物流業界では、物品を保管する目的や方法によって、その業務が「倉庫業」にあたるのかが変わってきます。
中でも「一時保管」や「出荷調整を伴う保管」などは、単なる物品の保管とは異なる業務内容が含まれているため、倉庫業として扱われるかが問題になる場合も。
本記事では、これらの一時保管と出荷調整を伴う保管の違いと、倉庫業に該当するかどうかを詳しく解説します。
倉庫業とは
一時保管や出荷調整を伴う保管が倉庫業に該当するかどうか解説する前に、そもそも倉庫業とは何かをおさらいしましょう。
倉庫業とは、寄託(※)を受けた物品を一定期間倉庫で保管し、その対価として料金を受け取る事業のことを言います。
具体的には、依頼者から預かった商品や物品を、専用の倉庫施設内で適切に保管・管理し、必要に応じて出荷や引き渡しを行います。
倉庫業は、倉庫業法という法律に基づいて規制されています。
2002年までは、公益性の高さから許可制が採用されていましたが、競争力向上や物流業務効率化を背景に、登録制に変更されました。
そのため、倉庫業を営むには、国で定められた複数の要件をクリアしたうえで、国土交通大臣による登録を受ける必要があります。
倉庫業について詳しく知りたい方は、「倉庫業とは? 登録に必要な要件・資格・倉庫の種類:営業倉庫について解説」の記事も併せてご覧ください。
一時保管と出荷調整を伴う保管の違いとは
物流業界では、保管に関する全ての業務が倉庫業に当てはまるわけではなく、保管の目的や方法によって該当するかどうかが変わります。
中でも、「一時保管」や「出荷調整を伴う保管」などは、通常の保管業務とは異なる要素が含まれているため、倉庫業として扱われるかどうかが問題となるケースもあります。
結論を言うと、「一時保管」は倉庫業に該当しません。一方、「出荷調整を伴う保管」については、運送契約に基づいているとは言えないことから、倉庫業に該当するケースがあります。
| 一時保管 | 出荷調整を伴う保管 | |
| 契約 | 運送契約に基づく | 運送契約に基づいているとは言えない |
| 配送先や日時、数量等 | 決まっている | 決まっていない |
| 倉庫業への該当 | 倉庫業に該当しない | 倉庫業に該当する可能性あり |
以下で、それぞれ詳しく解説します。
一時保管は倉庫業に該当しない
一般貨物自動車運送事業や、貨物利用運送事業を営んでいる場合、荷主から受け取った物品を、一時的に保管場に保管するケースもあるでしょう。
このような場合は、運送契約に基づいて物品を一時保管していることになるため、寄託とは見なされず、倉庫業には該当しないことになります。
出荷調整を伴う保管は倉庫業に該当する可能性がある
荷主から受け取った物品を、保管場などで一括して預かり、荷主の指示に基づいて出荷する場合は、運送契約に基づくものとは言えません。
そのため、前述した一時保管のケースとは異なり、倉庫業に該当する可能性があります。
特に、物品が保管場に入庫した時点で、配送先や日時、数量などが決まっていない場合、倉庫業の登録が必要になるケースがあるため注意が必要です。
無登録で倉庫業を営んだ場合
倉庫業の登録が必要であるにも関わらず、無登録で倉庫業を営んだ場合は、倉庫業法第28条に基づき、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科される、または併科されます。
くれぐれも、無登録で営業しないように気を付けましょう。
なお、倉庫業の登録が必要か不要かわからないという方は、「倉庫業を始めるのに許可(登録)は不要?⼿続きの流れや費⽤・期間について」の記事も併せてご覧ください。
まとめ
以上、一時保管と出荷調整を伴う保管は倉庫業に該当するかどうかについて解説しました。
荷主から預かった荷物を決められた出荷日時まで一時保管する場合は、運送契約に基づいていると判断されるため、倉庫業の登録は必要ありません。
一方、預かった荷物を荷主の指示に基づいて出荷する場合は、運送契約に基づくものとは言えず、倉庫業と見なされる可能性があります。
なお、無登録で倉庫業を営んだ場合には、倉庫業法に基づいて、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科されたり、併科されたりする恐れがあるため、くれぐれも注意してください。
行政書士法人シフトアップでは、倉庫業登録のサポートにも対応しております。
長年培った経験とノウハウを活かし、書類作成から登録まで一貫して対応いたしますので、倉庫業登録を検討している事業者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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