「運送会社を起業したのはいいけど仕事がない」
「運送業の荷主探しはどうやっておこなえばいい?」
このような悩みを抱える、駆け出しの運送会社も少なくないでしょう。
そこで本記事では、運送会社の仕事の取り方を紹介します。
具体的な営業方法や、契約獲得のポイントについても解説するので、荷主開拓で悩みを抱える方はぜひ参考にしてください。
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運送会社の仕事の取り方6選
運送会社の仕事の取り方には、大きく分けて6種類あります。
- テレアポ
- 飛び込み営業
- マッチングサービスの利用
- ホームページを設ける
- メディアへの露出
- トラック協会へ加入する
それぞれの特徴や営業手法も紹介するので、仕事を探している運送事業者はぜひ参考にしてください。
①テレアポ
テレアポは運送会社だけでなく、多くの企業で用いられる代表的な営業手法です。
決定権を持つ担当者や経営者と直接話せれば、仕事をもらえる可能性が高くなります。
ただ、担当者がサービスにメリットを感じていない場合は、高確率で断られてしまいます。
そのため、自社の強みを魅力的に伝えられるように工夫する必要があるでしょう。
また、忙しい時期に電話をかけると疎まれて逆効果になる可能性も。
繁忙期や忙しくなる時間帯(午前中や夕方以降)は避けて電話をかけるようにしてください。
営業が苦手な場合は営業代行を活用
営業が苦手という方は、営業代行の会社に依頼という選択肢もあります。営業代行とは、あなたに代わって自社の商品・サービスをテレアポなどで売り込んで、実際にアポイントを取ってくれるサービスです。
コストはかかりますが、自分でやるより圧倒的に効率的な営業が可能です。
②飛び込み営業
飛び込み営業とは、アポイントを取らずに直接企業へ訪問する営業手法です。
他の仕事の取り方と比べて難易度が高いうえ、企業によっては迷惑がられるリスクもあります。
しかし、運送業界は人と人のつながりが深い業界です。
担当者とフィーリングが合えば、その場で仕事を獲得できる可能性もゼロではありません。
筆者が保険営業をやっていたときはよく飛び込み営業をやりました。感覚としては話を聞いてもらえる確率は100件に1件位でしょうか。扱う商品や地域差もあると思いますが、自社サービスに自身があれば挑戦する価値はあるかもしれません。
③マッチングサービス(求貨求車情報)の利用
開業したばかりで人脈がないという場合は、BtoBマッチングサービスの利用がおすすめです。
マッチングサービスは、「荷物を運んでほしい企業」と「荷物を運びたい運送事業者」をつなげます。
そのため登録さえしておけば、わざわざ営業活動をしなくても仕事を獲得できます。
基本的には単発の案件が多いですが、仕事ぶりが認められれば、継続的な依頼にもつながるでしょう。
ただ、マッチングサービスによっては荷主と運送事業者のバランスが取れず、仕事の数に偏りが生じる場合もあります。
登録料が必要になったり、受注時に手数料が発生したりする場合もあるため、登録する前に確認しておくとよいでしょう。
物流マッチングサービスの代表的なものは下記でしょう。
一般貨物はもちろん、軽貨物でも受けられる案件が豊富に用意されているので、ぜひ覗いてみてください。
④ホームページを設ける
テレアポや飛び込み営業は企業へ直接アプローチをかける必要があるため、どうしても人手を要します。
そのため人手に限界がある場合は、インバウンドセールスを併用するとよいでしょう。
インバウンドセールスとは、顧客が自ら企業に問い合わせるように誘導して契約を獲得する営業手法です。代表的なものに企業ホームページがあります。
ホームページから自社の強みを発信することで物流担当者の目にとまり、仕事の問い合わせが入る可能性があります。
なにより、企業ホームページはネット上で看板の役割を果たします。
今の時代はホームページがないと取引をしてもらえないこともあります。これから事業を拡大していきたいのであれば、制作しておいて損はないでしょう。
ただし、法外な報酬を請求するホームページ制作会社も多く存在するので、営業を受けたからと言って即決するのは避けましょう。
⑤メディアへの露出
運送会社の仕事の取り方には、メディア露出を増やすという手もあります。
具体的には、以下のような方法です。
- SNSの運用
- Youtubeでの動画投稿
- プレスリリース
うまく活用すれば、会社の認知度を高めて仕事獲得につなげられるでしょう。
当社シフトアップのお客様には、インスタグラムやTwitterを上手く使ってアピールしている企業も存在します。
⑥トラック協会へ加入する
運送業は横のつながりを大切にする業界です。
そのため、トラック協会への加入は仕事を獲得するうえで強力なツールになります。
トラック協会では、支部や部会ごとに定期的に勉強会が開かれます。
勉強会の後には、各運送会社の社長が参加する飲み会が開催されるのですが、この飲み会がとても重要です。
飲み会に頻繁に参加すると、社歴の長い社長に顔を覚えてもらえます。
面倒見の良い社長に気に入れられると、何かしらの案件を獲得できるチャンスにつながります。
さらに仲良くなれば継続的に仕事をもらえるようになるため、コンスタントに仕事を獲得したい運送事業者はトラック協会へ加入することをおすすめします。
運送会社が営業するときに意識すべきこと
運送会社が営業活動をする際には、以下の3点を特に意識しましょう。
- 自社配送している会社を狙う
- 売り込む際はコスト削減を提案
- 営業活動には時間をかける
それぞれ詳しく解説します。
自社配送している会社を狙う
営業先としては、白ナンバートラックで配送をおこなっている企業を狙いましょう。
白ナンバー=自社配送の企業のため、運送を代行することを提案すれば任せてくれる可能性があります。
具体的な業種を挙げるとするならば、同業者である運送会社のほか、倉庫業を営む会社やメーカー、卸売業などがおすすめです。
売り込む際はコスト削減を提案
売り込む際には、配送コストを今よりも削減できることを強みにしましょう。
営業先の担当者に、「この会社に運送を依頼すればメリットを得られる」と意識させるのが重要です。
ただし、低い運賃で仕事を請け負うことは、瞬間的に売上を伸ばすだけの劇薬であることも理解しておいてください。
営業活動には時間をかける
営業を始めてから、実際に契約に至るまでには時間がかかります。たった数日、数週間の営業で仕事が取れるほど甘くはありません。
継続的に営業をおこない、まずは担当者に社名を覚えてもらうことを意識しましょう。
そうすれば、現在の傭車がミスをしたり新しいルートの配送が発生したタイミングで声がかかることもあります。
とにかく根気強く営業活動をおこなうことを心がけてください。地道に勝る王道はありません。
荷主は運送会社に何を求めている?
荷主は運送会社に、安い運賃で安全に荷物を運ぶことを求めています。
荷主にとっては、運賃が安ければ安いほど余計なコストをかけずに済むため、当然といえば当然でしょう。
しかしあまりにも運賃が安いと、自社の利益はなくなってしまいます。
営業先に提示されたからといって一度安い運賃で仕事を受けてしまうと、その後の値上げ交渉は難しくなります。
仕事がない時期は安い運賃で受けてしまいがちですが、その後を考えて、適正な運賃を提示してくれる取引先の確保を優先しましょう。
運送会社が契約を勝ち取るためのポイント
続いて、運送会社が契約を勝ち取るための3つのポイントを紹介します。
- 自社の強みや魅力をアピールする
- 営業手法を組み合わせる
- 契約につながる仕組みを作る
一つずつ見ていきましょう。
自社の強みや魅力をアピールする
契約を勝ち取るうえで、自社の強みや魅力のアピールは必要不可欠です。
自社のサービスを利用するメリットは何かを明確にして、他社との差別化を意識しながら営業をおこないましょう。
営業手法を組み合わせる
複数の営業手法を組み合わせたほうが、成約につながる可能性が上がります。
たとえば、「YoutubeやSNSで情報を発信する際にURLを貼り、ホームページへの流入を図る」などが挙げられます。
いくつかの手法を組み合わせることで、効果を最大限に発揮できるでしょう。
契約につながりやすい流れを作る
契約につながりやすい流れ=仕組みを作ることも重要です。
例を挙げるなら、以下のような仕組みが有効でしょう。
- ホームページ内に、タップするだけで電話がつながるボタンを設置する
- SNSから簡単に問い合わせできるフォームを作る
問い合わせする立場に立って、どうすれば連絡が取りやすいかを意識することで契約につながりやすくなるでしょう。
運送会社が売上を伸ばすために必要なこと
新規の仕事を獲得することも重要ですが、売上を伸ばすことも同じくらい大切です。
ここでは、運送会社が売上をアップさせるために必要な2つのことを解説します。
- 業務を効率化する
- 余分なコストは削減する
闇雲に営業を続けるだけでは、売上を伸ばすことはできません。
営業活動と同時に、上記にあげた対策をおこなうことで、会社の利益をより大きくできるでしょう。
業務を効率化する
日本ロジスティクスシステム協会の調査によると、2021年度の売上高物流コスト比率は全業種合わせて5.7%でした。(出典:2021年度物流コスト調査報告書)
事業者からの値上げ要請を理由に、物流コストは近年上昇傾向にあります。そのため、コストを抑える努力をしなければ、利益は減っていくでしょう。
しかし、燃料費や整備費などの物流コストを下げるのは現実的とはいえません。運賃に関しても、そう簡単に値上げ交渉できるものではないでしょう。
そこで重要となるのが「業務の効率化」です。
業務を効率よく回して生産性を上げることで、売上を伸ばせます。
具体的には、配送コースや集荷の組み合わせを見直したり、荷受けや出荷作業の連携を図ったりする方法がよいです。
短い時間で多くの荷物を運べるようになれば、売上アップにつながります。
余分なコストは削減する
運送会社では、トラックの燃料費や整備費などが必要経費の大半を占めています。
そのため、それ以外のコストをいかに削減できるかが、売上アップの鍵となります。
たとえば・・・
- 書類を電子化して用紙・印刷費を削減
- 社用携帯の契約料金を見直す
- 事務用品や消耗品の管理方法を見直す
というように、可能な限りコスト削減に努めるのがよいでしょう。
ただし、電気代の節約などで休憩室のエアコンや照明を小まめに切るようなコスト削減は、かえってドライバーのモチベーションを下げることにつながります。
数百円や数千円の節約のためにドライバーに協力を要請することは避けてください。
まとめ
運送会社の仕事の取り方は、テレアポや飛び込み営業、ホームページ、トラック協会への加入など多岐に渡ります。
一つの営業手法をおこなうのではなく、複数の方法を組み合わせることで、より効果を発揮します。
また、短期間の営業で仕事を獲得するのは至難の業です。毎月継続して、まずは社名を覚えてもらうことを意識しましょう。
基本的に、荷主は安い運賃で安全に配送してくれる運送会社を求めています。仕事がない時期は安く受けてしまいがちですが、その後を考えて、適正な運賃を提示してくれる取引先の確保を優先しましょう。
運送業許認可や巡回指導・監査対策に関するお問い合わせは行政書士法人シフトアップまでお気軽に。全国対応しております。