一般貨物運送事業者の指導教育

コラム

一般貨物運送事業者が行う乗務員に対する指導教育と記録簿とは[様式あり]

トラック運送事業者は、ドライバーに対して輸送の安全に対する指導教育を実施しなければいけません。この指導教育について詳しく知りたいという方のために教育の仕方や教育記録簿の作成方法などについて詳しく解説いたします。

 

乗務員に対する指導教育記録簿とは

トラック運送事業者は、国土交通省通達「貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導および監督の指針(以下、指導監督の指針と言います。)」に基づき、運転者に対して輸送の安全に関する指導監督を行わなければなりません。指導監督の指針に基づき実施した、運転者への指導教育について記した書類を「指導教育記録簿」と言います。

 

指導監督の指針12項目

乗務員への指導教育は、「指導監督の指針」の2に定められた下記の12項目を実施します。

1 事業用自動車を運転する場合の心構え
2 事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき事項
3 事業用自動車の構造上の特性
4 貨物の正しい積載方法
5 過積載の危険性
6 危険物を運搬する場合に留意すべき事項
7 適切な運行の経路及び当該経路における道路及び交通の状況
8 危険の予測及び回避並びに緊急時における対応方法
9 運転者の運転適性に応じた安全運転
10 交通事故に関わる運転者の生理的及び心理的要因並びにこれらへの対処方法
11 健康管理の重要性
12 安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車の適切な運転方法

 

教育記録簿に記載すべき事項

実施年月日、実施場所、実施者の氏名、出席者氏名、実施項目を記載します。出席者氏名はワードやエクセルでの入力でも署名でも構いせんが、信憑性を担保するために署名にすることをおすすめします。

 

指導教育の記録方法

指導監督記録簿と、実施した項目の資料を併せて保存します。

 

誰に対して実施するのか

パート・アルバイト、派遣運転者を含めて当該営業所で選任運転者となっている運転者全員に対して実施します。

 

誰が実施するのか

実施者に定めはありませんが、自社で指導教育を実施する場合は運転者への指導監督の責務を負う運行管理者が実施者となるのが望ましいでしょう。

 

実施回数と実施時期

12項目は1年かけて実施します。開始月に決まりはなく1月からでも、年度初めの4月からでも構いません。また、開催回数の定めもないため、月1回1項目の実施でも、年4回1回につき3項目の実施でも大丈夫です。

ただし、1年間で12項目をやり切るようにして下さい。大多数のトラック運送事業者はまとまった時間を全運転者に対して確保するのが難しいでしょう。ですので、1ヵ月に1回1項目を12回確実に実施するのが望ましいと思います。

 

実施方法

全社または営業所ごとに指導監督の指針に基づいた指導教育内容の記載されている冊子等の資料を用いて実施します。資料で代表的なものは国土交通省が公表している「自動車運送事業者が事業用自動車の運転者の対して行う一般的な指導及び監督の実施マニュアル」で、インターネットからダウンロード可能です。

この他、トラック協会なども指導監督の指針に沿った内容の冊子を制作しています。

また、損害保険会社など外部機関が実施する講習に運転者を参加させても構いません。外部機関を利用する場合は、資料の持ち帰りと議事録の作成を忘れないようにしましょう。

 

12項目を確実に実施するために行うこと

乗務員への指導教育ができていないトラック運送事業者が多いのは筆者が多数の運送会社とかかわる中で実感しています。確実に12項目を実施するために安全教育実施計画を作成し、運行管理者が計画に沿って実施するようにして下さい。

 

運転者に対する指導教育の実施で大切なこと

重要なのは実施計画に基づいて運転者への指導教育を「確実に実施する」ということです。実施計画を作っても、予定通り実施しない月があると、運転者に輸送の安全意識を根付かせることはできず、かえって「いい加減な会社」だと思われることになります。

 

よくある間違い

運転者全員に毎月実施するのは難しいからと、特定の運転者だけを対象に指導教育を実施しているトラック運送事業者がいますが、これは間違いです。指導教育は選任運転者全員に対して実施しなければいけません。

運行の都合上、実施日に参加できない運転者がいる場合でも、後日時間を作って必ず個別に指導教育を行うようにして下さい。

 

指導教育記録簿に記載すべき事項

指導教育記録簿に記載すべき項目は下記のとおりです。

1 実施年月日と実施した時刻
2 実施場所
3 実施者
4 指導教育の内容
5 出席者氏名

 

指導教育記録簿作成時によくある不備事項

指導教育記録簿だけを作成して、使用した資料を保存していないトラック運送事業者を散見します。記録簿にプラスして使用した資料を保管しないと乗務員への指導・教育を実施したとみなされない場合もあるので注意しましょう。

 

指導教育記録簿の保存期間と保存方法

営業所ごとに作成し、3年間の保存義務があります。

 

教育記録簿のダウンロードはこちら

ドライバー安全教育を実施したときの指導教育記録簿(エクセル版)のダウンロードは下のボタンをクリックまたはタップしてください。

※ダウンロード頂いた書類に関するお問い合わせは受付ておりません。

 

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川合智

川合 智

運送業許可のプロ事務所「行政書士法人シフトアップ」の社長★トラック運送会社に12年勤務後に開業。著書【行政書士のための運送業許可申請のはじめ方】★行政書士向けに運送業許可を教える「くるまスクール」主催者

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