「デジタコ」という言葉を聞いたことはあるけど、どんなものなのか詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、トラックに搭載されている「デジタコ」の解説や、メリット・デメリットをわかりやすく紹介していますので、デジタコ導入をご検討中の方はぜひ参考にしてください。
まずは「そもそもデジタコとはどんなものなのか」という基本から解説します。
トラックに搭載されているデジタコとはどんなもの?
トラックやタクシーなどの営業用の車両には、タコグラフが搭載されています。タコグラフとは運行記録計のことで、走行距離・速度・時間を記録する装置のことで、ドライバーの安全運転や労務管理などの目的で搭載されています。
このタコグラフを、デジタル化して様々な数値を記録できるのがデジタルタコグラフ、通称「デジタコ」です。デジタコに対して、従来のアナログ式のタコグラフをアナログタコグラフ(アナタコ)と呼びます。
デジタコが普及した背景
タコグラフの装着は、車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上の事業用自動車について国土交通省により義務付けられています。義務づけの背景には、長距離トラックやバスによる重大事故が社会問題になったことがありました。
マスコミに大々的に取り上げられて世間を騒がせた大型バスやトラックだけでなく、同様に事故率の高い中型以上の事業用自動車にも、タコグラフの装着を義務付け、運行の記録をしっかり監視するよう事業者に求めたのです。
従来のタコグラフとの違い
それでは、従来のアナログのタコグラフと、デジタコはどのような違いがあるのでしょうか。
従来のアナタコは、速度・時間・距離を紙に記録するものでした。それに対してデジタコは、エンジンの回転数の変化・急加速や急減速の実態・GPSによる位置情報など様々な機能が追加されています。トラック事業者は、デジタコにより運行計画や労務管理にしっかり取り組みやすくなっているのです。
トラックにデジタコを搭載するメリット
ここまでの説明で、「そもそもデジタコとは」という基本はお分かりいただけたと思います。それではここから、デジタコを搭載するメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット1|様々な付加情報を数値化・記録できる
1つ目のメリットは、正確な数値を記録できることです。デジタコは多機能なので、従来のアナタコよりも多くの情報を記録することができます。走行距離や速度といった基本的なことはもちろん、エンジンの回転数やドアの開閉といった細かいデータを蓄積することが可能です。
このように多機能なデジタコですが、操作は簡単で扱いやすいことも特徴です。アナタコのチャート紙に比べると、デジタコはデータの見方や操作がシンプルで、誰でもわかりやすい形になっています。特別な指導や勉強をさせなくても、ドライバーが無理なく日報や帳票を出力でき使いこなせるという気楽さも良い点です。
メリット2|業務の効率性が上がる
2つ目のメリットは、業務効率化です。デジタコはその日の運行データが自動で記録されるため、ドライバーが日報などを手書きで作成する必要がありません。ドライバーの事務処理にかける時間が短縮されて配送業務に集中でき、労働時間短縮など働きやすさにつながるメリットがあります。
メリット3|ドライバーの意識向上が期待できる
細かいデータ解析は、ドライバーに対する安全運転の指導に役立てられ、ドライバーの意識向上につながります。
例えば、トラックの急加速を感知したり、設定したアイドリングを超過したりすると、ドライバーへ音や文字で警告を発する機能が追加されているデジタコも販売されています。こうした警告や記録により、ドライバー自身が気を付けて安全運転できるようになることは、何より大切な効果でしょう。
トラックにデジタコを搭載するデメリット
ここまでの解説で、デジタコはいいことばかりのようですが、デメリットはあるのでしょうか。デジタコを搭載するデメリットについて考えてみましょう。
デメリット1|導入費用がかかる
アナログタコグラフ導入費用よるコストがかかることはメリットと言えるでしょう。デジタコ・アナタコどちらにしても導入にあたり、初期費用が発生します。しかし、その差額はけっこう大きいので、初期費用にかける予算がないとデジタコの導入はすぐには難しいかもしれません。
デジタコの導入費用は20万円が目安
アナタコであれば、5〜7万円で導入できるのに対して、デジタコは約20万円かかります。多機能で豊富な運行支援ができるデジタコはおすすめですが、コストを考えるとアナタコの方が費用は抑えられます。
デメリット2|常に監視されているストレスがある
もう1つのデメリットは、ドライバーが常に監視されているストレスを感じる可能性があることです。デジタコを装備すると、GPSでどこにいるかはもちろん、休憩時間や何回トラックから降りたかなども記録されます。
これまでドライバーの自主性に任せて自由にさせてきた場合は、ドライバーが監視されている気持ちになり窮屈に感じることもあるでしょう。
まとめ
デジタコについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。多機能なデジタコは、ドライバーの安全運転に大きな効果を発揮します。それぞれのメリット・デメリットを理解して、タコグラフを選びましょう。
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