運送業許可の譲渡譲受の流れを詳しく解説

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運送業や運輸業などの一般貨物自動車運送事業を始めるには、「一般貨物自動車運送事業許可」(運送業許可)を取得する必要があります。

一般貨物自動車運送事業許可は譲渡や譲受が可能で、その手続きを「一般貨物自動車運送事業の譲渡譲受認可申請」と呼びます。

この記事では、運送業許可の譲渡譲受に関する申請手続きの流れや所要期間、適したケース、注意点などをわかりやすく解説します。

なお、運送業許可がイメージしづらい場合は「営業許可」や「営業権」と考えると理解しやすいでしょう。

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運送業許可の譲渡譲受認可申請の流れ

運送業許可を譲渡・譲受する際の申請から運輸開始までの流れを、順を追って確認していきましょう。

主な手続きは以下の通りです。

  1. 運送業許可譲渡の申請書提出
    必要な書類を準備し、所轄の運輸局へ申請書を提出します。
  2. 役員法令試験の受験
    新たに事業を引き継ぐ場合、一定の法令知識を確認する試験を受ける必要があります。
  3. 認可取得の通知と認可書の受理
    申請内容が審査され、認可が下りると通知が届きます。認可書の受領もこの段階で行います。
  4. 運行管理者・整備管理者選任届の提出
    運行管理者や整備管理者の選任を確定し、選任届を提出します。
  5. 連絡書の交付
    運輸開始前に必要な最終的な連絡書が交付されます。
  6. 緑ナンバー取得と自動車任意保険の加入
    車両に緑ナンバーを取得し、必要な自動車任意保険に加入します。加入証明書も提出が必要です。
  7. 運輸事業を開始
    すべての準備が整ったら、いよいよ運輸事業をスタートできます。
  8. 巡回指導
    運輸開始後、運輸局による巡回指導を受け、適切な運営が行われているか確認されます。

以下で、それぞれのステップについて簡単に説明します。

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1.運送業許可譲渡の申請書提出

営業所や駐車場の実地調査を終え、譲渡物を確定した後に、一般貨物自動車運送事業の譲渡譲受認可申請書を作成します。

必要な添付書類を揃え、営業所を管轄する地方運輸局へ提出します。

 

2.役員法令試験の受験

申請書類を提出した後、最初に迎える奇数月に法令試験を受験します。

受験資格は以下の通りです。

  • 個人事業主の場合::事業主本人
  • 法人の場合:常勤の役員のうち1人

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3.認可取得の通知と認可書の受理

法令試験に合格し認可が下りると、運輸局または弊社シフトアップから連絡が入ります。

その後、地方運輸支局で「一般貨物自動車運送事業の譲渡譲受認可書」を受け取ります。

 

4.運行管理者・整備管理者選任届の提出

認可書を受け取った当日、運行管理者選任届と整備管理者選任届を営業所管轄の地方運輸支局保安課へ提出します。

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5.連絡書の交付

選任届を提出すると「事業用自動車等連絡書(普通自動車でいう車庫証明です)」が交付されます。

交付された連絡書は以下の手順に沿って提出します。

事業用自動車等連絡書発行から登録までの流れは以下のとおりです。

1.運輸支局で許認可の申請または届出を提出(代替の場合は要確認)
2.事業用自動車等連絡書の雛型をネットまたは窓口で入手する(中部運輸局の場合は1の工程の後で手渡されます)
3.記入した連絡書と諸元がわかる書類を支局の輸送部門へ提出
4.問題なければ連絡票に輸送部門の経由印が押される
5.押印された連絡票を登録部門に提出すれば登録完了

引用元:事業用自動車等連絡書とは?必要なケースや発行までの流れを解説|運送業許可.com

 

6.緑ナンバー取得と自動車任意保険の加入とその証明書類の提出

  • 緑ナンバー取得
    運送業で使用する車両を陸運局で「事業用緑ナンバー」に変更します(変更不要の場合は省略可能)。車検証上の名義変更が必要な場合は、新しい車検証を取得します。
  • 自動車任意保険加入
    必要に応じて任意保険に加入し、保険証券を準備します。

これらの変更と加入内容を証明する書類の写しを運輸局に提出します。

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7.運輸事業を開始

必要書類を運輸支局に提出を完了したら、運送業を正式に開始できます。

提出書類 例

  • 新車検証の写し保険証券の写しまたは保険加入証明
  • 事業概要書および譲渡譲受終了届
  • 認可取得の通知と認可書の受理

法令試験に合格し認可がおりたら、運輸局から弊社シフトアップに連絡が入ります。

その後、申請受付窓口である地方運輸支局で一般貨物自動車運送事業の譲渡譲受認可書を受け取ります。

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8.巡回指導

運輸事業開始から約3カ月後を目安に、適正化事業委員会による巡回指導が行われます。

日程は1カ月前に通知され、指導結果はA~Eの5段階で評価され、DまたはEの場合は行政処分の対象となります。

特に、点呼簿や日報などの帳票類は重点的に確認されるため、日々の記載を怠らないようにしましょう。

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運送業の譲渡譲受認可申請が出るまでの期間

運送業許可の譲渡・譲受認可申請は、管轄運輸局(愛知県では中部運輸支局)に提出してから認可がおりるまで3〜4カ月と決められています。

この審査期間のことを「標準審査期間」と言います。

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運送業許可の譲渡譲受が適したケース

運送業許可(営業権)の譲渡譲受を利用すれば、既存の許可を引き継ぐことが可能です。

しかし、新規で許可を申請する場合と比較して、必ずしも譲渡譲受の手続きが簡単というわけではありません。

場合によっては、譲渡譲受の方が手間やハードルが高くなることもあります。

では、具体的にどのような場合に運送業許可の譲渡譲受が適しているのでしょうか?

以下で詳しく見ていきましょう。

  • 個人事業主が会社を作る場合(法人成り)
  • 車両や人材などの経営資源を安価に譲ってもらえる場合
  • 事業ごと譲ってもらえる場合
  • 事業継承の場合

 

個人事業主が会社を作る場合(法人成り)

個人事業主としてすでに運送業許可を取得している人が、後で会社を設立する場合には、譲渡譲受が適しています。

それまで個人で行っていた運送業の物件や車両など丸ごとの移転になるため、個人を廃業して会社として新しく許可を取るよりも、許可を譲渡譲受する方が事業開始がスムーズにできます。

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車両や物件などの経営資源を安価に譲ってもらえる場合

運送業を開業する際、最も大きな負担となるのが車両や物件などの取得費用です。

しかし、許可の譲渡譲受を利用することで、これらの経営資源を安価に引き継ぐことができる場合があります。

このような場合、開業時の初期費用を大幅に抑えられる可能性があります。

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事業ごと譲ってもらえる場合

後継者不足で運送業界からの撤退を検討する経営者も少なくありません。

また、運送業界の2024年問題に伴う働き方改革や労働環境の厳しさから、経営の継続が難しいと判断するケースも増えつつあります。

こうした状況では、許認可のみならず顧客や設備など丸ごと譲渡される場合もあるでしょう。これにより新規参入時に必要な準備を大幅に短縮することが可能になります。

もともと人手が不足していた業界で、働き方改革によるドライバーの勤務時間の制限がさまざまな「揺れ」として影響を与えています。

しかし、競合他社の閉業が増えることは、結果的に新規参入者にとって競争相手が減りますので、仕事を得やすい環境になるといったメリットも期待できます。

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事業継承の場合

個人で運送業を経営している方が高齢化などの理由で廃業を検討する際、従業員のドライバーなど信頼できる個人に事業を引き継ぐケースがあります。

このような場合、事業継承という形を取ることが可能です。

事業継承の場合は、新たに許可を申請するよりも、既存の許可を譲り受ける譲渡譲受の方が効率的で適している場合が多く、スムーズな引き継ぎが期待できます。

特に、既存の顧客や設備がそのまま活用できるため、新規申請よりも早く事業を再スタートできるメリットがあります。

 

運送業許可の譲渡譲受をする際の注意点

運送業許可の譲渡譲受をする場合には、いくつか注意点があります。

特に注意すべき以下の3点について、確認しておきましょう。

  • 対象を特定する
  • 資金を十分に準備する
  • 事業計画を準備する

 

譲渡譲受の対象を特定する

譲渡は運送業許可のみなのか、営業所や休憩睡眠施設、車庫などは含むのかといった譲渡譲受の対象について特定しなければなりません。

その際、譲渡側に行政処分がないか、もしも行政処分を受けている場合はその内容はどのようなものかという精査が必要です。

また、営業所や車庫の使用権限については、譲渡人がそれらを借りているかどうかを確認しましょう。

借りている場合には賃借権の引継ぎ確認のため、物件所有者との相談も必要です。

なお、物件所有者が譲受側への賃借権を認めないことや賃料の値上げが条件になることもあるため、引継ぎ交渉は譲渡譲受の初期に確認するようにしましょう。

 

資金を十分に準備する

譲渡譲受では、新規開業と比較して事業にかかる総費用を抑えられる可能性があります。しかし、それでも十分な資金の準備は欠かせません。

資金は原則として、譲受側の銀行口座にある預貯金で賄われることが条件となります。

資金が不足している場合は、金融機関からの融資を検討する必要があります。

ですが、注意すべき点として、融資は譲渡譲受が完了する前に受ける必要があり、タイミングを逃すと資金調達が間に合わなくなる可能性があります。

そのため、譲渡譲受に向けた準備段階で、しっかりと資金計画を立て、必要に応じて事前に融資の申し込みを行うことが重要です。

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事業計画を準備する

譲渡譲受認可の申請書を作成する際には、譲渡側の最新の事業計画を記載する必要があります。

そのため、譲渡側が過去に運輸局に提出した書類を確認することが重要です。もしも必要な書類が揃わない場合には、事業者台帳の情報開示請求手続きを行う必要があります。

事業者台帳の情報開示請求手続きは申請してから開示されるまで、約1カ月程度かかる場合があるため、早めに書類の控えがあるかどうかを確認しておきましょう。

スムーズに譲受譲渡を進めるためには、事前準備が欠かせません。

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まとめ

運送業許可の譲渡譲受申請の流れや期間、譲渡譲受が適しているケースについて解説しました。

行政書士法人シフトアップ」では、運送業許可に関する年間相談件数が860件以上を誇り、専門的な知識を持ったスタッフが、お客様一人ひとりにしっかりと寄り添いながら対応させていただきます。

運送業許可の譲渡譲受や事業継承について不安や疑問がある方は、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。

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行政書士法人シフトアップ 代表社員 川合智

川合 智

12年間の運送会社勤務経験を持ち、累計相談数は10,000件以上。運行管理者・配車・総務経理など運送事業の現場を知り尽くした圧倒的な業務ノウハウを基に運送業、貸切バス、介護タクシー、産廃収集運搬などの許認可をメインに日本全国対応で力強くサポート。
【保有資格】行政書士【商工会議所】名古屋商工会議所【著書】 トラック運送業の運輸局監査対策行政書士のための運送業許可申請のはじめ方

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