従業員の勤怠管理は、重要な業務の一つです。このデータを元にして給与を計算したり、時間外労働の実態を把握したりするため、おろそかにすることはできません。しかし、従業員全員の勤務状況を正確に把握し、手作業で管理するのは非常に困難です。業務負荷が増えれば、ミスを犯すリスクも高まります。
そんな時に役に立つのが勤怠管理システム。業種を問わず、さまざまな企業で導入が進んでいます。中には運送業向けに開発された商品もあり、業界特有の課題の解決につながることが期待されます。一方で、種類が多いため、何を基準に選べば良いのかわかりにくい面も。
そこでこの記事では、トラック運送業におすすめの勤怠管理システムを5つ厳選して紹介します。
まずは、トラック運送業の勤怠管理の現状についてのご説明です。
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トラック運送業の勤怠管理は課題だらけ
勤怠管理の定番といえばタイムカード。簡単に勤務時間や休暇日数などを記録することができることから、多くの職場で利用されてきました。しかし、トラック運送業は従業員の勤務時間が不規則なため、タイムカードだけでは十分に管理しきれないという課題を抱えています。
例えばドライバーは、事務所スタッフ不在の早朝や深夜に出勤したり、長距離輸送に出かけて営業所に数日間戻らなかったりすることも珍しくないため、タイムカードの情報が不正確なことがあります。
また、日中稼働するドライバーであっても、一度営業所を出発すれば動態を正確に把握することはできません。過去には、不正打刻により給与を多く受け取っていた事例や、勤務時間の複雑さから給与計算にミスが生じ、訴訟に発展したケースもあります。
無駄な人件費を削減することはもちろん、コンプライアンスの観点からも、正確に勤怠管理できる体制を作っておくことが大切です。
トラック運送業の勤怠管理システムとは
勤怠管理システムとは、出退勤時刻や休暇の記録、集計、シフト管理などの業務を自動化するためのものです。このシステムがあれば、生体認証やICカード、スマホアプリ、業務用PCへのログインなどを利用して勤務時間を管理することができます。
先ほど説明した通り、運送業者にとっては、常に移動するドライバーの勤怠管理が大きな課題ですが、GPS機能が搭載されたシステムを採用すれば、リアルタイムで追跡可能です。
勤怠管理システムは今クラウド型が主流
かつてデータ管理やシステム運用は、社内で構築・管理する「オンプレミス型」が主流でしたが、最近はインターネットを介した「クラウド型」が大勢を占めています。
その魅力は「手軽さ」。例えば、サーバーなどの設備が不要なため、初期投資を抑えられます。また、新たにシステム開発する手間がかからず、すぐに利用可能です。さらに、メンテナンスも必要ありません。
勤怠管理システムを導入する3つのメリット
メリットは、主に3つあります。
メリット①|不正防止に役立つ
1つ目は、不正防止に役立つことが挙げられます。車両の位置情報や生体認証機能による本人確認が可能になるため、なりすましや水増し請求を防止できます。
メリット②|業務の効率化できる
2つ目は業務の効率化。拘束時間や残業時間、深夜勤務時間などの集計だけでなく、給与計算システムとの連携により給与計算も自動化できます。
残業や拘束時間の集計のために、事務員を数人雇用しているというトラック運送事業者にとっては、人件費削減にもつながります。
メリット③|法改正にも素早く対応できる
3つ目は法改正への対応の早さ。関係法令が改正されても、システムをアップデートするだけで対応が完了します。クラウドアプリであれば、利用者からシステムをアップデートすることなく自動で法改正に対応してアップデートされます。
トラック運送業でおすすめの勤怠管理システムの比較5選
下記でトラック運送事業者におすすめの勤怠管理システムを5つ紹介します。
Trustar(トラスター)
Trustarは配送管理サポートのクラウドシステムですが、運転日報をスマホで入力し、荷積み荷卸し時間、運転時間、休憩時間、構内作業時間などをボタン操作一つで記録することが可能です。
そして、スマホ連動で自動的に日報作成したり、デジタコと運行実績を紐づけることができるため、拘束時間や運転時間などの勤怠管理も可能です。
パソコンでなければ操作できない勤怠管理システムが多い中、スマホで完結することができるアプリは秀逸と言えるでしょう。
①勤怠ドライバー
勤怠ドライバーは、トラック運送業用に開発された勤怠システムです。複数の運送会社の意見を元にしているため、デジタルタコメーターとの連携機能や定期点検管理機能など、実用的な機能が満載。運送業に詳しい社労士のアドバイスを受けることもできます。また、システム設計は運送会社を経営している会社というのも魅力的なアプリです。
②勤怠管理パック(運送業)
勤怠管理パック(運送業)は、リコーが販売するトラック運送業向けクラウドサービスです。出退勤の記録は免許証で簡単に管理できるため、打刻漏れを防ぎ、管理者も正確な勤務時間を把握することが可能です。
専用のICカードは不要で、パスコンやスマートフォン、そして免許証があれば勤怠管理ができます。また、作業時間や休憩時間などの報告もスマホのボタン操作で完結します。
③Disynapse(デシナプス)TA
Disynapse(デシナプス)TA最大の特徴は、webカメラを使った本人確認。打刻時の画像が記録されるため、なりすましを防止することができます。また、点呼システムや配車システムなどとの連携により、情報の一元管理が可能です。なお、アルコールチェック機能とも連動しています。
④jinjer(ジンジャー)
jinjer(ジンジャー)は業界初のスマホ完結型勤怠管理ソフト。従業員だけでなく管理者側も、パソコンなしでいつでもどこでも業務が可能です。Apple WatchやGoogle Homeからの打刻にも対応しています。また、シンプルな設計のため、誰でも簡単に操作することができます。
ただし、勤怠管理専用のアプリなので運行管理に使用することはできません。
⑤Transport(トランスポート)
Transport(トランスポート)は運送業に特化したシステムで、勤怠情報だけでなく営業に関わるあらゆるデータを一元管理し、分析することができます。勤怠管理システムの枠を超えた経営サポートツールとしての活用が可能です。
具体的には、運転者の乗務割入力、売上入力と紐づけられた請求書の発行や収支の計算、車両の点検整備費用などの入力による車両ごとの収支分析などを出力することが可能です。
まとめ
運送業の勤務形態は不規則なため、管理するのは簡単ではありません。しかし、勤怠管理システムを導入すれば、業務を効率化することができます。ぜひこの記事を参考に、最適なシステムを見つけてください。
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