自動車の整備

運送業許可|整備管理者と整備管理補助者の要件とは?

行政書士法人シフトアップ 代表社員 川合智

川合 智

運送業許可など自動車系許認可の専門行政書士法人です。運送業、貸切バス、介護タクシー、産廃収集運搬などの許可をメインとしています。組織力でお客様の課題解決に当り、北海道から沖縄まで全国からご依頼いただいております。
【保有資格】行政書士【商工会議所】名古屋商工会議所【著書】 トラック運送業の運輸局監査対策行政書士のための運送業許可申請のはじめ方

このページでは、まず整備管理者についてご説明いたします。運送業許可では、運行管理者と並んで「整備管理者の選任」が必ず必要となります。

ではなぜ「整備管理者の選任」が必用になるのかからのご説明です。


トラック運送業の運輸局監査対策

整備管理者の選任が必用な理由とは?

整備管理者制度は道路運送車両法において定められています。トラックやバスなど、一般の自動車と違う構造を持つ車両が事故を起こすと大きな損害が発生する可能性があります。このため、特殊な車両を使用して事業を行うときは、特殊車両の専門知識を持った者が車両の整備・管理を行う必要があります。

また、一つの運送事業者が事業に使用する車両が多くなれば、点検・整備の管理・責任体制が曖昧になりかねません。

そういった事態を防ぐために整備管理者が車両管理を行うことで管理・責任体制が確立され、自動車の安全運行や環境保全を図ることが可能となるため貨物自動車運送事業者には整備管理者を選任する義務が課せられています。 

 

整備管理者となるための条件(資格要件)

整備管理者となるための条件(資格要件)は以下のとおりです。

  1. トラック等の点検または整備・管理の実務経験がある者が整備管理者選任前研修を修了していること。
  2. 自動車整備士技能検定のうち1級自動車整備士・2級自動車整備士・3級自動車整備士のいずれかを取得していること

 

整備管理者選任前研修について

整備管理者選任前研修は、運輸支局ごとに実施しており年数回行われています。およそ2ヵ月に1回、各都道府県の地方運輸支局で開催されています。すぐに定員となり申し込みが締め切られることも多いので、早めに申し込みをしておきましょう。

 

トラックの点検・整備等の実務経験について

整備管理者になるための実務経験は下記のように定義されています。

「整備管理を行おうとする自動車と同種の自動車の点検・整備」もしくは「整備または整備の管理に関する経験」

では、何をもって実務経験と言うかは次のように定められています。

 

点検または整備に関する実務経験とは?

点検整備または整備に関する実務経験とは以下のものを言います。

  1. 整備工場、特定給油所等における整備要員として点検・整備業務を行った経験
  2. 自動車運送事業者の整備実施担当者として点検・整備業務を行った経験

 

整備の管理に関する実務経験とは

整備または整備の管理に関する実務経験とは以下のものを言います。

  1. 整備管理者の経験
  2. 整備管理者の補助者として車両管理を行った経験(平成19年の法改正前の代務者を含む)
  3. 整備責任者として車両管理業務を行った経験
  4. 認証整備工場やなどでトラックの整備を行った経験

 

自動車整備士技能検定について

自動車整備士技能検定を受けるには、中学校卒業以上で、1年以上の自動車整備の実務経験が必用となります。

誰でも、検定を受けられるわけではないところに注意してください。

 

注意事項

自動車車体整備士、自動車タイヤ整備士、自動車電気装置整備士等は整備管理者となる条件を満たす資格には含まれません。

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運送会社に整備管理者は何人必要か

「整備管理者」は営業所ごとに一人以上選任しなければいけません。裏を返せば最低一人選任していれば問題ないということで、これは車両5台の営業所でも車両100台の会社でも同じです。

これから一般貨物自動車運送事業を始めるという方は、最低一人整備管理者の要件を満たす人を確保してください。

運送会社には整備管理者のほかに運行管理者も必要となります。運送業許可|運行管理者の要件の整理はこれでカンペキも併せてお読みください。

 

整備管理者の業務

整備管理者は道路運送車両法50条で「自動車の点検および整備ならびに自動車車庫の管理に関する事項の処理」とされており、具体的には主に下記の業務を行います。

  1. ドライバーが行う日常点検に基づいてトラックの運行の可否を決定する
  2. 定期点検について、その実施方法を定めて実施すること。または運転者等に実施させることと
  3. 上記以外の随時必要な点検について実施すること。または整備工場等に実施させること
  4. 日常点検、定期点検または随時必要な点検の結果から判断して、必要な整備を実施すること。または整備工場に実施させること
  5. 定期点検整備または随時必要な整備について実施計画を定めること
  6. 点検整備記録簿、その他の整備に関する記録簿を管理すること
  7. 自動車車庫を管理すること
  8. 1~7の業務を処理するために運転者および整備指導員を指導監督すること

すでにトラック運送業を行っているという方はお気づきかと思いますが、整備管理者の業務は意外に多いです。整備管理者は形式上選任しているだけと思っている方は認識を変えた方がいいかもしれませんね。

整備管理者 資格と兼任の可否一覧

整備管理者の資格の有無と兼任性についてまとめております。
資格の有無と兼任性有無または可否備考
資格の有無どちらでも良い資格がない場合は運送業許可所得までに専任前研修を修了すれば良い
運行管理者との兼任できる
ドライバーとの兼任できる
他営業所の整備管理者との兼任できない
補助者の選任必用

 

整備管理補助者とは

整備管理補助者とは、整備管理者に代わって駐車場の整備やトラックの運行の可否決定などを行う代務者のことです。運送業許可を取得する場合、かならず申請時または許可取得までに整備管理補助者の選任が義務付けられています。

なぜなら、整備管理補助者を選任していないと、整備管理者不在のさいに、トラックの運行の可否を判断する者がいないため、運送業を行うことができないからです。

 

整備管理者補助者の要件

整備管理補助者となるための常勤の社員や派遣社員であること以外に要件はありません。資格や実務経験む不要ですし、ドライバーでも問題ありません。

ですので、整備管理者補助者となる人がいないという状態になることはないでしょう。

 

まとめ

運行管理者と同じく整備管理者は、お客様の事情に合わせ最適な選び方が必用となります。

資格や整備管理の経験を持った者がいないので「整備管理者になれる人がいない」。そういった場合でもあきらめずに運送業専門の「行政書士法人シフトアップ」にご相談ください。豊富な経験に基づき的確なアドバイスをさせて頂きます。

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