もし2回連続不合格になると申請取り下げになり、次の手続きに進むことができませんので確実にクリアしましょう。

5 残高証明書の再提出

自己資金が、審査期間を通じて確保されているかどうかを金融機関が発行する「残高証明書」を提出して証明します。

6 運送業許可取得

運輸局での審査が終わるとめでたく運送業許可取得となります。

しかし、許可が下りたとはいえ手続きはまだ終わりではないのが運送業許可の難しいところです。

7 許可書交付

運送業許可書を営業所管轄の地方運輸支局で受け取ります。

地域によっては「交付式」が行われ、その際に許可書と登録免許税の納付書が手渡されます。

8 登録免許税納付

登録免許税12万円を許可取得日から1か月以内に金融機関で納付し、その領収書を運輸局へ届出ます。

9 選任届提出と運輸開始前確認の提出

運行管理者と整備管理者を選任し、営業所管轄の運輸支局へ届け出ます。

その後、社会保険や労働保険、36協定書の写しを揃えて「運輸開始前確認」を提出します。

10  事業用自動車等連絡書と指定書の受取り

運輸開始前確認が受理されると、申請車両を緑ナンバーに切り替えるのに必要な「事業用自動車等連絡書」と「指定書」が交付されます。

11  ナンバープレート取付

管轄の陸運局へ車両を持ち込み、緑ナンバーを取り付けます。同時に車検証の変更手続きも行うことになります。

※ナンバー変更が不要な場合は、車両の持ち込みは必用ありません。

12  自動車任意保険加入

緑ナンバーを取り付けたあとの車両に対して自動車任意保険の加入手続きをします。

13  運賃料金設定届の提出

運賃料金設定届を営業所管轄の運輸支局へ提出します。

14  運輸開始届の提出

申請車両を緑ナンバーへ切り替えたあとの新車検証の写しと、自動車任意保険証券の写しを添付して「運輸開始届」事業を提出します。

運輸開始前確認で社会保険や労働保険に加入していることの証明書類を提出していない場合は、このタイミングで提出することになります。

以上が運送業許可申請から、実際に運送業を開始するまでの流れとなります。

一般貨物自動車運送事業許可の有効期間と再発行について

 

一般貨物自動車運送事業許可の有効期間と再発行について

多くの時間と手間をかけて手にした許可が失効した、許可証が見つからない・・・なんてことがあっては大変です。

そこで、万が一に備えて、許可の有効期間や、許可書を紛失した場合の対応についておさえておきましょう。

 

許可の有効期限はあるのか?

一般貨物自動車運送事業許可には有効期限がありません。つまり、一度許可を取得すれば、更新手続きをせずに事業継続できるということです。

知らない間に失効することはありませんので、ご安心ください。

ただし、重大な違反などにより、事業を行う資格がないと判断された場合は、許可を取り消されることがあります。

 

許可書は再発行できるのか

一般貨物自動車運送事業をしている間に役員が交代したり、事務所を移転したりすることがあります。その過程で許可書が他の荷物にまぎれてしまい、行方不明になるのもよくある話です。

しかし残念ながら、許可書は再発行できません。誤って紛失することのないよう、きちんと保管しておきましょう。万が一、許可書を無くしてしまった場合は、運輸支局へ「事業証明願」を出すと、許可内容を証明してもらえます。

運送業許可書は紛失しても、日常的にはあまり影響がないかもしれませんが、金融機関に資金の融資を申し込む時などに、許可書の提出を求められる可能性がありますので、失くさないように注意しましょう。

 

まとめ

一般貨物自動車運送事業を始めるときに準備すべきものや必要な手続きについて紹介しました。許可要件をクリアするだけでも大変なことが、十分お分かりいただけたと思います。

さらには、許可を取得するための手続きも複雑なため、これを開業準備と並行しながら、自分の力だけで完璧に進めていくのは困難です。

そんな時に強い味方となるのが「行政書士法人シフトアップ」。豊富な経験と専門知識を持った運送業許可専門のプロ行政書士が、あなたの開業を全面的にバックアップしますので、お気軽にお問い合わせください。

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行政書士法人シフトアップ 代表社員 川合智

川合 智

12年間の運送会社勤務経験を持ち、累計相談数は10,000件以上。運行管理者・配車・総務経理など運送事業の現場を知り尽くした圧倒的な業務ノウハウを基に運送業、貸切バス、介護タクシー、産廃収集運搬などの許認可をメインに日本全国対応で力強くサポート。
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