コラム

貨客混載とは?メリットやデメリット、導入事例を紹介

貨客混載
行政書士法人シフトアップ 代表社員 川合智

川合 智

12年間の運送会社勤務経験を持ち、累計相談数は10,000件以上。運行管理者・配車・総務経理など運送事業の現場を知り尽くした圧倒的な業務ノウハウを基に運送業、貸切バス、介護タクシー、産廃収集運搬などの許認可をメインに日本全国対応で力強くサポート。
【保有資格】行政書士【商工会議所】名古屋商工会議所【著書】 トラック運送業の運輸局監査対策行政書士のための運送業許可申請のはじめ方

物流業界は、ドライバー不足や長時間労働、小口配送の増加、過疎地域における集配効率の低下など、様々な問題に直面しています。
これらの問題を解決するための新しい手段として注目されているのが、「貨客混載」という輸送形態です。

本記事では、貨客混載とは何か、導入された背景やメリット・デメリット等を詳しく解説します。具体的な事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

貨客混載とは?

貨客混載(かきゃくこんさい)とは、「貨物」と「乗客」を同じ交通手段で輸送することを言います。
具体的には、バスやタクシー、鉄道、飛行機等の余剰スペースに貨物を積んで輸送したり、トラックの空きスペースを利用して旅客を目的地まで輸送したりします。

貨客混載は、輸送効率の向上や運送手段の有効活用を目的に導入されました。
未利用のキャパシティを活用することで、物流コストの削減に繋がるだけでなく、環境負荷の軽減も期待できます。

 

貨客混載が導入された背景

貨客混載が導入された背景には、EC市場の拡大に伴う小口配送の増加や、深刻なドライバー不足が深く関係しています。

物流業界では、働き手が足りていないにも関わらず、貨物や旅客の輸送需要は増えるばかりで、従来のやり方が通用しなくなってきています。
それに加え、トラック輸送によるCO2排出量も懸念されていることから、環境への負担を軽減する取り組みも急務となっています。

もともと貨客混載は、2010年以前は一部の地域を除いて禁止されていましたが、このような問題を解決する有効な手段として、近年注目されるようになりました。

その後、多くの実証実験を経て、2023年には全国で貨客混載が解禁され、現在は物流業界の様々な課題を解決するための輸送手段として活用されています。

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貨客混載のメリット

ここからは、貨客混載が物流業界にもたらす3つのメリットを紹介します。

  • コスト削減に繋がる
  • 環境への配慮
  • 輸送効率の向上

 

コスト削減に繋がる

貨客混載では、トラックやタクシー、バスなどの空きスペースを活用し、貨物と旅客を同時に輸送できるため、燃料費や人件費の削減に繋がります。

燃料費や人件費は、運行経費の大半を占めるため、これらを削減することで、運送事業者の負担を軽減することができます。

 

環境への配慮

今までの運送事業は、環境負荷の高いトラックによる輸送に依存していました。

貨客混載が進むことで、CO2排出量の少ない輸送手段への移行が可能になり、環境負荷を軽減する取り組みが促進されることが期待されます。

 

輸送効率の向上

貨客混載を導入することで、貨物の種類や目的地に応じた輸送手段を選択できるようになるため、輸送効率の向上が期待できます。

例えば、目的地が遠い貨物は「新幹線」、即時配達が必要かつ目的地が近郊の場合は「トラック」など、距離や配送の緊急性によって輸送手段を分けることで、効率の良い輸送の実現が可能です。

 

デメリット

貨客混載のデメリット

貨客混載には多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。

  • 業務範囲の複雑化
  • 荷物の到着に時間がかかる
  • 一回に輸送できる量に限界がある

導入する際は、デメリットも理解したうえで検討することが大切です。

 

業務範囲の複雑化

貨客混載では、複数の事業者が協力して輸送を行うため、業務の複雑化が避けられません。

例えば、公共交通事業者と物流事業者が連携を取り、作業の段取りや担当の割り振り、認識や意識の共有を行う必要があります。
そのため、事前に安全性や利便性などの調整が不可欠になります。

 

荷物の到着に時間がかかる

貨客混載は、貨物と旅客を同時に輸送するため、荷物の到着に時間がかかるケースも。
導入する際は、旅客の輸送によって到着時間が変動する可能性があることを理解しておく必要があります。

また、公共交通機関を活用する場合は、運行調整などで到着にかかる時間が変動する場合もあります。
通常の輸送のように、貨物だけを優先することはできないため、あらかじめ入念な計画を立てなければなりません。

 

一回に輸送できる量に限界がある

貨客混載では、空いたスペースを活用するため、輸送できる荷物の量に限界があります。

例えば、新幹線は空席や空きスペース、バスやタクシーはトランクを活用するケースが多いです。

貨物を積載する際は、旅客の圧迫を避けるための配慮が必要になることを理解しておきましょう。

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貨客混載の事例

ここからは実際に、貨客混載を導入している企業の事例を紹介します。

 

丹後海陸交通×ヤマト運輸

貨客混載の事例として、利用者の減少によってバス路線の維持が難しくなっている丹後海陸交通と、営業所からの効率的な集配を目指すヤマト運輸の事例が挙げられます。

具体的には、ヤマト運輸のスタッフが、丹後海陸交通のバス停で貨物を積み込み、指定されたバス停で貨物を受け取るというものです。

この取り組みによって、丹後海陸交通の収益向上とヤマト運輸の集配業務の効率化が実現しました。

 

佐川急便×JR九州×JR西日本|新幹線による貨客混載

JR九州は佐川急便と協力し、新幹線による貨客混載を実現しました。
九州新幹線の余剰スペースを活用し、博多から鹿児島中央駅間で、宅配便の即日配送を可能にしたのです。

この貨客混載の成功を受けて、JR九州・JR西日本・佐川急便の3社によって、鹿児島県東部の串木野港から大阪市福島区へ活車エビを輸送する実証実験が開始。これを経て、11月には山陽・九州直通新幹線での貨客混載事業の開始が発表されました。

発表後、初となる貨客混載事業で、鳥取県産の松葉ガニを生きたまま鹿児島へ即日輸送することに成功しました。

出典:JR九州「鳥取から鹿児島へ「活け松葉ガニ」を即日輸送!

 

まとめ

貨客混載は、物流コストの削減や環境への配慮、輸送効率の向上など、物流事業者に多くのメリットをもたらします。
しかし一方で、業務範囲の複雑化や輸送計画に支障が出るデメリットも抱えています。

これらの問題を乗り越え、より効率的で持続可能な輸送を実現するためには、各企業や交通機関が連携し、適切な運用を行う必要があります。

貨客混載の導入を検討している運送事業者は、本記事を参考に、メリットやデメリットを理解したうえで実施することをおすすめします。

 

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