産廃収集運搬業を始めるためには、産廃の積み下ろしをする地域の都道府県知事の許可が必要です。
産業廃棄物収集運搬の資格(許可)を取得するために、絶対にクリアしなければならない条件の1つが「指定講習会の受講と修了試験への合格」です。しかし、その試験の難易度や合格率のリアルな水準までは、まだ詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、産廃収集運搬業の許可取得に欠かせない講習の内容や、気になる修了試験の難易度・費用・合格率、2026年現在の最新の受講スタイルにいたるまで分かりやすく解説しています。産廃収集運搬業への参入を考えている事業者様はぜひご参考にしてください。
産廃収集運搬業許可の取得・更新に必要な講習とは?
産業廃棄物の収集・運搬をする「産廃収集運搬業(正確には産業廃棄物収集運搬業と言います)」を行うには許可が必要です。許可を取得するにはさまざまな要件を満たしていなければなりません。
その要件の1つが、公益社団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が主催している「講習会の受講」です。
それでは、産廃収集運搬業の許可取得に必須の講習について、内容や対象者、費用など、基本的な情報を以下で見ていきましょう。
講習の内容
講習は、
- 新規許可申請講習会(正確には産業廃棄物収集運・搬課程 新規)
- 更新許可申請講習会(正確には産業廃棄物収集・運搬課程 更新)
の2種類が存在します。初めて産廃収集運搬業を行う方は新規許可申請講習会(産業廃棄物収集運・搬課程 新規)を受講しましょう。
※以下、主に新規申請講習会についてのご説明となります。
講習会の内容は、廃棄物処理法に基づいて産業廃棄物の適正な処理を行うために必要な専門的知識と技能を修得するための座学となります。
2026年現在の実務においては、「自社や自宅のパソコン・タブレットでオンライン講義動画を視聴(受講)」したのち、「各自が選択した日時に指定のリアル会場へ出向いて修了試験のみを受験する」という2段階の受講スタイルが完全に定着しています。
会場に2日間拘束される時間を大幅に短縮できるため、多忙な経営者にとっては非常に大きなメリットと言えるでしょう。
なお、会社にパソコンやインターネット環境がない方は、地域の会場へ出向き、講義ビデオを視聴してから試験を受ける個別視聴型のスタイルを選択することも可能です。
受講者について
個人で産廃収集運搬業を行う場合は事業主本人が受講者となります。法人の場合は、代表取締役が受講するのが望ましいとされていますが、登記上の役員(監査役を除く)のうちいずれか1人が受講すれば構いません。
なお、学歴や実務経験といった受講資格は特にないのでご安心ください。
受講に必要な費用
2026年現在、産廃収集運搬業の新規講習にかかる最新の受講費用は以下の通りです。
- インターネットによるオンライン申込の場合:30,400円
- 紙の申込書を郵送して行う場合:30,900円
支払い事務の手間やコストを考えても、ネット申し込みが圧倒的にお得でスムーズです。
受講日数と受講時間
オンライン講義の総受講時間は約11〜12時間程度となります。「行政概論」「業務管理」「環境概論」「安全衛生管理」「収集・運搬」の全プログラムをWEB上で全て視聴し終えた段階で、現地での修了試験への受験資格(予約権)が手に入ります。
講習が開催される場所と受講者の住所の関係について
修了試験の会場は各都道府県に設置されています。受講者の住所(法人の本店所在地)に関係なく、全国どこの会場で試験を受けて合格しても、すべての自治体(都道府県・政令指定都市)への許可申請に有効な修了証として使用できます。
講習会の受講で注意すること
講習の受講にあたって、いくつか注意してほしい点がありますので以下でご説明します。
早めに試験会場を予約しておく
講習の講義パートはインターネットでいつでもどこでも受講できるようになりましたが、修了試験だけは必ずリアルな試験会場へ足を運んで受験しなければなりません。
試験の開催日程や定員枠は地域によって完全に異なります。特に地方都市では年間を通した開催日数が非常に少ないため、動画をのんびり見ているうちに地元の試験枠が満席になってしまい、許可を急ぐためにわざわざ遠方の都道府県まで飛行機や新幹線で試験だけを受けに行かなければならなくなるケースが多発しています。
申込が開始されたら、自社の申請スケジュールから逆算して、まずは何よりも先に「試験会場の枠」を確保することが最優先です。
講習会の後には修了試験に合格しなければいけない
すでにお伝えしたように、産廃収集運搬業の許可を取得するには、講習受講後の修了試験に合格する必要があります。試験と聞くと身構えてしまう方もいるかも知れませんね。落ち着いて試験にのぞめるよう、以下で難易度や合格率を見てみましょう。
修了試験の合格基準と合格率
試験は、正誤(〇か×)を判断する問題と、多肢選択式問題の2種類が出題されます。配点は以下の通りです。
- 行政概論:17点
- 環境概論:3点
- 安全衛生管理:5点
- 業務管理:5点
- 収集・運搬:5点
(合計:35点)
そして、合格するためには以下の3つの条件をすべてクリアしていることが必要です。
- 行政概論で12点以上の得点があること
- 行政概論以外の4科目に0点がないこと
- 全科目の合計点が25点以上であること
気になる「産業廃棄物収集運搬 資格の合格率」ですが、主催であるJWセンターの公式発表データによると、例年およそ90%〜93%前後の高い水準で推移しています。
真面目に講義を視聴していれば高確率で合格できる難易度ではありますが、逆に言えば「約1割の受講者は不合格になっている」というシビアな現実もあります。
なお、万が一不合格となった場合でも、一定期間内であれば2回まで再試験を受けることができます。しかし、その再々試験(計3回)でも合格できなかった場合は、受講料を再度支払って最初の講義動画の視聴から完全にやり直しとなってしまいますので、一発合格を目指して集中して臨みましょう。
修了証は申請に使うので大事に保管しよう
講習後の試験に合格した場合、試験から約2週間後に修了証が郵送で届きます。産廃収集運搬業の許可申請にあたっては、この修了証の原本提示(または写しの提出)が必須の要件ですので、紛失しないように社内で厳重に保管してください。
まとめ
産廃収集運搬業の許可を取得するために欠かせない講習について、ご確認いただけたでしょうか。
産業廃棄物を収集・運搬するには、産廃を適正に扱うという社会的責任が伴うため、講習を受けて知識を身に着けることが義務付けられているということです。
2026年現在はWEB講習の定着によって時間の融通は利きやすくなりましたが、試験会場の確保や高得点を取るための準備は依然として重要です。
なお、無事に試験を突破して修了証が手に入っても、実際の産廃収集運搬業許可の申請には、車両の確保、駐車場(車庫)の要件確認、納税証明書や直近の財務諸表(赤字法人の場合は追加の事業計画書)の提出など、行政書士の手を借りなければ突破が難しい複雑な書類審査が待っています。
産廃収集運搬業の確実かつスピーディーな許可取得に関することは、自動車・物流・産廃許認可のトータルサポートを行う行政書士法人シフトアップまでお気軽にご相談ください。
※講習・試験の具体的な出題内容や個別の講習申込に関するお問い合わせは当窓口では受付ておりません。JWセンターへ直接お問い合わせください。
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