倉庫業を営むには、倉庫ごとに1名の倉庫管理主任者を選任しなければなりません。
倉庫管理主任者に選任されるには、倉庫管理業務における実務経験を有している必要がありますが、実務経験を有する者がいない場合でも講習を受けることで選任条件をクリアできます。
本記事では、倉庫管理主任者講習(倉庫業講習)について解説します。
講習の内容や難易度に加え、トラック運送業も兼業する場合に必須となる「整備管理者」との違いや兼任ルールについても詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
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倉庫管理主任者講習(倉庫業講習)とは
倉庫業を営むには、倉庫ごとに1名の倉庫管理主任者を選任する必要があります。
倉庫管理主任者とは倉庫管理に必要な知識や能力を有する者のことで、基本的には一定の実務経験を持つ者が選任されます。
しかし、事業所内に実務経験を持つ者がいない場合は、国土交通大臣が定める倉庫管理に関する講習の修了者からも選定できる決まりになっています。
この講習を、倉庫管理主任者講習といいます。
倉庫管理主任者を育成するための講習
倉庫管理主任者講習とは、倉庫の火災防止や倉庫管理業務に従事する「倉庫管理主任者」を育成する講習です。
一般社団法人日本倉庫協会などが主催しており、具体的には以下の内容を受講します。
- 倉庫業法の概要
- 倉庫業における労働災害防止への取り組み
- 倉庫における火災防止への取り組み
- 倉庫管理を適切に実施する方法
- 内部監査の体制整備
受講時間は約5時間です。
1日もあれば倉庫管理主任者の修了証書を取得できます。
2026年現在の実施スケジュール傾向
倉庫業講習は、年間を通じて全国の主要都市(東京、大阪、名古屋、福岡など)や各都道府県の倉庫協会によって定期的に開催されています。
特に東京などの大都市圏では年数回開催されますが、地方都市では「年1回のみ」の開催となるケースも多いため、受講を逃すと他府県まで出向く必要が生じます。
最新の詳細な開催日程や募集開始日、および各地区の担当事務局への問い合わせ先については、常に日本倉庫協会の公式ホームページ(倉庫業講習スケジュール)をご確認いただき、早めの申し込みを行うようにしてください。
合格率
倉庫管理主任者の資格は、講習を受講すれば誰でも取得できます。
修了試験も存在しないため、合格率はほぼ100%です。
難易度的にもかなり易しく、倉庫業に関する知識がない全くの未経験者でも参加できます。
受講料
倉庫管理主任者講習を受講するには、受講料を支払う必要があります。
費用は講習を受ける会場によって異なりますが、非会員の場合は概ね13,000円〜15,000円程度が一般的です。
ただし、各都道府県の倉庫協会の会員企業に所属している場合は受講料の割引が適用されるため、半額程度の費用で受けられます。
倉庫管理主任者とは
倉庫管理主任者とは、平成14年の4月1日に施行された「倉庫業法改正」に伴って新たに設けられた要件です。
具体的には、倉庫を適切に管理するための知識や能力を持つ者のことで、倉庫の防災や保守、管理などの業務をおこないます。
倉庫業を営む際は、倉庫ごとに1名の倉庫管理主任者を選任する必要があります。
倉庫管理主任者の業務
倉庫管理主任者の基本的な仕事内容は以下のとおりです。
- 火災防止への取り組みや設備の管理
- 倉庫管理業務の適切な運営の確保
- 労働災害の防止
- 現場従業員の研修
1つずつ見ていきましょう。
火災防止への取り組みや施設の管理
倉庫内で火災や事故が起こらないよう、建物のメンテナンスや設備の管理を実施します。
その他、漏電など火災につながる可能性が高い電気設備の管理もおこないます。
倉庫管理業務における運営の確保
倉庫内に保管された貨物を適切に管理します。
加えて、スムーズに運営するために入出庫業務も対応します。
労働災害の防止
倉庫内では、フォークリフトなどの重機使用や高所での作業、貨物の移動など、危険を伴う業務が常におこなわれます。
そのため倉庫管理主任者は、上記を発端とする労働災害を防止し、従業員の安全を確保しなければなりません。
具体的には、従業員の健康状態や服装のチェック、作業行程ごとの安全確認をおこないます。
現場従業員の研修
倉庫管理業務をスムーズに進めるために、マニュアルの作成や従業員に対する研修を実施します。
倉庫管理主任者の選任条件
倉庫管理主任者に選任されるには、以下いずれかの条件を満たす必要があります。
- 倉庫管理業務における一定の実務経験を有している
- 倉庫管理に関する講習を修了している
順番に見ていきましょう。
倉庫管理の実務経験を積む
倉庫管理主任者に選任されるには、以下の実務経験を有している必要があります。
- 倉庫管理業務に関する2年以上の指導監督的な実務経験を有している
- 倉庫管理業務に関する3年以上の実務経験を有している
倉庫管理の指導監督的立場として2年、現場従事者として3年の実務経験があれば条件をクリアできます。
なお、この場合は講習を受ける必要はありません。
倉庫業講習を修了する
実務経験がない場合は、倉庫管理主任者講習を受講することで選任の条件を満たせます。
講習は約5時間、1日あれば受講を完了できます。
修了試験は実施されないため、居眠りせず真面目に講習を受ければ、基本的に誰でも修了証書を取得できるでしょう。
詳しい内容は、「倉庫管理主任者講習(倉庫業講習)とは」の見出しで解説しています。
上記に適合しても選任できない場合も
実務経験や講習の修了を満たしていても、倉庫管理主任者に選任されないケースもあります。
倉庫管理主任者候補が以下に該当する場合、選任できません。
- 1年以上の懲役または禁錮の刑に処せられ、執行を終わるまたは執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
- 倉庫業法第21条による登録の取消しを受けてから2年を経過しない者
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近年、自社の倉庫で荷物を保管するだけでなく、自社のトラック(緑ナンバー)で荷物を配送する「総合物流事業(倉庫業+一般貨物自動車運送事業)」を展開する企業が増えています。
緑ナンバーのトラックを5台以上保有する営業所には、車両の点検や車庫の管理を行う「整備管理者」および、配車や点呼を行う「運行管理者」の選任が義務付けられています。
倉庫管理主任者と整備管理者の兼任は可能?
「倉庫管理主任者」と「整備管理者(または運行管理者)」は、それぞれ根拠となる法律が異なります(倉庫業法と道路運送車両法など)。結論から言えば、要件(それぞれの実務経験や資格、講習修了等)さえ満たしており、かつ同一の敷地内(同じ営業所・倉庫)で勤務して両方の業務を適正に遂行できる体制が整っているのであれば、1人の従業員が倉庫管理主任者と整備管理者を兼任することは法律上禁止されていません。
ただし、実務上は倉庫の安全管理と数十台のトラックの車両整備管理を1人で背負うことは非常に業務負担が大きくなるため、企業規模が大きくなるにつれて役割を分担して選任するのが一般的です。
まとめ
本記事では、倉庫管理主任者講習(倉庫業講習)について解説しました。
倉庫業は、貨物の保管場所として重要な役割を担う事業です。倉庫管理主任者は、実務経験がなくても講習さえ受ければ選任の条件をクリアできます。
今後倉庫業への転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
なお、行政書士法人シフトアップでは、倉庫業に関するご相談・お問い合わせにも対応しております。
全国対応しておりますので、気になることがあればお電話またはメールで何でもご連絡ください。



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