弊社シフトアップでは、緑ナンバーを取得する際に必要な事業資金についてのご相談をよく受けます。
- 何を事業資金の中に含めれば良いのか?
- 会社の資本金が事業資金になるのか?
- 事業資金があることをどうやって証明するのか?
- 会社の資本金と事業資金は別枠で確保するのか?
- 事業資金は融資を受ける予定でいる
など。
緑ナンバー(運送業)許可取得にあたってとても重要な事なのですが、理解しにくい部分が多いため、許可取得をご検討中の方のためにわかりやすくご説明いたします。
シフトアップ代表の川合が解説する「運送業許可を取りたいと思ったら何から考えるべき?」
当所代表の川合が運送業許可を取得をご検討されている方向けに”運送業許可を取得したいと思ったら何から考えるべき?”について、わかりやりやすく解説しています。
これから運送事業を展開される方、事業を拡大される方にもぜひご視聴いただいたい内容となっておりますので、ぜひ一度ご覧ください!
しふとあっぷチャンネルはこちらからご覧ください。
シフトアップ代表の川合が解説する「運送業許可を取りたいと思ったら何から考えるべき?」
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緑ナンバーと開業
緑ナンバーは「事業用自動車」の標識で、旅客・貨物いずれの事業でも事業用登録の車両に付けられます。
貨物は「一般貨物自動車運送事業」の許可制、軽貨物は黒ナンバーの届出制です。タクシー等の旅客も別法での許可制です。
緑ナンバーとは
緑ナンバーは、国の許認可に基づく「事業用自動車」であることを示します。貨物分野では「一般貨物自動車運送事業」の許可取得後に、車検証の用途区分を事業用へ変更し、緑色の標識に切り替えます。
旅客分野(タクシー・バス)も道路運送法に基づき許可を取得し、事業用として登録します。制度上の位置づけを誤解しないために、まず「事業用か否か」という軸で整理すると判断が速く進みます。
個人開業と法人開業の違い
許可の基本枠組みは個人・法人で大きく変わりませんが、法人は役員体制や責任分担が明確になり、金融機関との対話や人材採用に有利になる場合があります。
一方、個人は意思決定が速く、初期の管理コストを抑えやすい側面があります。どちらにせよ営業所・車庫・車両・人材・資金の適合が審査の本丸になります。
現場では「人が回る体制」を書面で説明できるかが鍵になります。
参考記事:白ナンバーで運送業をおこなうのは違法?罰則はある?
開業資金の目安
緑ナンバーである一般貨物自動車運送事業の許可を取得するためには「運送業を始めるにあたって当面の運転資金を持っていること」を証明しなければなりません(これを資金の要件と言います)。
では、当面の運転資金にはどんなものが含まれるのかというと以下のとおりです。
- 従業員全員の2ヶ月分の給与(賞与もある場合は、1年分の賞与も含む)
- 役員報酬の6ヶ月分
- 従業員と役員の6か月分の社会保険料と厚生年金保険料
- 従業員の6か月分の雇用保険料と労災保険料
- 事務所が賃貸の場合は賃料の12ヶ月分
- 事務所が自己所有でローンが残っている場合は、ローン月額の1年分
- 駐車場が賃貸の場合は、賃料の1年分
- 事務所が自己所有でローンが残っている場合は、ローン月額の1年分
- トラックにリースが残っている場合の1年分のリース月額
- トラックにローンが残っている場合は、頭金と1年分のローン月額
- 自動車取得税の1年分
- 自動車重量税の1年分
- 自動車税の1年分
- 自賠責保険料の1年分
- 自動車任意保険料の1年分
- 運送業を始めるにあたって購入する什器備品類の購入費全額
など。
※運送業許可取得に必要な自己資金要件は、近年厳格化される傾向にあります。
これらを正確に算出し、すべてを合算した額が当面の事業開始に必要な資金となります。
そして、運送業許可を取るには事業開始に必要な資金額以上の自己資金を持っていることを証明しなければいけません。
許認可と登録の費用
一般貨物の新規許可には登録免許税12万円の納付が必要です。
これは許可取得後に納付する国税で、地域の運輸局窓口案内に明記されています。
加えて、法令試験対策や各種証明書取得の実費が生じます。手続きを弊社などの専門家に委託する場合は報酬相場も想定に入れておきましょう。
運送業許可の取得について無料で相談
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事業開始に必要な資金額を確保できていることをどうやって証明するの?
上記で計算した事業開始に必要な資金は個人事業主であれば事業主名義、法人であれば法人名義の銀行や郵便局の口座にいくらの預金があるかを銀行や郵便局が発行する「残高証明書」で証明します。

残高証明書について3つの注意点があるので以下でご説明します。
注意点①|当日分は反映されない
多くの金融機関では、当日の入金は残高証明書に反映されないため注意が必要です。
例えば、4月1日付けの預金額の残高証明書を取りたい場合は、翌日の4月2日以降に銀行や郵便局に行かないと取れないません(金融機関によって反映されるまでの日数が異なります)。
なお、銀行や郵便局の通帳の写しは証明になりませんのでご注意ください。
注意点②|2回提出する必要がある
残高証明書は、運送業許可申請の受付時と申請受付からおよそ2〜3ヶ月後の2回提出します。
なぜ2回かというと、申請受付時から許可取得までの間に、事業を開始に必要な資金が減っていないかを確認するためです。
運輸局としては、許可を出したはいいが事業が開始できないという事業者を出すわけにはいきません。そのため、残高証明書の提出は2回と義務付けられているのです。
注意点③|2つ以上の口座残高でも良い
金融機関で残高証明書を取るときは、2つ以上の口座の残高を合算して事業開始に必要な金額があることを証明しても構いません。
例えば、
事業開始に必要な資金額合計1500万円の場合
・A銀行で取った残高証明書の額:600万円
・B銀行で取った残高証明書の額:900万円
・合計:1500万円
↪︎事業開始に必要な資金を持っている!
とみなされます。
運送会社ができる前に緑ナンバー許可申請の受付をする場合の残高証明書の誤解
緑ナンバー許可取得にともなって運送会社を設立する場合でも、会社設立の完了前に申請の受付をすることは可能です。
しかし、会社設立の登記が完了していないため、運送業許可申請の受付時には当然法人口座がまだ開設できていない事になります。
こういったケースでは「会社設立時に資本金を出す人=発起人」の口座の残高証明を取得して資金の要件を満たしていることを証明します。
この場合は、発起人全員の同日付けの残高証明書の金額を合算した額が事業開始に必要な資金の合計額以上であれば問題ありません。
例えば、
運送会社設立の発起人がAさん、Bさん、Cさんの3人の場合で、運送事業開始に要する資金の額が1500万円の場合
- Aさんの個人通帳で4月1日付けの500万円の残高証明書
- Bさんの個人通帳で4月1日付けの800万円の残高証明書
- Cさんの個人通帳で4月1日付けの200万円の残高証明書
4月1日付けで合計1500万円の残高証明書が提出できれば良い。
特筆すべきはそれぞれの発起人の出資金額と、残高証明の額は必ずしも一致しなくても良いということです。
一般的に考えると、法人設立時の出資金額と運輸支局に提出する残高証明の額は出資者ごとに同じでなければいけないように思います。
しかし、運輸支局はあくまで運送業開始に要する資金の有無を確認するために残高証明書の提出を要求します。
したがって、運送会社設立時の発起人の出資金額と発起人ごとの残高証明の額は一致している必要はないということです。
運送会社の資本金額と残高証明の額は一致しなくて良い
資本金額と緑ナンバー許可申請時に提出する残高証明の額は一致していなくても構いません。
例えば、
資本金100万円で運送会社を設立。運送業開始に要する資金の額が1500万円の場合でも、1500万円以上の残高証明書が提出できれば問題ありません。
会社設立時に、事業開始に要する資金を集めるのが困難だという場合でも、緑ナンバー許可申請までに用意する事ができれば構わないということです。
もう一つ例をあげると、
会社を設立した4月1日に100万円しかなくても、1500万円確保できる5月1日以降に残高証明書を取って、緑ナンバー許可申請ができる。
ということです。
資本金と事業開始に必要な資金は別枠で考える必要があるのか?
会社設立時は代表取締役となる人の個人口座へ資本金を振り込みます。ここで浮かんでくる疑問は、資本金を事業開始に必要な資金に充て込むことは可能かということです。
結論から言うと、資本金を事業開始に必要な資金に充て込むことは可能です。資本金は会社として事業を営むために当面必要な資金である運転資金に充てるためのお金です。そのため、資本金を事業開始に必要な資金に充て込むことはまったく問題ありません。
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融資を受けて事業開始に必要な資金を確保しようと考えている方へ
弊社シフトアップへ緑ナンバー取得のご相談をいただいた方に『自己資金は幾らぐらいありますか?』と質問をすると「融資を受けて必要な資金を確保します」とお答えになるお客様がおよそ4割ほどいらっしゃいます。
自分もそう考えていた、という方は注意してください。
事業資金を貸してくれる金融機関は銀行や日本政策金融公庫などがあります。共通して言えることは、緑ナンバーの許可を取得してからでないと融資してくれないということです。
なぜなら、どこの金融機関も「貸したお金は返して欲しい。返せる見込みのある方にしか貸したくない」と考えているからです。これから開業を考えている方が「運送業を始めたら返せるから、しっかりした事業計画書を提出すれば貸してくれるでしょ。」と考えるのは、とてもよくわかります。
しかし、金融機関の考え方はこうです。
緑ナンバーを取って運送業を始める前、つまり運送業許可申請をする前は許可を持っていない。ということはお金を貸しても返ってくる保証がまったくない。
なぜなら、許可が取れるかどうかわからないから。嘘のような話ですが、これが真実です。
この記事を読んでいる方が、事業を開業するために必要なお金だから貸してくれて当然だと思う気持ちはわかります。
しかし、許可がなければ始められない事業に関しては許可を取ってからでないと金融機関はお金を貸してくれないのです。
弊社シフトアップからすると『申請受付ができれば必ず許可が出るから貸しても返ってくる』そう思うのですが、残念ながら通用しません。
ただし、許可取得前に前例がないわけではありません。弊社のご依頼者様の中には、地域の信用組合から許可取得前に融資を受けられた、という方もわずかですがいらっしゃいます。
ですから、融資を受けて事業開始に必要な資金を借りようと思っている方は、まず許可取得前に融資を受けられるか銀行や日本政策金融公庫へ相談に行ってください。
もちろん事業計画書の作成はシフトアップがお手伝いします。
緑ナンバー取得要件と手順
営業所・車庫・車両・人材・資金の各基準に適合し、役員法令試験を経て許可となります。
審査基準は各運輸局の公示で細部が定められ、事業用自動車は所要台数を確保します。
法令試験やチェックリストの事前整備で、補正リスクを下げられます。
営業所と車庫の要件
営業所は用途地域や建築・消防・農地等の関係法令に抵触しない計画とし、車庫は営業所近接・収容能力・出入口の安全性・使用権原などの要件を満たします。
距離や幅員の考え方は各運輸局公示の運用に従います。現地の写真・平面図・賃貸契約書類を早めに整えると審査が円滑になります。
事業計画と車両要件
事業計画では輸送品目、運送約款、保険加入、運行体制、資金計画を総合的に示します。
一般に、事業用自動車は「所要台数の確保」が求められます(各運輸局の公示基準によりますので要確認)。
車種構成は需要に即しつつ、整備・保管体制とセットで説明すると説得力が増します。
申請から審査までの流れ
- 申請書受理
- 補正対応
- 役員法令試験
- 許可
- 登録免許税納付
- 事業用登録(緑ナンバー化)
- 運輸開始届
という順で進みます。
法令試験は条文集付きの筆記で、各運輸局が実施要領を公開します。試験日程や当日の持ち物も事前確認が欠かせません。
緑ナンバーの取得難易度
難易度は「人材(運行管理者・整備管理者)を確保できるか」「車庫・車両の実在性を証明できるか」「資金繰りが妥当か」で決まります。
書類の形式よりも実態に軸足を置くと、補正や審査中の質問に落ち着いて答えられます。
必要書類チェックリスト(抜粋)
- 事業計画書/運送約款/資金計画書
- 営業所・車庫の位置図・平面図・使用権原書類
- 車両リスト(メーカー・型式・積載)/保険加入計画
- 役員履歴・欠格事由該当性確認資料
- 運行管理者・整備管理者の選任計画書類
- 役員法令試験の受験関係書類(受験票等)
申請スケジュール例
- 1–2週:物件・車両の適合調査/図面・契約下書き
- 3–4週:申請書一式作成・提出
- 5–8週:補正対応・役員法令試験
- 9–10週:許可・登録免許税納付・車両事業用登録
- 11週〜:運輸開始届・稼働開始
運営と社内体制の整備
運転者の免許区分、運行管理者・整備管理者の選任、教育・健康管理のPDCAが安全と収益を左右します。
台数要件と講習・届出の時期を逃さない運用が、監査・巡回指導で評価されます。
運転者の免許と経験
トラックの運転資格は、普通・準中型・中型・大型の四区分で運転可能範囲が異なります。
たとえば現行の普通免許は最大積載2t未満、準中型は最大積載4.5t未満などが基準です。
採用計画では、車両総重量と最大積載量から必要免許を逆算し、事故歴・経験年数・添乗教育の組合せで安全度を高めます。
運行管理者と整備管理者
運行管理者は国家資格で、営業所ごとに所要人数を選任します。点呼・勤務割・指導監督など、安全運行の中心業務を担います。
整備管理者は、トラック等では営業所ごとに5台以上で選任が必要になり、点検・整備・車庫管理を統括します。
どちらも選任・講習・届出の時期管理が実務の肝になります。
乗務員教育と健康管理
法令と社内基準に基づく初任・適齢・事故惹起者教育の計画を作成し、点呼でアルコール・疲労・体調を確認します。
教育記録や運行記録の整備は、監査時の安心材料になります。現場では「忙しい時ほど記録が飛ぶ」ので、システム化やチェックリストで癖付けすると回ります。
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よくある質問
個人での取得可否と要件
個人でも一般貨物の許可取得は可能です。審査は個人・法人を問わず、公示基準(営業所・車庫・車両・人材・資金など)への適合が軸になります。
地域ごとの公示を参照し、役員法令試験や登録免許税などの工程・費用を含めて逆算します。
取得費用の目安と内訳
登録免許税12万円に加え、車両・保険・整備・備品・当座運転資金が主要科目です。
登録免許税は法定、他は事業規模や調達方法で変動します。手続きを外部委託する場合は報酬相場も考慮します。
乗用車の取り扱いと注意点
軽貨物は黒ナンバーの届出で乗用形状も活用できますが、旅客運送はできません。
黒ナンバーは「貨物軽自動車運送事業」の届出に基づき、貨物の有償運送に限定されます。届出後は軽自動車検査協会で標識変更の手続きを行います。
緑ナンバーの貸し借りの可否
名義貸しは認められず、重い処分対象です。事業許可主体以外が許可を利用して運送する形態は、法の趣旨に反し行政処分の対象となります。
契約・車両・運賃・指揮命令系統を許可主体で完結させ、監査で説明できる体制を保ちます。
まとめ
最後に、実務の進め方をもう一歩だけ具体化します。まず、需要に合う業態(緑/黒)を決め、運賃モデルと車両仕様を仮置きします。
次に、営業所・車庫の適合性と使用権原を確認し、並行で人材(運行管理者・整備管理者・ドライバー)の当てをつけます。
資金繰り表は「売上計上時期」と「燃料・人件費の先払い」を時間軸で並べると漏れが減ります。最後に、役員法令試験、登録免許税、事業用登録、運輸開始届の順でタスクを詰めると、開業の道筋が一気にクリアになります。
準備の丁寧さが、そのまま安全と収益の土台になります。
一筋縄ではいかない運送業許可申請ですが、シフトアップがお客様にとっての最善策をご提案いたします。
運送事業開始に必要な資金のご相談は、運送業許可専門「名駅の行政書士法人シフトアップ」へお気軽にご相談ください。
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