運転者台帳を作らなくてはいけないことは理解しているけど、「記載事項や書式は?」「保管期限(保存期間)は?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そんなモヤモヤとした疑問を解消するため、この記事では運転者台帳の書き方や、退職者の保管期限まで詳しく説明しています。ぜひご参考にしてください。
まずは、「運転者台帳とは何なのか」という基本をおさらいしておきましょう。
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運転者台帳とは
運転者台帳とは、トラックドライバーの名簿のようなもの。具体的には、雇い入れ年月日や交通違反歴、事故歴、健康状態、適正診断の受診状況などを記録します。
運転者台帳は、貨物自動車運送事業輸送安全規則第9条の5によって、一般貨物自動車運送事業者等は「運転者台帳を作成し、営業所に備え置くこと」と義務付けられています。運転者台帳を作成するのは運行管理者の役目で、記入項目は決まっていますが、書式は自由です。
運転者台帳の作成な者
運転者台帳は正社員、パート・アルバイト、派遣社員を問わず運転者として雇用した者については作成しなければいけません。運行管理者や事務員が、人手の足りない場合に年数回だけトラックに乗務するという場合でも運転者台帳の作成は必要です。
また、1日だけ勤務して退職したというドライバーであっても、運転者台帳は作成しなければいけませんのでご注意ください。
運転者台帳に記載すべき10項目
それでは、運転者台帳に記載する項目をご紹介します。記載すべき項目は法改正がない限りは常に同じなので、テンプレートを作っておいて、新たなドライバーを採用した際にすぐに追加できるようにしておくことをおすすめします。
運転者台帳のテンプレートは下記からダウンロードして下さい。
※ダウンロード頂いた書類に関するお問い合わせ受付ておりません。
① 作成番号及び作成年月日
運転者台帳には、作成番号をつけておく必要があります。作成した順番に番号を振っておきましょう。また、作成年月日も忘れずに記入します。全体を通して西暦・和暦は、どちらかに統一しておく方が望ましいでしょう。
② 事業者の氏名または名称
トラック運送事業者の会社名や氏名(個人事業主の場合)を記載します。この際、株式会社や屋号を省略しないように注意してください。
③ 運転者の氏名、生年月日及び住所
運転者の氏名・生年月日・住所を記載します。結婚や引っ越しなどで変更があった際は、忘れずに氏名や住所を更新しましょう。
④ 雇入れの年月日及び運転者に選任された年月日
運転者を雇った年月日を記載します。なお、日雇いや2ヶ月以内の短期を定めて働く者は運転者として選任できませんので注意してください。
運転者として雇用できない者
貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条において、次の者は一般貨物自動車運送事業等の運転者に選任できないことになっています。
- 日々雇い入れられる者(日雇い労働者)
- 2ヵ月以内の期間を定めて雇用される者
- 試用期間中の者(14日を超えて引き続き使用されるに至った場合は除く)
⑤ 道路交通法に規定する運転免許に関する次の事項
運転者の運転免許を確認し、次の3点を記録します。
- 運転免許証の番号及び有効期限
- 運転免許の年月日及び種類
- 運転免許に条件が付けられている場合は、当該条件
運転免許証は点呼時あるいは、毎月1日など決まった日に運行管理者へ提示するなどして有効期限や違反の有無について確認しましょう。
⑥ 事故や違反の記録
もし事故や違反を引き起こした場合は、その概要を記録する必要があります。
具体的には、事故の当事者となった場合、または道路交通法第108条の34の規定による違反の通知を受けた場合に必ず記録を残しましょう。交通事故を起こしたら、その場で会社へ報告する義務があることを、日頃から運転者へ伝えておくことも大切です。
⑦ 運転者の健康状態
一人ひとりのドライバーの健康状態について、詳細を運転台帳に記載するのは大変なので、健康診断表や健康診断結果通知を添付するだけでも大丈夫です。
具体的な書き方は、受診日と共に「健康診断結果別紙」と記入して、別添するといった対応で問題ありません。
健康診断の受診を怠ると監査の際に法令違反として行政処分となるので健康診断の受診は忘れないように管理してください。
⑧ 特定の運転者に対する指導や適正診断の受診の状況
次の3点に該当する運転者に対しては、特定の運転者に対する指導や適性診断の受診を記録する必要があります。
特定の運転者と適性診断
特定の運転者の定義と、特定の運転者が受診の必要な適正診断は下記のとおりです。
事故惹起者
死者または重傷者を生じた事故を引き起こした者、または軽症者を生じた事故を起こし、且つその事故前3年間に交通事故を引き起こしたことがある運転者。
死亡または重傷者を生じた事故を起こした場合は「特定診断Ⅱ」、それ以外の場合は「特定診断Ⅰ」を受診します。
初任運転者
運転者として新たに雇入れた運転者。初任診断を受診します。
高齢者
65歳以上の運転者。適齢診断を受診します。
⑨ 6ヶ月以内の写真
運転者台帳の作成6ヶ月以内に撮影した単独、上三分身、無帽、正面、無背景の写真の添付が必要です。また、写真の添付に変えて運転免許証表面の写しの添付でも構いません。
⑩ 運転者で亡くなった場合(解任した場合)は、その年月日及び理由
亡くなった場合、解任した場合は、その年月日や理由を記録してください。
退職したドライバーについて、解任日(退職日)の記載を忘れている事業者がいるので注意してください。
運転者台帳の保管期限(退職者を含む)
運転者台帳の保管期限(保存期間)は貨物自動車運送事業輸送安全規則第9条の5第2項で「3年間」とされています。これは退職者も同様です。
退職者の運転者台帳であっても3年間保存が必要ですので、辞めたからといって破棄しないようにして下さい。
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まとめ
運転者台帳は正しくテンプレートを用意すれば作成の難しい書類ではありません。最も大切なのは、義務付けられた記載項目を漏れなく記録することです。
ずっと間違った内容で記録して、監査で記載事項不備となれば行政処分の対象となってしまいます。心配な事業者の方は、最初の準備を行政書士に任せてしまうのも一つの手法です。
「行政書士法人シフトアップ」には、運転者台帳の作成方法を含めて、監査・巡回指導に関する知識・経験豊富な行政書士が在籍しています。お気軽にご相談下さい。
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