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飲酒運転ドライバーに対する行政処分が強化!運送事業者への影響も解説

飲酒運転ドライバーに対する行政処分が強化
行政書士法人シフトアップ 代表社員 川合智

川合 智

12年間の運送会社勤務経験を持ち、累計相談数は10,000件以上。運行管理者・配車・総務経理など運送事業の現場を知り尽くした圧倒的な業務ノウハウを基に運送業、貸切バス、介護タクシー、産廃収集運搬などの許認可をメインに日本全国対応で力強くサポート。
【保有資格】行政書士【商工会議所】名古屋商工会議所【著書】 トラック運送業の運輸局監査対策行政書士のための運送業許可申請のはじめ方

国土交通省は、2024年10月1日より、運送事業者の飲酒運転に対する行政処分基準を強化することを発表しました。

処分基準が強化されたことにより、飲酒運転を犯したドライバーだけでなく、そのドライバーを雇っている運送事業者に対しても、厳しい罰則が課されることとなりました。

今後、ドライバーが飲酒運転をすると、運送事業者は最大300日間トラックを使えなくなる恐れがあります。

本記事では、飲酒運転の処分基準の内容や強化されることになった背景、運送事業者に与える影響などを詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

2024年10月1日より飲酒運転に対する行政処分が強化された

国土交通省は、2024年10月1日から、運送事業者の飲酒運転に対する行政処分基準を改正することを発表しました。

「酒酔い」もしくは「酒気帯び運転」に対する処罰を強化することに加え、勤務時間に関する告示の遵守違反や、点呼の未実施に対する処分量定の引き上げ等も実施されます。

この章では、従来の基準と新しい基準を比較して、どの点が変わったのかを解説します。

 

従来の行政処分基準

従来の行政処分基準では、飲酒運転を犯したドライバーに対し、酒気帯び運転では「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」、酒酔い運転では「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」が適用されています。

また、それぞれの違反内容に応じて点数が引かれ、免許停止や取り消し等の重い罰則が科されます。

しかし、飲酒運転を犯したドライバーを雇用する運送事業者の責任については、あまり厳格に問われておらず、初犯の場合は100日間、再犯の場合は200日間の車両停止処分が科されるのみとなっています。

【飲酒運転ドライバーに対する従来の行政処分基準】

違反内容罰則違反点数行政処分
酒気帯び運転
(呼気中アルコール濃度0.15mg以上0.25mg未満)
3年以下の懲役または
50万円以下の罰金
13点免許停止
(停止期間90日)
※前歴がある場合は取り消し
酒気帯び運転
(呼気中アルコール濃度0.25mg以上)
3年以下の懲役または
50万円以下の罰金
25点免許取り消し
(欠格期間2年)
酒酔い運転5年以下の懲役または
100万円以下の罰金
35点免許取り消し
(欠格期間3年)

【運送事業者に対する従来の行政処分基準】

違反内容行政処分
酒酔い・酒気帯び乗務初犯:100日間の車両使用停止
再犯:200日間の車両使用停止

 

新たに追加された2つの行政処分基準

2024年10月1日より適用される2つの行政処分基準では、飲酒運転を犯したドライバーを雇用する運送事業者に対する責任が下表のように強化されます。

【新たに追加された2つの行政処分基準】

違反内容行政処分
指導監督義務違反初犯:100日間の車両使用停止
再犯:200日間の車両使用停止
点呼の実施違反初犯:100日間の車両使用停止
再犯:200日間の車両使用停止

今後、運送会社に勤めているドライバーが飲酒運転を犯した場合、たとえ事故を起こしていなくても、初犯で300日間の車両使用停止処分が科される可能性があるということです。

それぞれの違反内容を以下で詳しく解説します。

 

①指導監督義務違反

運送事業者には、日々業務を実施するドライバーに対し、安全運転の指導や監督を行う義務があります。

今回、行政処分基準が強化されたことにより、これらの指導監督義務を怠った運送事業者には、初犯は100日間、再犯の場合は200日間の車両停止処分が科されることとなりました。

具体的には、ドライバーに対して、飲酒が身体に与える影響や飲酒運転、酒気帯び運転を禁止させる指導が未実施だった場合、処分の対象となります。

 

②点呼の実施違反

ドライバーに対し、乗務前後に点呼を行い、健康状態や飲酒の有無を確認するのも、運送事業者の義務の一つです。

今回の処分基準改正により、飲酒運転が発覚した当日に、点呼を実施していなかった場合、初犯は100日間、再犯の場合は200日間の車両停止処分が科されます。

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行政処分強化に至った背景

今回、国土交通省が飲酒運転の行政処分強化に至った背景には、「運送業界における飲酒運転を起因とした重大事故の多さ」があります。

2019年以降、国内の飲酒運転事故の発生数は減少傾向にありましたが、2023年には前年の約4倍まで急増しました。
また、飲酒運転事故の7割超に大型トラックが関係していることが分かりました。

さらに調査を進めると、飲酒運転が発覚した際、乗務前後の点呼が適切に実施されていなかった事例が相当数あり、運送事業者側の指導に問題があることも判明しました。

国土交通省は、これらの問題を受けて、今回の行政処分強化に踏み切ったのです。

 

まとめ

2024年10月1日から施行された飲酒運転に対する行政処分の強化は、ドライバー個人だけでなく運送事業者にも大きな影響を与えます。
指導監督義務違反や点呼の実施違反という新たな処分基準により、運送事業者はドライバーの飲酒運転防止に対する責任を果たすことが求められます。

安全運転教育の徹底や点呼体制の強化を進めることで、違反の発生を未然に防ぎ、重大事故の減少に寄与することが期待されています。

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