大阪府は全国からアクセスしやすく、良好な交通インフラが整備されているのが特徴です。
また、陸路はもちろん海路や空路など輸送手段が豊富なため物流が集中しやすく、運送事業者にとっては好条件な立地といえます。
そのため、大阪府でトラック運送業を始めたいと考える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、大阪府でトラック運送業を始める方法を紹介します。
運送業許可(緑ナンバー)において満たすべき要件や、申請の流れについても取り上げるのでぜひ参考にしてください。
大阪での運送業許可5大要件とは
大阪で運送業許可を取得するには、国で定められた要件を満たし、営業所を管轄する大阪運輸支局で運送業許可(緑ナンバー)の申請をおこなう必要があります。
要件は大きく分けて以下の5つに分類されます。
- 場所
- 車両
- 人や資格
- 資金
- 定款上
要件を十分に満たせない事業者は、許可取得はおろか申請すら受理してもらえません。
運送業許可申請をおこなう前に、自身が要件を満たせるかよく確認しましょう。
駐車場や事務所など場所の要件
運送業を営むにあたり、事務所・休憩室・車庫の確保は必須です。
ただし、気に入った場所であればどこでも申請できるわけではありません。
前提として「市街化調整区域」に該当しないことが条件です。
市街化調整区域とは、無秩序な市街化を抑制するための地域のこと。
事務所や商業施設、人が住む住宅などを建築することは原則認められていません。(ただし、状況次第では建てられる可能性もあります。)
加えて、それぞれ以下のような要件が定められています。
【事務所の主な要件】
- 駐車場から直線距離で10km以内の場所にある(貝塚市・泉佐野市・泉南市・豊能郡・泉南郡ならびに南河内郡のうち太子町、河南町および千早赤坂村に限っては5km以内)
- 建物がある場所が、第1種低層住居専用地域・第2種低層住居専用地域・第1種中高層住居専用地域に該当しない
- 建築基準法・農地法・消防法などに抵触しない など
【休憩室の主な要件】
- 建物がある場所が、第1種低層住居専用地域・第2種低層住居専用地域・第1種中高層住居専用地域に該当しない
- 建築基準法・農地法・消防法などに抵触しない など
事務所や休憩室の広さに規程はありませんが、ドライバーが十分に休息を取れるスペースを確保してください。
続いて、駐車場の要件を紹介します。
【駐車場の主な要件】
- 都市計画法・農地法・建築基準法・道路法など関係諸法令に抵触しない
- 営業所から直線距離で10㎞以内(貝塚市・泉佐野市・泉南市・豊能郡・泉南郡ならびに南河内郡のうち太子町、河南町および千早赤坂村に限っては5km以内)
- 駐車場の出入口が交差点や道路の曲がり角、横断歩道から5m以内にない
- 車両同士の間隔が50cm以上、駐車場と車両の間に50cm以上の間隔を確保できる など
なお事務所・休憩室・駐車場のいずれも、賃貸借契約書や登記簿謄本などで運送業許可の申請者に使用権原があることを証明する必要があります。
トラック5台以上など車両の要件
運送業を始める際は、車両を最低でも5台以上確保する必要があります。
しかし、荷物を運べればどのような車両でもよいわけではありません。
車検証の用途欄に「貨物」と記載された車両のみ、事業用車として登録できます。
必ずしも大型のトラックである必要はなく、以下のような車両でも問題ありません。
- ワゴン車(ハイエース・キャラバンなど)
- 小型貨物自動車(プロボックス・NV150ADなど)
人や資格などの要件
人の要件とは、申請者本人や法人役員、従業員に関する要件を指します。
運送業許可(緑ナンバー)を申請する際は、欠格事由に当たらないかを確認する必要があります。
申請者本人や法人役員が該当した場合、許可申請自体ができなくなるため注意してください。
【運送業許可における欠格事由】
- 1年以上の懲役または禁錮を受けてから5年以上が経過していない
- 一般・特定貨物自動車運送事業の許可取消を受けてから5年以上が経過していない
- 申請者が未成年者や成年被後見人の場合、法定代理人が上記に該当する など
申請者が欠格事由に該当しないことが確認できたら、次に以下の人員を確保します。
- ドライバー5人
- 運行管理者1人
- 整備管理者1人
このうち、整備管理者とドライバーは兼務可能なので、実質6人の人員がいれば運送業許可を申請できます。
運行管理者は、事故や急な配車など、万が一の事態に備えて事務所に常駐していなければなりません。
ドライバーとして社外に出てしまっていると緊急時の対応が遅れる恐れがあるため、ドライバーとは兼任できない決まりになっています。(整備管理者とは兼務可能です。)
運行管理者や整備管理者になるには、資格取得または研修を受ける必要があります。
要件などは以下の記事で確認できるので、ぜひ併せてお読みください。
初期費用など資金の要件
運送業を営む際は、以下2種類の資金を確保する必要があります。
- 初期費用などの開業資金
- 当面の運営資金
車両購入費や事務所の家賃によって金額は異なりますが、合計で1,500万円〜2,500万円程度の資金が必要です。
会社の憲法でもある定款上の要件
法人で運送業許可(緑ナンバー)を取得する際は、定款の目的欄に「運送業」と記載されていなければなりません。
運送業を始めるために法人設立をする場合は気にする必要はありませんが、すでに法人設立をしており、新事業として運送業を始めたい会社は、一度確認する必要があるでしょう。

大阪で一般貨物自動車運送事業を申請する流れ
ここからは実際に、大阪で運送業許可(緑ナンバー)を申請する流れを解説します。
具体的な手順は以下の4ステップです。
- 要件を満たす事業計画を立てる
- 申請書の作成・運輸支局に提出
- 運輸局による審査・許可証の発行
- 事業開始
それぞれ見ていきましょう。
要件を満たす事業計画を立てる
まずは、近畿運輸局のホームページで公開されている公示(許可基準)の要件を満たす事業計画を立てます。
要件については、前述した内容と基本的には同じです。
なお、事務所や休憩室、駐車場に関しては、他の項目に比べて要件が細かく設定されているのでとくに注意が必要です。
申請書の作成・運輸支局に提出
事業計画の立案が完了したら、運送業許可の申請書を作成します。 申請書は近畿運輸局のホームページからダウンロード可能です。
また、申請書の作成と併せて、必要書類の収集もおこないましょう。
具体的には、以下のような書類が必要になります。
- 法人の場合は履歴事項全部証明書の原本・定款の写し
- 個人の場合は戸籍抄本および住民票の原本・資産目録
- 申請者の履歴書(法人は役員全員、個人であれば事業主本人)
- 運行管理者資格者証の写し
- 整備士3級以上の資格者証または整備管理者選任前研修の修了証の写し
- 事務所・休憩室・睡眠施設・駐車場の登記簿謄本または賃貸借契約書の写し
- 事務所・休憩室・睡眠施設・駐車場の位置図、平面図、求積図と写真 など
申請書の作成と必要書類の収集が完了したら、営業所を管轄する大阪運輸支局へ提出します。
運輸局による審査・許可証の発行
書類提出後、大阪運輸支局と近畿運輸局の両方で審査が実施されます。
申請受付から審査完了までの標準処理期間は4〜5ヵ月です。
この間に、
- 役員法令試験への受験
- 残高証明書の提出(申請受付日のものと近畿運輸局の指定する申請受付日以後の任意の日付のもの)
- 社会保険や労働保険への加入・36協定の締結
をおこないます。
なお、書類に不備があれば補正対応をおこない、再度提出しましょう。
その後、審査が完了したら、大阪運輸支局から許可取得の通知が届きます。
交付式で「運送業許可書」と「登録免許税納付書」が手渡されるので、許可取得から1ヵ月以内に金融機関で登録免許税12万円を納付してください。
事業開始
ここまで来たら、後はラストスパートです。
「運行管理者・整備管理者選任届」と「運輸開始前確認」を提出し、車両を緑ナンバーへ変更。同じタイミングで営業ナンバー向けの自賠責保険や任意保険に加入します。
緑ナンバーへの変更と保険加入が済んだら、運送業の開業は完了です。
なお、運行開始日以降に「運輸開始届」と「運賃料金設定届出書」を運輸支局へ提出する必要があるので、忘れずにおこないましょう。
運送業許可の取得でお悩みの方へ
大阪での運送業許可申請は、要件確認から書類作成、審査中の対応、事業開始前後の届出まで段階ごとの準備が重要です。手続きの抜け漏れを防ぎたい方は、まずは現在の状況をご相談ください。
※ご状況により必要書類・要件が異なる場合があります。まずは現状をお聞かせください。
貨物自動車運送事業は3種類
貨物自動車運送事業法では、運送業は大きく分けて3つに分類されます。
- 一般貨物自動車運送事業
- 特定貨物自動車運送事業
- 貨物軽自動車運送事業
以下でそれぞれの特徴や必要な許認可を確認しましょう。
一般貨物自動車運送事業
一般的な運送業のイメージに最も近いのが、「一般貨物自動車運送事業」です。
複数の企業から依頼を受けて、有償で荷物を運びます。
大阪から東京、福岡など離れた地域まで荷物を運送する長距離トラックから、大阪府内を限定とした短・中距離トラックまで種類はさまざま。
皆さんがよく利用するヤマト運輸や佐川急便もこれに該当します。
一般貨物自動車運送事業を始めるには、運送業許可(緑ナンバー)を取得する必要があります。
特定貨物自動車運送事業
特定の1社から依頼を受けて有償で荷物を運ぶ事業を「特定貨物自動車運送事業」といいます。
一般貨物が複数の企業の荷物を運ぶのに対し、特定貨物では限られた1社のみの依頼しか受けられません。
事業を営むには一般貨物同様、運送業許可(緑ナンバー)が必要です。
しかし、特定の1社の荷物しか運べないので、弊社ではなるべく一般貨物自動車運送事業での許可取得を推奨しています。
貨物軽自動車運送事業
「貨物軽自動車運送事業」は上記2つと異なり、軽自動車や125cc超えの自動二輪車を使用して複数企業の荷物を有償で運ぶ事業です。
Amazonや楽天など、通販サイトで購入するような小さめの荷物を配達します。
貨物軽自動車運送事業については、運送業許可(緑ナンバー)ではなく黒ナンバー(軽貨物運送事業)の届出が必要になります。
一般貨物や特定貨物より比較的容易に事業者登録ができるのに加え、膨大な費用がかからないのも特徴の一つ。
個人事業主の軽貨物ドライバーとして開業する方も多いです。

まとめ
大阪府は良好な交通インフラが整備されており、物流が集中しやすい地域であるため、運送事業者にとっては好条件な立地です。
そのため、大阪で運送業を開業しようと考える方も多いでしょう。
大阪で運送業許可を取得するには、国で定められた要件を満たし、営業所を管轄する大阪運輸支局へ申請書を提出する必要があります。
自身で申請をおこなうことも不可能ではありませんが、要件の細かい確認や申請書の作成、提出書類の収集など、専門的な知識が必要になる場面が多々あります。
時間と労力がかかるので、自身に余裕がなければ許可取得までに1年以上かかる場合も。
運送業許可のプロ事務所「行政書士法人シフトアップ」へご依頼いただければ、申請書の作成から要件の確認まで、スムーズに対応します。
「大阪で運送業を開業したいけど自分で申請する時間と知識がない」
「安心して任せられる専門家に依頼したい」
そのような方は、ぜひ一度弊社シフトアップへご相談ください。
運送業許認可や巡回指導・監査対策に関するお問い合わせは行政書士法人シフトアップまでお気軽に。全国対応しております。

.png)

5.png)