千葉県は、東京都・神奈川県・埼玉県の首都圏に隣接する地域で、関東地方の物流拠点として重要な役割を担っています。東京湾にも面しているため、海路と連携した輸送サービスの需要も高いです。
本記事では、千葉県でトラック運送業を始めたいという方に向けて運送業許可(緑ナンバー)を取得する方法を紹介します。
「自分がやりたい事業は運送業に該当するのか?」
「千葉県で運送業許可を取得するまでの具体的な流れが知りたい」
そのような方はぜひ参考にしてください。
一般貨物自動車運送事業の許可が不要なケース
そもそもトラック運送業とは、他社の依頼を受けて有償で荷物を運ぶ事業を指します。
千葉県で運送業を始めるには、運送業許可(緑ナンバー)を得なければなりません。
許可を得ずに事業を営んだ場合は無許可営業となり、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が科せられます。
しかし、すべてのケースで許可が必要になるわけではなく、以下のようなシーンでは原則不要となっています。
- 自社の荷物を運ぶ
- 軽トラックで荷物を運ぶ
- 無償で荷物を運ぶ
- 二輪車で運ぶ
順番に解説します。
自社の荷物を運ぶ
自社の荷物を運ぶケースでは、運送業許可(緑ナンバー)を取得する必要はありません。
例えば、自動車の部品を製造する会社が取引先の工場まで自社製品を届ける場合は、白ナンバートラックのまま荷物を運べます。
しかし1点注意してほしいのが、配送先がグループ会社や親会社に該当するケースです。
グループ会社や親会社の荷物を運ぶ際は、運送業許可(緑ナンバー)が必要になります。
関係会社であっても会計上は別会社です。運賃のやり取りが発生する限り、運送業許可を取得しなければなりません。
軽トラックで荷物を運ぶ
軽トラックで荷物を運ぶ場合は、運賃のやり取りがあったとしても運送業許可は不要です。
その代わり、貨物軽自動車運送事業(黒ナンバー)の届出をおこなわなければなりません。
貨物軽自動車運送事業とは、軽自動車や125cc未満の二輪自動車(バイク)を使用して他社の荷物を有償で運ぶ事業です。
届出の手続きは比較的簡単で、自分以外の従業員や莫大な開業資金を確保する必要はありません。書類に不備がなければ最短1日で開業可能です。
無償で荷物を運ぶ
他社の荷物であっても運賃のやり取りが発生しない場合は、運送業許可(緑ナンバー)は必要ありません。
しかし、請求書に運賃の項目がなくても実質的な運賃が含まれていれば、運送行為をおこなったと判断されます。
税務署から注意を受けたり処分の対象になったりする恐れがあるため、無償で荷物を運ぶ場合でも「実質的な運賃をもらっているという場合」は運送業許可を取得した方がよいでしょう。
二輪車で運ぶ
自動二輪車(バイク)で荷物を運ぶ場合は、有償であっても運送業許可は不要です。
ただし軽トラックのケースと同様に、貨物軽自動車運送事業(黒ナンバー)の届出をおこなう必要があります。
なお、自動二輪車であっても排気量が125cc未満であれば届出は不要です。
原付バイクでデリバリーサービスの配達をおこなう場合は、届出をせずに働けます。

一般貨物自動車運送事業の許可を取得する方法
続いて、一般貨物自動車運送事業の許可を取得する具体的な方法を紹介します。
手続きの流れは大きく分けて以下の4ステップです。
- 許可申請書を作成して千葉運輸支局へ提出
- 法令試験の実施
- 千葉運輸支局と関東運輸局で審査・許可
- 運送事業開始
順番に見ていきましょう。
許可申請書を作成して千葉運輸支局提出
まずはトラック運送業を営むための車両や場所、資金、従業員などを確保し、それに沿って許可申請書を作成します。
申請書に記入する項目は多岐に渡ります。自身で作成することも不可能ではありませんが、複雑な箇所も多くあるため、専門家に依頼した方がスムーズでしょう。
申請書の作成が完了したら、必要書類とともに営業所を管轄する千葉運輸支局へ提出します。
(参考資料:一般貨物自動車運送事業の経営許可申請書|国土交通省)
千葉運輸支局の場所
関東運輸局千葉運輸支局の住所等は下記です。
| 住所 | 千葉県千葉市美浜区新港198番地 |
| 担当部署 | 輸送・監査担当 |
| 電話番号 | 043-242-7336(内線2) |
法令試験の実施
千葉県で運送業許可を取得するには、役員法令試験への合格が必須です。
役員法令試験は、運送業を営むための能力や知識が備わっているかを確認する試験です。
1月・3月・5月・9月・11月の奇数月に実施され、法人の場合は役員のいずれか1名、個人事業主なら事業主本人が受験します。
千葉県で運送会社を開業する場合は、関東運輸局で試験を受けることになります。
関東運輸局の役員法令試験は決して簡単ではありませんが、しっかり対策すれば合格できます。
過去5回の役員法令試験の合格者数と合格率は以下のとおりです。
| 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
| 令和4年9月 | 77 | 48 | 62% |
| 令和4年11月 | 78 | 54 | 69% |
| 令和5年1月 | 66 | 44 | 67% |
| 令和5年3月 | 55 | 45 | 82% |
| 令和5年5月 | 71 | 40 | 56% |
(出典:法令試験の実施について|関東運輸局)
1回試験に落ちても、2回までなら再試験を受けられます。
ただし再試験にも不合格だった場合、許可自体が取下げになるので注意が必要です。
※万が一許可取下げになっても、また始めから申請し直せば許可取得は目指せますので諦めないでください。
具体的な出題範囲や設問形式は以下の公示に細かく記載されているので、併せて確認しましょう。
千葉運輸支局と関東運輸局で審査・許可
申請書を提出した後、役員法令試験の裏で書類や要件の審査がおこなわれます。
千葉運輸支局と関東運輸局の2カ所で審査が進められ、書類に不備があった場合はその都度補正対応します。
ちなみに、審査が完了するまでの標準処理期間は4〜5ヵ月です。
これは各地方運輸局の公示で定められている標準審査期間であるため、基本的に早めることはできません。
(出典:一般貨物自動車運送事業及び特定貨物自動車運送事業の許可及び事業計画変更の認可申請等の処理方針について|関東運輸局)
なお、審査が下りるまでの間に
- 2回目の残高証明書の提出(事業資金があるかの確認)
- 社会保険・労働保険への加入
- 労使間での36協定の締結
を済ませておく必要があります。
審査が完了したら、千葉運輸支局から許可取得の通知と交付式の案内が届きます。
個人事業主なら事業主本人、法人の場合は役員が出席し、運送業許可書と登録免許税納付書を受け取ります。
運送業許可書は営業所内のよく見える位置に掲示し、登録免許税(12万円)は許可を取得してから1ヵ月以内に金融機関で支払いましょう。
事業開始
許可取得と登録免許税の納付が完了したら、いよいよ運送事業開始に向けて本格的な準備に入ります。
まずは、以下3つの手続きをおこないます。
- 運行管理者選任届・整備管理者選任届の提出
- 運輸開始前確認の提出
- 緑ナンバーへ変更
車両を緑ナンバーへ変更するタイミングで、事業用の自賠責保険と任意保険に加入しましょう。
以上の手続きがすべて完了したら、運輸を開始できます。
なお、運輸開始後には以下の書類の提出も忘れずにおこないましょう。
- 運輸開始届
- 運賃料金設定届
申請から開業までの流れは以下の記事でも詳しく解説しているので、参考にしてください。
運送業許可の要件を満たさないと申請できない
運送業許可を取得する際には、以下5つの要件を満たす必要があります。
- 資金
- 場所
- 駐車場
- 車両
- 人
それぞれの項目について、詳しく解説します。
資金の要件
運送業許可申請で最も苦戦するといっても過言ではないのが、資金の要件です。
開業資金と当面事業を続けていく資金を確保する必要があります。
合計金額は使用する車両や物件によって異なりますが、おおよそ1,500〜2,500万円です。
口座に十分な資金がない方は、知人や金融機関からお金を借りるなどして申請までになんとか工面しましょう。
場所の要件
運送業を営むための営業所や休憩室、睡眠施設も、国で定められた要件に基づいて選ぶ必要があります。
営業所や休憩室の具体的な要件は、主に以下のとおりです。
- 市街化調整区域にある建物や土地ではないこと
- 建築基準法や農地法、消防法などの関係法令に抵触していない
- 賃貸借契約書や登記簿謄本で使用権原を証明できること など
一つ注意点として、よい物件が見つかったとしても調査前に売買契約や賃貸契約を結ぶことは避けてください。
もし契約した物件が運送業で使用できなかった場合、契約を破棄して一から探し直さなければなりません。手間を増やさないためにも、契約する前に必ず建物や土地を調査しましょう。
なお、睡眠施設は運行上仮眠が必要な場合のみの設置で問題ありません。
ただし、設置する際は一人当たり2.5㎡以上の広さを確保するなど、諸々の要件を満たす必要があるため注意しましょう。
場所の要件については以下の記事で詳しく解説しているため、併せて確認してください。
駐車場の要件
運送業で使用する駐車場は、交通安全上支障がない場所に設ける必要があります。
また営業所や休憩室同様、都市計画法や農地法など関係法令に抵触しないかに加え、以下の要件を満たさなければなりません。
- 賃貸借契約書や登記簿謄本で使用権原を証明できること
- 前面道路が車両制限令に抵触せず、車両が出入りする際に交通安全上支障がないか
- 営業所から直線距離でおおよそ10km以内の場所にあるか
車両の要件
運送業許可を申請する際は、車検証の用途欄に「貨物」と記載された車両を5台以上確保し、車検証やリース契約書で申請者に使用権原があることを示す必要があります。
申請時に車両が手元になくても、売買契約書やリース契約書で契約締結済みであることを証明できれば問題ありません。
人の要件
運送業を営むにあたって、最低限の人員を確保する必要があります。
| 最低必要人数 | 兼任の可否 | |
| ドライバー | 5 | 可(整備管理者のみ) |
| 運行管理者 | 1 | 可(整備管理者のみ) |
| 整備管理者 | 1 | 可 |
整備管理者はドライバーや運行管理者と兼任可能なので、最低6人の人員を確保できれば運送業許可の申請は可能です。
併せて、申請者が欠格事由に該当しないかも確認する必要があります。
欠格事由とは、運送業許可を与えるうえで相応しくないとされる行動や事柄のこと。申請者が欠格事由に一つでも当てはまる場合、運送業許可申請ができなくなるため注意してください。
まとめ
千葉県で運送業を開業するには、国で定められた要件を満たし、申請書を千葉運輸支局へ提出する必要があります。
しかし、簡単に取得できるものではありません。
申請書の作成や要件の確認では、法律に関する専門知識が必要になるケースもあります。
自身で申請することも不可能ではありませんが、1年近く時間がかかってしまうことも。
弊社シフトアップは運送業許可に特化した行政書士事務所なので、申請書の作成から許可取得までをスムーズにおこなえます。
新事業として運送業を立ち上げたい企業様や、一から事業を立ち上げたい事業者様も安心してお任せください。
依頼に関する相談は無料で承っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
運送業許認可や巡回指導・監査対策に関するお問い合わせは行政書士法人シフトアップまでお気軽に。全国対応しております。

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