この記事では、レンタカー業とは何か、許可申請や許可取得の要件、許可取得までの期間や、わナンバー登録方法などについて解説します。
また、レンタカー業を開業するときのメリットとデメリットについて、年間相談件数860件超えのレンタカーのプロ事務所が解説いたします。
レンタカー許可取得をご検討中の方はぜひご覧ください。
レンタカー事業許可とは
「レンタカー事業」とは、自家用自動車を他人に貸して、その利用料をもらう事業のことです。正しくは「自家用自動車有償貸渡業」と言います。
レンタカー業を行うために必要なのが「レンタカー事業許可(正しくは自家用自動車有償貸渡業登録)」です。
レンタカー事業許可申請は、国土交通大臣の許可を得るために「レンタカー事業を行う事業場(営業所)」を管轄する運輸局長あてに、貸渡約款を含む申請書類を提出して審査を受けます(道路運送法第80条)。
個人も法人も許可取得は可能
レンタカー事業は、個人事業主でも法人でも許可取得が可能です。
ただし一度、国土交通省から自家用自動車有償貸渡業の許可を受けると、後で業務形態の変更する場合はひと手間かかります。
個人で始めるか法人で始めるかは、最初にしっかり考えるようにしましょう。
小規模である場合は個人でも問題ありませんが、後々事業を大きく展開しようと考えている方は、法人での申請がおすすめです。
一般乗用旅客運送事業(タクシー)とは区別すること
レンタカー業の許可は、あくまでも自動車を貸し出す事業に対するものです。
車を貸し、さらにお客様を車に乗せて運転し、その対価として運賃をもらう、いわゆる乗合タクシーのようなサービスを提供することはできません。
たとえば、観光客などを空港や観光地巡りで送迎を行う業務を目的とする場合は、一般乗合旅客自動車運送事業の許可取得が必要です。
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レンタカー事業許可の取得に必要な要件や申請書類、費用など
レンタカー事業を行うに当たって必要な許可取得の要件や取得までの時間、申請に必要な書類、費用などについて、ざっくり解説します。
レンタカー許可の要件
レンタカー許可を取得するには、
以下の3つ「人(ヒト)・お金(カネ)・もの(モノ)」に関する要件すべてをクリアする必要があります。
要件①:人(ヒト)
許可取得には「申請者が欠格事由に該当しないこと」が前提です。
以下の欠格事由のいずれかにでも該当する場合はレンタカー業を開業することができません。
- 1年以上の懲役や禁錮刑を受けた場合、その刑の執行が終わって2年を経過していないもの
- 一般旅客自動車運送事業、特定旅客自動車運送事業、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業、自家用自動車の有償貸渡の許可取消しの処分を受けてから2年が経過していないもの
- 未成年者や成年被後見人が営業する場合、その法定代理人が前記に該当するもの
- 申請日より前の2年間に、自動車運送事業経営類似行為(白トラ、ナンバー貸しなど)で処分を受けたもの
参考サイト:自家用自動車の有償貸渡しの許可の基準について
また、以下の条件の場合は、整備管理者の確保が必要です。
- 乗車定員11人以上のバス1台以上
- 車両総重量8トン以上の大型トラックが5台以上
- その他の自動車が10台以上
参考サイト:整備管理者制度の概要|国土交通省
整備管理者は、1級整備士・2級整備士・3級整備士のいずれかの資格保有者もしくは、自動車の整備管理の実務経験が2年以上あり「整備管理者選任前講習」を修了した者から選びます。
要件②:お金(カネ)
「貸渡自動車が事故を起こした場合に備えて自動車保険に加入すること」が必要です。
最低限の金額を保証する自動車保険の内容は、以下のように定められています。
・対人保険:1名につき8,000万円以上
・対物保険:1事故につき200万円以上
・搭乗者保険:1名に月500万円以上
しかし、実際に事故が発生した場合、上記の内容では足りない場合があるということを認識しておきましょう。
対人と対物の補償は無制限にしておくことをおすすめします。
要件③:物(モノ)
「レンタカー事業に使用する車両すべてを停められる駐車場を確保していること」が必要です。
車は一か所にまとめる必要はありませんが、駐車場や車庫の場所は事務所(営業所)から直線距離で2㎞以内と決められています。
そして、レンタカーとして扱える車種にも決まりがあるため、必ず条件を確認しましょう。
- 自家用自動車
- 自家用マイクロバス(乗車定員29人以下、車両全長7m以下)
- 自家用トラック
- 特殊用途自動車(0ナンバー車・4ナンバー車)
- 2輪車
※マイクロバスをレンタカーとする場合は、2年以上のレンタカー業経営の経験が必要です。
レンタカー許可取得までの期間
レンタカー許可申請の受付から許可が出るまでの期間は、およそ1か月です。
書類に不備があった場合はそれ以上に時間がかかる場合もあるため、できるだけ余裕を持って提出しましょう。
※地域によっては1か月を待たずに許可が出ることもあります。
レンタカー許可申請に必要な書類
レンタカー業許可申請には、申請書類や貸渡約款などの作成が必要です。
【個人事業主で申請する場合】
- 自家用自動車有償貸渡許可申請書
- 貸渡料金表
- 貸渡約款
- 個人事業主の住民票
- 宣誓書
- 事務所別車種別配置車両数一覧表
- 貸渡しの実施計画を記載した書類
【法人で申請する場合】
- 自家用自動車有償貸渡許可申請書
- 貸渡料金表
- 貸渡約款
- 履歴事項全部証明書(法人の登記簿謄本)
- 宣誓書
- 事務所別車種別配置車両数一覧表
- 貸渡しの実施計画を記載した書類
※貸渡約款は、レンタカー事業を行ううえでの細かな決まり事を法的な根拠をもとに記載したものです。
レンタカーシェアリングを行う場合に必要となる書類
レンタカーシェアリングを行う場合は、上に記した書類のほかに下記の書類が必要となります。
- カーシェアリングに使用する自動車の車名および型式のわかる書類
- カーシェアリングに使用する車両の保管場所(デポジット)の所在地がわかる書類と配置図
- 上記の保管場所を管理する事務所の所在地がわかる書類
- IT等のい活用により行う車両の貸渡し状況、整備状況等車両の状況把握方法がわかる書類
- 車両、エンジンキー等の管理・貸出の方法がわかる書類
- 会員規約または契約書
- ワンウェイ方式のレンタカー型カーシェアリングを行う場合は、その実施に関する確約書
ワンウェイ方式のレンタカー型カーシェアリングとは
ワンウェイ方式のレンタカー型カーシェアリングとは、レンタル車両の返却が貸渡し時の車両配置事務所に返還しなくても良い形態、つまり乗り捨て可能な形態のことを言います。
例えば、通常のレンタカーはレンタル車両の貸渡を行った事務所へ車両を返還しないといけません。
対して、ワンウェイ方式のレンタカー型カーシェアリングは貸渡しを行った事務所以外の事務所へ返還が可能です。
レンタカー事業開業に必要な費用
レンタカー事業を開業する際にかかる費用は、主に下記のとおりです。
※お客様の置かれた状況により変動します。
- レンタカー許可取得を行政書士に依頼する場合の手数料
- 登録免許税9万円(※必須)
- 車両を購入する場合は、その費用
- レンタル車両を駐車する駐車場を借りる場合は、その賃料
- カーシェアリングを行う場合は、アプリやシステムの開発費用
わナンバー登録はどのように行うのか?
レンタル車両のわナンバー登録は、地域によって方法が少し異なります。
【中部地域】
レンタカー許可取得と同時に交付される「レンタカー事業者である証明書」をわナンバー登録する車両台数分コピーし、車両の変更・移転登録申請書と併せて営業所を管轄する陸運局へ提出します。
【その他の地域】
運輸局で「事業用自動車等連絡書」の交付を受け、車両の変更・移転登録申請書と併せて営業所を管轄する陸運局でわナンバー登録を行います。
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レンタカー許可申請に必要な書類と許可取得後に管理すべき書類のまとめ
レンタカー事業許可取得後のは、事業が適正に行われているかを確認する帳票類の提出が義務付けられています。名駅の「行政書士法人シフトアップ」では、帳票類をデータにて無料で提供しております。お気軽にお問い合わせください。
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レンタカー許可申請は行政書士に依頼した方が良いのか?
ご自身でレンタカー許可申請を行う場合、インターネットで申請書の書き方を調べたり、事業所管轄の運輸支局(名古屋市は愛知運輸支局)まで足を運ぶなどの時間が必要です。
すでに中古自動車販売業や自動車整備業などの事業を営んでいらっしゃる場合は、事業を休んで平日の昼間に申請に行かなくてはなりません。
さらに書類に不備があれば何度も訂正するなど、直接の売上を生まない時間を費やすことになります。
この「売上を上げない時間をどう考えるか」を行政書士に依頼するかどうかの判断基準にするとよいかと思います。
弊社シフトアップでは、レンタカー許可申請書類を最短1日で作成します。
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レンタカー事業許可申請コースの報酬
自家用車などをレンタルするための許可を取得する場合の当事務所手数料と、国に治める税金などの一覧です。
ご不明な点がございましたら【無料相談受付窓口 フリーダイヤル 0120-769-731】まで遠慮なくお問い合わせください。
※全国対応しております。
| サービス名 | 報酬額(税別) | 法定費用(税別) | 費用合計 |
| レンタカー事業許可 | 58,000円 | 90,000円 | 148,000円 |
| 対応内容:書類作成、提出代行など | |||
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レンタカー業開業の3つメリットと2つのデメリット
レンタカー業で開業するときのメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット1|工場代車で売上アップ
例【整備工場が修理時に貸し出す車両が工場代車の場合】
自動車整備工場が修理時に貸出す車両が工場代車の場合、自動車保険の代車特約による代車代を保険会社に請求しても、車種による平均的な金額しか支払われません。
カローラクラスで1日5,000円ほどです。
しかし、ここでレンタカー事業の許可を取得していると、レンタカー代は自社で決めた金額を請求できます。(※あまりに過大な請求はできませんのでご注意ください。)
自社で決めた貸渡しの金額がカローラクラスで8,000円と定めれば、保険会社には「8,000円×貸渡の日数」を請求できます。
つまり、今まで無料で貸し出していた工場代車が、利益を生むようになるのです。
メリット2|眠っていた下取り車で売上アップ
眠っている下取り車はありませんか?下取りした車両をそのまま放置した場合、何も利益を生みません。
抹消登録をしない限りは自動車税までかかってしまいます。
レンタカー事業許可を取得すると、その下取り車をレンタカーとして車検時の代車等にして貸し出せます。
車検費用に上乗せして、レンタカー費用を利用者からいただけることになります。
メリット3|フロント商品としての利用
自動車販売業などではレンタカーを貸し出すことで利用者の潜在的なニーズを引き出して購買欲をそそり、自動車販売につなげられます。
レンタカーサービスは、フロント商品やバックエンド商品として自動車を販売することが可能です。人間は大きな買い物をするには時間を必要とします。
レンタカーとして安く貸出すことで自動車購入がしやすくなり、顧客の自動車購入までの時間も短縮できます。
ボルボが車検時や事故時に同様のことをしているのは、正にお客様の購買意欲をかきたてるためですね。
※フロント商品とは、一番購入して欲しい商品(バックエンド商品と言います)を購入してもらうために提供する、お客様が手に取りやすい商品のことです。
デメリット1|開業には市場ニーズの把握が必要
自動車整備工場などは、下取り車をレンタカーとして登録すれば経費はさほどかかるものではありません。
しかし、そういった仕入の経路がない場合はコストがかかるので、どの程度の需要があるかを見極めて導入しないと利益を生み出せません。
また、レンタカーの利用者は慣れていない車を運転するため、事故の確率が高まります。
利用者が事故を起こした場合に、自社の自動車保険を使って対応すれば当然保険料は上がります。
デメリット2|自動車任意保険料のアップ
レンタル車両としてわナンバー登録した車両は、自家用車に比べて自動車任意保険の支払い金額が高くなります。
これは、不特定多数の利用者が使用すると事故の確率が高くなるからです。
保険会社は事故をする確率の高さで保険料を決めるので仕方ありません。
デメリット3|事故の確率が高い
前述したように、レンタル車両では不特定多数の利用者が運転します。
利用者は運転に慣れていない自動車に乗るわけですから、当然事故の確率が高くなります。
レンタル車両の事故時に、ご自身の自動車保険か利用者の自動車保険のどちらを選択するかは自由です。
しかし、最近では自動車を所有していても民間の任意保険に加入していない方がたくさんいます。
事故に備えて、車両貸渡しの際に1日単位で加入できるドライバー保険などへの加入を義務付けるなどの対策を取りましょう。
レンタカー協会へ加入すべきか?
この記事の筆者は、レンタカー協会へ話を聞きに行ったこともありますが、レンタカー協会加入はレンタカー事業者にはあまりメリットがないと感じました。
会費を支払っても、会報が送られてくるだけの印象を受けたからです(レンタカー協会が悪いと言っているわけではありません)。
協会へ加入するかどうかは最終的にお客様の判断するところになりますので、筆者の感想は参考にしていただければと思います。
まとめ
レンタカー許可申請と、開業におけるメリットとデメリットをまとめました。
わナンバー登録する車両を安価で仕入れるか、すでに車両をお持ちの方であれば参入は比較的簡単な事業です。
弊社シフトアップで月平均10件ほどのレンタカー許可申請のご依頼を頂いている事実がその証拠と言えます。
「レンタカー事業許可」は、年間相談件数860件超えの自動車系許可のプロ事務所行政書士法人シフトアップへ、お気軽にお問い合わせください。
レンタカー事業許可についてだけではなく、開業についてのご相談にも対応しております。ただいま全国対応中です。
レンタカー許可申請対応済み地域
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