緑ナンバーとは、事業用自動車に取り付けられるナンバープレートです。営業ナンバーともよばれており、白ナンバーの自家用車とは異なる性質を持ちます。
車検もその中の一つで、緑ナンバーと白ナンバーでは自動車重量税や期限が切れた際の罰則がわずかに異なります。
この記事では、緑ナンバーの車検について解説します。
車検にかかる費用や基本的なチェック項目、期限が切れた場合の罰則についても取り上げるので、ぜひ参考にしてください。
緑ナンバーの車検有効期間
そもそも車検とは、国土交通省が定める「自動車検査登録制度」の通称です。
自動車が一定の保安基準に適合しているかを検査するために実施されます。
具体的には、自動車の走行において必要な機能が正常に動作するか、排気ガス濃度が基準内に収まっているかなどがチェックされます。
基準に満たないと判断された場合は整備をおこない、再度検査を受ける必要があります。
なお、車検は一度受ければよいものではなく、有効期間が存在します。
一般的な乗用車の場合、車検期間が初回3年、2回目以降は2年ですが、緑ナンバーでは車種や総重量によって期間が異なります。
【緑ナンバーの車検有効期間】
| 対象車種 | 初回 | 2回目以降 | |
| 旅客 | バス タクシー ハイヤー | 1年 | 1年 |
| 貨物 | 車両総重量8t以上 | 1年 | 1年 |
| 車両総重量8t未満 | 2年 | 1年 | |
| 軽自動車 | 2年 | 2年 | |
| 二輪車 | 3年 | 2年 | |
| 霊柩 | 通常タイプ | 2年 | 2年 |
| 定員11名以上 | 1年 | 1年 |
緑ナンバーの方が車検有効期間が短い理由としては、乗用車よりも使用頻度が高く走行距離も長いため、部品の消耗や機能の劣化が進みやすいからです。
緑ナンバーの車検費用
緑ナンバーの車検では法定費用である自動車重量税のほか、点検や設備費用、自賠責保険料、印紙代などの費用がかかります。
以下でそれぞれの内訳や車種ごとに必要な費用を解説するので、ぜひ参考にしてください。
点検・整備費用
緑ナンバーの車検で支払う点検・設備費用の内訳は以下のとおりです。
| 車検基本料金 | 車検の依頼先に支払う費用 |
| 整備技術料 | 必要な部分へ整備を施した技術費用 |
| 別途依頼があった際に整備をおこなった場合の費用 | |
| 部品・油脂代金 | 使用部品、エンジンオイルなどにかかる費用 |
| 保安検査料金 | 車両が検査基準に適合しているかを確認する際にかかる技術費用 |
| 検査代行手数料 | 車検証の更新手続きを代行する費用 |
| エンジン・下廻り洗浄料 | エンジンや下廻りなどの洗浄費用 |
| 下塗り塗装料 | 下廻りの腐食を防止するための塗装費用 |
車検の依頼先に支払う「車検基本料金」のほか、点検で見つかった不具合を修理する際にかかる「整備技術料」が発生します。
また、検査機器を使用して検査をする「保安検査料金」、エンジンや下廻りの洗浄費用などの細かな費用も必要です。
法定費用
法定費用とは法律で定められた費用のことで、以下の3つで構成されます。
| 自動車重量税 | 車検時に国に納める税金 |
| 自賠責保険料 | 自動車使用者が必ず入らなければならない法律で定められている保険 |
| 印紙代(検査料) | 自動車検査証の交付を受けるための国へ納める手数料 |
以下でトラックの総重量別の法定費用を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
※初回のみのため、2回目以降の費用を知りたい場合は国土交通省の資料を確認してください。
小型トラック(5t未満)の場合
【小型トラック(5t未満)の初回の自動車重量税】
| 車両総重量 | エコカー | エコカー(本則税率から軽減) | エコカー外 | ||
| 免税 | 75%減 | 50%減 | 25%減 | 軽減なし | |
| ~1 | 600 | 1,200 | 1,800 | 2,600 | |
| ~2 | 1,200 | 2,500 | 3,700 | 5,200 | |
| ~2.5 | 1,800 | 3,700 | 5,600 | 7,800 | |
| ~3 | 1,800 | 3,700 | 7,500 | 7,800 | |
| ~4 | 2,500 | 5,000 | 9,300 | 10,400 | |
| ~5 | 3,100 | 6,200 | 11,200 | 13,000 | |
出典:新車新規登録等時における自動車重量税の税額|国土交通省
【小型トラック(5t未満)の自賠責保険料】
| 最大積載量2t以下 | 最大積載量2t以上 | |
| 12か月 | 17,790円 | 24,100円 |
| 13か月 | 18,810円 | 25,640円 |
| 24か月 | 30,110円 | 42,610円 |
| 25か月 | 31,120円 | 44,130円 |
【小型トラック(5t未満)の印紙代】
| 国(検査登録印紙) | 機構(自動車審査印紙) | 合計額 | |
| 持込検査 | 新規:500 継続:500 | 新規:1,700 継続:1,400 | 新規:2,200 継続:1,900 |
| 指定整備 | 新規:500 継続:500 | 新規:900 継続:900 | 新規:1,400 継続:1,400 |
中型トラック(6~11t未満)の場合
【中型トラック(6~11t未満)の初回の自動車重量税】
| 車両総重量 | エコカー | エコカー(本則税率から軽減) | エコカー外 | ||
| 免税 | 75%減 | 50%減 | 25%減 | 軽減なし | |
| ~6 | 3,700 | 7,500 | 13,100 | 15,600 | |
| ~7 | 4,300 | 8,700 | 13,100 | 18,200 | |
| ~8 | 5,000 | 10,000 | 15,000 | 20,800 | |
| ~9 | 5,600 | 11,200 | 16,800 | 23,400 | |
| ~10 | 6,200 | 12,500 | 18,700 | 26,000 | |
| ~11 | 6,800 | 13,700 | 20,600 | 28,600 | |
出典:新車新規登録等時における自動車重量税の税額|国土交通省
【中型トラック(6~11t未満)の自賠責保険料】
| 最大積載量2t以下 | 最大積載量2t以上 | |
| 12か月 | 17,790円 | 24,100円 |
| 13か月 | 18,810円 | 25,640円 |
| 24か月 | 30,110円 | 42,610円 |
| 25か月 | 31,120円 | 44,130円 |
【中型トラック(6~11t未満)の印紙代】
| 国(検査登録印紙) | 機構(自動車審査印紙) | 合計額 | |
| 持込検査 | 新規:500 継続:500 | 新規:1,700 継続:1,400 | 新規:2,200 継続:1,900 |
| 指定整備 | 新規:500 継続:500 | 新規:900 継続:900 | 新規:1,400 継続:1,400 |
大型トラック(12t以上)の場合
【大型トラック(12t以上)の初回の自動車重量税】
| 車両総重量 | エコカー | エコカー(本則税率から軽減) | エコカー外 | ||
| 免税 | 75%減 | 50%減 | 25%減 | 軽減なし | |
| ~12 | 7,500 | 15,000 | 22,500 | 31,200 | |
| ~13 | 8,100 | 16,200 | 24,300 | 33,800 | |
| ~14 | 8,700 | 17,500 | 26,200 | 36,400 | |
| ~15 | 9,300 | 18,700 | 28,100 | 39,000 | |
| ~16 | 10,000 | 20,000 | 30,000 | 41,600 | |
| ~17 | 10,600 | 21,200 | 31,800 | 44,200 | |
| ~18 | 11,200 | 22,500 | 33,700 | 46,800 | |
| ~19 | 11,800 | 23,700 | 35,600 | 49,400 | |
| ~20 | 12,500 | 25,000 | 37,500 | 52,000 | |
出典:新車新規登録等時における自動車重量税の税額|国土交通省
【大型トラック(12t以上)の自賠責保険料】
| 最大積載量2t以下 | 最大積載量2t以上 | |
| 12か月 | 17,790円 | 24,100円 |
| 13か月 | 18,810円 | 25,640円 |
| 24か月 | 30,110円 | 42,610円 |
| 25か月 | 31,120円 | 44,130円 |
【大型トラック(12t以上)の印紙代】
| 国(検査登録印紙) | 機構(自動車審査印紙) | 合計額 | |
| 持込検査 | 新規:500 継続:500 | 新規:1,700 継続:1,400 | 新規:2,200 継続:1,900 |
| 指定整備 | 新規:500 継続:500 | 新規:900 継続:900 | 新規:1,400 継続:1,400 |
※20t以上のトラックの場合は、国土交通省が公表する新車新規登録等時における自動車重量税の税額をご覧ください。
緑ナンバーの車検でチェックされる8項目
車検では、自動車の安全性を確保するために数多くの項目が検査されます。
ここからは、緑ナンバーの車検でチェックされる代表的な8つの項目を紹介します。
- 車検証と車両の同一性
- 外観
- 内装
- ブレーキ
- スピードメーター
- ライト類
- サイドスリップ
- 排出ガスの濃度
- その他
順番に見ていきましょう。
①車検証と車両の同一性
車検証と車両の同一性とは、車検証に記載された情報と、実際に検査を受ける車両の情報が一致していることをいいます。
同一性が認められない場合は車検を受けられません。
車検証の記載事項が間違っているケースは滅多にありませんが、念のため車検の前に自身で確認しておくと安心でしょう。
②外観
自動車の外観に問題がないかも確認されます。
具体的な検査対象は、タイヤやガラス、その他車体にかかわる部分です。
タイヤの場合、亀裂や破損によって酷く劣化していないか、摩耗してスリップサインが出ていないかがチェックされます。
また、ガラスにひび割れや破損がないか、フロントガラスや前方のサイドガラスの可視光線の透過率が70%以上あるかも確認されます。
③内装
内装が保安基準に違反していないか、トラックを運行するうえで危険なものがないかがチェックされます。
前部座席にヘッドレストが設置されていなかったり、シートベルトが破損していたりすると、車検に通らないため注意が必要です。
④ブレーキ
前輪・後輪・パーキングブレーキのすべてが正常に動作するか、十分な制動力が備わっているかもチェックされます。
⑤スピードメーター
実際の速度とスピードメーターに表示される速度には多少の誤差がありますが、一定の範囲を超えると車検に通りません。
サイズの合わないタイヤを使用すると、誤差のリスクが高まるため注意が必要です。
⑥ライト類
車検では、以下のライト類が適切に動作するか、光量や光軸が基準値内であるかもチェックされます。
- ヘッドライト
- テールライト
- ウインカー
- ブレーキランプ
- ハザードランプ
- クリアランスランプ
点灯すればよいわけではないため注意しましょう。
⑦サイドスリップ
サイドスリップとは、車のハンドルを真っ直ぐにした状態で直進した際に、どの程度横にズレるかを示す値です。
1m走行した際のズレ幅が5mmを超えると、基準値に適合しないとみなされて整備の対象になるため注意しましょう。
タイヤの摩耗や走行時の衝撃でサイドスリップが発生するケースもあります。
⑧排出ガスの濃度
車検では、排出ガスにおける以下の濃度もチェックされます。
- 一酸化炭素
- 炭化水素
- 黒煙・粒子物質
合格するには一酸化炭素濃度が1%以下、炭化水素濃度が500ppm以下でなければならないので、頭に入れておきましょう。
⑨その他
その他、ワイパーやウィンドウォッシャーが正常に動作するか、マフラーの音や位置、クラクションの音量が基準を満たしているかも併せてチェックされます。
緑ナンバーが車検切れを起こすとどうなる?
車検が切れているからといって、それだけで違反になることはありません。
しかし、車検が切れた緑ナンバー車両で公道を走行した場合は、ドライバーと車両を所有する運送事業者に対してそれぞれ罰則が科されます。
| ドライバー | ・違反点数6点 ・最低でも30日間の免許停止 ・6か月以下の懲役または30万円以下の罰金 |
| 運送事業者 | 30万円以下の罰金 |
また、車検切れに加えて自賠責保険も切れていた場合は、より重い罰則が科されるため注意が必要です。
| ドライバー | ・違反点数6点 ・最低でも30日間の免許停止 ・1年6か月以下の懲役または80万円以下の罰金 |
| 運送事業者 | 80万円以下の罰金 |
※無車検走行と無保険走行の両方の違反行為があった場合、違反点数は合算されず、最も高い点数が適用されます。
まとめ
本記事では、緑ナンバーの車検について解説しました。
緑ナンバー車両を安全に運行するには、定められた期間に沿って定期的に車検を受ける必要があります。
車検が切れただけでは違反行為になりませんが、そのまま公道を走行した場合は、ドライバーと運送事業者の両方に重い罰則が科されるため注意しましょう。
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