携帯電話で仕事をする人

貨物利用運送(水屋)の許可を取る4つのメリットと3つのデメリット

行政書士法人シフトアップ 代表社員 川合智

川合 智

運送業許可など自動車系許認可の専門行政書士法人です。運送業、貸切バス、介護タクシー、産廃収集運搬などの許可をメインとしています。組織力でお客様の課題解決に当り、北海道から沖縄まで全国からご依頼いただいております。
【保有資格】行政書士【商工会議所】名古屋商工会議所【著書】 トラック運送業の運輸局監査対策行政書士のための運送業許可申請のはじめ方

貨物利用運送(水屋)は極端に言えば携帯電話ひとつあれば事業を営むことが可能です。初期投資が殆ど不要で魅力的なこの事業についての「メリットとデメリット」、そして利用運送は儲かるのかについて解説致します。

まずは、貨物利用運送許可を取るメリットとデメリットから見ていきましょう。

※この記事では一般的に利用運送と言われる「第一種貨物利用運送事業」のことを貨物利用運送と表記しています。第二種貨物自動車利用運送事業をご検討中の方は「第二種貨物利用運送事業とは?許可要件・必要書類・費用・期間すべて解説」をお読みください。

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貨物利用運送(水屋)の許可を取る3つのメリット

貨物利用運送(水屋)許可取得のメリットは、主に以下のようなものです。

  1. 貨物利用運送(水屋)許可取得の条件が運送業に比べ低いため容易に事業を始められる。
  2. 事業運営にかかる経費が少ないので経営上のリスクも少ない。
  3. 主に電話で業務の依頼を受けるため、どこに居ても仕事ができる。
  4. 人手不足のトラック運送業から頼られる存在になれる。

以下で1~3についてトラックを必用とするトラック運送業と比較しながら詳しく見ていきましょう。

 

メリット1|許可取得の条件が比較的低いため容易に始められる

同じ運送業でもトラック運送業許可は超ウルトラC級の難易度です。それに比べて貨物利用運(水屋)許可は、トラックを所有したり従業員を雇用する必用がない分、許可取得の条件が低くなります。

条件が低い分、許可取得のための準備期間も少なく済み、トラック運送業に比べて容易に事業を始めることが可能です。とは言え、許可取得に関しては条件を満たしているかどうかの確認や、申請書作成は難易度が高いため専門家に任せることをおすすめします。

 

メリット2|事業運営の経費も少なく経営上のリスクの少ない

先にも述べたとおり、トラック運送業はトラックを所有したり、多くの従業員を雇用しないといけないため多額の経費が必要となります。

例えば、自動車税、自動車重量税、任意保険料、修繕費、従業員給与など。修繕費に至っては、ときに数百万になることもあります。

そのため、銀行からの借入を行うケースも多く、経営上のリスクは大きい業種と言えます。

対して、貨物利用運送(水屋)を営むうえでの主な経費は事務所の賃料や携帯電話代、従業員を雇用したときの給料ぐらいなので経費も少なくて済みます。

事業を営むうえでのリスクを少なくするために、毎月の経費は極力少なくすることが鉄則です。経費の少ない分、貨物利用運送(水屋)許可を取って事業を行うことに対する経営上のリスクは少ないと言えます。

 

メリット3|どこに居ても仕事ができる

貨物利用運送(水屋)許可を取って事業を営むときにメインとなるツールは携帯電話です。荷主から配送業者手配の依頼を受けるのも、配送先を探すのもほぼ携帯電話で行うことになります。

また、トラック運送業のようにドライバーの出庫・帰庫を管理しなくも良いし、点呼簿やチャート紙(タコグラフ)などの帳票類を管理する必用もありません。ですから、事務所に張り付いていなくても仕事をこなすことは可能となります。

 

メリット4|人手不足のトラック運送業から頼られる存在になれる

人材がいなくて倒産する業種ナンバー1であるほど、近年のトラック運送業は深刻な人手不足です。人手不足ということは、トラックやドライバーの数が荷物の量に比べて圧倒的に少ないため、貨物を輸送してくれる運送会社を求める荷主がたくさんいるということです。

そこで荷主やトラック運送事業者が頼るのは、貨物利用運送業者(水屋)です。知り合いのトラック運送事業者に声をかけてもトラックを確保できないとなれば、貨物利用運送業者(水屋)を頼らざるを得ません。

数多くのトラック運送事業者と連携を取り、あふれた貨物をさばくことができれば、あなたはとても重要な存在となります。

ただし、貨物利用運送(水屋)許可を取得して頼られる存在となるためには、多くの運送会社とのコネクションを作ると同時に、荷主を確保するという事業の基盤作りが最も重要なのは言うまでもありません。

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 貨物利用運送事業(水屋)許可を取る3つのデメリット

貨物利用運送(水屋)の許可を取得する3つのデメリットは主に以下のようなものです。

  1. 荷主確保のための地道な営業が必要。
  2. お客様の数が多くなると電話がひっきりなしにかかってくるため対応が大変。
  3. トラックを持っていなくても荷主に対して運送責任を負う。

以下で1~3について詳しく見ていきましょう。

 

デメリット1|荷主確保のための地道な営業が必要

貨物利用運送(水屋)許可を取って、事業を始めるという方は主に以下のような方でしょう。

  1. トラック運送業界にいる。
  2. トラック運送業界にはいないがコネクションはある。
  3. 別事業を行っているが、実態が貨物利用運送(水屋)に当たるため許可が必要。

特に1と2に当たる方は、貨物利用運送(水屋)事業者として、毎月食べていけるだけの売上を確保しなければいけませんね。

売上を確保するには、より多くの荷主とつながりを持つ必用があるため、「営業活動」が必須となります。なぜなら、荷主から貨物の情報が入らないことには、輸送の依頼を運送会社に頼む貨物利用運送(水屋)行為ができないからです。

昨日まで3社だった得意先が、3ヶ月後には100社になるという確率は非常に低いです。ですから、売上を確保するためには、荷主に対する信頼を積み重ねるために地道な営業行為は外せません。

 

デメリット2|荷主の数が多くなると電話対応が大変

貨物利用運送(水屋)の許可を取って事業が軌道に乗ると、あなたと関わりを持つ荷主の数も、あなたの依頼に応じて荷物を運ぶトラック運送事業者の数も増えます。

そうなると、荷物を運ぶトラック運送事業者を探して欲しいという電話も、何か運ぶ荷物はないという電話の数も多くなります。

弊社シフトアップのお客様も、事務所へ伺うと、時間帯によっては落ち着いて話しをする時間がないくらい電話が鳴りっぱなしで気の毒になるときすらあります。

お客様の数が増えると電話が鳴る数も増える。これは貨物利用運送(水屋)事業者の性と言えるかもしれません。

 

デメリット3|トラックを持っていなくても荷主に運送責任を負う

どんな利用運送契約を結ぶかにもよりますが、基本的には貨物利用運送事業者(水屋)は、輸送の手配をした荷物に対して、遅配、破損、盗難などの責任を負います。

ですから、手配する荷物の数が増えれば増えるほど、多くの責任を負うことになります。

実際に荷物を運ぶのは、緑ナンバーを持っているトラック運送事業者となるため、遅配や荷物の破損などの少ない優秀な事業者とたくさんつながりを持つことが大切ですね。

水屋運送のメリットとデメリット

貨物利用運送(水屋)は儲かるのか

貨物利用運送で一般のサラリーマン以上に儲けることは十分可能です。弊社シフトアップのお客様の中には、開業初月から500万円の売上を上げた事業者様もいらっしゃいます。

もちろん、開業初月から500万円を売り上げるには、開業前に相当な営業が必用となります。その他、全国に運送会社や荷主との協力関係を築き、1千万円以上の月商を上げている方もいます。

ただし、どんなビジネスにも共通ですが、営業力は必用です。その点は忘れないでください。

まとめ

弊社シフトアップに貨物利用運送(水屋)許可取得のご依頼される方は、本業に付随する業務としての利用運送が6割。純粋な利用運送のみが4割です。

いずれにしても、トラックを持つ一般貨物運送業より許可取得のハードルは低いので魅力的な事業と言えます。

どんな事業を営むにもメリット・デメリットは存在するので、総合的に考えて、勝算がある場合や、荷主との関係でどうしても必要という方は許可取得をご検討ください。もし、利用運送(水屋)許可を取るか迷っている、またはわからない部分があると言う方は、運送業専門事務所である「行政書士法人シフトアップ」にお気軽にご相談ください。

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