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Gマーク制度(貨物自動車運送事業安全性評価事業)とは?取得条件・認定の利点を解説

Gマーク制度(貨物自動車運送事業安全性評価事業)とは?取得条件・認定の利点を解説
この記事のポイント

Gマークとは、貨物自動車運送事業者の安全性を評価し、一定の基準を満たした営業所を「安全性優良事業所」として認定する制度です。荷主企業や取引先からの信頼向上、安全意識の定着、一定の行政上のインセンティブなどを目的として、取得を検討するトラック運送事業者も少なくありません。

ただし、Gマークは申請すれば自動的に認定される制度ではありません。巡回指導の結果、重大事故や行政処分、安全教育・健康管理・労働時間短縮などの取組を点数化し、複数の認定要件をすべて満たす必要があります。

2025年度から複写式申請書と申請書の実費徴収が廃止され、2026年度の申請料は無料です。申請は原則としてWeb申請システムを利用します。また、「安全性に対する取組の積極性」は、2023年度から従来の12項目4グループ・18項目に再編する方式へ変更されており、2026年度もこの評価方式が採用されています。

この記事では、2026年度の制度をもとに、Gマークの申請資格、申請方法、評価基準、必要書類、認定までの流れと期間を解説します。

※申請日程・評価対象期間・提出方法は年度ごとに変更される可能性があります。実際に申請する際は、全日本トラック協会と各都道府県トラック協会の最新案内を確認してください。

目次

Gマークとは?

Gマークは正式には「貨物自動車運送事業安全性評価事業」による安全性優良事業所認定制度です。

全国貨物自動車運送適正化事業実施機関である全日本トラック協会が、貨物自動車運送事業者の安全性を評価し、基準を満たした営業所を認定・公表します。会社全体ではなく、原則として営業所単位で申請・評価・認定が行われます。

Gマークの評価対象となる事業

Gマークの評価対象は、次の事業を行う営業所です。

貨物軽自動車運送事業は、Gマークの評価対象には含まれません。

認定を決定する機関

申請内容を直接採点し、評価を行うのは、全国実施機関である全日本トラック協会です。評価決定までの基本的な流れは次のとおりです。

  1. 申請営業所が地方実施機関へ申請する
  2. 全日本トラック協会が3つの評価区分を点数化する
  3. 安全性評価委員会へ諮問する
  4. 安全性評価委員会の答申を受ける
  5. 全日本トラック協会が評価を決定する
  6. 認定要件を満たした営業所を認定・公表する

安全性評価委員会は、制度の厳正性、公平性、透明性を確保するための審議機関です。学識経験者、荷主団体、労働組合、一般消費者、国土交通省関係者などで構成されます。「安全性評価委員会が単独で申請を審査し、認定する」という説明は正確ではありません。

 

2026年度のGマーク申請資格

Gマークを新規申請するには、2026年7月1日の申請基準日現在で、申請営業所が所定の資格要件を満たしている必要があります。

運輸開始後3年を経過していること

申請する営業所は、営業所を開設して運輸を開始してから3年を経過している必要があります。2026年度申請では、申請基準日である2026年7月1日を含む過去3年間、継続して事業を行っていることが必要です。

配置する事業用自動車が5両以上あること

申請営業所に配置している事業用自動車が、5両以上であることが必要です。申請時には、国土交通省に登録されている行政データをもとに配置車両数が確認されます。

不正申請・認定取消し等の欠格期間に該当しないこと

過去に虚偽申請、不正な手段による申請、認定証・認定マーク等の不正使用があった営業所は、一定期間申請できない場合があります。主な申請資格要件は次のとおりです。

  • 不正申請等による申請却下・評価取消し後、所定の期間を経過していること
  • 不正申請等による認定取消し後、2年を経過していること
  • 認定証・認定マーク等の偽造、変造、不正使用に対する是正勧告が履行され、所定の期間を経過していること

 

 

2026年度のGマーク申請から認定までの流れ

①申請資格と評価基準を確認する

まず、運輸開始後3年、配置車両5両以上、欠格期間などの申請資格を確認します。

あわせて、過去の巡回指導結果、事故、行政処分、安全教育、健康管理、社会保険、認可・届出・報告の状況を確認してください。

【重要】

評価区分Ⅲの「安全性に対する取組の積極性」は、申請直前に取り組めばよいものではありません。項目ごとに評価対象期間、必要な実施回数、対象人数、継続実施の条件などが異なるため、申請前から計画的に取り組み、実施日・参加者・内容を証明できる資料を保存しておく必要があります。

②Web申請システムで申請書を作成する

2026年度のGマーク申請は、原則として全日本トラック協会の「Web申請システム」を利用します。

手書きの申請書は廃止されており、2026年度の申請料は無料です。Web申請システムの利用が困難な場合は、申請営業所の所在地を管轄する地方実施機関へ相談してください。

③申請期間内にWeb上で申請を完了する

2026年度の日程は次のとおりです。

手続き2026年度の日程
Web申請システム稼働期間2026年6月1日~7月14日24時
Web申請受付期間2026年7月1日0時~7月14日24時
挙証書類の窓口受付期間2026年7月1日~7月14日
郵送による挙証書類の提出期限2026年7月14日必着
評価結果の通知・認定公表2026年12月中旬予定
【注意】

6月中に申請情報を入力して一時保存しただけでは、申請は完了しません。7月1日から14日までの受付期間中に、必ず「申請」ボタンを押す必要があります。なお、2026年度の申請受付はすでに終了しています。2027年度以降に申請する場合は、その年度の申請日程を改めて確認してください。

 

④「安全性に対する取組の積極性」の挙証書類を提出する

新規申請と一部の更新申請では、Web申請に加えて、評価区分Ⅲ「安全性に対する取組の積極性」を証明する書類の提出が必要です。

Web申請システムから出力した「提出用」の申請書・自認書に、役職員名簿、チェックリスト、会議議事録、研修記録、証明書などを添付します。書類は、申請営業所の所在地を管轄する都道府県トラック協会の窓口へ持参するほか、受付期限必着で郵送することもできます。

⑤全日本トラック協会による評価を受ける

申請後、全日本トラック協会が次の3区分を点数化します。評価結果は安全性評価委員会への諮問・答申を経て決定されます。

  • 安全性に対する法令の遵守状況
  • 事故や違反の状況
  • 安全性に対する取組の積極性

⑥評価結果の通知を受ける

2026年度の評価結果・認定公表は、2026年12月中旬に予定されています。具体的な通知方法や認定公表日は、全日本トラック協会から今後公表される最新案内を確認してください。

 

 

Gマークの評価区分と点数

Gマークは、次の3区分を合計100点で評価します。

評価区分主な評価内容配点基準点
Ⅰ.安全性に対する法令の遵守状況地方実施機関による巡回指導結果40点32点以上
Ⅱ.事故や違反の状況重大事故・行政処分の状況40点21点以上
Ⅲ.安全性に対する取組の積極性安全教育・健康管理・安全会議等の自主的取組20点12点以上

従来制度では評価区分Ⅲが12項目で構成されていましたが、2023年度から4グループ・18項目へ再編され、2026年度もこの方式が採用されています。

2026年度は、評価区分Ⅰが25項目、評価区分Ⅱが2項目、評価区分Ⅲが4グループ・18候補項目で構成されています。

 

評価区分Ⅰ|安全性に対する法令の遵守状況

評価区分Ⅰでは、地方実施機関が行う巡回指導の結果を用いて、法令遵守の状況を評価します。2026年度の対象期間は、2025年7月1日から2026年10月31日までです。主な評価内容は次のとおりです。

  • 事故記録・運転者台帳・車両台帳の整備
  • 運行管理規程・整備管理規程の整備
  • 必要な運転者の確保・過労防止を考慮した勤務・乗務管理
  • 点呼の実施・記録・保存・乗務記録・運行指示書等の整備
  • 運転者への指導監督・適性診断
  • 日常点検・定期点検整備・就業規則・36協定・健康診断
  • 運輸安全マネジメント

2026年度は、巡回指導25項目40点満点で評価します。

巡回指導後に改善しても原則として加点されない

巡回指導で「適」と判定された項目は加点され、「否」の項目は加点されません。巡回指導後に改善しても、評価区分Ⅰの点数には原則として加算されません。また、巡回指導時に書類不足等で判定できなかった項目も加点されません。一方、認定要件である「法に基づく認可申請・届出・報告」や「社会保険等の加入」について改善を求められた場合は、所定の期限内に手続きを完了し、改善報告を行うことで認定要件を満たせる場合があります。

 

評価区分Ⅱ|事故や違反の状況

評価区分Ⅱでは、国土交通省から提供される事故・行政処分の情報をもとに評価します。2026年度の対象期間は、2023年12月1日から2026年11月30日までです。

事故の実績

申請営業所の事業用自動車が、自動車事故報告規則第2条各号に定める事故について、有責の第一当事者となった場合、事故の評価は0点となり、Gマークの認定を受けられません。過失割合等を判断できる資料がある場合は、自動車事故報告書とあわせて提出できます。

  • 保険会社が発行した過失割合等の資料
  • 裁判所・検察庁等が発行した処分関係資料
  • 交通事故証明書・運転記録証明書
  • 事故の詳細を記載した報告書・自認書・弁明書等

行政処分の実績

行政処分の評価は20点を基礎とし、2026年11月30日時点の累積点数に応じて減点されます。累積点数が20点以上の場合は0点です。20点未満の場合は、「20点-累積点数」で評価点を計算します。

 

評価区分Ⅲ|安全性に対する取組の積極性

「安全性に対する取組の積極性」は、2023年度から4グループ・18項目へ再編されており、2026年度もこの評価方式が採用されています。評価区分Ⅲは2026年7月1日を基準日として評価されますが、評価対象期間、必要な実施回数、対象人数、継続実施の条件などは18項目ごとに異なります。

【注意】

2026年7月2日以降に新たに実施した取組は、2026年度の評価実績には含められません。申請前に、選択する各項目の対象期間・必要回数・対象人数・挙証資料を確認してください。

グループ1|運転者等の指導・教育(最低1項目・最大3項目)

  • 自社内独自の運転者研修等の実施
  • 外部の研修機関・研修会への運転者等の派遣
  • 定期的な運転記録証明書の入手による事故・違反実績の把握と指導
  • 省エネ運転の実施と結果に基づく個別指導教育

各項目は原則3点で、取組人数・対象者等によって1点となる場合があります。グループ1では最低1点以上が必要です。

グループ2|輸送の安全に関する会議・QC活動(最低1項目・最大2項目)

  • 事業所内での安全対策会議の定期的な実施
  • 事業所内での安全に関するQC活動の定期的な実施
  • 荷主企業・協力会社等との安全対策会議の定期的な実施
  • 交通事故防止・安全意識向上に向けた取組の実施

各項目は2点で、グループ2では最低2点以上が必要です。

グループ3|法定基準を上回る対策(最低1項目・最大2項目)

  • 特定運転者以外への計画的な適性診断(一般診断)
  • 健康診断結果のフォローアップ、脳検査、心電計、SAS検査等の健康起因事故防止対策
  • 車両の安全性を向上させる装置の装着
  • ドライバーの時間外労働時間短縮の取組

各項目は原則2点で、取組内容等によって1点となる場合があります。グループ3では最低1点以上が必要です。

グループ4|その他の取組(最低1項目・最大3項目)

  • 健康起因事故防止に向けた取組
  • 輸送に係る安全・環境に関する認証や認定の取得
  • 国が認定する第三者機関による運輸安全マネジメント評価の受審
  • 過去3年間以内の行政・外部機関・トラック協会による安全表彰
  • リアルタイムGPS運行管理システム等の先進的運行管理システムの導入
  • 自社独自の無事故運転者表彰制度または省エネ運転認定制度の活用

各項目は1点で、グループ4では最低1点以上が必要です。

 

Gマークの認定要件

Gマークは、合計80点以上だけで認定されるわけではありません。2026年度は、次の要件をすべて満たす必要があります。

  1. 評価区分Ⅰ~Ⅲの合計が100点中80点以上であること
  2. 評価区分Ⅰが40点中32点以上であること
  3. 評価区分Ⅱが40点中21点以上であること
  4. 評価区分Ⅲが20点中12点以上であること
  5. 評価区分Ⅲの4グループすべてで得点すること
  6. グループ1で1点以上、グループ2で2点以上、グループ3で1点以上、グループ4で1点以上を取得すること
  7. 法に基づく認可申請、届出、報告が適正に行われていること
  8. 社会保険等への加入が適正に行われていること

申請前に点数だけを確認するのではなく、事業計画変更、増減車、営業所・車庫の変更、運行管理者・整備管理者の選任、事業報告書等の提出、社会保険の加入状況も確認してください。

 

認定後に交付・使用できるもの

認定要件を満たした営業所には、認定証が授与されます。また、認定有効期間中は、Gマーク、認定ステッカー、認定ワッペンを安全性優良事業所の証しとして使用できます。

【注意】

従来認定証等へ同封されていた認定ステッカー5枚・認定ワッペン5枚・認定証ケースの無償交付は終了しています。認定ステッカーやワッペンが必要な場合は、認定後に案内される方法で購入します。認定を受けていない営業所や車両への貼付、有効期限終了後の使用、偽造・変造などは不正使用となります。是正されない場合は、認定取消しの対象になることがあります。

 

Gマーク申請から認定までにかかる期間

2026年度は、申請受付が7月1日から14日、認定・公表が12月中旬に予定されています。申請受付から評価結果の通知までは、およそ5〜6か月です。

ただし、Gマークの取得準備は申請期間の直前から始めるものではありません。巡回指導の対象期間、事故・行政処分の対象期間、安全教育・健康管理等の取組期間が設定されているため、申請年度より前から継続的に準備する必要があります。

 

Gマーク申請に関するよくある質問

Q. 申請料はいくらですか?

2026年度の申請料は無料です。2025年度から複写式申請書と申請書の実費徴収が廃止されています。

Q. 紙の申請書で申請できますか?

手書きの申請書は廃止されており、原則としてWeb申請システムを利用します。Web申請システムの利用が困難な場合は、申請営業所を管轄する都道府県トラック協会へ相談してください。

Q. 申請書類を郵送できますか?

新規申請や一部の更新申請で必要となる挙証書類は、地方実施機関へ郵送できます。2026年度は2026年7月14日必着でした。追跡可能な方法で発送し、提出資料の控えを保存してください。

Q. 会社が設立から3年以上なら申請できますか?

会社設立から3年ではなく、申請する営業所が運輸を開始してから3年を経過している必要があります。2026年度は、2026年7月1日を含む過去3年間、継続して事業を行っていることが要件です。

Q. 車両が4両の営業所でも申請できますか?

できません。申請営業所に配置する事業用自動車が5両以上であることが申請資格です。

Q. 対象期間中に事故を起こすと必ず認定されませんか?

すべての事故が直ちに不認定となるわけではありません。申請営業所の事業用自動車が、自動車事故報告規則第2条各号に定める事故について、有責の第一当事者となった場合は認定されません。過失の有無を確認できる資料がある場合は、自動車事故報告書とあわせて提出してください。

Q. 合計80点を取れば認定されますか?

合計80点以上だけでは認定されません。各評価区分の基準点、評価区分Ⅲの4グループの基準点、法定の認可・届出・報告、社会保険等の加入状況をすべて満たす必要があります。

Q. 2026年7月以降に行った安全会議や研修も評価されますか?

2026年度の評価区分Ⅲは、2026年7月1日を基準日として評価されます。評価対象期間は項目ごとに異なり、2025年7月2日から2026年7月1日までの1年間を確認する項目や、複数年の実績を確認する項目があります。2026年7月2日以降に新たに実施した取組は、2026年度の評価実績には含められません。

まとめ

Gマークは一般貨物自動車運送事業または特定貨物自動車運送事業を行う営業所の安全性を、全日本トラック協会が評価・認定する制度です。新規申請では、運輸開始後3年を経過していること、配置する事業用自動車が5両以上であることなどの申請資格を満たす必要があります。

2026年度はWeb申請が原則で、申請料は無料です。新規申請等では、評価区分Ⅲを証明する挙証書類を地方実施機関へ提出します。評価は「安全性に対する法令の遵守状況」40点、「事故や違反の状況」40点、「安全性に対する取組の積極性」20点の合計100点で行われます。

認定には合計80点以上に加え、各区分と4グループの基準点、法定の認可・届出・報告、社会保険等の加入要件をすべて満たす必要があります。「安全性に対する取組の積極性」は2023年度から4グループ・18項目へ再編されており、各項目で評価対象期間、必要な実施回数、対象人数などが異なるため、申請案内に記載された判断基準を個別に確認することが重要です。

申請受付から認定結果の通知までは約5〜6か月ですが、評価対象となる取組や巡回指導の対象期間は申請前から始まっています。申請年度だけでなく、日常的に帳票・法定手続・安全教育・健康管理・事故防止対策を継続することが重要です。

【参考文献】

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
行政書士法人シフトアップ 代表社員 川合智

川合 智

12年間の運送会社勤務経験を持ち、累計相談数は10,000件以上。運行管理者・配車・総務経理など運送事業の現場を知り尽くした圧倒的な業務ノウハウを基に運送業、貸切バス、介護タクシー、産廃収集運搬などの許認可をメインに日本全国対応で力強くサポート。
【保有資格】行政書士【商工会議所】名古屋商工会議所【著書】 トラック運送業の運輸局監査対策行政書士のための運送業許可申請のはじめ方

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