緑ナンバー(営業ナンバー)に関するさまざまな疑問を運送業界出身の行政書士が徹底解説します。
- 緑ナンバーとは:一般貨物自動車運送事業(運送業許可)の事業用自動車に取り付けるナンバープレートのこと
- 白ナンバーとの違い:他者から運賃をもらって貨物を運べるのは緑ナンバーのみ。白ナンバーでの有償運送は違法
- 取得要件:車両5台以上、人員・施設・1,500万円~2,500万円程度の資金など5つの条件を満たす必要あり
- 許可までの期間:申請受付から許可取得まで4か月~5か月が標準
- 取得費用:登録免許税12万円+行政書士報酬(平均50万円~70万円)
緑ナンバーとは何か、取得の要件や費用、メリット・デメリットなど、緑ナンバーに関するさまざまな疑問に運送業界出身の行政書士が回答します。
緑ナンバーについて疑問をお持ちの方はぜひ参考にしてください。
最後まで読んでくださった方には特典として、運送業許可の真実を知れる「運送業許可の教科書」を無料でプレゼントします!ぜひご覧ください!
緑ナンバー(営業ナンバー)とは?
運送業許可、あるいは運送業に使用する営業用自動車などを俗に「緑ナンバー」あるいは「営業ナンバー」と言います。
本来は、運送業に使用する事業用自動車に取り付けるナンバープレートのことを指して緑ナンバーと言います。緑ナンバーのナンバープレート(自動車番号登録標と言います)には、通常の白ナンバー同様に地域名、分類番号、平仮名、一連指定番号が記載されます。
したがって、
緑ナンバー(営業ナンバー)を取りたい=運送業許可を取りたい
緑ナンバー(営業ナンバー)車両=事業用自動車
ということになります。
緑ナンバーの取得費用は行政書士に依頼する場合の報酬と運送業許可取得後に収める登録免許税12万円です。
行政書士報酬は、平均50万円~70万円(税別)ほど。当社シフトアップの報酬は48万円(税別)となっております。
ナンバープレートの主な種類
緑ナンバーと白ナンバーの違いについて解説する前に、自動車に取り付けるナンバープレートにはどのような種類があるのかザックリ確認していきましょう。
緑ナンバー
一般貨物自動車運送事業(トラック運送業)や乗合・貸切旅客自動車運送事業に使用される事業用自動車に取り付けられるナンバーのことで、「営業ナンバー」や「青ナンバー」と言われることもあります。
トラック運送業に使用する緑ナンバー車両は第一種運転免許で運転可能ですが、タクシーなど旅客運送事業に使用する緑ナンバー車両は第二種運転免許がなければ運転できません。
軽貨物自動車は黒地に黄色のナンバーが書かれた「黒ナンバー」が取り付けられ、トラック運送業の車両として使用することはできないのでご注意ください。
白ナンバー
軽自動車以外の自動車で貨物運送事業や旅客運送事業に使用しない車両に取り付けられるナンバーです。自家用車、商用車、パトカーなどは白ナンバーとなります。
青ナンバー
青地に白の文字でナンバーが記されたナンバープレートのこと。領事館や外交団用の車両に取り付けられます。
外交官には国際法上の特権(裁判権の免除など)があり、交通違反があっても訴追・処罰されにくいという実情がありますが、日本の交通法規そのものが適用除外になっているわけではありません。実際、駐車違反の踏み倒しが問題視され、外務省が対抗措置を取るなどの動きも出ています。
黄色ナンバー
軽自動車のナンバープレートの種類の一つ。黄色地に黒い文字でナンバーが記されており、自家用・商用軽自動車に使われます。
黒ナンバー
事業用軽自動車に付けられる黒字に黄色い文字のナンバープレートのこと。軽貨物自動車で他人から運賃をもらって貨物を運ぶ貨物軽自動車運送事業(軽貨物運送)を行う自動車へ取り付けられます。
ディーラーナンバー
白地の赤枠のナンバープレートのことです。車検切れの車両やナンバープレートの付いていない納車前の車両で公道を走るときに使用され、正式には「回送運行許可番号標」と言います。
緑ナンバー(営業ナンバー)と白ナンバーの違い
法律的なお話をすると、道路運送法上、自動車は「自家用自動車」と「事業用自動車」に分類されます。
事業用自動車は自動車運送事業者が事業に使用する車両のことで、自家用車は事業用自動車以外の車両のことです。
自家用自動車には白ナンバー(白地に緑の文字)、事業用自動車には緑ナンバー(緑地に白の文字)のナンバープレートが付きます。ちなみに、軽自動車の場合は、自家用自動車は黄色ナンバー(黄色地の黒の文字)、事業用自動車には黒ナンバー(黒地に黄色の文字)のナンバープレートが付きます。
緑ナンバー車両と白ナンバー車両では、緑ナンバーの方が自動車税、自動車重量税などが安いかわりに、3か月点検が義務化されたり、車検期間が短くなるなどの違いがあります。
緑ナンバーの付いた車両は、他者から依頼を受けて貨物を運搬する事業、いわゆる貨物自動車運送事業、同様に人を輸送する旅客自動車運送事業などの事業に使用することが許されます。
それでは、以下で詳しく緑ナンバーと白ナンバーの違いについて見ていきましょう。
運搬物|緑ナンバー(営業ナンバー)対 白ナンバー
緑ナンバー車両と白ナンバー車両の運搬物は、以下の2点で決まります。
- 自社所有の貨物かどうか
- 運賃をもらうかどうか
緑ナンバー車両の運搬物
自社所有以外の貨物を、運賃をもらって運ぶ場合は緑ナンバーでなければいけません。
(例)青果物、建築資材、輸出入貨物、雑貨、旅客 など
自社所有以外の貨物でも、運賃をもらわずに運ぶ場合は緑ナンバーの装着は不要です。
白ナンバー車両の運搬物
自社所有の貨物を運ぶ場合は白ナンバーでかまいません。また、自社所有以外の貨物を無償=運賃をもらわずに運ぶ場合も白ナンバーで大丈夫です。
産業廃棄物の運搬は白ナンバーでも大丈夫?
産業廃棄物収集運搬業の許可を持つ事業者が、廃棄物の収集・処分にあわせて自ら運搬する場合は白ナンバーでも問題ないと解されています。
ただし、収集や処分を伴わず「運搬だけ」を有償で請け負う場合は、別途、一般貨物自動車運送事業の許可(緑ナンバー)が必要になるケースがあります。白ナンバーで良いかどうかは契約内容によって変わるため、一律に判断しないよう注意しましょう。
近年は荷主からの要請で緑ナンバーにする事業者が増えており、2026年4月に施行された改正貨物自動車運送事業法(後述)の影響で、この流れはさらに強まると見られます。
自動車税|緑ナンバー(営業ナンバー)対 白ナンバー
トラックの自動車税は車検証上の「最大積載量」によって変わります。緑ナンバーと白ナンバーで比較すると、緑ナンバーの方が自動車税は安くなります。
| 最大積載量 | 緑ナンバー | 白ナンバー |
|---|---|---|
| 2トン超~3トン以下 | 年間12,000円 | 年間16,000円 |
| 3トン超~4トン以下 | 年間15,000円 | 年間20,500円 |
| 4トン超~5トン以下 | 年間18,500円 | 年間25,500円 |
※グリーン化特例(環境性能の良い車両の減税、古い車両の重課)が適用される場合は税額が変わります。最新の税額は都道府県税事務所でご確認ください。
自動車重量税|緑ナンバー対 白ナンバー
トラックの自動車重量税は最大積載量ではなく、車検証上の車両総重量によって変わります。
緑ナンバーと白ナンバーで比較すると、緑ナンバーの方が自動車重量税は安くなります。
| 車両総重量の目安 | 緑ナンバー | 白ナンバー |
|---|---|---|
| 2トン超~2.5トン以下 | 年間7,800円 | 年間9,900円 |
| 2.5トン超~3トン以下 | 年間7,800円 | 年間12,300円 |
| 3トン超~4トン以下 | 年間10,400円 | 年間16,400円 |
※課税区分は最大積載量ではなく車両総重量が基準です。上表の金額は目安のため、正確な税額は車検証記載の車両総重量をもとに国土交通省の税額表でご確認ください。
車検の期間|緑ナンバー(営業ナンバー)対 白ナンバー
トラックの車検期間は緑ナンバー(事業用)か白ナンバー(自家用)か、そして「車両総重量」の組み合わせで決まります。
白ナンバー(自家用)であれば、車両総重量8トン未満に限り初回車検のみ2年(2回目以降は1年)となりますが、緑ナンバー(事業用)は車両総重量に関わらず初回からずっと1年ごとです。「白ナンバーだから一律2年」という単純な区別ではない点にご注意ください。
なお、白ナンバーから緑ナンバーに登録を変更する場合は構造変更の手続きを伴うため、現在の車検の残り期間は引き継がれず、その時点で切り捨て(無効)となり、新しく車検を受け直すことになります。
| 車両総重量 | 緑ナンバー | 白ナンバー |
|---|---|---|
| 車両総重量8トン未満 | 1年 | 2年 |
| 車両総重量8トン以上 | 1年 | 1年 |
点検整備|緑ナンバー(営業ナンバー)対 白ナンバー
緑ナンバーと白ナンバーでは、道路運送車両法で定められた点検整備の期間が違います。白ナンバーは車検証上の車両総重量により点検整備の頻度が変わりますが、緑ナンバーは車両総重量にかかわらず定期的な点検整備が必要となります。緑ナンバーの場合、たとえ小さいトラックでも3か月点検が必要です。
| 緑ナンバー | 白ナンバー | |
|---|---|---|
| 車両総重量8トン未満 | 3か月 | 6か月 |
| 車両総重量8トン以上 | 3か月 | 3か月 |
白ナンバーで運賃をもらい貨物を運んでも良いのか
重要なので繰り返し解説します。白ナンバーの付いた自家用自動車で自社の荷物を運搬する場合などは問題ありません。
さらに2026年4月には貨物自動車運送事業法が改正・施行され、違法な白ナンバー車両(いわゆる白トラ)に運送を委託した荷主・元請事業者側も、最大100万円の罰金など処罰の対象となりました。「運ぶ側だけの問題」ではなくなっているため、白ナンバーでの違法な運送は依頼する側にとってもリスクになっています。
※以降は、緑ナンバーとはトラックを使用して行う一般貨物自動車運送事業のことを指します。
緑ナンバー(営業ナンバー)にするメリット
運送業許可を取得して緑ナンバーにするメリットは主に次の通りです。
運賃をもらい貨物の輸送ができる
緑ナンバーにする最大のメリットはこれでしょう。貨物自動車運送事業法という法律で、白ナンバーで貨物を運び運賃をもらうことは禁止されています。つまり、「違法」ということです。
違法に運賃をもらっている白トラが多い中、あこがれの緑ナンバーを取得することで誰に隠すこともなく、運賃をもらうことが可能になります。
社会的な信用度が上がる
緑ナンバーを取得するためには、一般貨物自動車運送事業許可、いわゆる運送業許可を取得する必要があります。
運送業許可は国からの許可であり、数ある許認可の中でも難易度がウルトラC級に高いため、取得の要件をクリアすることは容易ではありません。
特に事業開始に必要な資金の要件を満たすために、まとまった預貯金を確保する必要があります。当事務所がこれまで取り扱った案件では、事業開始に必要な資金が1,500万円~2,500万円程度になるケースが多くあります。これだけでも相当なハードルの高さですね。
取得の難しい運送業許可を取り、「国から認められた事業者」になるということは、取引先や金融機関から評価されるきっかけになりやすいということです。
銀行など金融機関から融資を受けやすくなる
社会的な信用度が上がると、銀行など金融機関からの融資相談がスムーズになりやすい傾向があります。
お金を貸す側は、貸したからには必ず返して欲しいと思っています。ですから返す見込みのない人にはお金を貸しません。
金融機関は、正規の手続を踏んで許可取得した事業者であれば、一定の自己資金も確保できているという前提で融資の相談にのってくれます。
ただし、許可取得だけで融資が確約されるわけではなく、財務状況や事業計画、返済能力などを含めて個別に審査される点にはご注意ください。
営業がしやすくなる
緑ナンバーを取っていない状態で、荷主に貨物を運ぶ仕事を下さいと言っても仕事はもらえません。なぜなら、先にもお伝えしたとおり白ナンバーで貨物を運んで運賃をもらうことは違法だからです。
対して、緑ナンバーを取得すれば、立派なトラック運送事業者ですから、荷主のところへ行って仕事を下さいと交渉するためのステージに立つことができます。
営業先を広げられる
厳しい条件をクリアして緑ナンバーを取得することは、トラック運送業を行う事業者として国からお墨付きをもらうという事です。公共事業の仕事や緑ナンバー取得事業者としか取引を行わない大手企業の仕事も受注できるため、白ナンバーに比べて営業の規模が拡大します。
従業員の福利厚生改善につながる
社会保険・労働保険への加入義務そのものは、緑ナンバーか白ナンバーかで決まるものではなく、従業員数や労働時間などの法定要件によって決まります。
ただし、緑ナンバーで運送業を始める場合は、運輸開始前の手続きの中で、加入義務のある従業員の社会保険・労災保険・雇用保険への加入状況を運輸局から確認されます。そして、加入後も、適正化事業実施機関や運輸局の巡回指導・監査などで加入状況が定期的にチェックされます。
対して、白ナンバーの事業者は、法律上の加入義務があっても、緑ナンバーの事業者ほど公的機関から直接チェックされる機会は多くありません。そのため、緑ナンバーを取得すると、結果として社会保険・労働保険の整備が進みやすく、従業員の福利厚生改善につながる面があります。
緑ナンバー(営業ナンバー)にするデメリット
緑ナンバーにすることは、社会的信用度があがるなど良いことばかりではありません。緑ナンバーにする主なデメリットは以下のとおりです。
車両メンテナンスが厳しくなる
生業としてトラック運送業を営む以上、安心・安全に車両を運行する必要があります。そのため、緑ナンバーの車両は、車検の期間も短く、3か月点検も確実に実施する必要があります。
白ナンバーより点検整備のコストがかかる
緑ナンバーにすると、それが大型トラックであれ4ナンバーのバン車であれ3か月ごとに点検整備を行わないと法令違反となってしまいます。そのため、点検整備を整備工場などへ外注する場合のコストが3か月ごとに発生します。
白ナンバーより自賠責保険料が上がる
緑ナンバー車両の自賠責保険料は白ナンバーよりも高くなります。
また、2026年11月1日以降に契約始期を迎える契約からは、自賠責保険料が平均6.2%程度値上げされることが決まっています。契約のタイミングによって金額が変わる点にも注意が必要です。
具体的な最新の保険料は、損害保険料率算出機構の公式ページ(https://www.giroj.or.jp/publication/cali_table.html)で車種・用途ごとの最新料率表をご確認ください。
車両5台の場合はあまり気になりませんが、50台、100台と増えれば大きな違いになるのはデメリットと言えるでしょう。
自動車任意保険料が上がる
自動車任意保険は、統計的に事故が起きやすい車両ほど保険料率が上がり、保険料も高くなる仕組みになっています。緑ナンバー車両のような事業用自動車は、白ナンバー車両よりも道路を走る時間が長いため、事故に遭遇する確率が上がり、保険料も高くなります。
日報や点呼簿の管理などの帳票管理が必要
緑ナンバーで運送業をおこなうときは、日報や点呼簿など各種帳票類の記録・保存が必須となります。
帳票管理(運送業事務と言います)をサボると行政処分となり、最悪の場合は、運送業許可の取消しとなってしまいます。煩雑な帳票管理が必要なのはデメリットの一つと言えるでしょう。
車両5台を維持し続けなければならない
緑ナンバーの車両は、原則として営業所ごとに5台以上を維持する必要があります(霊きゅう自動車や一般廃棄物運送、一部の離島など、台数の例外が認められるケースもあります)。
たとえ、ドライバーがいなくなった、仕事がなくなったなどの理由でトラックが4台しか必要なくなっても、5台未満への減車は通常の届出では行えません。5台未満への減車には認可が必要で、震災でやむを得ない場合など認められるケースは限られています。
車両を維持するコストがかかっても簡単には減らせない点は、デメリットと言えるでしょう。
インボイス制度導入で白ナンバーはどうなるか?
2023年10月から「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」が導入され、すでに運用されています。
これは、適用されている消費税率や税額を明記した請求書(適格請求書)を発行・保存するしくみです。
消費税率は品目によって10%と8%(軽減税率)に分かれており、買い手からすると、どちらの税率が適用されているか分かりにくいケースがあります。そのため、商品に課税されている消費税率・消費税額を明記した請求書を発行しましょう、というのがインボイス制度導入の背景です。
インボイス制度では、課税事業者である荷主が免税事業者である個人事業主に仕事を出すと、原則として外注費にかかる消費税を荷主側が負担する(仕入税額控除を受けられない)しくみになっています。
※免税事業者とは年間売上高1,000万円以下の事業者のことです。
ただし、いきなり全額を荷主負担にすると影響が大きいため、免税事業者からの仕入れについては、一定割合を仕入税額として控除できる経過措置が設けられています。
この経過措置は令和8年度税制改正で見直され、2026年10月からは仕入税額の70%、2028年10月からは50%、2030年10月からは30%を段階的に控除でき、2031年9月30日をもって経過措置が終了する予定です(それまでは2023年10月から2026年9月まで80%控除という取り扱いでした)。
つまり、経過措置がある間も控除できる割合は段階的に下がっていくため、免税事業者である白ナンバーの個人事業主は、時間とともに取引を切られる可能性が高くなっていきます。
インボイス制度導入の是非は別として、運送業界に与える影響が大きいことは間違いありません。もし、自分は白ナンバーの免税事業者だという方は、緑ナンバーへの切り替えや課税事業者への転換など、早めの対応を検討しましょう。
参考:国税庁HP インボイス制度の概要(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_about.htm)/令和8年度税制改正特集(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice-review/index.htm)
緑ナンバー(営業ナンバー)取得の条件
緑ナンバー取得の条件は、大きく分けて下記の5つです。
- 人
- 事務所と休憩室・睡眠施設
- 駐車場
- 車両
- 資金
5つの条件すべてを満たしたら、緑ナンバーで運送業を行う営業所を管轄する地方運輸支局へ「一般貨物自動車運送事業の経営許可申請書類」を提出して許可取得の手続きをします。
申請書類が受け付けられてから許可取得までの標準的な期間は4か月~5か月ほどです(運輸局や申請内容の補正状況によって前後します)。
一般貨物自動車運送事業の許可が取得できたら、「事業用自動車等連絡書」という書類を運輸局で発行してもらいます。そして、事業に使用する事業用自動車を緑ナンバーにすれば、晴れて運送業を行うことが可能になります。
※緑ナンバー取得のための申請書類作成と提出代行は一般的に行政書士が行います。運送業許可の行政書士報酬は平均50万円ほどです。
緑ナンバー(営業ナンバー)は何台からできるのか
緑ナンバー(営業ナンバー)を取って運送業(正式には一般貨物自動車運送事業)を行うには最低5台の車両が必要になります。一部の離島などは、車両1台から運送業許可を取って緑ナンバーにすることが可能です。
ハイエースは緑ナンバーにできるか
車検証上の用途欄が「貨物」である貨物自動車であればハイエースでも緑ナンバーにすることは可能です。クラウンのような乗用車タイプの車両は緑ナンバーを取得して運送業を行うことはできません。また、軽トラで運送業を行う場合は黒ナンバー車両となり、緑ナンバーを付けることはできないのでご注意ください。
緑ナンバー(営業所ナンバー)取得の流れ
緑ナンバー取得までの大まかな流れは下記のようになります。法令試験は申請書が受け付けられてから、概ね2か月後を目処に実施されます。
- 運送業許可要件のクリア
- 一般貨物自動車運送業許可申請書類の作成と添付資料の収集
- 残高証明書の取得
- 運輸支局で申請受付
- 運輸局での審査(4ヵ月~5ヵ月)
- 役員法令試験の受験
- 補正対応
- 2度目の残高証明書提出
- 運送業許可の取得
- 許可書交付式の出席と登録免許税の納付
- 社会保険・労働保険加入、36協定書の提出
- 運行管理者と整備管理者選任届の提出
- 運輸開始前確認の提出
- 事業用自動車等連絡書の交付
- 緑ナンバーの取得と自動車保険の加入
- 運賃料金設定届と運輸開始届の提出
- 運輸開始!
緑ナンバー(営業ナンバー)取得にかかる費用
緑ナンバー取得にかかる費用は主に下記の3種類です。
法人設立する場合の費用
緑ナンバー取得に合わせて法人を設立する場合のみかかる費用です。司法書士や行政書士へ依頼する場合の報酬に加えて、定款認証手数料プラス登録免許税で20万円ほど必要です。すでに法人があるという方は不要となります。
登録免許税
運送業許可取得後に登録免許税12万円の支払いが必要となります。
行政書士に依頼する場合の報酬
運送業許可申請を行政書士に依頼する場合は報酬の支払いが必要です。
運送業許可申請代行の行政書士報酬の額は、平均的に50万円~60万円ほどです。自分で申請書類を作成する場合は、行政書士報酬は不要となります。
緑ナンバーは貸し借りできるのか=営業ナンバー貸しの可否
結論から言うと緑ナンバー車両=事業用自動車の貸し借りをすることは法律違反となるためできません。
例えば、緑ナンバーを取るための要件を満たせない人が、一般貨物自動車運送事業の許可を持っている運送会社のトラックを借りて、個人事業主でありながら、運送会社の従業員として走っているケースがよくあります。これは、名義貸し行為に当たるのでアウトです。
名義を貸す側からすれば、社会保険・労働保険へ加入させずに個人事業主として走ってくれる人がいれば経費面から見てメリットがあるため、名義貸しに手を染めてしまう運送会社が後を絶たないのが実情です。当事務所への相談でも、名義貸しが疑われるケースについてご相談を受けることがあります。
しかし、昨今は法律違反である名義貸しを排除するために運輸局が監査に入り指導する動きが活発です。バレなければ良いという考えでいつまでも名義貸しを続けるのは非常に危険な行為と言えます。
緑ナンバーは乗用車やレンタカーでも良いのか
乗用車の場合
一般貨物自動車運送事業(貨物を運ぶ事業)で使う車両として、乗用車タイプの車をそのまま緑ナンバーにすることはできません。
ただし、1ナンバーや4ナンバーの車両で車検証上の用途欄が「貨物」となっていれば法律上はトラックであるため、緑ナンバーとすることは可能です。
(なお、タクシーなど旅客自動車運送事業では、乗用車タイプの車両にも緑ナンバーが付けられます。ここでは貨物運送での取り扱いについて説明しています。)
レンタカーの場合
レンタカーを緑ナンバー車両とすることは基本的にできません。「営業用ナンバーレンタル可能」としてホームぺージ上で宣伝している会社もありますが、実際は「短期リース」であって、レンタカーを緑ナンバーにできるわけではないのでご注意ください。
ただし、例外的にレンタカーを営業用自動車として使用することが認められているケースもあります。引っ越し業者は、繁忙期である3月~4月に限っては運輸局への申請を行えば、わナンバーの付いたレンタカー車両を営業用自動車として使用することが可能です。
緑ナンバーの車検
乗用車の車検が新車3年・以降2年であるのに対し、緑ナンバーのトラックは車両総重量8トン未満なら新車(初回)が2年・2回目以降は1年、車両総重量8トン以上なら初回から1年ごとと定められています。
緑ナンバーと運転免許
緑ナンバー車両だからといって特別な免許や資格は必要ありません。運転する車両にあった免許証の種類を持っていれば大丈夫です。たとえば、2t車、4t車、増トン車、大型車、トラクター、小型バス、中型バス、大型バスなど区分に応じた免許があれば問題ありません。
AT限定免許でも緑ナンバーを運転できるのか?
AT限定の免許でも、運転する車両に応じた免許証の種類を持っていれば大丈夫です。つまり、ハイエースやプロボックスなどの4ナンバー車であっても、免許区分(準中型・中型など)のAT限定で対象となる範囲のオートマ車であれば運転できるということです。
ただし、運転できる車両の範囲は免許の種類・限定条件・取得時期によって異なるため、「2t・4tなら一律にAT限定免許で運転できる」とは限りません。自分の免許でどこまで運転できるかは、事前に確認しておきましょう。
緑ナンバーを運転するには二種免許は必要か?
緑ナンバートラックを運転するときに二種免許は必要ありません。白ナンバートラックも同様です。
二種免許が必要になるのは「バス・タクシーという車体だから」ではなく、旅客自動車運送事業として旅客を運送し、運賃をもらう目的で運転する場合です。そのため、バスやタクシーであっても、旅客運送事業以外の目的で運転するだけであれば二種免許が必須になるとは限りません。
ちなみに一種免許と二種免許の違いは下記のようになります。
第一種免許
日本の公道で自動車や原動機付自転車を運転する場合に必要となるのが第一種免許です。第一種免許の種類は普通免許、準中型免許、中型免許、大型免許、原付免許、小型特殊免許、普通二輪車免許、大型二輪車免許、大型特殊免許、けん引免許の10種類となります。
第二種免許
道路交通法上の免許区分で、旅客自動車運送事業として旅客を運送する場合に必要な免許の種類です。運転代行業を行う場合にも二種免許は必要となります。2種免許の種類は普通二種免許、中型二種免許、大型二種免許、大型特殊二種免許、けん引二種免許の5種類です。
緑ナンバーと自動車任意保険の契約方法
自動車任意保険は1台ずつ加入するノンフリート契約と10台以上をまとめて加入するフリート契約があります。
フリート契約は、車両数10台以上であることが基本条件で、多くの場合、契約車両の契約始期日をそろえることで契約できます(取り扱いは保険会社によって異なります)。
フリート契約の良いところは、契約車両すべてに対して支払った保険金の額に応じてすべての車両に対して同じ割引率が適用されることです。ですので、1台ずつ加入よりトータルの保険料が圧倒的に安くなる可能性が高くなります。緑ナンバーを持つ多くの事業者がフリート契約で自動車任意保険に加入しています。
「そんなお得なものがあるなら入りたいが、車両が5台しかない。」という場合は、ミニフリート契約というものが存在します(保険会社によってノンフリ他割などともいいます)。
ミニフリート契約は車両9台以下の場合でも契約始期日を併せることで割引が受けられる商品で、目安として下記のような割引率が設定されている例があります(保険会社・商品によって異なります)。
- 2台:3%
- 2台~5台:5%
- 6台~9台:6%
少しでも自動車任意保険料を抑えるためにミニフリート契約を活用してください。
※車両等級の等級によってはミニフリート契約にすることで保険料が高くなる場合もあります。契約内容は保険会社によって異なるため、実際に契約する際は各保険会社にご確認ください。
まとめ
今回は、緑ナンバーに関する疑問について解説しました。緑ナンバー車両は運送業に使用する事業用自動車であるため、その使用には諸々の制限が付きます。
とくに、緑ナンバー取得には一般貨物自動車運送事業の許可が必要になりますが、数々の要件を満たさないといけません。要件をクリアできないからと言って、くれぐれも名義貸しなどの違法行為はしないようにしましょう。
なお、2025年6月の法改正により、一般貨物自動車運送事業の許可には今後5年ごとの更新制度が導入されることが決まっています(施行は2028年6月までの予定で、本記事執筆時点ではまだ施行されていません)。
取得すれば終わりではなく、許可後も継続的な法令遵守が一層重要になっていくと考えられます。なお、この記事は国土交通省 中部運輸局管内(愛知・岐阜・三重など)の取り扱いを基準に解説しています。
税額や手続きの運用は運輸局や自治体によって異なる場合がありますので、中部運輸局管内以外の方は、必ず所轄の運輸局にもご確認ください。わからないことがあれば、シフトアップにお気軽にお問い合わせください。
緑ナンバーを検討している方は行政書士法人シフトアップへご相談を
もし、「緑ナンバーを取って運送業を始めたい」「緑ナンバーの取得を検討している」という方は、年間件数860件超えの行政書士法人シフトアップへ。運送業許可専門のプロ事務所が、どのようなご相談にも対応します。他では伝えづらいご相談もお聞かせください。
トラック持ち込みのドライバーが多いこと、法令遵守が難しいことも熟知しております。「運送会社ならではの事情をわかってくれる全国対応の行政書士に依頼したい」とお考えの方は、ぜひ行政書士法人シフトアップまでお気軽にお問い合わせください。
よくある質問
Q. 緑ナンバーを取るまでの期間はどれくらいかかりますか?
緑ナンバーを取得するには、半年ほど見ておくと安心で、申請受付から運送業許可取得までに4か月~5か月です。当事務所の相談実務では、許可取得の準備に2~3か月程度かかるケースが多くあります。
Q. 緑ナンバーを取るときの費用はいくら必要?
運送業許可の申請を行政書士に依頼する場合は、行政書士に支払う報酬と登録免許税12万円が必要です。行政書士報酬は平均して50万円~60万円。当社シフトアップは48万円+税となります。
Q. 緑ナンバーを取るときの流れを教えてください
法人で取るか個人事業主として取るかを決めたら、運送業許可取得に必要な資金を確保します。資金確保の見通しがついたら、その他の運送業許可要件をクリアし、申請書類を作成。運輸局で申請受付後、4~5か月ほどで緑ナンバーの許可を取ることができます。
Q. 緑ナンバーと白ナンバーの違いはなに?
一番大きな違いは、他人から運賃をもらって貨物を運ぶことができるのが緑ナンバー。運賃をもらうと違法になるのが白ナンバーです。
参考文献
- 埼玉県|自動車種類別年税額表
- 損害保険料率算出機構|自賠責保険基準料率表
- 国税庁|インボイス制度の概要/令和8年度税制改正特集
- 行政書士法人シフトアップ|報酬額(費用)一覧
- 国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト|自動車検査証の有効期間
- 近畿運輸局|一般貨物自動車運送事業(改正貨物自動車運送事業法関連資料)
- 東京都環境局|環境省事務連絡「廃棄物の処理と貨物自動車運送事業に係る許可等の関係について」
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