運送業許可・緑ナンバー・営業ナンバー

マイクロバス送迎は白ナンバー緑ナンバーどっち?違法になるケースと必要な許可を解説

マイクロバス送迎は白ナンバー・緑ナンバーどっち?違法になるケースと必要な許可を解説
この記事のまとめ

有償性の有無が最大の境界線:マイクロバスによる送迎は、乗客から直接・間接を問わず運送の対価を受け取らない無償運行であれば白ナンバーでの運行が認められますが、実質的な金銭の授受がある場合は緑ナンバーの許可が必要です。

白ナンバーでも義務化される安全体制:乗車定員11人以上のマイクロバスを運行する場合、自家用(白ナンバー)であっても車両を1台以上所有していれば、道路運送車両法に基づき整備管理者の選任と運輸支局への届け出が必須となります。

運転免許の区分に注意:マイクロバスの運転には、普通免許や古い8トン限定中型免許ではなく、限定なしの「中型免許」以上の取得が必要です。さらに、営業用として有償運送を行う場合は第二種運転免許が必要となります。

 

観光地や駅前、施設の前などで頻繁に見かけるマイクロバスの送迎車両は、企業や学校、病院などの移動手段として重要な役割を果たしています。しかし、どのような送迎であれば自家用の白ナンバーで認められ、どの段階から営業用の緑ナンバーの取得や運行管理者の配置が必要になるのか、その法的な境界線を正確に理解している方は多くありません。

2026年現在、インバウンド需要の拡大や輸送安全規制の強化に伴い、警察や運輸局による違法な旅客運送(白バス行為)への取り締まりはこれまで以上に厳格化しています。単なる利便性の提供のつもりで行った送迎が、思わぬ法令違反として処罰の対象にならないよう、この記事ではマイクロバス運行に関わる法律、必要となる運転免許の区分、そして見落とされがちな安全管理体制の基準を分かりやすく整理しました。

目次

白ナンバーで運行できるマイクロバス送迎

他人の需要に応じた運送であっても、移動そのものに対する金銭的な対価を受け取らない無償の送迎であれば、国からの経営許可を必要としない自家用自動車(白ナンバー)での運行が法律上認められています。ここでは、具体的にどのような形態が白ナンバーによる自家用送迎として適法に運用できるのか、3つの代表的なシーンに分けて解説します。

自社従業員を対象とした通勤送迎

自社が所有またはリース契約している白ナンバーのマイクロバスを使用し、自社の従業員を駅や主要ルートからオフィス、工場などの勤務地まで無償で送迎する行為は、道路運送法上の許可を必要としません。この運行は、不特定多数の他人の需要に応じた運送ビジネスではなく、自社の福利厚生や円滑な業務管理の一環として完結している自家用輸送とみなされるためです。

ただし、従業員から送迎代として毎月金銭を徴収したり、給与から実質的なバス利用料を天引きしたりする場合は、無償性が否定されて有償運送と判断されるリスクが生じます。また、乗車定員11人以上のマイクロバスを運行する場合、白ナンバーであっても道路運送車両法に基づき、車両の保守点検を統括する整備管理者の選任および運輸支局への届け出が1台から義務付けられている点に注意が必要です。

学校・幼稚園・保育園の通学送迎

学校法人や幼稚園、保育園が自前の白ナンバーマイクロバスを所有し、幼児や児童、生徒の通学・通園のために無償で送迎を行うことも、自家用管理の範囲内として適法に認められています。教育機関が法人の運営責任の下で、子供たちの安全な移動環境を確保する目的で行うものであり、独立した輸送対価を得ていないという前提に基づいているためです。

幼児送迎バスにおいては、幼児専用の座席基準や安全装置の設置など、通常のマイクロバスとは異なる車両管理が求められる場合があります。この場合、運送業としての運行管理者の配置義務はありませんが、定員11人以上の車両を公道で走らせる以上、前述の整備管理者の選任届出や、3ヶ月ごとの法定点検の実施といった安全義務は一律で適用されます。

病院・介護施設の利用者送迎

病院やクリニック、デイサービスなどの介護施設が、患者や施設利用者を自宅から施設まで無償で送迎する運行形態も、基本的には白ナンバーで行うことが可能です。医療や介護という本業のサービスに付随する利便性の提供であり、移動行為そのものに対して個別の運賃を徴収しない限り、道路運送法の規制対象外となるためです。

デイサービスなどの送迎では、利用者の乗降補助や体調への配慮が必要となるため、運転者の安全教育や労務管理が重要視されます。こうした福祉や医療の現場において、自社の送迎ルートや利用条件が適法な無償運行の範囲に収まっているか判断が難しい場合は、手戻りや法的なトラブルを防ぐため、初期の段階で専門家へ相談して正確な運用体制を確認することが推奨されます。

緑ナンバーが必要になるマイクロバス運行

マイクロバスを使用して行う運送であっても、乗客から運賃を徴収したり、実質的な運送報酬が発生したりする場合は、自家用輸送の範囲を超えたものと判断されます。この場合は、道路運送法に基づく経営許可を得て、営業用自動車(緑ナンバー)として運行しなければなりません。緑ナンバーの取得が強制される具体的な運行形態について説明します。

乗客から運賃を受け取る貸切バス運行

乗客から個別に運賃を受け取ったり、乗車するグループからまとまった運送の対価(運賃・料金)を徴収してマイクロバスを運行する場合は、道路運送法第3条に基づき一般貸切旅客自動車運送事業の許可を受け、緑ナンバーを取得する義務があります。運送行為そのものが独立した有償のビジネスとなるため、国による厳しい安全審査の対象となるのです。

緑ナンバーを運行する事業者は、運行管理者の配置はもちろんのこと、使用するすべての車両の安全性を確保するために国家資格等を持つ整備管理者を選任しなければなりません。点呼の実施、アルコールチェック、ドライバーの労働時間管理など、乗客の生命を守るための極めて厳格な法令遵守体制が求められます。

観光ツアーやイベント送迎

旅行会社が企画する観光ツアーの移動手段としてマイクロバスを運行する場合や、各種イベントの主催者が参加者を最寄り駅から会場までピストン輸送する際、その移動費用がツアー代金やイベント参加費に含まれている場合は、緑ナンバーのバスを手配する必要があります。名目が運賃でなくても、経済的実態として参加費の中に運送の対価が含まれていると判断されるためです。

こうした運行を白ナンバーの車両で行うと、重大な法令違反(無許可営業)となります。事業者が自ら車両や人員を用意して緑ナンバーの許可を取得するか、あるいは外部の適法なバス会社に運行を委託するかによって必要な手続きやコストは大きく変動するため、手戻りを防ぐためにも、計画の段階で専門家のアドバイスを受けて最適な運行スキームを構築することが重要です。

有償送迎サービスとしてのマイクロバス運行

特定の商業施設やリゾート施設、スポーツクラブなどへの送迎であっても、利用者がバスに乗車するたびに一定の料金(回数券やコイン等を含む)を支払うシステムや、送迎バスを利用する会員だけに追加の利用料や高額な会費を課す場合は、有償送迎サービスに該当します。この形態は自家用輸送の域を完全に超えているため、緑ナンバーでの運行が不可避となります。

有償での旅客運送は、乗客に万が一のことがあった際の責任が非常に重いため、白ナンバーでの潜脱的な運行は厳しく制限されています。万が一、無許可でこのような有償サービスを行った場合、道路運送法違反として厳しい処罰を受けるだけでなく、事故発生時に任意保険の規約違反を理由に、保険金の支払いが一切拒絶されるという致命的なリスクを負うことになります。

白バス行為と判断される違法なマイクロバス運行

白バス行為とは、国からの正しい許可を受けずに、白ナンバーの自家用自動車を使って有償で人を運送する違法行為を指します。悪意の有無に関わらず、現場での誤った解釈によって白バス行為に該当してしまっているケースが後を絶ちません。処罰の対象となる典型的な違法運行のパターンを解説します。

運転手付きレンタカーマイクロバス

レンタカー会社からマイクロバス(わナンバーやれナンバー)をレンタルする際、そのレンタカー会社が運転手を手配したり、特定の運転手を紹介・斡旋したりする行為は、道路運送法第4条に違反する典型的な白バス行為として厳しく禁止されています。これは実質的に、無許可で運転手付きの貸切バス事業を行っているのと変わらないためです。

レンタカーを利用して送迎を行う場合は、利用者が車という物だけを借りる契約を結び、運転手はレンタカー会社とは一切利害関係のない人物(自社の従業員や、利用者が個別に直接雇用した運転手など)を自らの責任で手配しなければなりません。この原則を歪めた運行形態は、警察による取り締まりや行政処分の直接的な対象となります。

送迎費を実質的に受け取る運行形態

請求書や領収書に運賃や送迎費という直接的な文言を記載していなくても、材料費、ツアー運営費、コンサルティング料、業務委託費などの別名目で、実質的な車両の維持費や移動コストを上乗せして徴収している場合は、違法な有償運送とみなされます。運輸局や警察による調査では、書面上の名目ではなく、金銭の授受と運送行為の因果関係という経済的実態が厳しく審査されるためです。

このような名目のすり替えは、法的な抜け道にはなりません。実態として他人のために車を走らせ、それによって利益やコストの回収を得ていると判断された場合、適法に運営している事業者との公平性を欠く脱法行為として、即座に運行停止や刑事罰の対象となるリスクがあります。

白ナンバーによる有償旅客運送

法律によって定められた極めて限定的な例外(過疎地などでの自家用有償旅客運送制度など)を除き、白ナンバーのマイクロバスを使用して金銭の授受を伴う旅客運送を行うことは、一律で違法とされています。これが道路運送法第80条に明記されている自家用自動車の有償貸渡および有償運送の禁止原則です。

白ナンバー車両は、緑ナンバー車両のように運輸局による定期的な監査や安全管理のチェックが行われないため、乗客の安全が担保されにくいという問題があります。そのため、無許可営業に対しては最大で3年以下の懲役または300万円以下の罰金という非常に重い刑事罰が科される仕組みになっています。

マイクロバス運転に必要な免許区分

マイクロバスは、外見や取り回しが大型のミニバンに似ている部分もありますが、法律上の自動車の区分としては普通自動車ではありません。そのため、運転にあたっては専用の免許区分が必要となります。車両の乗车定員や運行目的に応じて必要となる3つの免許区分について解説します。

乗車定員11人以上29人以下で必要となる中型免許

一般的なマイクロバスの多くは、乗車定員が11人以上29人以下、車両総重量8トン未満の規格に該当するため、公道で運転するには中型自動車免許(限定なし)以上の区分が必要となります。現行の普通自動車免許や準中型自動車免許、あるいは2007年の法改正前に普通免許を取得した方の「8トン限定中型免許」では運転できません。

乗車定員が11人を超えた時点で、車両の全長やホイールベース、制動距離、後方視界の制限などが普通車とは大きく異なるため、専門の教習や試験を経た免許が要求されるのです。限定解除を行わずにマイクロバスを運転すると、重大な無免許運転として処罰されるため、車検証に記載された定員の確認が必須です。

乗車定員30人以上で必要となる大型免許

マイクロバスの枠を超え、乗車定員が30人以上となる大型のバスや、中型免許の枠に収まらない重量・全長の車両を運転する場合は、大型自動車免許が必要となります。これは、いわゆる観光バスや路線バスと同等の大型車両を扱うための最高峰の運転免許区分です。

送迎計画を立てる際は、使用する車両がマイクロバス規格(定員29人以下)であるか、大型バス規格(定員30人以上)であるかを必ず確認し、それに応じた適切な免許を所持するドライバーを配置しなければなりません。定員を超過した配置は、事業者側の安全管理責任を厳しく問われる原因となります。

緑ナンバー運行で必要となる第二種運転免許

緑ナンバー(営業用)のマイクロバスを使用し、有償で乗客を運送する商業業務を行う場合は、中型第二種免許または大型第二種免許が必要となります。第一種免許が個人の移動や社内の無償送迎を目的とするのに対し、第二種免許は運賃を受け取って乗客の生命を安全に目的地まで送り届けるためのプロの資格です。

なお、白ナンバーの車両であっても、運送行為そのものが適法な無償送迎(通勤や通学など)であれば、法律上は第一種免許で運転可能です。しかし、乗車人数が多い車両であるため、安全管理やリスク低減の観点から、企業や学校が自主的に第二種免許保有者を指定して採用・配置するケースは少なくありません。

送迎を行う主体や対象者によって、白ナンバーでの運行が適法と認められる条件には細かな法規上のハードルが存在します。現場での勝手な自己解釈によるトラブルを防ぐため、学校、企業、そしてホテルや介護施設における送迎の法的ポイントを整理します。

学校送迎で白ナンバーが認められる条件

学校や幼稚園の送迎において白ナンバーが認められるのは、学校法人が自ら車両を所有またはリース契約し、直接雇用した運転手によって、生徒や幼児から個別の運送代金を取らずに送迎する場合に限られます。学校の直接の管理権限と責任の下で、教育活動の一環として完結していることが必須条件です。

外部の無許可の業者に送迎業務を丸ごと委託し、その業者が白ナンバーのマイクロバスを持ち込んで運行することは、業者が対価を得て他人の運送を行っている実態となるため違法です。学校側が車両維持の手間を省きつつ法的な適法性を両立させるためには、初期の段階で専門家に相談し、運行委託と自家用管理の境界線を正しく整理しておくことが、行政からの指摘を防ぐ確実な道です。

企業送迎で白ナンバーが認められる条件

企業が自社の従業員や、自社の施設を訪れる特定の顧客を無償で送迎する場合も、白ナンバーでの運行が認められます。具体例としては、最寄り駅から工場までの通勤用ピストンバスや、広大な商業施設の店舗から離れた専用駐車場までの顧客用シャトルバスなどがこれに該当します。これらは自社の業務遂行や本業への顧客誘導のための自家用輸送です。

注意すべき点として、送迎を行う対象が自社の従業員ではなく、同じ工業団地内の他社の従業員を相乗りさせ、その他社から車両維持費や人件費の名目で費用を按分して受け取るような運用は、他人のための有償運送とみなされる可能性が極めて高いため、単独運行の原則を守る必要があります。

ホテル・介護施設送迎で注意すべき運送対価

ホテルが宿泊客を駅まで送迎したり、介護施設が利用者をデイサービスセンターに送迎したりする際、全体の宿泊料金や介護報酬とは別に、送迎の利用1回ごとに別途費用を請求する仕組みは認められません。それは実質的な運賃(運送の対価)と判断されるためです。

送迎サービスはあくまで本業のパッケージ料金に含まれる無償の特典として運用しなければならず、明確な区分や個別課金を行う場合は、緑ナンバーの許可を取得するか、あるいは福祉限定の自家用有償旅客運送制度などの適用を個別に受ける必要があります。

マイクロバスをレンタルする際の注意点

イベントや部活動の遠征などで、レンタカーのマイクロバスを利用する機会は多いですが、レンタカーは自家用自動車の有償貸渡という制度の下にあります。一般の貸切バスを注文する場合とは法的な仕組みが全く異なるため、実務上の注意点を理解しておく必要があります。

レンタカー会社が運転手を手配できない理由

レンタカー会社が車両の貸し出しと同時に、運転手の手配や紹介、斡旋を行う行為は、道路運送法および自家用自動車有償貸渡許可の基準によって厳しく禁止されています。これは、レンタカーという物品賃貸の仕組みを隠れ蓑にして、実質的に無許可の貸切バス営業(白バス行為)を行う脱法運行を防ぐための強力な規制です。

利用者は、車という物だけを借りる契約を結んでいるため、運行に関するすべての責任は借り主側にあります。レンタカー会社が特定の運転手派遣組合などを親切心で紹介することも同様の法律違反となるため、利用者はレンタカー会社とは完全に独立した外部の運転手を自ら手配しなければなりません。

レンタル利用時の保険と事故対応

レンタカーを借りてマイクロバスを運行する際、万が一の事故に備えてレンタカー会社が提供する自動車任意保険や免責補償制度への加入が必須となります。しかし、乗車定員が多いマイクロバスでの事故は、対人補償だけでなく、同乗している多くの乗客への賠償リスクが一度に発生する点に留意しなければなりません。

万が一、不適切な運転手の選定や、レンタカー会社が関与した運転手手配といった違法な運行実態が発覚した場合、任意保険の重大な規約違反(違法行為による免責)となり、保険金が一切支払われないという取り返しのつかない事態に陥るリスクがあります。

貸切バス会社への委託との違い

レンタカーの利用は、車両のみを借りて自らの責任と人員で運転・管理する形態です。これに対し、緑ナンバーの貸切バス会社への委託は、車両とプロの運転手、そして運行管理や整備管理者による安全統括体制を丸ごと購入する契約となります。運送の安全責任はすべてバス会社側が負う仕組みです。

費用面だけを見ればレンタカーの方が安価に抑えられる傾向がありますが、事故時の責任の重さや、運転者の確保、法的なリスクの有無を考慮すると、プロの貸切バス会社へ委託する方が、安全確実な移動手段の確保という観点から実務上のメリットは非常に大きいです。

緑ナンバーのマイクロバスを運行するための許可要件

マイクロバスを使い、適法に運賃を受け取ってビジネスを行うためには、国土交通省(各地方運輸局)からの適切な経営許可を取得し、緑ナンバーでの運行体制を整える必要があります。目的に応じた3つの許可・登録制度について説明します。

一般貸切旅客自動車運送事業許可

一般貸切旅客自動車運送事業とは、いわゆる観光バスや冠婚葬祭の送迎、団体旅行のためのバスを運行するための経営許可です。この許可を取得することで、初めてマイクロバスに緑ナンバーを取り付けて有償の運送ビジネスを展開できるようになります。

許可要件をクリアするには、原則として営業所ごとに一定台数(多くの地域で5台以上)の車両確保、都市計画法等に適合した営業所や車庫の確保、事業を継続するための健全な自己資金の裏付け、そして国家資格を持つ運行管理者や、車両整備の安全を統括する整備管理者の選任届出体制が必須となります。

特定旅客自動車運送事業許可

特定旅客自動車運送事業とは、不特定多数を乗せる貸切バスとは異なり、特定の荷主(例えば、ある一つの企業や、特定の学校法人1社のみ)の需要に応じて、限定された範囲の乗客を有償で送迎するための許可制度です。契約相手と運行ルートが固定されているのが特徴です。

需要者が限定されるため、一般貸切に比べると車両台数の下限などの一部の要件が緩和される場合がありますが、安全な運行を行うための運行管理者の配置や、適切な車両点検を管理する整備管理者の選任といったコンプライアンスの基本義務は、一般の運送業と同様に課されます。

自家用有償旅客運送制度

自家用有償旅客運送とは、過疎地など公共交通機関(バスやタクシー)が著しく不足している地域や、福祉の目的において、市町村や特定のNPO法人などが、特例として白ナンバーの自家用車(マイクロバス等を含む)を使い、有償で地域住民や高齢者を運送できる特別な制度です。

この制度を利用するには、地域の地方自治体や交通事業者が参画する法定協議会での合意や、地方運輸支局への登録が必要であり、運行できる区域や徴収できる運賃の範囲には、過度な営利目的とならないよう厳格な制限が設けられています。

マイクロバス運行前に確認すべきチェック項目

マイクロバスの送迎や運行を行う前に、法的なトラブルや安全上のリスクを回避するために必ず確認すべき重要なチェックポイントを3つの視点から整理します。

運送対価の有無

マイクロバスを白ナンバーで運行する場合、乗客から直接的・間接的を問わず、運送に対する金銭的な対価(運賃、手間代、ガソリン代名目の利益上乗せなど)を受け取っていないかを最優先で確認してください。名目が売買や会費であっても、実態として運送の対価性が認められた時点で緑ナンバーの許可が必要となり、未許可での運行は処罰の対象となります。

運転者の免許区分

配置する運転手が、マイクロバスの乗車定員(通常は11人以上29人以下)に対応した「限定なしの中型自動車免許」または大型自動車免許を確実に所持しているか、免許証の原本と車検証の記載内容を直接照合して確認してください。古い普通免許のまま限定解除を行わずに運転することによる、意図しない無免許運転トラブルを防ぐためです。

保険・安全管理体制

万が一の大きな事故に備え、対人・対物の賠償補償が無制限の任意保険や、高額な搭乗者傷害保険が車両に確実にカバーされているか確認してください。また、乗車定員11人以上の車両を1台でも運行する場合は、自家用(白ナンバー)・営業用(緑ナンバー)を問わず、道路運送車両法に基づき車両の点検整備を管理する整備管理者の選任届出が適正に行われているかどうかが必須の安全要件となります。

よくある質問

はい、あります。企業が自社の従業員を完全に無償で通勤送迎する場合や、学校が自校の生徒を通学のために無償で送迎する場合など、運送の対価(運賃や利益)が一切発生しない自家用輸送の範囲内であれば、白ナンバーでの運行は完全に適法です。

学校の送迎バスはなぜ白ナンバーで運行できる?

学校法人が自ら車両を管理・所有し、個別の運賃を受け取らずに教育活動の一環(幼児や生徒の安全な移動確保)として送迎しているためです。これは他人の需要に応じた運送ビジネスではないため、道路運送法の許可を必要としない自家用輸送とみなされます。

レンタカーのマイクロバスに運転手を付けてもらえる?

いいえ、できません。レンタカー会社が車両の貸し出しと同時に運転手を手配したり紹介したりすることは、無許可の貸切バス営業(白バス行為)を誘発するため、道路運送法で厳しく禁止されています。運転手は利用者が自ら完全に独立したルートで手配する必要があります。

マイクロバスは普通免許で運転できる?

いいえ、運転できません。マイクロバスは乗車定員が11人以上となるため、現行の普通免許や準中型免許、あるいは過去の古い「8トン限定中型免許」でも運転は不可能です。必ず「限定なしの中型免許」以上の区分が必要となります。

緑ナンバーのマイクロバスを取得するには何が必要?

一般貸切旅客自動車運送事業などの経営許可が必要です。取得には、地域ごとの基準を満たす複数台の車両、適法な営業所や車庫の確保、事業を継続できる資金の裏付け、そして運行管理者や、車両整備の安全を統括する整備管理者の配置といった厳しい要件をクリアしなければなりません。

まとめ

マイクロバスの運行において、運行管理者や整備管理者の選任が必要となる具体的な基準、そして白ナンバーと緑ナンバーの法的な境界線について解説しました。直接的・間接的を問わず「運送に対する対価(運賃や報酬)」が発生する場合は緑ナンバーの許可が必須であり、これらを無視した運行は違法な白バス行為として厳しく処罰されるリスクがあります。

また、対価の発生しない適法な白ナンバーの無償送迎であっても、乗車定員11人以上のマイクロバスを運行する以上は、道路運送車両法に基づき整備管理者の選任と運輸支局への届け出が1台から義務付けられています。このように、車両の規模や送迎の目的によって、クリアすべき法的な手続きや日々の安全管理体制は大きく異なります。

自社の送迎スキームが現在の法規に則っているかの判断や、手戻りのない緑ナンバー取得・維持管理体制の構築には、個別条件に合わせた専門的な確認が欠かせません。運行計画や施設条件に合わせて最適な運用方法をスムーズに導き出すためにも、まずは車関連の許認可に精通した行政書士法人シフトアップへお気軽にご相談ください。状況に合わせた確実なコンプライアンス対応を全力でバックアップいたします。

参考文献

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行政書士法人シフトアップ 代表社員 川合智

川合 智

12年間の運送会社勤務経験を持ち、累計相談数は10,000件以上。運行管理者・配車・総務経理など運送事業の現場を知り尽くした圧倒的な業務ノウハウを基に運送業、貸切バス、介護タクシー、産廃収集運搬などの許認可をメインに日本全国対応で力強くサポート。
【保有資格】行政書士【商工会議所】名古屋商工会議所【著書】 トラック運送業の運輸局監査対策行政書士のための運送業許可申請のはじめ方

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