物流業界において、効率的な輸送とコスト削減を実現するためには、パレットの標準化が欠かせません。
現在、日本ではさまざまな種類のパレットが使用されていますが、これが物流効率化を阻む一因となっています。
本記事では、パレットの標準化がなぜ必要なのか、その重要性を解説するとともに、業界全体で進められている具体的な取り組み内容について詳しく紹介します。
パレットとは
物流におけるパレットとは、荷物を効率的に輸送・荷役・保管するために使用される物流資材のことです。
【パレット(プラスチック製)】

パレットが登場する前は、人が手作業で荷物の積み下ろしや移動をおこなっていましたが、パレットが普及したことにより、時間と労力をかけずにフォークリフト等で一度に多くの荷物を運べるようになりました。
今やパレットは、物流において欠かせない存在となっているのです。
パレットの標準化とは?なぜ必要?
日本の物流において欠かせない存在となっているパレットですが、一方で「標準化が中々進まない」という課題があります。
日本のパレットの標準サイズは、JIS規格の「JIS Z 0601(1,100mm×1,100mm×144mm)」と定められていますが、その使用率は全体の3割程度に留まっています。
残りの7割では、各企業や業界が独自で定めたサイズのパレットが使用されており、その数はなんと100種類以上にも及びます。
物流を円滑におこなうためには、「一貫パレチゼーション」が必要不可欠です。
一貫パレチゼーションとは、作業効率化を図るために、荷物をパレットに積んだまま、発送から到着後の荷下ろしまで一貫しておこなうというものです。
前述したように、日本の標準パレットの使用率は3割程度に留まっており、一貫パレチゼーションを進めるためには、パレットの標準化(規格化)が欠かせません。
現に、海外ではパレットの標準化が進んでおり、オーストラリアやヨーロッパの標準パレットの使用率は約9割、さらに日本より10年以上遅れてパレットが普及した韓国でも、約5割が標準化しています。
日本でパレットの標準化が進めば、各輸送機関の結節点でフォークリフトによる荷降ろしが可能となり、荷役作業を簡易化できるようになります。
トラックドライバーの拘束時間短縮や積載率の向上、物流センターの集約化などにも繋がるため、ドライバーの負担や物流コストの大幅な削減が期待できるでしょう。
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物流業界におけるパレット標準化への取り組み
ここからは、物流業界におけるパレット標準化への取り組みを、以下3つの観点から解説します。
- 標準仕様パレットの規格化
- 標準仕様パレットの運用
- 物流関係者に求める取り組み
① 標準仕様パレットの規格化
物流業界におけるパレット標準化の取り組みの1つ目は、「標準仕様パレットの規格化」です。
平面サイズについては、現在国内で最も普及している1,100mm×1,100mm。高さは、自動倉庫での使用にも耐えられる強度がある144mm〜150mmを標準仕様として定めました。
また、パレットの材質や強度、最大積載量については、「JIS Z 0601:2001(プールパレット- 一貫輸送用平パレット)」に準拠するものとしました。
ただし、材質については、プラスチックパレットの使用が進んでいる一方、木製パレットも破損時の修復が比較的容易であることを踏まえ、標準仕様パレットの規格として採用されることとなりました。
②標準仕様パレットの運用
標準仕様パレットの運用については、自社所有パレットの流出や紛失リスク、自主回収による費用負担の大きさ等を考慮し、パレットの調達形態を「レンタル方式」にすることが推進されました。
パレットの管理運営組織を各レンタルパレット事業者にすると共に、パレットの管理は各レンタルパレット事業者のシステムを用いることも決定されました。
なお、レンタル方式によるパレットの標準化を促進するために、国土交通省は「物流標準化促進事業費補助金制度」を発表しました。
パレットを導入する物流事業者・倉庫事業者・荷主などに補助金を交付する制度で、パレットの導入に伴う搬送設備などの導入費や改修費、処分費が補助の対象です。
③物流関係者に求める取り組み
パレットの標準化については、物流関係者についても協力を求める取り組みがおこなわれています。
発荷主には、着荷主に対して標準仕様パレットの活用を前提とした情報提供や営業をおこなうことが求められ、着荷主には、標準仕様パレットによる物流を考慮した発注をおこなうことが求められます。
また、運送事業者や倉庫事業者に対しては、それぞれで管理している倉庫で標準仕様パレットの導入を進めると共に、関係する荷主に対しても標準仕様パレットの導入を働きかけることが求められます。

パレット標準化によって物流業界で期待される効果
物流関係者がそれぞれの役割を果たし、パレット標準化が促進されれば、物流に関わる全ての事業者によい影響が加わることになるでしょう。
物流事業者においては、荷役作業や荷待ち時間の削減に繋がります。荷主においては、輸送の効率化によって、商品や製品をより安定供給できるようになるでしょう。
また、 SDGs(持続可能な開発目標)や脱炭素社会の実現に向けた取り組みが求められる昨今、パレット標準化による物流の効率化は、将来的な環境負荷低減の観点からも必要不可欠であると言えます。
まとめ
本記事では、物流業界におけるパレットの標準化について解説しました。
日本でパレットの標準化が進めば、荷役作業を簡略化できるようになります。
トラックドライバーの拘束時間短縮や積載率の向上、物流センターの集約化などにも繋がるため、ドライバーの負担や物流コストの大幅な削減が期待できるでしょう。
なお、レンタル方式によるパレットの標準化を促進するために、国土交通省は「物流標準化促進事業費補助金制度」を発表しています。
日本の物流の効率化を図るためにも、物流事業者・倉庫事業者・荷主などの物流関係者は、ぜひチェックしてみてください。
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