運送業許可申請をする際は、運行管理者を確保していないと受理されません。運送業許可取得において外せない要件であり、お客様が確保に苦労なさる点でもあります。
一度、整理しておかれると許可申請時に余分な労力を使用する必用がなくなります。まずは運行管理者が運送業許可申請においてなぜ必要なのか確認して参ります。
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運行管理者とは
運行管理者、いわゆる運管(ウンカン)は運送業許可取得やその後の運送業運営においてなくてはならない存在です。例えるなら、運行管理者はサッカーで選手全員に指示を出す司令塔を務めるキャプテンです。
キャプテンは、チーム全員と意思疎通をはかり、皆が一丸となって勝利という目標を達成するための中枢となります。
運送業で言えば、ドライバー全員が「安全運行」という目標を達成しながら公共の道路を使用して、貨物自動車運送事業法や道路運送法という法令を守りながら業務遂行できるよう指示を出す役割を担います。
もし、個々のドライバーが法令というルールを守らずに運行すれば秩序は乱れ、危険運転などによる交通事故が多発してしまいますね。
そのようなことが起きないよう、ドライバー全員が安全、安心、確実な荷物の輸送を行うために運行管理者は存在します。
運行管理者の業務ってなに?
運行管理者のおこなう業務は具体的に以下のように定められています。
道路運送事業法・貨物自動車運送事業法に基づく、
- 事業用自動車に乗る運転者の乗務割(配車表)の作成
- 休憩・仮眠施設の保守管理
- 運転者の安全教育と指導監督
- 点呼による運転者の疲労・睡眠不足など健康状態の把握
- 安全運行の指示
- 事業用自動車の安全を確保するための業務
など。
※平成30年に運行管理者(補助者)が行う点呼の際に、運転者の「睡眠不足」を確認することが義務付けられました。点呼簿に睡眠不足の確認項目が入っていないトラック運送事業者は点呼を確実に行っていないことになるのでご注意ください。
注目して頂きたいのは、乗務割の作成や安全運行の指示だけでなく、ドライバーの疲労や健康状態の把握まで行い、確実に安全運行できるための役割まで運行管理者が担うことです。
したがって、表面的な点呼や運行の指示だけでは運行管理者の役割を遂行しているとは言えません。コミュニケーションを図りドライバーの心身や健康の状態をしっかり把握して運行させる義務があるということです。
運行管理者の要件
運送業許可申請では、運行管理者の選任について下記のように定められています。
- トラック1台から29台までは1人以上必ず1人以上の常勤する運行管理者がいること
- トラックが30台を超える場合は、2人以上運行管理者がいること(29台以後、1台~30台増えるごとに1人ずつ加算)
- 営業所が複数ある場合は営業所ごとに1.で定められた人数の運行管理者がいること
- 車両台数に応じて、営業所に常勤する運行管理者を許可申請時に雇用している又は採用予定であること
- 運行管理者は健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険に許可申請時、または許可取得までに加入していること(例外あり)※1
※1 個人事業主やその家族等で雇用保険、労災保険に加入できない場合は加入の必要はありません。
運行管理者に関するよくある質問
Q.運行管理者は派遣社員でも構いませんか?
A.運行管理者が派遣社員ではいけないという条件はありません。ただし、派遣社員とは2ヵ月を超えて勤務する雇用契約を結んでいなければなりません。
※運行管理者はときとして経営者にもモノ申す役割であるため、派遣社員でない、自社の社員であるほうが良い言えるでしょう。
運行管理者になる2つの方法とは?
運行管理者となるには一般に知られている方法以外に、2つの方法があります。以下で、それぞれについて詳しくご説明いたします。
方法①|試験を受験して運行管理者資格を取得する
試験を受けて運行管理者資格を取るには以下2つの要件すべてを満たす必用があります。
- 貨物運送事業での運行管理補助者の実務経験が1年以上ある者
- 運行管理者基礎講習を修了した者
上記の1または2のどちらかを満たす者が運行管理者試験に合格すれば運行管理者の資格を取得できます。
なお、運行管理者試験は年2回、3月と8月に「公益財団法人運行管理者試験センター」が実施します。
運行管理者基礎講習については、ヤマト・スタッフ・サプライや自動車事故対策機構(NASVA)、各地の自動車学校などで随時実施されています。
方法②|運行管理者試験を受けずに講習5回で資格を取得する
運行管理者試験を受けずに実務経験で運行管理者となるには、年1回、通算5回の運行管理に関する講習を受講します。
講習は自動車事故対策機構やヤマトスタッフサプライの行う運行管理者基礎講習または運行管理者一般講習を受講します。
なお、最低1回は基礎講習を受講する必用があるのでご注意ください。基礎講習・一般講習を含めた年1回の講習を受講する必用があるため、実務経験で運行管理者となるには最短で5年かかることになります。
実務経験で運管資格を取る場合の注意事項
年1回、計5回の運行管理者講習を受講して運行管理者資格を取る場合は、最初に受講した運行管理者基礎講習の受講年月日から5年を経過かしないと運管資格者証を発行してもらえません。
単純に講習を毎年5回受講したら資格がもらえるわけはないので注意してください。
おまけ|運行管理者に選任された後の一般講習について
運送業の運行管理者に選任された者は、選任された年度の3月末までに一回、その後は2年に一回の一般講習を受講してしなければなりません。
この受講を怠ると運行管理者としての条件を満たせなくなります。もし、未受講を放置したままにしておくと、運行管理者不在のまま業務運営していることになり、監査が入ったら営業停止処分の対象となりかねません。
運行管理者の一般講習受講の通知が、運輸局から送られてくることはないため、受講予定表を作成するなどして受講し忘れを防ぐようにしましょう。
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運行管理者 資格有無と兼任の可否一覧
ご依頼者様からよく質問を受ける、運行管理者、整備管理者、ドライバーとの兼任性等についてまとめております。資格の有無と兼任性 | 有無または可否 | 備考 |
---|---|---|
資格の有無 | 必用 | 運送業許可所得までに運行管理者試験に合格すれば良い。 |
整備管理者との兼任 | できる | |
ドライバーとの兼任 | できない | |
他営業所の運行管理者との兼任 | できない | |
運行管理補助者との兼任 | できない |
まとめ
運送業許可を取得するには、運行管理者資格を有している者が最低でも1人必要になります。
年1回の講習を受講している方は本当に稀なため、99%の方が試験を受けて運行管理者資格を取得することになります。運行管理者試験は1年に2回しかないため、計画的に受験してください。
当事務所にご相談頂くお客様の中には、運行管理者試験の受験日を待って、許可申請される方もいらっしゃいます。
大方のお客様は1日でも早く運送業許可を取得したいと思っています。ですから、運行管理者試験に合格するまで待つというのは大きな時間のロスになってしまうので避けたいところですね。
運行管理者についての疑問がある方は、運送業許可専門の行政書士法人シフトアップへお気軽にご相談ください。ただいま運送業許可申請は全国対応中です。
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