コラム 運送業

共同配送とは?メリット・デメリットや具体的な導入事例を紹介

共同配送を実施する配送スタッフ
行政書士法人シフトアップ 代表社員 川合智

川合 智

12年間の運送会社勤務経験を持ち、累計相談数は10,000件以上。運行管理者・配車・総務経理など運送事業の現場を知り尽くした圧倒的な業務ノウハウを基に運送業、貸切バス、介護タクシー、産廃収集運搬などの許認可をメインに日本全国対応で力強くサポート。
【保有資格】行政書士【商工会議所】名古屋商工会議所【著書】 トラック運送業の運輸局監査対策行政書士のための運送業許可申請のはじめ方

共同配送とは、配送先が同じもしくは近い複数の荷主の荷物を、同じトラックでまとめて配送することです。2024年問題に伴うドライバーの人手不足や環境への負担を解決する効率的な配送方法として、近年注目されています。

本記事では、共同配送とは何か詳しく解説すると共に、メリットやデメリット、事例等も紹介していきます。導入する際の注意点についても取り上げるので、ぜひ参考にしてください。

共同配送とは?

共同配送とは、配送先が同じもしくは近い複数の荷主の荷物を、1台のトラックでまとめて配送する仕組みです。

例えば、3つの企業がそれぞれ荷物を送る必要があるとします。
通常であれば、各社は3人のドライバーと3台のトラックを手配する必要がありますが、共同配送を活用することで、3社の荷物を1人のドライバーと1台のトラックのみで運ぶことが可能になります。

これにより、ドライバーとトラックの数を減らせるだけでなく、トラックの空荷を防ぎ、効率的な配送が実現します。

 

注目されている理由

運送業界で共同配送が注目されている理由

近年、運送業界で共同配送が注目されている理由の一つに、2024年問題があります。

2024年問題とは、働き方改革関連法の改正によって、ドライバーの時間外労働時間に上限が課されることで生じる様々な問題の総称のことです。
具体的には、2024年4月1日からトラックドライバーの時間外労働時間(残業時間)の上限が、年960時間に規制されます。

この問題に対して何も対策を講じなければ、2024年度には14%、2030年度には34%の輸送力が低下すると言われています。
輸送力が低下すると、従来通りに物を運べなくなるのはもちろん、それに起因して生産や販売に何らかの障害が起きる可能性もあります。

こういった最悪の事態を生じさせないために、運送業界では共同配送の導入が注目されているのです。

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共同配送の3つのメリット

ここからは、共同配送が運送業界にもたらす3つのメリットを紹介します。

  1. コスト削減
  2. 環境への負担軽減
  3. 労働力不足の解消

順番に見ていきましょう。

 

① コスト削減

共同配送を活用して、複数の荷主の荷物を1台のトラックにまとめることで、燃料費や人件費等のコストを削減することができます。

様々なものの価格上昇が問題視されている昨今、共同配送はコストを削減するための有力な手段となるでしょう。

また、自社トラックではなく配送業者に輸送を委託している場合も、共同配送を活用することによって委託料の削減につながります。

 

② 環境への負荷軽減

共同配送の導入に伴ってトラックの稼働台数が減れば、CO2排出量が減少し、結果的に環境への負担も軽減されます。

2018年度時点、日本国内のCO2排出量のうち18.5%を、運送部門が占めています。
物流業界全体で共同配送に取り組むことで、環境負荷の軽減に大きく貢献できるでしょう。

 

③ 労働力不足の解消

運送業界では、ドライバー不足が深刻な問題となっています。

原因は様々ですが、主に「時間外労働時間に上限が課されることによる収入の減額」、「少子高齢化に伴う働き手の減少」、「EC市場拡大による需給バランスの悪化」などが挙げられます。

共同配送によって必要なドライバーと車両数が減れば、人手不足の解消につながると考えられています。

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共同配送のデメリット

共同配送には多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットも生じます。

  1. 管理の複雑化
  2. 柔軟性の欠如
  3. 料金設定の問題

 

① 管理の複雑化

共同配送は、複数の荷主の荷物をまとめて配送するため、管理が複雑化しやすいというデメリットがあります。

独自の管理システムを使用している場合、配達の管理や追跡をするために、他社とシステムを連携させるのは容易ではありません。

場合によっては、共通のシステムを新たに構築する必要があるため注意しましょう。

 

② 柔軟性の欠如

共同配送を行う際は、複数の荷主があらかじめ調整して、配送ルートや時間帯、料金等を決定します。

自社のみの配送であれば、配送先の追加や時間の細かな調整、荷物の変更などに柔軟に対応することができます。

しかし、事前に決められた計画に沿って運行する共同配送では、急な変更や予期しないトラブルに、臨機応変に対応することが難しいケースが多いです。

 

③ 料金設定の問題

運送会社へ支払われる配送料金は、それぞれの企業が結んでいる契約内容に基づいて、独自に設定されることが一般的です。また、支払いや請求の方法も、各企業ごとに異なります。

共同配送では、各企業がまとめて荷物を配送するため、料金や請求方法について、それぞれですり合わせを行わなければなりません。

また、すり合わせの際に、自社の配送料金や請求方法といった内部情報が、共同配送のパートナー企業に知られてしまうリスクがある点にも注意が必要です。

 

共同配送に適した荷物

共同配送に適した荷物とは?

共同配送には、軽量かつ配送頻度の高い、以下のような荷物が適しています。

  • 日用品
  • 医療品
  • 食料品

日用品や医療品は、軽量で箱の形が統一された荷物が多く、毎日のように配送されるため、共同配送に適していると言えます。
食料品については、共同配送を行うことで冷蔵・冷凍トラックを効率良く利用できるため、
燃料費の節約や配車の無駄を防ぐことにも繋がります。

一方で、大型の荷物や形がいびつな荷物、形が揃っていない荷物は共同配送に不向きです。
大きすぎる荷物は、他の荷物を一緒に詰め込むスペースを確保できなくなります。
また、形がいびつだったり、統一されていない荷物は、積み込み方法を工夫する必要があるため、かえって非効率を招く恐れがあります。

どのような荷物でも、共同配送ができるわけではないため注意しましょう。

 

まとめ

共同配送とは、配送先が同じもしくは近い複数の荷主の荷物を、1台のトラックでまとめて配送する仕組みです。

燃料費や人件費等のコスト削減に繋がるだけでなく、環境への負担軽減や労働力不足の解消にも寄与します。また、荷物を受け取る側にとっても、一度にまとめて荷物を受け取れることから、作業負担が軽減されるというメリットがあります。

一方で、管理が複雑化しやすい他、急な変更や予期せぬトラブルに臨機応変に対応できない、料金を設定する際は他の荷主とすり合わせを行う必要がある等のデメリットも抱えています。

荷物の大きさや形によっては、共同配送に向かないケースがあるため、自社との相性を十分に理解したうえで、導入を検討することが大切です。

 

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