最近は、スマホの普及によって簡単に情報収集できるようになりました。そのため、運送業許可を取ろうとしている人には、ご自身で調べて市街化調整区域にある営業所や駐車場を使用してトラック運送業の営業所登録できないことを知っている方が多くなっています。
しかし、まだまだ誤解が多いというのが正直な感想です。
市街化調整区域にある建物は、何が合っても運送業の営業所登録が不可能というわけではありません。ハードルは高いものの場合によっては許可取得が可能です。
以下で、どんな場合に市街化調整区域でも運送業の営業所登録できるのか、優しく解説していきます。
市街化調整区域にある建物で運送業の営業許登録できるケース
既存宅地という場所であるケース
日本の土地には「地目(ちもく)」というものがあります。地目とは、その土地の使用方法をわかりやすくするための区分です。
この地目が宅地であり、さらに「既存宅地」である場合は、その土地に建っている建物を運送業に使用する営業所と休憩室として使用することが基本的に可能になります。
宅地?既存宅地?
と思った方のために、用語の解説をしていきます。
宅地とは建物が建てられる場所のこと
建物を建てるためには、地目が「宅地」である必要があります。では宅地であればどんなケースでも建物が建てられるかかというとそうではありません。
市街化調整区域の中にある宅地の場合は、いつ頃、宅地になったかが建物を建てられる場所かどうかの分かれ目となります。
市町村によってことなりますが、昭和45年4月ごろ、既に「宅地」となっていた場所であれば建物を建てても良い場所ということになります。したがって、既存宅地に建っている建物であれば基本的には運送業に使用する営業所や休憩室として使用することが可能です。
※実際には、もっと細かな条件が決められていますが、分かりやすさ追求のため割愛しています。「市街化調整区域に建っている建物を利用して運送業の営業許可を取りたい」という方はシフトアップまでお気軽にご相談ください。
開発許可が取れるケース
開発許可とは、建築の規制がある地域でも条件を満たす場所であれば開発して建物を建てても良いですよという許可のことです。
流通業務施設として開発許可を取るためには、営業所としたい建物が建っている、またはこれから建設する場所が以下のような条件に合致する必要があります。
- 4車線以上の道路に接している土地であること。
- 高速道路のインターチェンジの料金徴収所からから1km以内にあり、高速道路の出入口から建物へたどり着くまでの道の幅がすべて6m以上であること。
- 高速道路のインターチェンジの出入口または料金徴収所から5km以内にあり、建物へたどり着くまでの道路の幅が9m以上あること。
- 大型車が配置され1日80t以上の貨物が発着する施設を建てること
※上記は一つの例です。他の開発許可の条件をクリアできれば建物を建てられるケースもあります。また、都道府県や市町によって条件が少しずつ異なります。
特別積合わせの許可が取れるケース
特別積合わせとは、運送事業の種類の中の一つです。トラックが荷物を運ぶための荷さばき場で仕分けをおこない、集荷された荷物を積み合わせて他の事業場へ運送を行うものであって、その運送は定期的に行われる運送のことを言います。
上で述べた開発許可を取れる条件を満たし、特別積合わせの許可を取ると市街化調整区域であっても運送業に使用する営業所や休憩室を建設することが可能となります。
特設積み合わせの許可を取るためには、
- 公共性があること。
- 発地、着地とも複数の荷主を確保して、それぞれの営業所に積み降ろし施設が必要であること。
- 配送するルートが決まっており、毎日1往復以上の配送があること
などの条件をクリアする必要があります。
市街化調整区域内で見つけた駐車場内にどうしても営業所を置きたいというお客様から、特別積合わせの許可を取りたいというご相談をよく受けます。しかし、実際には許可の条件を満たせず90%以上のお客様が断念します。
地域によっては、特別積合わせの許可を出したがらない運輸局もあるため、許可取得のハードルを一層高めています。
最後の手段はトレーラーハウスを置くこと
市街化調整区域内にある駐車場であっても、トレーラーハウスをトラック運送業の営業所や休憩室とみなし、営業所登録することが可能です。
※一部の市町村ではトレーラーハウスを営業所とすることは認められていません。
トレーラーハウスは、その大きさにもよりますが300万円~600万円ほどで購入できます。
事業開始のための資金に余裕があるという方には、ある意味夢のような話を実現させるのがトレーラーハウスと言えますね。
令和6年現在は、つべての運輸局でトラック運送業の営業所としてトレーラーハウスを使用することを認める通達が、運輸局内部で出ています(一般には公開されていません)。
駐車場や倉庫について
駐車場は市街化調整区域にあっても大丈夫?
トラック運送業に使用する駐車場は青空駐車場であれば、基本的には市街化調整区域内であっても問題ありません。
※青空駐車場とは、屋根や庇(ひさし)のない駐車場のことです。
調整区域内にある駐車場は、運送業に使用することはできないと思っている方が大勢いますが、そんなことはないのでご安心ください。
倉庫などの建物を駐車場にする場合
倉庫など、建物の中をトラックの駐車場とする場合は話が変わってきます。ちなみに建物内部を駐車場とする場合「有蓋(ゆうがい)車庫」と言います。
有蓋車庫の場合、営業所と同様の条件が付きます。したがって
- 市街化調整区域でないこと。
- 市街化調整区域内の場合は、既存宅地であり、なおかつ、建物の使用目的が車庫として建築させていること。
- 建物の使用目的が車庫として建築されていない場合は、使用目的を車庫に変更すること
- 既存宅地の場合は、50戸連単など市町村が設ける条例をクリアできること
などの条件をクリアする必要があります。
まとめ
市街化調整区域内の営業所と駐車場を利用して運送業の営業許可が取れるケースをザックリご説明しました。
読んでいただいてわかる通り、多くのハードルを越える必要があります。実際の申請では、ここでは書ききれなかった条件が加わるケースもあるため細心の注意を払って土地・建物の購入や賃貸を決めてください。
特に市街化調整区域内の建物や駐車場を利用して営業許可を取りたいという方は、運送業許可の相談件数年間860件超えの行政書士法人シフトアップまでお気軽にご相談ください。
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