会社法の改正により、現在は資本金1円から会社設立ができるようになり、起業がしやすくなりました。
しかし、レンタカー会社には特有の注意すべき事項がございます。
レンタカー会社設立をご検討中の方のために、この記事ではレンタカー事業(自家用自動車有償貸渡業)で会社を設立するメリット・デメリットについて解説し、その後、会社設立時に失敗しないための5つの重要ポイント、レンタカー事業の目的を決める際の注意点などについて解説します。
レンタカー会社設立の際に失敗しないための重要ポイント5つ
こちらでは、レンタカー会社を設立する際に失敗しないための5つの重要ポイントを解説します。
- 個人から法人へは許可を引き継げない
- 決算処理はできるだけ税理士さんへ依頼する
- 設立時の費用か対外信用度かで会社形態を決める
- 銀行の融資は許可取得後に受けられる
- 事務所と駐車場の位置に注意する
ポイント①|個人から法人へは許可を引き継げない
こちらは『レンタカー会社設立のデメリット』で既に解説していますが、個人事業主から法人成りする際はレンタカー事業の許可を法人として再度取得する必要があります。
レンタカー許可は、国土交通省から申請者に対して与えられる許可です。したがって、基本的には個人で取ったレンタカー許可は法人に引き継ぎできません(一部地域では事業譲渡(事業継承)としてであれば引き継ぎが可能)。
レンタカー許可を取るときは、個人で取るのか法人で取るのかよく検討してからにすることが大切です。
個人で始める方が開業も簡単ではありますが、後々法人化すると考えている場合は、許可の取り直しが必要など少々面倒になります。
もし、レンタカー許可を個人で取得するか法人で取得するか迷っている方は、当事務所へお気軽にご相談ください。
ポイント②|決算処理はできるだけ税理士へ依頼する
税理士への顧問料は、できれば抑えたいランニングコストであるという方も多いかもしれません。
税理士顧問料はおおよそ毎月1万円〜2万円程度と言われていますが、必要経費と言えどもこの出費は会社設立当初では大きく感じるかもしれません。
しかし、決算だけでも税理士に依頼することをおすすめします。
その理由は法人の決算は複雑な会計処理をする必要があり、経理の経験がある方が社員にいない限り、最低限決算だけは税理士へ依頼することをおすすめします。
ポイント③|設立時の費用か対外信用度かで会社形態を決める
会社を設立するに当たり、合同会社か株式会社かの選択で悩む方もいるでしょう。
合同会社は、平成18年の会社法改正に伴い新設された会社形態です。
LLCとも呼ばれ、アメリカでは株式会社同様にメジャーな会社形態でもあります。
株式会社と合同会社の大きな違いは、設立時の費用が異なること。
設立に必要な登録免許税が、株式会社は約20万2千円、合同会社は約6万2千円と14万円の差があります。
また、日本では合同会社の認知度が高くないため、株式会社に比べ社会的な信用度で言うと若干見劣りする可能性があります。
そのため、レンタカー会社を株式会社か合同会社のどちらで設立するかは、それぞれの特性を判断した上で選択しましょう。
ポイント④|融資はレンタカー業許可を取得後に受けられる
レンタカー業を行う場合のレンタル車両購入には、当然費用がかかります。
設立時に多数の車両を一気に揃えるか、必要最低限の車両を用意して初期費用を安く揃えて事業を始めるのか迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
どちらが良いということはありませんが、設立時にある程度の車両を揃えるために銀行からの融資を受けることを検討されている方は注意が必要です。
なぜなら、銀行からの融資はレンタカー事業許可を取得してからでないと銀行は融資してくれません。
法人設立当初から多くの車両を揃えたいと考えている方は、まずは自己資金で用意できる分の車両を揃えてから、レンタカー許可を取得しその後、台数を増やすのに必要な資金の融資を受けるようにしましょう。
ポイント⑤|事務所と駐車場の位置に注意
会社設立時の本店所在地(会社の住所)とレンタカーを置く駐車場は、同じ場所や隣接している必要があると、多くの方が考えていらっしゃいます。
実際に、当事務所にご依頼されるお客様からも、この質問をとても多くいただきます。
しかし、法人の事務所所在地と駐車場は、同じ場所又は隣接している必要はありません。
たとえば、会社の本店所在地が名古屋市、そしてレンタカーの駐車場が春日井市の場合も、レンタカー許可申請に問題はありません。
ただし、お客様がレンタカーを借りにくる場所が会社事務所の場合、レンタカーを春日井から名古屋まで持っていく必要があります。
間違ってもお客様を乗せて、事務所から駐車場まで行くことはしないでください。利用料を取っていなくても「白タク行為」と間違えられてしまいます。
なお、レンタカー車両を登録する際の車庫証明取得には、車検証上の使用者住所から2km以内に車庫を設ける必要がありますので、この点はご注意ください。
法人でレンタカー会社を設立するメリットとデメリット
レンタカー業は、個人でも法人でも開業できます。
では、法人でレンタカー業を行う場合のメリットとデメリットは何があるでしょうか。
まずはレンタカー事業で会社を設立するメリットとデメリットについて解説します。
レンタカー会社設立のメリット
レンタカー会社設立のメリットは以下の通りです。
- 対外的に信用を得やすい
- 銀行など、金融機関から融資を受けやすい
- 会社の利益が出た時の節税対策が取りやすい
銀行などの金融機関も同じように個人事業主よりも、法人経営の方が法律(会社法)に則って運営されているため社会的な信用度は高いと言えます。
その他に法人経営は個人事業主と比較して財務面を含む運営状況を明白にすることができるため、一定の信頼を得ることができるのは大きな魅力です。
また集客面では、レンタカーを借りるとき、個人事業主のサービスと法人が運営しているサービスでは見られ方が異なります。
個人事業主よりも法人経営されている方が、車の状態や整備などの安全面に考慮しているように見受けられるため、一定の信頼は得やすいと考えられます。
レンタカー会社設立のデメリット
レンタカー会社設立時のデメリットは、主に下記のようなものがあります。
- 既に個人でレンタカー許可を取得していて法人成りするときは、原則的に許可を取得し直す必要がある
- 会社設立時の登録免許税など約20万円の費用が必用
- 複式簿記による決算を行う必要があるため、経理処理が頻雑になる
- 経理処理の頻雑さゆえ税理士に顧問を依頼する場合、毎月の顧問料や決算書類作成料を支払う必要がある
つまり簡単に言うと、個人経営と比較して会社設立でのコストがかかり、経理処理が大変になるということです。
また、先述していますが、レンタカー許可は個人から法人へ引き継げないため、許可を再度取り直す必要があります。
そのため、まずは個人事業主で小さく事業を始めようと考える方で、将来的に法人へと考えている場合は最初から法人化することも視野に入れて検討してみましょう。
レンタカー会社の定款事業目的を決める際の注意点
会社設立をする場合、事業目的を定款の中に定めなければなりません。
定款は法人の活動における憲法のようなもので、この定款の定めの範囲内で事業活動を行うことになります。
従って、事業目的に記載されていない事業をその法人は行えません。そのため事業目的の記載にも注意が必要です。
レンタカー業で想定できる事業目的
レンタカー業で想定できる事業目的は、下記を参考にしてください。
【事業目的の例】
- 自家用自動車有償貸渡業
- 自動車の販売及び輸出入業務
- 自動車の解体業務
- 自動車整備事業
- 古物商営業法による古物商
- 自動車用品・自動車部品の販売及び輸出入業務
事業目的はなるべく簡潔にする
会社設立をされる際に、事業目的を20個以上盛り込みたいとおっしゃる方がいます。
そうすることは会社法上、何の問題もありません。「設立時には行わない事業だが、将来のビジョンでは行う予定」というものは事業目的にいれておくべきです。
ただし、定款に盛り込む法人の事業目的はなるべく少なく簡潔にされることをおすすめいたします。
なぜなら、会社を経営しており法人登記簿を取引先などに提出する場合、事業目的がたくさん書かれていると、第三者から見て「何をしている会社なのか」がよくわからなくなってしまいます。
何の会社かわからないことは、時として、取引上のデメリットになる可能性もあります。
ご自分が、他社の事業目的を見たときをイメージしてください。
パッとみて、なにを主業務としている会社かわかった方が、信用を得やすいと思いませんか?
このような理由から行政書士法人シフトアップでは、事業目的はなるべく簡潔に、少なくされることをご依頼者様にはおすすめしております。
レンタカー会社設立のまとめ
1〜2年の間に法人成りをお考えなら、レンタカー許可取得と同時に法人設立しておくことをおすすめします。
行政書士法人シフトアップは、自動車系の許可専門事務所として、豊富な経験と知識により、ご依頼者様に最適なレンタカー会社設立の仕方についてアドバイスが可能です。
レンタカー会社設立をご検討中の方は、自動車系許可専門事務所で実績豊富な「行政書士法人シフトアップ」にぜひご依頼ください。
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