運送業許可取得までの期間と許可の期限・更新について専門家が回答

行政書士法人シフトアップ 代表社員 川合智

川合 智

運送業許可など自動車系許認可の専門行政書士法人です。運送業、貸切バス、介護タクシー、産廃収集運搬などの許可をメインとしています。組織力でお客様の課題解決に当り、北海道から沖縄まで全国からご依頼いただいております。
【保有資格】行政書士【商工会議所】名古屋商工会議所【著書】 トラック運送業の運輸局監査対策行政書士のための運送業許可申請のはじめ方

弊社シフトアップが運送業許可取得のご依頼をいただくときに、必ず質問をいただく「運送業許可取得までの期間と期限・更新の有無」についてご説明いたします。

ご依頼はお電話で

初めてのご相談から運送業が開始できるまでの期間

弊社シフトアップのお客様では、初めてのご相談から運送業許可が取れるまでの期間は平均して約6月です。長いと1年かけて運送業を始める方もいらっしゃいます。非常に長いと感じる方も多いかと思いますが、それだけ運送業許可申請の難易度が高いということです。

どこにそんなに時間がかかるの?

と思った方のために、初めてのご相談から運送業を始めるまでの期間を分解してご説明していきます。

 

初回ご相談から運送業許可申請受付までの期間

初めて運送業許可取得のご相談を受けてから運送業許可申請の受付ができるまでの期間は、早い方で1カ月。遅いと半年以上かかる方もいらっしゃいます。弊社シフトアップのお客様の平均値は約3ヶ月です。

初回ご相談時に、営業所や駐車場の場所が決まっており、運送業許可の要件をクリアできる場所であれば早く申請書類作成が進められます。

ですが、これから営業所・駐車場の候補地を探すという方の場合は、候補地探しにかなりの時間を要する可能性が十分にあります。

 

特に、候補地を探すのに時間がかかる可能性が高いのは駐車場です。運送業に使用できる駐車場はそもそも数が多くありません。そのため、お気に入りの駐車場を探すには相当の時間がかかります。都市部へ行くほどこの傾向は強くなります。

例えば、愛知県の場合は自動車メーカーのトヨタ本社近隣の市町村では、なかなか運送業に使用する駐車場が見つかりません。

なぜなら、トヨタで製造される部品を運ぶ仕事が多いため、近隣の駐車場は多くの運送会社がすでに押さえています。

ですからトヨタ本社近隣の豊田市、刈谷市、安城市などは、なかなか駐車場が見つかりません。弊社シフトアップのお客様では豊田市、刈谷市、安城市と地域を広げて駐車場を探しながら、半年かけてようやく見つかったとおうお客様も少なくありません。

ですから、地元の大手製造業などがある地域の方は、駐車場探しにかなりの時間を要する可能性があることも考慮してください。

 

また、運送業許可申請の受付をするには、申請書類を作成する必用があります。申請書類の作成には、個人事業主や法人役員様の履歴書、車両の仕様権限を証明する書類など多種多様な書類をお客様に揃えて頂きます。

申請者様お一人で書類の収集を行う場合は、どうしても申請に必要な書類が揃うのまでの期間が長くなります。なぜなら、運送業許可を取るまでの間、別の事業をやっているため、なかなか時間が取れないという方が多いからです。

対して、申請者様以外に書類を揃えてくれる方がいる場合や、比較的時間があるという申請者様の場合は書類が揃う期間が早い傾向にあります。

ポイント

書類の準備や駐車場の選定などに時間がかかり、ご依頼から申請の受付までにかかる期間は平均して3か月。計画的に準備をしましょう。

無料電話相談はこちら

2019年改正!申請受付から許可取得までの期間

2019年11月の法改正により、運送業許可申請の受付から許可取得までの期間は4~5カ月となりました

申請から許可取得までの期間(標準処理期間と言います。)は、法改正前に比べて1カ月遅くなったことになります。法改正前は大分県や山口県など、地方の運輸局では2ヶ月で許可が出たこともありますが、基本的には早くても申請から許可取得までに4カ月かかると思っておいた方が良いでしょう。

なお、下記のような場合は申請から許可取得まで4カ月以上かかる可能性があります。

  1. 申請受付後に車両の変更や、人員の変更をして申請書類の差し替えを行った場合
  2. GWや年末年始、盆休み、4月の運輸局人事異動の時期をまたぐ場合
  3. 運輸局が何度も申請書類の補正通知をしてくる場合

3に関しては、運輸局の審査担当によるところが大きく、一度で全ての補正事項を伝えてくる担当もいれば、何度も補正の通知をしてくる担当もいます。特に人事異動の後は申請に慣れていない担当が何度も補正の通知をしてくるケースもあるため、許可取得までの期間が長くなる傾向があります。

 

補足

これまでの経験上、長野運輸局や関東運輸局は申請受付後の補正の指示が非常に細かい傾向にあります。

一度ですべての補正指示を出してくれないことも多く、補正指示→対応の繰り返しで思いがけず許可取得に至るまでの期間が長くことがあります。

 

許可取得から運輸開始までの期間

運送業許可取得から運輸開始までの期間は平均1ヶ月です。

※運輸開始とは、実際に運送業を始めることを言います。

 

運送業許可を取得したらすぐに車両を緑ナンバーに変えて運送業を開始できるわけではありません。許可取得後に提出すべき書類を提出したら、緑ナンバーへ切り替えるための「事業用自動車等連絡書」という書類が発行されます。

その書類と車両の変更登録・移転登録の書類を持参し、陸運局で車検証変更やナンバー変更を行って運送業を開始します。

早い申請者様の場合、許可取得後1週間以内に全車両を緑ナンバーへ切り替えます。遅い方だと、諸事情でナンバー切り替えに3カ月~6カ月かかる方もいらっしゃいます。

今すぐ無料相談を利用してみる

 

運送会社を作ってから運送業を始める場合は会社設立までの期間を加味する

運送業許可を取るに当たって会社を作るという方は、会社設立までの期間を考慮しなければいけません。

会社設立までの期間は平均して1ヶ月です。

ですから、初めてのご相談から運送業開始までにかかる期間6ヶ月に、会社設立の期間約1カ月をプラスして考える必要があります。

会社設立する場合は、会社の名称を決めたり、取締役の数、どこを会社の住所(本店所在地と言います。)にするか、資本金をいくらにするか、定款に記載する事業目的を何にするかなど決めるべき事項がたくんさんあります。

必用事項を決定したら、次は定款認証という作業を行い、その後資本金を振込み、法務局へ法人設立申請をします。申請から設立までは早くて約10日、遅いと3週間ほど必用です。ですから会社設立に必用な事項を決める期間と法人設立が完了するまでの期間を併せると平均して1ヶ月必用です。

 

初めてのご相談から運輸開始までの期間まとめ表

会社設立をしない場合と、する場合で初めてのご相談から運輸開始までの期間をわかりやすく表にまとめると以下のようになります。

※下記の数値はすべて平均値です。

 

【会社設立しない場合】トータル6ヶ月

区分 期間
初めてのご相談から申請受付まで 2カ月
申請受付から許可取得まで 3カ月
許可取得から運輸開始まで 1カ月

 

【会社設立をする場合】トータル7ヶ月

区分 期間
会社が設立できるまで 1カ月
初めてのご相談から申請受付まで 2カ月
申請受付から許可取得まで 3カ月
許可取得から運輸開始まで 1カ月

 

運送業許可の期限と更新について

運送業許可は、一度取ったら更新はありません。つまり、有効期限もないということです。

弊社シフトアップでは、運送業許可は何年で更新しないといけないかと質問を受けることがありますが、今のところ運送業許可の更新は必用ありません。

 

貸切バス事業許可は5年ごとの更新制が2017年から導入されています。これは軽井沢スキーバス事故で多くの死傷者が出て社会問題になったことが理由です。更新制の導入により、運転者に対する安全教育などにしっかり時間と費用を費やしている事業者でなければ許可更新できなくなりました。

トラック運送業の場合は、今のところそのような動きがありませんのでご安心ください。

 

運送業許可を取るまでの期間を理解したら考えるべきこととは?

運送業許可を取るまでの期間を把握したら、次に決めることは「いつまでに運送業を始めたいのか」です。

初めての誤送んだんから実際に運送業を始めるまでの期間は平均6ヶ月。会社設立も行う場合は7カ月。ここから逆算していつから準備しないといけないかを決めるようにしてください。

例えば、会社設立なしで8月初めに運送業を開始したいのであれば

  • 初回相談:2月
  • 運送業に必用な書類の準備:2月~4月の間にすべて揃える
  • 運送業許可申請から許可取得:8月
  • 運輸開始:8月初旬

このようなスケジュール感が必要です。弊社シフトアップへご相談いただくお客様の多くは、実際に運送業を開始したい月が、初めてのご相談から半年以上先の場合は、ゆっくり準備を始めれば良いとお考えです。

しかし、実際のスケジュール感をお伝えすると、すぐに準備を始めないといけないというお話になります。思っているよりも、初回相談時から運送業を開始するまでの期間は長いということを憶えておいてください。

 

まとめ

今のところ運送業許可は有効期限のない取り切りの許可です。面倒で複雑な申請を何度もする必用がないのでご安心ください。

運送業許可を取るまでの期間については、会社設立しない場合で平均6ヶ月。会社設立をすれば平均7ヶ月の長期間に渡ります。

運送業を開始する時期が遅れると、荷主に迷惑をかける場合も出てくるかと思います。いつまでに運送業を開始したいのかを決めて準備に取り掛かるようにしてください。

運送業許可に関してご不明な点や、聞いてみたいことがあるという方は、年間相談件数430件超えの運送業専門事務所「行政書士法人シフトアップ」へお気軽にご相談ください。

無料電話相談はこちら
運送業事務|帳票で押さえるポイント10選

 

【2019年更新】運送業許可の要件が5分でわかるページ

 

ご不明な点はございませんか?

遠方からご依頼の方のためのQ&A集
運送業許可とは?必要か不要かまで徹底解説
緑ナンバー(営業ナンバー)とは?白ナンバーとの違い・メリット・取得方法を知る
【見逃しNG】運送業許可の要件が誰でも5分わかる記事
運送業の起業を失敗しないための重点ポイント
運送業の営業所増設・移転のポイントが5分でわかる記事
愛知県/岐阜県/三重県でトラック運送業専門の行政書士をお探しの方へ

 

注目!

【PR】運送業許可取得の「ホント」を知りたいあなたへ朗報!
年間相談件数430件超えのシフトアップが、お客様からよく頂く質問をもとに運送業許可を取るために本当に必要な情報をぎっしり詰め込んだ「運送業許可の教科書 2021年改訂版」をただいま無料プレゼント中。


運送業許可の教科書2021

下記フォームをご入力いただくとメールで冊子を受け取ることが出来ます。

    個人情報の取扱いについて、同意の上送信します。(確認画面は表示されません)

     

    運送業事務|帳票で押さえるポイント10選

     

    【2019年更新】運送業許可の要件が5分でわかるページ

     

    無料電話相談はこちら

    運営者 行政書士法人シフトアップ
    住所 愛知県名古屋市中村区名駅南1-23-14 ISE名古屋ビル501
    電話番号 0120-769-731
    無料相談は今すぐこちらへ!