書面化推進ガイドライン

コラム

トラック運送業の書面化推進ガイドラインとは?期待される4つの効果

2014年に国土交通省が作成したトラック運送業の書面化推進ガイドラインをご存知でしょうか。言葉は聞いたことがあっても、内容について詳しく把握していないという方も少なくないでしょう。

この記事では、トラック運送業の書面化推進ガイドラインについて分かりやすく説明しています。「そもそもガイドラインとは?」という基礎知識から、実際の記載事項まで徹底解説しますので、参考にしてください。

まずは、トラック運送業の書面化推進ガイドラインとはどんなものなのか見ていきましょう。

 

トラック運送業の書面化推進ガイドラインとは

トラック運送業の書面化推進ガイドラインとは、トラック運送業がクリーンに運営されることを目指して、国土交通省が策定した指針です。

具体的には、労働災害の防止、契約上のトラブル防止、適正な運賃・料金の実現といった目的があります。書面化とは、荷主による「運送状」に対して、運送事業者が「運送引受書」を作成して提出することを言います。

 

トラック運送業の書面化推進はなぜ必要なのか

こうした書面化推進が必要となった背景には何があるのでしょうか。それは、近年の市場の変化によりトラック運送業に対して、スピーディーな配送や付帯業務の対応など、様々なニーズが拡大していることがあります。

そして、スポット取引の増加により、取引ごとに適切な条件を設定する目的を果たすためにも、荷主とトラック運送業が契約内容を書面化する必要があるのです。

 

貨物自動車運送事業輸送安全規則

貨物自動車運送事業輸送安全規則においても、「輸送条件が明確でない運送の引き受け」や「運送の直前もしくは開始以降の運送条件の変更」などは安全を阻害しかねない行為とされています。

トラック運送業の事業者は、こうした行為を防止し、荷主と協力して適正な取引の確保に努めなければならないと定められています。

 

トラック運送業の書面化推進による4つの効果

ここまでの説明で運送業の書面化推進ガイドラインについての基本はご理解いただけたと思います。それでは、書面化推進を行なうことにより、どんな効果が期待できるのか見ていきましょう。

 

効果1|過労運転等のコンプライアンス違反の防止につながる

事前に運送条件を確認することで、輸送形態や発着時間などが明確化され、過労運転などのコンプライアンス違反を防止することができます。

 

効果2|事故等が発生した際に即座に契約内容を確認できる

運送条件などを記録しておくことで、事故などが起こった際に、事後的に契約内容を確認することができます。

 

効果3|現場でのトラブルを防止できる

契約にない付帯業務の防止など、現場でのトラブルを回避することができます。

 

効果4|適正な運賃・料金の収受を実現できる

事前に積み込み・取卸料、付帯業務料などを明確にすることで、適正な運賃・料金を収受することができます。

 

 「運送状」「運送引受書」の発出について のガイドライン

書面化は、運送が始まる前に必要事項を共有する趣旨のものです。そのため、事前に発出が完了するよう取り組みましょう。

「運送状」は荷主が作成して運送業者へ提出するもので、「運送引受書」は運送業者が作成して荷主へ提出するものです。

まず、貨物の運送を委託する荷主は「運送状」を作成して、運送業者へ提出。そして、運送を引き受けた運送業者は、実際の運送が始まる前に荷主へ「運送引受書」を交付します。書面はファックスやメールでの提出も可能です。トラブル防止のために1年間は書面を保管しましょう。

 

記載事項のガイドライン(11項目)

それではここから、書面に書かなければいけない記載事項を解説していきます。

 

① 貨物の品名、重量、個数等

何をどれだけ運ぶのかを、荷主と運送業者の間で決定して記載します。あわせて、運送に必要な車種や台数も記載しましょう。

 

② 運送日時(積込み開始日時・場所、取卸し終了日時・場所)

所定の拘束時間、休憩時間、運転時間、連続運転時間に違反しないよう注意して記載します。荷待ち時間が発生しないことなどに留意して、荷主と運送業者の間で決定してください。

 

③ 運送の扱種別

積み合わせ運賃、貸切距離制運賃、貸切時間制運賃などの扱い種別を記載します。

 

④ 運賃、燃料サーチャージ、料金、有料道路利用料、立替金その他の費用

実際に適用する運賃、燃料サーチャージの金額を記載してください。その他、運送業者が積み込みや取り卸し作業を行なう場合や、有料道路の利用料などの金額もすべて記載します。

 

⑤ 荷送人及び荷受人の連絡先等

運送業者へ業務を委託する荷主の氏名(または会社などの名称)および住所、電話番号その他連絡先を記載します。

 

⑥ 運送状の作成年月日等

運送状を作成した年月日を記載してください。

 

<h3>⑦ 高価品については、貨物の種類及び価額

貨物に高価品が含まれる場合は、運送品の概要欄に種類および価格を記載します。

 

<h3>⑧ 積込み又は取卸し作業の委託の有無

トラック運送業者に積み込みまたは取卸し作業を委託する際は、記載が必要です。

 

⑨ 附帯業務の委託

予定外の付帯業務は、拘束時間の超過や事故発生などトラブルのリスクが高まります。そのため、あらかじめ提供する役務を記載してください。

 

⑩ 運送保険加入の委託の有無

運送保険への加入を運送事業者へ委託する場合には、その旨を記載します。

 

⑪ 支払方法、支払期日

運賃・料金の支払方法、支払期日を記載してください。

 

まとめ

これまできちんとした書面を交わさず、口頭で契約を交わして後からトラブルになったり労災に繋がったりといった問題を解決するために2014年に定められたトラック運送業の書面化推進ガイドライン。

これにより、今後配送を委託する際には、荷主と運送事業者の双方で同意の上、書面化をしなくてはなりません。初めて作成する際は難しく感じるかもしれませんが、記載事項は料金や支払日など基本的な内容ばかりです。一度テンプレートを作成してしまえば、すべての契約で繰り返し使えますので、取り組んでみてはいかがでしょうか。

国土交通省のホームページには、書式例やメール文例も掲載されていますので、参考にしてみてください。

 

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川合智

川合 智

運送業許可のプロ事務所「行政書士法人シフトアップ」の社長★トラック運送会社に12年勤務後に開業。著書【行政書士のための運送業許可申請のはじめ方】★行政書士向けに運送業許可を教える「くるまスクール」主催者

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