トラックの燃料サーチャージについて、「聞いたことはあるけど詳しくは知らない」という方も多いのではないでしょうか。この記事では、トラックの燃料サーチャージについて、わかりやすく解説していますのでぜひ参考にしてください。
まずは、燃料サーチャージとはそもそも何なのかという基本から解説します。
燃料サーチャージとは?
燃料サーチャージという言葉をよく耳にするのは、航空業界が多いと思います。実際に飛行機の航空券を買う際に、燃料サーチャージの追加料金をとられて「予想より高くなってしまった」という経験をした方もいるのではないでしょうか。
燃料サーチャージとは、燃料代に対してかかる料金のことです。航空会社の場合、飛行機が飛ぶためにかかる燃料代を搭乗者がみんなで払っていることになります。
同じようにトラック運送業にも、燃料サーチャージ制が2001年から導入されています。
トラックの燃料サーチャージは普及してない主な理由
トラックの燃料サーチャージ制度が、20年前から導入されていたと聞いて驚いた方もいるかもしれません。なぜなら、トラック運送業において、燃料サーチャージ制はほとんど普及していないからです。
普及が進まない理由は、燃料サーチャージを荷主が支払う点です。燃料サーチャージ制の意義やメリットを理解して導入しようと考えるトラック運送会社があっても、「それなら追加料金がかからない他の運送業者に頼む」と荷主が逃げてしまうため、どこも導入に踏み切れないのが実情です。
トラックの燃料サーチャージを成功させる4つのポイント
トラックの燃料サーチャージ制は、国土交通省や全日本トラック協会が普及を進めていますが、なかなかうまく浸透していないのが現状です。燃料サーチャージは、燃料価格の上昇や下落によって生じるコストを、運賃とは別で荷主にも負担してもらう制度なので、トラック運送事業者にとっては、導入が成功すれば大きなメリットがあります。
そんな燃料サーチャージ制を成功させるためには、荷主との交渉が鍵を握ります。ポイントをおさえて、荷主から仕事を減らされたり他の運送会社へ乗り換えられたりするリスクを避けたいところです。それでは、燃料サーチャージを成功させるポイントを4つ紹介します。
①省燃費(エコドライブ)活動を推進する
1点目は、会社をあげて省燃費(エコドライブ)活動を推進することからスタートしましょう。荷主にとって、低燃費やエコドライブを推進するトラック運送事業者は、高く評価されます。
ドライバーへのエコドライブの講習実施、徐々に低燃費の車両を導入する、グリーン経営認証など対外的にPRできる認証を取得するといった取り組みを進めることがアピールポイントとなります。
②原価管理の計算をしっかりする
2点目は、原価管理の計算についてです。車両の走行距離や燃料消費量などのデータをしっかり記録し、原価を計算しましょう。燃料サーチャージに取り組むにあたり、正確な原価を把握していることは大切です。
③荷主企業との信頼関係を強化する
3点目は、荷主企業とのコミュニケーションです。燃料サーチャージの導入には、荷主の理解が欠かせません。荷主にとって燃料サーチャージ制の導入は負担額が増えることなので突然提案したら困惑されてしまいます。
日頃から顔を出して荷主企業の状況を把握する、担当者や経営者同士でビジョンを共有する、燃料サーチャージの話題を振って根回しをコツコツするといった地道な信頼関係の構築が欠かせません。
④他社との差別化を図る
4点目は、他社とサービスの差別化を図ることです。いざ燃料サーチャージ制を導入する際、「どこに運んでもらっても同じ」なら、荷主は安いトラック運送業に流れてしまいます。
スピーディーな輸送、安全性の高さ、ドライバーの質の高さといったサービス品質の向上はもちろん、Gマークやグリーン経営認証などを取得することも、品質の高さを表す差別化につながります。
料金だけではない付加価値で、「多少高くてもこの会社にお願いしたい」と思ってもらうことが、1番大切なことかもしれません。
まとめ
トラック運送業の燃料サーチャージ制は、ほとんど普及していませんが、大手では導入に成功している物流企業もあります。中小のトラック運送事業者においては、価格競争になってしまいなかなか普及が進みませんでした。
しかし、近年のインターネット通販の急成長や新型コロナの影響による物流量の急拡大により、トラック運送事業者の立場は強くなりつつあります。右肩上がりの成長を続ける今こそ、燃料サーチャージ制を導入するチャンスとも言えるのです。
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