トラック運送業を始めるのに必ず必要なのがトラック。運送業許可の申請をするときにも定められた「車両の要件」を満たすことが必要です。
そこでこの記事では、車両の要件にはどんなものがあるのか、そしてハイエース5台で申請できるかなどについても言及しております。
運送業許可取得をご検討中の方は是非ご覧ください。
運送業に使用する車両(緑ナンバートラック)の要件とは
運送業許可申請では、運送事業に使用する車両(緑ナンバートラック)については以下のような条件が定められております。
- 営業所ごとに事業に使用する車両が5台以上を確保または確保予定であること(トラクタとトレーラーは併せて1台とカウントします)。
- 申請者が車両を使用する権限があることを証明する書類を提出できること。
- 車両の大きさや構造が輸送する貨物に対し適切な大きさであること。
以下で具体的に解説していきますのでご覧ください。
車両の台数は最低5台を確保または確保予定であること
運送業に使用する車両の数は、車検証上の用途欄が「貨物」となっている普通貨物車または小型貨物車が最低でも5台必用です。
車両は新車でも中古車でも構いませんが、5台の中に軽自動車や2輪車を含むことはできません。また、自家用車を緑ナンバー車両にすることもできません。
また、トラクタとトレーラーは併せて1台とカウントします。
特例|霊柩運送や一般廃棄物運送などは5台未満でも良い
霊柩運送や一般廃棄物運送は、一般貨物自動車運送事業の許可が必要となりますが、車両数は1台でも構いません。
また、貨物輸送の需要が少ないと認められている島しょの地域でも車両1台から運送業を始めることが可能です。
車両を確保または確保予定であることの意味
車両を確保または確保予定であることとは、運送業許可の申請時に車両が手元になくても車両購入済みであることが証明できれば良いということです。
中古車の場合は、売買契約書等と併せて登録識別情報や抹消登録車検証などが必用です。
新車をリース購入する場合など、車両の特定ができない場合は運送業許可申請受付後に確認書の提出などで対応します。
【補足】ローカルルール
車両5台の中に小型車を含む場合、地域によっては申請時に小型車で輸送する貨物がどんな物か運輸局へ説明書の提出が必用な場合があります。
車両の使用権原を証明する書類が提出できること
運送業許可申請時には、申請者が車両を使用できることを証明できる書類の提出が必要となります。
この要件は少々複雑なので、以下でケース別に車両を使用できる書類を解説してまいります。
車検証だけで証明できるケース
車両の使用権原があることは基本的に、車検証で証明することになります。車検証で証明する場合は、運送業許可の申請者と車検証上の所有者が同一でなければ使用権限があることになりません。
具体的には、下記のようになります。
法人の場合 | 車検証上の所有者欄に法人名が記載されていること。 |
個人事業主の場合 | 車検証上の所有者欄に事業主の氏名が記載されていること。 |
車検証+リース契約書などが必要なケース
車両をリースで購入する場合は、車検証上の所有者が申請者でないため、申請者がリース契約を交わしている証明する必用があります。
そのため、車検証に加えてリース契約書、支払明細書などが必要です。車検証上の所有者がリース会社でリース残がない場合は、車検証に加えてリースを完済したことを証明する書類を提出して残債がないことを証明します。
車検証+売買契約書などが必要なケース
個人間の売買や割賦(ローン)で車両を購入しており、車検証上の所有者が申請者となっていない場合は、車検証に加えて「割賦契約書」または「売買契約書」などが必要となります。
なお、車両を一括購入して残債はないが、車検証上の所有者を申請者に変更していない場合は、車検証に加えて以下の1と2の両方が必要となります。
- 売買契約書
- 売買契約書がない場合は、購入時の請求書と代金を支払ったことがわかる領収書や銀行の振込明細など。
車両の大きさや構造が輸送貨物に対して適切な大きさであること
たとえば、緑ナンバー車両で自動車は、一般的な2t車や4t車では運ぶことはできません。積載車を使用する必要があります。
また海上コンテナ輸送を行う場合は、トラクタとセミトレーラーなどがないとコンテナを積載して輸送することはできません。
このように、運送業許可取得後に運ぶ予定の貨物に対して適切な規格の車両でなければ車両の要件をクリアできないので注意してください。
ハイエースで運送業許可は取れるか
ハイエースであっても、車検証上の用途欄が貨物となっている貨物車であれば運送業に使用する車両の要件を満たすことができます。
また、輸送する貨物に対して適切な大きさであれば、ハイエース5台を申請車両として運送業許可を取ることは可能です。
運送業許可取得後の車体表示について
運送業許可を取得したあとは、緑ナンバー車両に必要事項を明記しなければいけないことが貨物自動車運送事業法で定められています。
具体的には、車両の両側面に事業区分と、車両の使用者の氏名または法人名などの明記が必要です。
車両の後部に会社名を表示しているトラックをよくみかけますが、車両後部は車体表示の義務はありません。
また、一般貨物自動車運送事業の場合は事業区分の表示は不要です。
以下に事業区分と表示する文字をまとめますので、一般貨物以外の取得をご検討中の方は参考にしてください。
表示する文字 | 事業区分 |
運行 | 特別積み合わせ運送に使用する運行用車両 |
限定 | 限定事業用の車両 |
特定 | 特定貨物自動車運送事業の車両 |
通運 | 第二種貨物利用運送事業のうち鉄道運送事業に使用する車両 |
航空 | 第二種貨物利用運送事業のうち航空運送に使用する車両 |
海上 | 第二種貨物利用運送事業のうち船舶運行事業に使用する車両 |
今すぐ無料相談を利用してみる
運送業に使用する車両の要件でよくある質問集
Q 車両は1ナンバー車や4ナンバー車でも構いませんか?
はい、ハイエースやプロボックスなどで、車検証の「用途欄」に「貨物」と記載されている1ナンバー、4ナンバーの小型車でも構いません。
Q 車両5台の中に8ナンバーの特殊車両を含めることはできますか?
はい、8ナンバーの特殊車両で車検証上の用途欄が「貨物」となっていれば5台の中に含めることは可能です。
ただし、8ナンバー車でも、給水車やキャンピングカーなど運搬目的以外の車両は含むことができません。
Q 車両5台の中に軽貨物自動車を含むことはできますか?
いいえ、軽貨物自動車を含むことはできません。軽貨物車と125㏄以上の自動二輪車は「貨物軽自動車運送事業」のみ行うことが可能です。
Q 運送業許可申請をする前にすべての車両を揃えないといけませんか?
いいえ、運送業許可申請をする前に、運送業に使用するすべての車両を保有している必用はありません。
現車がない場合でも、売買契約書やリース契約書など、購入したことを証明する書類を提出すれば申請受付は可能です。
まとめ
運送業を行ううえで必ず必用になる車両=緑ナンバートラックの条件についてご説明しました。運送業許可申請をするためには、最低でも5台の車両を保有しているか、保有予定であることを証明しないといけません。
加えて、とにかく車検証を提出すれば良いというわけではなく運送業許可を取ったあと、申請者が車両を使用する権限があることを証明する書類の提出が必用となるのでご注意ください。
使用権限を証明する書類は、お客様ごとに様々です。弊社シフトアップの経験上、ケースによって一律に揃える書類が決まってるわけではないため、きわめて補正の対象になりやすい部分です。
運送業許可の要件|関連記事一覧
こちらの記事もよく読まれています
注目!
【PR】運送業許可取得の「ホント」を知りたいあなたへ朗報!
年間相談件数430件超えのシフトアップが、お客様からよく頂く質問をもとに運送業許可を取るために本当に必要な情報をぎっしり詰め込んだ「運送業許可の教科書 2021年改訂版」をただいま無料プレゼント中。

下記フォームをご入力いただくとメールで冊子を受け取ることが出来ます。
ご不明な点はございませんか?
遠方からご依頼の方のためのQ&A集 |
運送業許可とは?必要か不要かまで徹底解説 |
緑ナンバー(営業ナンバー)とは?白ナンバーとの違い・メリット・取得方法を知る |
【見逃しNG】運送業許可の要件が誰でも5分わかる記事 |
運送業の起業を失敗しないための重点ポイント |
運送業の営業所増設・移転のポイントが5分でわかる記事 |
愛知県/岐阜県/三重県でトラック運送業専門の行政書士をお探しの方へ |