運送業界内では、白ナンバーで運送業をおこなってしまい、問題となるケースが後を絶ちません。
この記事を読んでいる方の中には、「白ナンバーで荷物を運んだらダメなの?」「基準がいまいちわからない」と疑問に思っている方も多いでしょう。
実は、白ナンバーで荷物を運ぶこと自体は違法行為には当たりません。しかし、運送する対象や契約の形式によっては重大な違法行為になる場合があります。
この記事では、白ナンバーで運送業をおこなうことの危険性について説明します。仮に違法行為をおこなった場合、どのような重い罰則やリスクがあるのか、そして2026年時点での最新の摘発動向についても詳しく解説していきます。
白ナンバーとは何か——基本理解
白ナンバーとは自家用車に付けられるナンバープレートのことで、公道を走るすべての一般車両に装着義務があります。
マイカーにも使われており、白地に緑色の文字でナンバーが記されています。(軽自動車の場合は、黄色地に黒字です。)
白ナンバー=自社の荷物を自社の車で運ぶ自家用車
白ナンバーは、自社の荷物を自社の車で運ぶ役割を担います。
自社の荷物を運ぶので、当然他者からの運賃は発生しません。そのため貨物自動車運送事業法上の運送業には当たらず、緑ナンバー(営業ナンバー)と違って運輸局の許可を取得する必要もありません。
白ナンバーと緑ナンバー(営業ナンバー)の違い
白ナンバーと緑ナンバーの大きな違いは、自家用車か事業用車か、という点です。
- 白ナンバー:「自社の荷物を自社の車で運ぶ」自家用車。他社への運搬は一切不可。他者からの運賃受け取りもない。
- 緑ナンバー(営業ナンバー):「他社の荷物を運賃をもらって運ぶ」事業用車。複数の荷主からの運送依頼を受ける。
その他にも、運搬物の種類・自動車税の金額・車検期間・安全管理体制など、両者の違いは多岐にわたります。
白ナンバーで運送業をおこなうことは違法か?
結論からいうと、白ナンバーで(他社から実質的な運賃を受け取って)運送をおこなうのは重大な違法行為(白トラ行為)です。
「運送業」の定義と法的要件
運送業(一般貨物自動車運送事業)とは、個人や法人を問わず、自社以外の人から運賃を受け取って目的地まで貨物を運ぶ事業のことです。
運送業を適法に始めるためには、営業用車の目印である緑ナンバー(または軽自動車の場合は黒ナンバー)の取得が必須です。
この法的要件は以下の法律で明確に定められています。
「一般貨物自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。」
白ナンバーでの有償運送は例外なく違法
白ナンバーを使用して運送業をおこなうことは違法です。
白ナンバーは「自社の荷物を自社の車で運ぶ」行為のみ許されています。社外の人から実質的な運賃をもらって荷物を運ぶことは、すべて運送業に該当するため、緑ナンバーを取得していない車両がおこなうと貨物自動車運送事業法に違反することになります。
白ナンバーでの有償運送は、見つかると重大な法的責任を問われます
「ばれなければ大丈夫」という考えは通用しません。2024年以降、地方運輸局と警察の合同摘発が急増しており、発見時は厳しい処罰が科されます。シフトアップでは、違法運送のリスクを回避し、正規の緑ナンバー取得をサポートいたします。
※ご状況により必要書類・要件が異なる場合があります。まずは現状をお聞かせください。
よくある違法運送パターン 個人事業主のNGケース
個人事業主として運送を請け負う場合でも、法的な抜け道は存在しません。「知り合いから頼まれたし大丈夫だろう」と安易に考えているケースでも、行政や警察の監査によって厳しく検挙される事例が多発しています。
NGケース1:荷物の「買い取り販売」による潜脱行為
個人事業主として運送を請け負った荷物を「自身の荷物」とみなして運送するケースを例に挙げます。
この場合、個人事業主が荷主から荷物を一度買い取って自分の荷物にすれば運賃は発生しないため、許可は必要ないと考えられがちです。
しかし、仕入れ値と販売価格の差額に「実質的な運賃」が含まれているとみなされる場合、運輸局や裁判所からは単なる無許可営業の「潜脱(隠れ蓑)行為」と判断されます。
2024年以降、地方運輸局は「買い取り販売」の形式を極めて厳しく審査するようになりました。このような運用は行わず、必ず事前に緑ナンバーを取得して運送する必要があります。
NGケース2:荷主の白ナンバートラックで外注ドライバーが運ぶ「偽装請負」
個人事業主でよくある2つ目の事例が、「運ぶ荷物とトラックは荷主所有だが、運転手だけ個人事業主(外注)」というケース。
一見、単なる運転の「業務請負」に見えるかもしれませんが、実態としてその個人事業主が運行の安全管理や指揮命令権の独立性を有していない場合、労働法上の「偽装請負」や、貨物自動車運送事業法上の「無許可の利用運送・名義貸し行為」に該当する極めてグレーかつ違法性の高い運用となります。
近年、地方運輸局と警察庁、労働局はこうした「形だけの外注化による白トラ行為」への合同取り締まり・一斉摘発を非常に強化しています。「ばれなければ大丈夫」などという甘い判断は絶対に通用しません。
万が一業務中に交通事故を起こしてしまった場合、捜査や自動車事故報告書の精査の段階で、警察・運輸局から徹底的に偽装の実態が追及され、荷主共々大きな社会的ペナルティを科されるため、絶対におこなわないでください。
例外:引越し業者の繁忙期のみ認められる
白ナンバーで他人の荷物を運ぶことは原則違法ですが、引越し業者では繁忙期に限って、例外的に白ナンバーのレンタカーを使用して営業することが認められています。
期間は3月15日~4月15日のうちの15日以内で、地方運輸局長宛てに事前に適切な申請書を提出し、承認を得ることで、この期間に限り白ナンバー(レンタカー)での営業が可能になります。
「自分は大丈夫」という根拠のない安心は命取り
白トラ行為の摘発は、取引先からの通報、交通事故時の調査、あるいは地方運輸局による無差別抽査など、さまざまなタイミングで発生します。個人事業主や小規模運送会社こそ、正規の緑ナンバー取得をお勧めします。シフトアップが要件確認から申請・許可取得までをトータルサポートいたします。
※ご状況により必要書類・要件が異なる場合があります。まずは現状をお聞かせください。
白ナンバーで運送業をおこなった場合の罰則——2026年最新情報
では、白ナンバーで違法な運送業をおこなってしまった場合、どのような厳しい罰則が科せられるのでしょうか。運送した側と荷主側、それぞれ見ていきましょう。
運送した側:懲役3年以下または罰金300万円以下
白ナンバーで運送業をおこなった場合には、貨物自動車運送事業法に違反(無許可営業)したとみなされ、運送をおこなった人および事業者に対し「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれらが併科(両方科される)」されます。
なお、この容疑で処罰されてしまった場合には、刑の執行を終え、または執行を受けることがなくなった日から5年が経過するまでは、運送業許可の「欠格事由」に該当するため、その後新しく運送業許可申請(緑ナンバー取得)をすることが一切できなくなってしまいます。
つまり、生涯運送業に従事することができない可能性も生じるということです。
荷主に対する罰則とコンプライアンスリスク
白ナンバーの車両に運送を依頼した荷主に対して、貨物自動車運送事業法上の直接的な罰則は今すぐには適用されないケースもありますが、以下のリスクがあります。
- 関係法令の荷主勧告制度の対象となる可能性
- 労働法違反の共同不法行為として追及されるリスク
- メディアや口コミで「違法業者を意図的に使用していた企業」として報道される可能性
- 主要取引先からの取引停止処分など会社の存続危機に直結するリスク
白ナンバーでの有償運送は、依頼する側・受ける側の双方にとってリスクしかありません。ビジネスを行うなら必ず正規の許可を取ってから始めましょう。
2024年~2026年の摘発動向と潜脱行為への対応強化
2024年以降、国土交通省と警察庁は白トラ行為(違法運送)への取り締まりを急速に強化しています。
摘発動向の変化
- 2024年:行政処分の厳格化。違法運送への初回摘発でも、それまでより厳しい処分(許可取り消しなど)が下されるケースが増加
- 2025年:貨物軽自動車安全管理者制度の本格施行。黒ナンバードライバーであっても法令遵守のハードルが極めて高くなり、違法行為への目は一層厳しく
- 2026年:地方運輸局と警察、労働局の三者合同による無差別抽査・一斉摘発キャンペーンが常態化。「形だけの外注化」「潜脱的な買い取り販売」への摘発が激増
「潜脱行為」の定義が厳しくなている
従来であれば「グレーゾーン」として処理されていた行為(例:買い取り販売による差額運賃、外注ドライバーの形式)が、2026年現在では明確な違法行為として判断されています。
「昔は大丈夫だったから」「業界慣例だから」という判断は、2026年では通用しません。
摘発リスクは年々高まっています。今が対応のラストチャンス
違法運送をしている自覚がある、あるいは「グレーかもしれない」という不安がある場合は、今すぐ正規の緑ナンバー取得に向けて動くべきです。シフトアップは、現在の運用状況をヒアリングし、最短・最適なルートで緑ナンバー取得をサポートいたします。
※ご状況により必要書類・要件が異なる場合があります。まずは現状をお聞かせください。
よくある質問
Q1:軽自動車やバイクで荷物を運ぶ場合も許可は必要?
軽自動車やバイク(自動二輪車)で他人の荷物を有償で運ぶ場合は、緑ナンバーではなく、貨物軽自動車運送事業(黒ナンバー)の届出をおこなう必要があります。
ただし注意が必要です。軽貨物業界における死亡事故の多発を受け、2025年4月より「貨物軽自動車安全管理者制度」が本格施行されています。これにより、黒ナンバー事業者であっても、従来の簡易な届出だけで終わりではなく、社内における『貨物軽自動車安全管理者』の選任、ドライバーへの法定安全教育の実施・記録簿の3年間保存、国への重大事故報告書の提出義務などが一元的に完全義務化されました。参入のハードルは一般貨物(緑ナンバー)より低いものの、法令遵守のハードルは極めて高くなっている点に注意が必要です。
なお、バイクの場合は、排気量が125cc未満(原動機付自転車等)であれば届出の手続きをすることなく運送行為をおこなえます。
Q2:個人事業主でも緑ナンバー(運送業許可)を取得できる?
要件さえ満たせば、個人事業主でも運送業許可を取得できます。
しかし、個人事業主が許可申請するからといって、社長1名だけで開業ができるわけではありません。運送業許可取得の要件は法人と全く同じなので、人員は最低でも6名(運行管理者1名+ドライバー5名)、車両は5台以上揃える必要があります。
その他の営業所地目や自己資金(1,500万〜2,500万程度)の要件も法人の場合と同様です。この要件をクリアできる綿密な開業計画を練る必要があるでしょう。
Q3:白ナンバーのダンプカーで土砂を運ぶのは違法?
緑ナンバーのダンプカーは、運賃を受け取って他社の土砂や砕石を運びます。
一方で白ナンバーのダンプカーは、建前上、他社の土砂や砕石をその場で買い取り、自社の所有物(自社貨物)にして運ぶ「販売・購入に伴う運送」の形をとっています。運賃そのものの直接のやり取りが発生しないため、建前としては運送業許可(緑ナンバー)は必要ありません。
しかし、近年の運輸局および警察の取り締まり審査では、この『買い取り販売』の形を単なる運賃隠しの手段(潜脱行為)とみなして厳しく摘発する事例が増加しています。実質的な差額が運賃相当であると突っ込まれた場合のリスクは非常に高いため、ダンプによるビジネスを行う場合であっても、最初から正規の緑ナンバーを取得しておくとよいでしょう。
Q4:白ナンバーでの運送行為を見かけた場合はどこへ通報すべき?
明らかに違法と思われる白ナンバートラックでの有償運送行為(白トラ行為)を見かけた場合は、最寄りの警察署、または各都道府県の運輸支局(整備事業者・貨物課など)に通報・相談窓口が設置されています。
ただ、自社貨物の運送など適法に行われているケースもあるため、ナンバーや会社名、具体的な違反実態の証拠(運賃授受の事実等)をある程度整理して情報提供を行うことが推奨されます。
Q5:トラックの「名義貸し」は違法?
名義貸し(ナンバー貸し)とは、運送業許可を持たない個人ドライバーが、許可を持つ運送会社に車両を登録してもらい、書類上だけその会社に所属している形にして実質的に独立して運送業をおこなうこと。これは貨物自動車運送事業法の第27条に抵触する明確な重大違法行為です。
「手っ取り早く緑ナンバーで走りたいから」と名義貸し行為をおこなったり、それを受け入れたりした場合、以下の厳しい処分が下されるので、絶対に手を出してはいけません。
- 3年以下の懲役または300万円以下の罰金(無許可営業・名義貸し罪)
- 運送会社側には一発で30日間の事業停止処分や、許可取り消し処分
「これって違法かな?」という不安は、今すぐ専門家に相談を
白ナンバー、黒ナンバー、緑ナンバーの線引きは、一見シンプルに見えますが、実務的には極めて複雑です。「今の運用が合法か違法か判断がつかない」という場合は、早期に行政書士に相談し、現状を整理することが重要です。シフトアップが、あなたの事業の法的リスクを診断し、合法化への道を示唆いたします。
※ご状況により必要書類・要件が異なる場合があります。まずは現状をお聞かせください。
まとめ
この記事では、白ナンバーで運送業をおこなうことの違法性と、2026年時点での厳しい摘発動向について詳しく解説しました。
白ナンバーで自社の荷物を運ぶこと自体は適法ですが、他社の荷物を実質的な運賃を受け取って運ぶ場合、それはすべて一般貨物自動車運送事業(運送業)となり、処罰の対象となります。
2024年の行政処分厳格化、2025年の軽貨物新制度、そして2026年における地方運輸局と警察の合同摘発強化など、モグリの業者に対する国・警察の包囲網はかつてないほど強まっています。
正しい知識を身に着け、旅客・貨物にかかわらずビジネスを展開する際は、必ず正規の運送業許可(緑ナンバー)を取得しましょう。個人事業主であっても法人であっても、要件さえ満たせば許可取得は十分可能です。
「違法運送のリスクがあるかもしれない」と感じたら、躊躇せずに専門家に相談することをお勧めします。
ご不明な点はございませんか?
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